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海保Childrenコミュの短編小説 いつもの男 〜彼にはストローは必要ない〜 つづき

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【前回までのあらすじ】
 いつも店に同じものを買いに来る眼鏡のおっちゃん。しかしある日のおっちゃんは、いつもなら見ることができない一面を見せた。その日おっちゃんはサンドイッチ品薄のときにやってきた。あまりの商品の少なさに愕然としたおっちゃんはもうちょっと待てばサンドイッチの納品が来ることを知り、出直すことにした。が、再度店に来てみるとまだ納品は来ていなかった。いてもたってもいられなくなったおっちゃんは外でひたすら納品のトラックが来るのを待っていた。するとそこへ待望のトラックがやってきた。。。




「あぁ!来ましたね☆」

さっきまでの表情とはうって変わって満面の笑みでチョット店のドアを開けながらそう言った。

(わかってますよ。。。)

言葉が喉元まで出かかったが、僕は若干の苦笑いとともに黙って頷いた。


トラックの到着は、当初僕が予想していた時間からはだいぶ遅れていた。


しかし彼は辛抱強いものだ。いかんせん、雨のふる外で数十分も待っていたのだから

(店内で待ってりゃいいじゃん)

僕はずっとそう思っていたが、今となっては彼の信念に脱帽だ。


やがてトラックは店の前の駐車場に止まり、ドライバーが大きく店のドアを開けて何重にも積み上がった納品の山を押して入ってきた。

するとすかさず彼が一緒にその後にぴったりとついて店内に入ってきた。

そのときの彼は、まるで一緒に納品されてきた商品かとさえ思った。


僕はすかさず事務所にある検品用の機械を手に取り、そのあとを追った。


アイスケース前のいつもの検品場所に行くと、そこには台車から納品物を下ろすドライバーと、その横でジッとその様子を見る彼がいた。


彼は、ドライバーのことが気になるのではない。

その納品物の中身が気になるのだ。

ドライバーはすべての納品物を下ろし終わると忙しそうにそそくさと店を後にした。


僕は一つ一つ商品が正しい個数あるかどうか確かめ始めた。

すると突然背中にすさまじい覇気を感じた。

「彼」はまだそこにいた。

僕が検品している過程をただただジーッと見ていた。


その目線はにらみつけているようにもみえた。

(サンドイッチをだせ……はやくだせ……!!)


そんな心情がうかがいしれる鋭い目つきだ。


若干おびえながら僕は検品をしながら1つ1つ納品の山を上から下ろしていく。


しばらくすると色とりどりの艶やかな商品が姿をあらわした。


「あっ!!!☆」

思わず彼は声を上げた。



          〜さらにつづく〜

コメント(1)

じらすなぁ(笑)
あのおっさんとそんなに接することが出来てなんて幸せなんだ……

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