歳時記～季節と言葉を楽しんでコミュの立秋の次候、寒蝉鳴　（8/12-1７)　初秋　第38候

ひぐらしなく

寒蝉（かんぜん）＝ひぐらし（蜩）のこと。
寒さのくる晩秋まで声が聞かれるので「寒蝉」
ひくらし　カナカナカナ…‥と哀調を帯びた鳴き声は
夏も終わりに近づいて、秋がやってきましたことを知らせてくれますね。

とはいえ、
まだまだ暑い盛り。

かなかなと涼しそうなは蝉ばかり　（川柳/都倉求芽）

明け方や　夕暮れや　雨あがりの　気温が低い時に
カナカナカナカナ…♪　と鳴くのはいっそう秋を感じさせてくれますね。
特に夕暮れに　カナカナカナ…と、だから晩蝉（ひぐらし）とも書きます。

たっぷりと鳴くやつもいる夕ひぐらし　（金子兜太）

蝉の中でもっとも美しい鳴き声と。耳を傾けてじっくり聞いてみませんか。

蜩（ひぐらし）のほか、法師蝉（ほうしぜみ）、ちっち蝉…
まとめて秋蝉（しゅうせん）といいますね。

法師蝉は　
ｼﾞｨｼﾞｨｼﾞｨｵｰｼｨﾂｸﾂｸｵｰｼｨﾂｸﾂｸｵｰｼｨﾂｸﾂｸ
ﾂｸﾂｸﾎﾞｰｼ　ﾂｸﾂｸﾎﾞｰｼ　ﾂｸﾂｸﾎﾞｰｼｼﾞｨ---

小泉八雲は、この鳴き声を「鳥の歌そっくりの歌いぶり」と書いてます。
（「ある日本の庭で」に記載）
法師蝉も寒蝉ともいわれますね。

ﾂｸﾂｸﾎﾞｰｼ　ﾂｸﾂｸﾎﾞｰｼ　ﾊﾞｶﾘﾅﾘ　（正岡子規）

ちっち蝉は　体長３cmほどの小さい蝉。
チッチッチッとかわいい鳴き声。

賑やかにいっせいに鳴いていた夏の蝉も
秋を　あちらこちらで鳴いて淋しげですね。

我もまたもらひ泣きせん秋の蝉　（筍深）