言語学コミュの「おせん【に】キャラメル、ラムネ【に】アンパン」の「に」

　鬼【に】金棒　　　月【に】叢雲花【に】風

これらの「に」は、接続助詞、並立助詞とされていますが、『明鏡国語辞典』では＜格助詞＞とし、

❻ 取り合わせを表す。また、同類のものを並べ挙げるのに使う。
「梅にウグイス」
「割れ鍋なべに綴とじ蓋ぶた」
「東男に京女」
「おせんにキャラメル」
「国語に算数に理科に社会」／／

と解説しています。最初に、

に
（一）《格助》　
❶ 動作・作用や状態の成立にかかわる物事を補う。物事の内容は、述部の意味により、(Ⅰ)～(Ⅴ)のような種類に分かれる。／／

と「補う」などと機能による説明をしているため、同様に「取り合わせを表す。」としていますが、これらは単純に「添加」の用法です。先に、格助詞「に」の意義を

＜助詞の話──場所を示す「に」と「で」＞という誤り
https://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=2748&id=100133867

で説明したように格助詞「に」は時間的・空間的な位置付けの認識を表します。これを「場所を表す」などという誤った解釈をしていては、何故この「おせん【に】キャラメル」の「に」が添加の意味になるのかが理解できません。「おせんに」と「に」で空間的に「おせん」を位置付け、さらにそれに「キャラメル」を並べることにより添加の意味になります。

この格助詞の意義が未だに理解できず、次のように述べられている方がみえます。

　とくに「空間的・時間的な位置付けの認識を表わ」す、って意味不明。「手段・方法の認識を表わす」って、この場合の「で」は「手段・方法」ではないだろう。日本語ではない言語で書いているようなので、真意は不明。
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12676491412.html

通常の真面(まとも)な日本語の理解力があれば何ら疑問の余地は無いと思われますが、真意は不明です。

やはり、助詞とは何かが理解できずに、付属語などという形式主義／機能主義的な発想に全く疑問を持たず、そこから抜け出せない発想、理解の限界が露呈しています。■

コメント(6)

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[1] mixiユーザー 09月25日 11:54

これらは、格助詞「に」の添加の用法とするのが正しい理解です。■

[2] mixiユーザー 09月25日 11:55

　但し、「月【に】叢雲花【に】風」と「おせん【に】キャラメル」では同じ添加でも意味が異なります。

「おせん【に】キャラメル」は相性の良い物の添加ですが、「月【に】叢雲花【に】風」は対立物の添加で、月が照っているのに雲が出、花が咲いているのに風が吹いて散るという対立的な関係の意味になります。「に」自体の意味が異なる訳ではありませんが組み合わせにより意味の相違が生まれます。

　これらは、格助詞「に」が時空間への位置付けの認識を表すが故に、対象を並置することにより添加の意義に拡張されています。■

[6] mixiユーザー 10月25日 14:52

>>[2]

＞格助詞「に」は時間的・空間的な位置付けの認識を表します。

＞この格助詞の意義が未だに理解できず、

誤りです。

言語【の定義は】概念の表現です。三浦は意識を概念化しているとまでは本の中で言及してはいません。あなたの意見が「に」の意義とは本から断言できません。三浦の本はいわゆる教則本ではなく、意義の説明というよりは使い方の説明となっていたりします。あなたは意義と使い方を混同してしまっています。

＞ (三浦、レーニンから疑え、1964年、282ページ) 言語は概念を表現する

＞ (三浦、日本語はどういう言語か、1971年、 152ページ) 空間的時間的な位置付けの【意識が】「に」で表現されます。

＞ (三浦、日本語はどういう言語か、1976年、 196ページ) 他の語に対する関係あるいは資格を示す

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