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絵画論コミュの修復というより、文化財破壊行為だ!

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ここ最近地上波テレビのニュースでもたびたび報道されて話題になっている、宗教壁画の極悪修復事件を、絵を描く人間の一人として、私も採り上げてみたいと思います。

 インターネットで、世界中に広がった事件をご存知ですよね。それらを集めて採録してみました。

 渦中の壁画は、スペインのボルハ市の教会の壁に描かれた「Ecce Homo(この人を見よ)」という絵(写真1の左端の絵が原画で、真ん中が破損状態で、右端が上塗り修正された絵)だ。この壁画は描かれてから100年が経ち劣化が進んでいた。それを気にかけていた80代の女性(写真2)が「私がやらなくちゃ!」と立ち上がり修復知識もないのに勝手に修復。  仕上がった壁画のキリスト像は毛むくじゃらのサルのようになってしまった(8月22日)。 地元では一時、苦情が殺到。もちろん市は原状回復へ動き出した。

 しかし、この壁画が報道され話題になると、週末には壁画を一目見ようと教会には数千人が押し寄せたそうだ。さらに現地ではグッズ販売など壁画フィーバーへの便乗商売も始まっていると伝えられている。
 さらに、ネット上では「壁画を元に戻さないで!」と、署名活動が始まり8月27日現在、嘆願書には1万9000人以上の署名が集まっている。
  支持者たちは「これはキリストの復活だ!」 「彼女はアーティストだと思う」
「彼女が元の壁画に与えたダメージは大きい。でも彼女の無償の愛に感動した」
「技術的には未熟だが、ユニークさと個性は本物だ」
「私はオリジナルの壁画よりはるかに素晴らしいと思う」
「誰もキリストが人間でなければならないとは言っていない」
「この“善意の修復”はすでにこの壁画の歴史の一部だ」
と熱のこもったコメントをしている。署名運動はこの嘆願書だけにとどまらずFacebookなどでも広がりを見せている。
  史上最大の悲劇と思われた修復劇がこんなに支持されるとは誰が思っただろう。しかも地元に思わぬ経済効果をもたらしているようだ。しかし、いくら善意とはいえ文化財を傷つけたことには変わりない。修復すべきかせざるべきか……教会や地元政府にとってさらに頭を悩ます問題となりそうだ。 
▼すでに2万人近い署名が集まっている、まさかこんな展開になるとは……

 有名なスペインの画家エリアス・ガルシア・マルティネス(写真3)が教会の壁に描いたこの絵の「修復」を試みたのは、セシリア・ヒメネスさん。ヒメネスさんが自分の判断で修復を試み、絵にダメージを与えてしまったこと認めたと伝えているが、ヒメネスさんは国営テレビTVEに対し、教会から修復の許可を得ていたとし、作業中に周りに人がいたが、誰にも止められなかったと主張している。
絵を修復するために美術専門家の一行が27日にも到着するという。

「史上最悪の修復劇」と呼ばれ世界中で話題となった。

「元に戻さないで!」と2万人近くの嘆願書が集まっているというが、どういうつもりで言っているのかと私は思う。
この老女は、絵を描けるとは言え。言わば地元の日曜画家といえる人だろう。絵画史とかも熟知せず。フレスコ画の技法も知らないのだろうし、名画修復法も熟知せず、油絵の具で原画の上に上塗りで、「自分だってキリストぐらい描ける」と思い込んでの勝手な独断行為である。

 面白いからいいではないかでは済まされない!!
ネットを検索して、原画の作者を捜し出しました(写真3)。
エリアス・ガルシア・マルティネス
生誕=1858 レケナ(スペイン) 死去=1934 ウティエル(スペイン)
国籍=スペイン
 ガルシア・マルティネスは生まれ育ったレケナで芸術家として出発した。バレンシアの王立サン・カルロス美術アカデミーに学び、バルセロナでも勉強を続けた。その後サラゴサに移り結婚している。1894年にはサラゴサの美術学校[4]で講師の仕事を始め、1929年に退職するまで装飾画と肖像画の講座を持った。彼は別の学校でも教授として授業を持っていたそうだ。
 この地で暮らす80歳の女性が、善意から湿気により傷んでいた絵画の修復を申し出たのだが、彼女はいわゆるアマチュアで、結果として、フレスコ画は「子供が指で描いたような絵」[6]になってしまったのである。
原画の「この人を見よ」は名画とされてきたわけではないが、「感情的な価値」はあった(私はいい絵だとおもうよ)。
 ガルシア・マルティネスの二人の子供もボルハでは有名な芸術家であり、その家族が保護のために寄付活動を行っていたのだそうだ。ボルハの市議会議員によると、再修復ができないようであればこの絵の写真でもとあった場所をおおうことを検討しているという。

 専門の修復家によれば、上塗りした油絵の具をはがすのに1年はかかるし、プロとしての本来の修復にも1年はかかり、トータル経費は2000万円かかるという。

 いいではないかと笑い話ですませれれる話ではない。 日本で例えれば、岸田劉生の『麗子像』の上に油絵の具で上塗りしたとして、「へたくそな絵になったぁ!面白い!」とみなさん言えますか? 

コメント(1)

絵が好きになったきっかけは、誰でも過去の人が描いた作品に出会って自分も描きたいと思ったはず。その時に、その作品を模写して、作家の技法を手に入れる。そっくり真似たつもりでも、模写した絵には、自分の個性が入っているはず。いろんな模写をしつつ、自分の画法を導き出していくものです。気に入った原画を塗りつぶして画法を導き出すことは出来ない。修復というなのもとに、原画を塗りつぶしてしまうなんて、原画のオーラを、きちんと観察するということをおこたっている証拠です。

彼女が塗りつぶしてしまった絵を、キリストの再来だと賞賛し、保存せよという人達は、彼女の何も疑わず、恐れず描いたことへの驚きの裏返し反応だと私はみています。

私の絵心は、泣き父の遺伝によるものです。父も、壮年になってからデッサンの修練をし、ある程度の写実力もつけました。しかし85際をすぎてから写生をしていても、観察力が堕ち、認知症になって93歳で他界しましたが、他界寸前に描いた人物画は、スペインの老女と変わらないような絵になっていました。狂ったデッサンの人物がでしたが、絵全体から、作家としての独特な暖かみは感じられる絵で、いい絵になっていました。
みんながスペインの老女の絵を見て、本当に素晴らしい絵と思っているのでしょうか?

写実を排したルオーの描くキリストなどの宗教画から、感じるオーラが彼女の絵に感じられますか?

彼女の絵が素晴らしいと思う人がおられれば、その意見をお聞かせください!

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