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北京波の新世紀映画水路コミュの1960年英国映画「紳士同盟」を見る

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余剰人員とみなされリストラされた元・職業軍人のジャック・ホーキンスが国への意趣返しとして銀行強盗を計画。

軍隊をさまざまな理由で退役させられたワケありの軍人くずれたちを7人集める。

それぞれの男達が社会的にはうだつの上がらない生活を送っていて最初は反発するものの、計画の周到さと緻密さ、軍隊式の作戦計画にいつしか踏み外した自らの過去の修復を賭けて挑んでいく。

この8人の男達がそれぞれの特殊技能を生かした役割分担で見事やってのけるのだが、(この作品が嚆矢となったのではないか、と思う)思わぬきっかけで頓挫する顛末が、英国映画らしいドキュメンタリータッチ、堅いユーモアのなかに描かれる。

よくまとまっている娯楽映画で、8人の男たちの個性豊かな描かれようには感心する。

役者もいい。面白いのは後に映画監督に転じて名声を馳せる役者が2人出ていることで、子悪党時代のリチャード・アッテンボローとやさ男時代のブライアン・フォーブスだ。

この2人は数年後にフォーブスの演出、アッテンボローの名演による誘拐サスペンスの傑作『雨の午後の降霊祭』を生み出すことになる。

フォーブスは『ナバロンの要塞』などでも顔を見せるが、いかにも甘い二枚目で英国では売れなかった。

1970年の万博映画祭で公開され後に一般公開された『シャイヨの伯爵夫人』がキャサリン・ヘップバーン以下オール・スター・キャストでもっとも知られている。

またアッテンボローはこの映画あたりまではクセのある悪党役をずっと演じていたが、この後『大脱走』でのビッグXをはじめ、ロバート・アルドリッチの名脇役列伝映画『飛べ!フェニックス』やマックイーンの『砲艦サンパブロ』などアメリカ映画での大作に本格的に重用されていく。

もっとも大変にユニークな映画にも出ており永遠不滅のB級監督の鑑リチャード・O・フライシャーの隠れた佳作、ロンドンで実際におこった連続殺人事件を描いた『10番街の殺人』で10何人もの被害者を自宅の壁に塗りこめていた殺人鬼を演じたことがボクには印象強い。

それにしてもベィジル・ディアデンの演出は手堅い。

ショーン・コネリーがジーナ・ロロブリジータと共演した『わらの女』や、シネラマ大作の『カー・ツーム』などが有名だが、本作がベストだろう。

『危険な情事』の脚本を書いたジェームズ・ディアデンは彼の息子。

ホーキンスはこのあと喉頭がんで声を失うが、70年代になってもディケンズの「ディビッド・カッパフィールド」を映画化した『さすらいの旅路』などに(声を出さない役で)顔を出していた。

相当に濁声であり、池田勇人のような声だが同じ病気に倒れた。『ベン・ハー』『アラビアのロレンス』『戦場にかける橋』イギリスを代表する性格俳優のひとりだった。

(そういえば誰も知らないかもしれないが、60年代後半にはイギリス戦争映画において個性が光る存在となるナイジェル・グリーンがまったくワン・シーンだけのチョイ役ででている。) (☆☆☆★★)

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