ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

神話と神コミュのエジプト神話

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
エジプトは「ナイルの賜物」と呼ばれる。エジプトの位置するアフリカ北部の大部分は、人の住めない死の大地サハラ砂漠である。そのなかにあって、ナイル川流域の細長い地域だけは、緑豊かな土地だった。ナイルは規則的に氾濫を繰り返すが、そのたび上流から栄養を豊富に含んだ土を運んできて、農業が栄えた。

ここに住み着いたエジプト人にとって、世界は「ナイル流域」と「その外の蛮族の住む荒地」に完全に二分されるようになった。このような二元論は、エジプト神話における、生の世界と死の世界、ホルスとセトの対立などといったところにも見られる。

ナイル流域はさらに2つの地域に分かれる。ナイル下流の下エジプトと、ナイル上流の上エジプトである。上流からの栄養豊富な黒土が流れ込む下エジプトは緑豊かな土地だが、上エジプトは、川沿いに岩石の多い渓谷地帯が広がる土地で、風景がまるで違い、このため下エジプトと上エジプトが統一されてのちも、神話物語のなかで、エジプトを指して「2つの国」という言い方がよくされる。

古代エジプト文明は、プトレマイオス朝時代の紀元前30年、その最後の女王クレオパトラが自殺したのち、ローマ帝国に飲み込まれる形で姿を消した。

その後、18世紀末、ナポレオンの大遠征に際し、ロゼッタ・ストーンが発見されたことをきっかけに、近代のエジプト学が広まる。ロゼッタ・ストーンは、古代エジプトの象形文字であるヒエログリフ(聖刻文字)とデモティック(民衆文字)、さらにギリシャ文字が並べて書かれたものである。フランスの語学学者シャンポリオンは、これをもとにエジプト文字を解読した。

エジプト神話は、下エジプトのヘリオポリス、メンフィスなどの地域、大ピラミッドが作られた古王国時代、分裂と再統一の行われた中王国時代、ヒクソス人の侵攻と撃退のあとの新王国時代、といった時期や場所により異なる。また、その内容は、ラー(アトゥム)による天地と神々の創造、オシリスによる地上の治世と、その後のホルスとセトの王位継承戦争、死後の世界についての説明などがあるが、物語文学の形成をしているものは少ない。

そのなかでもオシリス神話は、例外的にギリシャの著述家プルタルコスによって、ギリシャ・ローマ文化圏に物語文学として伝わっている。これはもともと、現世のファラオの王位の正当性の根拠を裏づけるための神話とされる。

エジプト神話のテキストとしてもっとも有名なのは『死者の書』であろう。これは本来、死者が死後の世界にいたり、死者の審判の際に無罪を勝ちうるための呪文として王墓のなかに書かれたものであり、便宜的に『死者の書』と呼ばれている。

エジプト人は、人間は死んでも、魂バーと聖霊カーは不滅であると考えた。死ぬと、バーはこの世にとどまり、カーは冥界へ行くのである。そして、冥界の神オシリスの前で、死の神アヌビスによって、死者の心臓と真理マアトの象徴である羽が秤にかけられ、つりあえば死後の楽園へ入れるとされた。

カーは死後も器を必要とすると考えられ、ミイラはカーが戻ってくる場所として肉体を保存するために作られたのである。また、バーも定期的にミイラを訪れると考えられていた。マアトは真理、秩序を擬人化したもので、ラーの娘と呼ばれ、もっとも重要な女神ともいえる。歴代のファラオはマアトによって統治を行うと述べたほどであった。

エジプト神話の特徴は、太陽神のラーとアトゥム、創造神のアメンなど、各地域で発生した多くの神が同一視されるようになっていったことである。このように、ふたつ以上の神が結びつけられ、両者の属性を持つようになることを習合という。これは、下エジプトのヘリオポリス、メンフィス、上エジプトのテーベなど、各地でばらばらに発生した神話がしだいに統一され、さらに外地の異民族の神が交じりあって、同一視されるようになったためである。このため、神々の関係はじつにややこしく、親子兄弟の関係が逆だったり同一人物だったりすることも多い。

一般的にエジプト神話群のもっとも代表的な神々は、下エジプトのヘリオポリスの9柱の神々(エネアド)である。これはラー(アトゥム)を祖として、その子シュウとテフヌト、さらにその子ゲブとヌト、さらにその子オシリス、イシス、セト、ネフティスがいる。なおこの系譜には、ラーを生み出したヌウ、オシリスとイシスの子ホルスがつけ加えられる。

上エジプトのテーベではアメン、ムト、コンスの3柱神が崇拝され、中部のヘルモポリスでは8柱神(オグドアド)としてヌン、ナウネト、フフ、ハウヘト、クク、カウケト、アメン、アマネウトが崇拝されたが、のちにはヘリオポリスの神々とも習合された。さらに、地中海世界の文明が発展すると、ギリシャ、ローマ、オリエントの神々とも混ざりあってゆくことになる。

エジプトの神々のもうひとつの特徴は、動物の頭をもつ神がじつに多いことだ。太陽神ラー、その息子ホルスは鷹または隼の頭をもち、智恵の神トトは鳥のトキ、女神バステトは猫、アヌビスは犬である。このほか、鰐の頭をもつセベク、河馬の頭をもつ女神タウエレト(トエリス)、蛙の頭をもつヘケト(ヘカト)、雌獅子の頭をもつセクメト、頭がスカラベになったケプリなどがいる。

そのほとんどはナイル流域に住む生き物であり、河馬のタウエレトや蛙のヘケトなど、ふつうあまり神にはなりそうにないものまで神格化されている。鰐のセベクや獅子のセクメトは恐怖の対象でありつつ崇拝の対象でもあった。これは、エジプト人にとってナイルが非常に生活と密着した存在であり、彼らが動物たちを含めた自然を深く愛する民だったことを示している。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

神話と神 更新情報

神話と神のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング