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北京波の新世紀映画水路コミュの神楽坂ロケ地探訪ツアー(2)

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メイン・ストリートである【 神楽坂通り 】は【 神楽坂下 】から【 神楽坂上 】までのたかだか300メートルほどのものであり、その左右に嫌というほどの路地や小路、坂道が網羅されている。最初の坂を少し上りつめたところ(左側)にあるのが【 毘沙門天(善国寺) 】で、ドラマでもいやというほど登場した。

だが、ボクなんかには、この場所は1973年の映画『毘沙門天慕情』わーい(嬉しい顔)の舞台となったところである。勝新太郎が主演の『王将』と2本立てであった映画だが、森繁の弟子であった砂塚秀夫が企画制作主演したコメディ。

主人公は神楽坂のお座敷に呼ばれる幇間である。まぁ、砂塚が私財を投げ打って最初で最後の主演映画を作ったわけだが、長く森繁の弟子だったから、森繁はじめ淡島千景や三木のり平、伴淳三郎など、ビッグ・ネームたちが大挙友情出演しており、いまならそれだけでも懐かしいだろうが、何しろ土居通芳の演出は平凡なものだし、砂塚秀夫の魅力もそうあるものではないからぬるい喜劇としか言いようがない。

だが、映画はタイトル通り毘沙門天境内での重要なシーンがいくつもあり、ロケ地探訪ツアーとしてははずすわけにはいかない映画である。

■【 毘沙門天 】の少し手前右側には豚まんで有名な【 「五十番」 】exclamationがある。この店の特大の豚まんは最終回の最後のグランド・フィナーレのカット写真において時夫とお嬢さんが二人でぱくついているカットあり。

■またその近くにある【 サークルK 】はたびたび画面に登場したが、この真向かいの商店の交通標識こそは、酔っ払った澄子さんが180度開脚した標識だ。

■まぁ、ボクたちはロケ地探訪ツアーをすること、今回が3回目。少々のセット制作くらいのカモフラージュは見破ることが出来る、と思う。電球

補足:神楽坂がある新宿区は、地方のものにはいかにも東京のシンボルという感じでイメージするが、むかし牛込・四谷・淀の3区を合併させてつくった戦後の新参区である。だから神楽坂に長く住むひとたちは「牛込・神楽坂」という表現にこだわっているように思われる。

歩いてみて解るのは、歌舞伎町や都庁で新宿区を括られることに我慢ならないと思わせる時間・歴史の存在が迫ってくるからである。

☆神楽坂の東端と西端は【 外堀通り 】の角から坂道を上がって【 地下鉄東西線神楽坂口 】の少し先までの700メートルである。縦横無尽にその南北に拡がる数々の路地や坂道がなんといっても魅力で、こういう本来の地形に合わせて住居や道を作っていったこと・・・、これが優しく旅行者を慰労するのである。

それは鎌倉や須磨を代表とする「谷戸」が象徴的な住居形態である。この人間が地形に合わせて暮らすことが、なんともはや安らぎを感じさせるのだ。  

 ■神楽坂を描いた映画で忘れられない作品がある。それは市川準監督のデビュー作である『BU・SU』ハートという映画だ。それまでキンチョールのコミカルなCMで有名であった市川準に劇場映画を撮らせるという発想は、その当時(1987)でも斬新なものだった。

富田靖子扮する女子高生が田舎の方でうまくないことがあり、神楽坂の親戚の置屋に身を寄せ、東京の高校に通う。何ともいえない閉塞した孤独感が画面に溢れていて、いまなお暗い魅力を思い出す。

女子高校生でありながら、芸者になるための修行もしている主人公は高校の学園祭で“八百屋お七”を踊ることになるのだが、映画は絶妙のバランスで“お七”と主人公“麦子”を重ねあわす。思えば、市川準にいつまでも期待をかけつづけてしまうのは、処女作から『大阪物語』までの作品がいずれも素晴らしかったからだ。ハート達(複数ハート)

■そういえば、『BU・SU』のなかで着物の裾をたくし上げて富田靖子が人力車のあとを走り続けるシーンがあったが、あれも神楽坂という色街ならではの設定だよね。なんと市川準が生まれ育ったのが神楽坂だという。いつの映画にもどこかに優しく、どこかに時代遅れの頑固な一面をもつ人間が登場するのは、こんな理由であったかもしれない。

■それにしてもガイド・ブック恐るべし!どこの横丁、路地、坂道にも同じガイド・ブックを持った人々が犇いており、人気の喫茶店には「行列をなんとも思わない若者」が列をなしていた。パンチだが、これほどの観光客が押し寄せているのに日曜休業の店がいくらでもあるのは、それだけ神楽坂が生活空間であり、日曜だけに押し寄せる観光客が一時の流行にしか過ぎないといなしているためだろう。

また、それだけ、昔からの商売の仕方でやっていくだけどいいと思っている証しでもある。

(3)につづく。

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