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10小節のラブレターコミュの「Perfect defence」

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『この家を攻略できたら1億円』


そんな謳い文句に誘われ、俺は気がつくとこのゲームに参加してしまっていた。



目的地までは目隠しをされ、数時間走ったくらいだろうか、車を降りるとうっすらと遠くに富士山が見えた。周りに一件も民家が見当たらないのがうすら寒く思えた。



参加者は全員で5人いた。どの面を見ても、人間の底辺を生きているような人相ばかりだったことに、半ば自嘲するように笑った。俺も周りから見ればそう思われているのかも知れない。



見上げると目の前には猫の額ほどもない小さな一軒家が建っていた。これが1億円の家?主催者側の男によれば、この家屋の地下1階にある大きな箱の中身を確認できれば、無事賞金を獲得できるのだという。



順番は不公平がないようクジで決められた。俺は3番目だった。どうかその前に、男たちが成功しないようにと、ひっそりと心のなかで願った。



1番目の男が意気揚々に扉に手をかける。そのときだった。バチンッ、という鋭い炸裂音が聞こえ、男の体が宙に舞った。



次の瞬間には、男の体が見るも無惨な黒焦げとなって俺達の目の前に飛び込んできた。息する間もなく悲鳴があがる。



2番目の男は震えながらも前に進んでいった。勇気ある男だと思った。衝撃で開いた扉を恐る恐るひらき中へと入る。上がりかまちに足を踏み入れたとき、扉がバタンッと閉まり、その直後、男の断末魔の悲鳴が聞こえた。



そのとき、後ろから肩を叩かれた。「さあ、次はあなたの番ですよ」


行けるわけがない……しかし、否応なしに背中を押される。俺は覚悟した。そしていままさに、その扉に手をかけようとする――。

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