ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

神話と神コミュの北欧神話

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
北欧神話とは、北ヨーロッパ、および東ヨーロッパに住んでいたゲルマン民族の神話のことである。

もっとも、古代ゲルマン人が生活を営んでいたのは、北ヨーロッパ、すなわち北欧に留まらない広大な範囲であった。さらに、現在でいう北欧とは、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、アイスランドの5カ国のことであるが、このうちフィンランドは、言語も民族も異なるため北欧神話文化圏ではない。

それでもこの神話を北欧神話と呼ぶのは、北のゲルマン人の土地にキリスト教が侵攻したのが比較的遅く、古代ゲルマン民族の信仰を知ることのできるいくつかの資料が、かの地に残されていたからだ。それゆえこの神話を便宜上、北欧神話と呼んでいるのである。

そんな北欧神話を今に伝える、原典ともいうべき資料が「エッダ」である。「エッダ」には、『古エッダ』と呼ばれるものと、『新エッダ』と呼ばれるものの2種類が残されている。

『古エッダ』とは、およそ9世紀から12世紀の間に作られた、古歌謡29篇を中心に構成されている。長い間にわたって集められたものであるから、この『古エッダ』には特定の作者がいない。現存する最古の『古エッダ』の写本は、17世紀に発見されたものであり、これを「王の写本」という。

いっぽう、『新エッダ』とは、別名『散文エッダ』といい、13世紀アイスランドの歴史家で政治家でもあったスノッリ・ストゥルルソンが、詩人たちのためにゲルマン神話解説書として編纂したものである。

それら『エッダ』によって伝えられてきた北欧神話の特徴を簡単にいうならば、苛烈で戦闘的な神話であるということになるだろう。これには、寒冷な北ヨーロッパの厳しい自然環境も影響しているだろうし、ノルウェー人やスウェーデン人、デンマーク人などの先祖である、土地を求めて略奪を繰り返した勇猛なヴァイキングたちによって信仰されていた宗教の影響もあるだろう。

北欧神話の神々は、ふたつの種族にわかれている。古い豊穣神の一族であるヴァン神族と、新しい戦闘神の一族であるアース神族である。このふたつの神の種族ははじめ争っていたが、やがて人質を交換しあうことで和議を結ぶ。

そして、もうひとつ北欧神話のなかで重要なのが、ヴァン、アースらの神々の一族と対立する巨人族たちである。巨人族には、嵐と岩の巨人族、火の巨人族、霜の巨人族などがおり、ことあるごとに神々と戦いを繰り広げる。それら神々や巨人族たちの登場する北欧神話の世界観は重層的であり壮大だ。

まず、全体像としては、宇宙は天上、地上、地下の3つの平面から成り立っており、その3つの平面を巨大なトリネコの樹である世界樹ユグドラシルが貫いている(ユグとはオーディンの別名、ドラシルとは「馬」の意)。そして、さらに天上、地上、地下の3つの平面は、9の世界に分かれている。

その9つとは、アース神の世界・アースガルズ、ヴァン神族の世界・ヴァナヘイム、光の精の世界・アールヴヘイム、人間の世界・ミズガルズ、巨人族の世界・ヨートゥンヘイム、火の巨人の世界・ムスペルヘイム、霧の世界・ニヴルヘイム、小人の世界・スヴァルトアールヴヘイム、死者の世界・ヘル、である。

もうひとつ、北欧神話の世界観を特徴づけるものが、最終戦争「ラグナロク」という終末観である。恐ろしい冬が3年間続いたのち、ヴィグリーズの平原において、主神オーディンに率いられた神々の一族と、神々と対立する神であるロキと霜の巨人族、それに冥府からきた死者たちや、恐るべき狼フェンリルや海の怪物ヨルムンガンドといった邪悪なものたちの間に激しい戦争が起こり、ともに滅んでしまう。それがラグナロクである。

この最終戦争と、その結末である滅びは、神々の間では前々から予言されていたことであったが、それでも宿命は避けられないのである。つまり、北欧神話においては、神々は永遠の命を持つ物ではなく、戦って滅びる存在なのだ。ここに、先に述べたような、苛烈で戦闘的という北欧神話の特徴がよく現れているといえるだろう。ちなみに、世界樹ユグドラシルだけは、ラグナロクの際も滅びることはなく、人間の夫婦リーヴとリーヴスラシルが樹のなかに隠れ、災厄から逃れたという伝承も残されている。

北欧神話の神々と人間の関係のなかで、もっとも重要なキーワードはヴァルハラであろう。ヴァルハラとは、地上の戦場で命を落とした人間の戦士たちのなかから、主神オーディンが自らの兵にするべく選んだ勇猛な者だけが住むことを許された館のことである。

オーディンに選ばれた戦士のことを、エインヘリヤル(英雄的な死者たち)といい、これになりヴァルハラで暮らすことこそが、ゲルマンの戦士のとって、もっとも栄誉なことであった。新たにエインヘリヤルの列に並ぶことを許された者は、速く流れる気流などの障害を越えてから、ヴァルグリンド(戦死者たちの聖なる格子戸)と呼ばれる扉を潜り抜け、ヴァルハラの住人となる。そして、ヴァルハラに足を踏み入れた瞬間、戦場での傷はすべて完治し、以後、果てしなく続く饗宴と戦いの日々が戦士たちを待ち受けているのである。

エインヘリヤルは、いくら食べても減らない魔法の猪のシチューを食べ、山羊の乳房から無尽蔵に出る蜜酒を飲み、毎日、練習場に出かけては、お互いに戦い、殺しあうのである。だが、何度殺されても、エインヘリヤルたちは生き返り、再びヴァルハラに戻り、酒宴を続ける。

ラグナロクが訪れる、その日まで。

コメント(1)

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

神話と神 更新情報

神話と神のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング