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北京波の新世紀映画水路コミュの『リバティーン』評

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ジョニー・デップが17世紀に実在した英国の放蕩詩人、ロチェスター伯爵に扮したコスチューム劇。
素晴らしい才能を有しながらも、挑発的な言動を繰り返し、酒とセックス三昧の奔放な人生の果てに33歳の若さで亡くなった孤独な天才詩人の半生を描く。
本作で製作と共に国王チャールズ二世役で出演もしているジョン・マルコヴィッチがロチェスターを演じた舞台劇を映画化。共演に「イン・アメリカ/三つの小さな願いごと」のサマンサ・モートン。
監督は新人ローレンス・ダンモア。
1660年代、王政復古のイギリス。国王の親族が居並ぶ大事な宴の席で卑猥な詩を朗読して国王の怒りを買い幽閉されていた第二代ロチェスター伯爵こと詩人のジョン・ウィルモット。
恩赦を受けて3ヵ月ぶりにロンドンへと戻ってくる。
しかし、ロンドンでは相も変わらず悪友たちと酒を酌み交わし、娼婦を抱く放蕩の日々。
そんなある日、ジョンは訪れた芝居小屋で観客のブーイングを浴びていた若い女優エリザベス・バリーに目を留める。
彼女の隠れた才能に気づいたジョンは自ら演技指導を申し出る。
悪名高いジョンを警戒して固辞するバリーだったが、ジョンの熱意に押し切られ、翌日から2人は一対一で稽古を開始するのだった。
(HPより)


またもや贅沢な体験をさせてもらった。今夜のMOVIX堺での『リバティーン』レイトの観客3人のことだ。

映画はすこぶる窮屈な映像で進む。粒子が粗く、かつ暗い。

すべてのキャラクターが肝硬変症患者のように見える。

どうやら当時の時代感覚を表現するのに、ろうそくの照明なら、その照明だけで撮影している節がある。

しかも、そのカットすべてがバスト・ショットなのである。

でも、待てよ。例えば当時の照明だけで撮影した映画ならキューブリックの傑作『バリー・リンドン』があったじゃないの。真似っこかよ。

だが、よく観ていると、この窮屈な手法が、サマンサ・モートン扮する無名女優をデップ扮するロチェスター卿が彼女を演出し才能あることをオフィーリア役で観衆に証明してみせたシーンまではそうなのだが、それ以後のカットは少しずつ変化し、バスト・ショットがミディアム・ショットなどへと変貌し少しずつインサートされる。

粗い粒子が目立った画調は、いつしかほんのりと軟らかいものも巧みに使用されてくる。

つまり、ロチェスター卿がモートンと出会って、ほぐれずにいた精神をほんの少しだが胸襟を開いていることを表現しているのである。

それが成功したかどうかは別物なのだが、彼にとってモートンとはそういう女性であったのだと言うのである。

だが、ロチェスターの心の屈折は用意には是正されるものではない。聡明で知性が高い分、その精神欺瞞や狎れ合いを拒絶するのだ。

この映画、正直言ってすこぶるの見応えである。

こういった男のどうしようもない部分を描ききって比類なし。

これほどの映画はマルコ・フェレーリの『最後の晩餐』以来ではなかろうか。

あの映画は4人の男(マルチェロ・マストロヤンニ、ウーゴ。トニャッティ、ミシェル・ピッコリなど)がある館に集まる。

娼婦も招きいれ、山海の珍味に美食三昧。

食って食って食いまくり、娼婦と交わり、食って食って食いまくり、また交わる。

ついに便壺はひり出されたもので破裂し、男たちの腹も裂ける。

食欲と肉欲・・その本能のなかに死のうと決めた男たちの話であった。

『最後の晩餐』も『リバティーン』も良識や礼節に背を向けた、背徳の美学を描いたものである。

それは男ならではのロマンチストの映画だ。

女々しさをも含めて男のどうにもならない部分を見事に描いている。

ジョニー・デップが本当に名優だと思い知る最初の作品となった。

サマンサ・モートン、ジョン・マルコヴィッチの3大スターに加え、『プライドと偏見』の姉ロザムンド・バイクが素晴らしい!

そうそう、34年ぶりに見る懐かしい顔がありました。

デップの母親のフランセスカ・アニスだ。

あのロマン・ポランスキーの『マクベス』のマクベス夫人である。

こっちも高校生だったんだもん、アニスが婆さんになっているのも仕方がないよね。

大変に上品なお婆さんではあるが・・・。(★★★☆☆)

コメント(2)

昨日観ましたが感想が浮かびませんでした。
嫌いでも面白くないわけではないんです。
「男ならではのロマンチストの映画」←なるほど!
すっきりしました。
乱交シーンが多かったけど全然いやらしく感じなかったです。
照明が暗かったせいもあったのかもしれません。
梅毒って顔が崩れるんですね。怖い、怖い。
時代とはいえ不衛生な生活に驚きました。
パンダさん

梅毒で鼻もげになるのは昔のことで、いまはあんな人はいません。

顔などにいっぱい出ていた発疹が「ばら疹」です。

淋病と違って梅毒は症状がほとんどないんですね。
淋病はなにしろ排尿痛やパンツに膿がつきますから、アホでも分かる。

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