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妄想独房 Reiko's short storyコミュの突き落としたい 5

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握っていた拳であたしは壁を殴った。
思っていたより、壁はヤワだったらしく丁度あたしの拳のサイズの穴が開いた。
同時に娘の泣き叫ぶ声が店内に響きわたった。

『出てけ』

それでも怒鳴る事なくあたしは言う。

『ここは貴方達の来る場所じゃないから』

母親はあたしを睨みつけた。
それは娘を侮辱された為なのか、只単にお金を儲けるすべを失った為なのか判らない。

『あ〜やだやだ〜こんな乱暴な女のいる店には大事な娘を働かせられないわ』

多分それは彼女の精一杯の捨て台詞だったんだろう。
立ち上がり泣いたままの娘をおぶり歩き始めた。
何分か前に、ここに来た時と同じように。


そしてあの急な階段を下って行く。

その背中を見てあたしは両手を伸ばした。

突き落としたい

そんな感情にかられる。

このまま突き落としてあげれば、何も苦労しなくて済むんじゃない?
その方が幸せなんじゃない。
多分この母親はその足で別の店に娘を売りに行くだろう。
全ての店で断られ、自分の環境を恨むのだろう。

見送りながらもう一度両手を伸ばす。

突き落としたい…

我に返り伸ばした両手を引っ込めた。

『お気をつけて』

精一杯の見送りの言葉を、母親が階段を下りきった時にかけたが、母親は再度あたしを睨みつけただけだった。

突き落としたい…

奈落の底に…

あたしを、あたしのいる世界を侮辱したあの女を…

突き落としたい…

あたしがあの母親と話し合っている時に影で見てるだけで助けてくれなかった、あのボーイを…

突き落としたい…

あんな対応しか出来なかった自分自身を…


店内に戻り、壁の穴を見てあたしは泣いた。

悔しいのか、悲しいのか、判らない…

只ひたすら泣いた。

何か訳の判らない世界に突き落とされた自分を感じて。

自分の中で込み上げてくる何かを感じて。


end

コメント(3)

更衣ちゃんハート達(複数ハート)ネタがまだこれだから…
プライベートの切り売りは日記でやってるから。
もう少し明るいネタ探したいあせあせ(飛び散る汗)

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