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生活保護者の集いコミュのコロナで決めた生活保護受給 手放された犬は、ほえる気力もなかった

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https://digital.asahi.com/articles/ASR1C73V7R1BUTIL01H.html

保護とはなんだろう。

 名古屋市で20年以上、犬を保護する活動をしている「DOG DUCA」の高橋忍さん(59)は考え続けている。

 コロナ下で在宅勤務が増え、時間をもてあましている。人と会えなくてさみしい。心や時間の隙間を埋めようと、ペットへの関心は高まった。

 だが保護施設には、思ったよりほえる、思ったより走る、思ったより排泄(はいせつ)をする。そんな理由で、「保護してください」と数カ月の犬を連れてくる人も増えた。

 しつけの努力もせず、たった1週間飼っただけで連れてくる人もいた。「保護ではなくて、『捨てる』の間違いでは」。そんな言葉をのみ込み、愛情がみじんも感じられない飼い主から犬を引き離す。

 だが、あの日出会った女性は違った。

 2021年4月、女性は小さなマンションの一室で、ミニチュアダックスフントを抱きしめていた。数日前、犬を保護して欲しいと連絡してきた。

「この子を保護して」 別れ際の女性の表情は
ここから続き
 40代独身。親に先立たれ、飲食店で働いている。こぎれいな部屋に段ボールが積み重なっていた。まもなく、部屋を出なければいけないのだという。愛犬を抱きながら、ぽつぽつ話し始める。

 1年半前、毎日がさみしくてメスのダックスと暮らし始めた。両親亡き後の生活は一気に潤った。疲れて帰ってきても、「ただいま」と言える家族がいる。だから、頑張れた。この子がいる限り、戦っていこう。そう思いながら生きていたのだという。

 でも、コロナで飲食店は経営難となった。働く時間の短縮から始まり、最後は解雇された。どれだけ探しても、仕事は見つからない。電気も止められた。

 生活保護を受けることを決めた。長年住んだマンションを去り、生活保護者のためのアパートに移り住む。

 そこで、犬は飼えない。

 女性は話をしている途中に何度も「私なんて」と繰り返した。高橋さんも不安になる。この愛犬を保護することで、女性は大丈夫なのだろうか。

 だが、女性は抱きしめていた愛犬を高橋さんに渡す。その瞬間、こわばった表情は少し緩んだ。「安心しました」

 高橋さんは振り返る。「この子だけは守るという気持ちで生きてきたんでしょうね」

 犬は高橋さんの元へやってきた。丁寧にシャンプーをして、伸びきった爪や耳掃除をする。犬は一度もほえなかった。「飼い主の心の疲弊を犬は感じ取る。ほえる気力すらなかったのかもしれない」

 数週間、約40匹の保護犬らと「DOG DUCA」の施設で過ごした。まだ1歳と幼い。新しい家族が必要だ。

「プリン」の第二の人生 お兄ちゃんもできた
 21年春、愛知県豊田市に住む末吉葉子さんの元へと移り住んだ。「プリン」と名付けられた。

 末吉さんの元には、10歳を超えたオスの「チョコ」が住んでいた。チョコは、元の飼い主がアレルギーとなり、ケージに入れられっぱなしで数カ月を過ごしたカニヘンダックス。プリンは夫と2人暮らしの末吉さんにとって、5匹目の保護犬だ。高橋さんから話があり、家族に迎えることにした。

 プリンは元の飼い主が仕事で留守がちだったことから、コミュニケーションが苦手だった。家の中を駆け巡り、家具をかみ散らかす。名前を呼んでも来ない。ボールを投げても無視する。散歩中に突然、おびえたように壁に沿って歩くこともあった。

 「目が三角で、いつも気を抜いていないような状態だった」

 その頃、末吉さんもコロナで生活が激変していた。学習塾講師の仕事はオンライン授業が主となった。フラメンコ講師の仕事は、スタジオが閉鎖となり、新しいスタジオを探さなければいけなくなっていた。「元気が途絶えそうになっていた」

 そんなときに、家族になってくれた「プリン」。まだ家族としての距離は遠い。それでも、一緒にいてくれるだけでいい。

 1日5、6回散歩をした。名前を何度も呼んだ。寝ているときにそっとなで続けた。徐々に、距離は縮まる。チョコと協力して、ご飯をねだるようになっていった。名前を呼ぶと、近づいてくる。近所の子どもたちと大はしゃぎで遊ぶ。目が三角から丸くなり、優しい表情になってきたと感じる。

 「私は子どもに恵まれなかった。だからこの子たちが子どもであり家族。やんちゃだから諦めようなんて思わない」

 老犬になれば、目が見えなくなる。足も弱くなる。耳もきこえなくなる。人間のように介護保険はきかないため、お金もかかる。3匹目の保護犬は19歳まで生きた。

 「その間に、どれだけの勇気と優しさ、温かさ、愛情をくれただろう。最期は私の腕の中で幸せを感じながら逝って欲しい」

コロナ下でのペットブーム 15%が「飼ったことを後悔」
 コロナ下で在宅勤務が増えたことで、ペットブームが起きた。「ペットショップで一目ぼれ」。「さみしい心を埋めたい」。ケージやフードの準備をせずに、まるでお菓子を買うように犬を飼う人もいる。

 ペットとお金と健康相談のサービス「MOFFME」(モフミー、https://moffme.com/別ウインドウで開きます)を運営するWizleap(東京都)がコロナ下の20年4月以降にペットを飼い始めた121人に調査をしたところ、ペットを飼って後悔したことが「ある」「少しある」と答えた人は、15%にのぼった。理由について「予想以上にお金もかかるし、手間もかかる」「毎日散歩に行かなければならない」と回答した。

 「DOG DUCA」の高橋さんは、「これまでは、ある程度しつけの努力をした上で、それでもダメなんだと相談に来る人が多かった。今は一度もしつけをせずに、平気で手放す。愛情がない飼い主があまりにも多い」と言う。

 ある光景を思い出す。

 「飼い主が夜逃げしてしまった。犬が残されているらしい」。そうアパートの大家から通報を受け向かった春のこと。玄関を空けると、ガリガリに痩せた5匹の小型犬が救いを求めるように出てきた。立つのもやっとの状態だった。「よく生きていてくれた」

 そう思った矢先、リビングに大型犬の白いスタンダードプードルが横たわっているのが見えた。すでに、冷たく、硬くなっていた。

 その遺体を火葬する。これまでの犬たちと同じように骨つぼに入れて、自宅へ置いた。骨つぼは20年の活動で58個になる。

 「保護活動の中で、亡くなるその瞬間を一番大事にしたい。そばに誰がいて、どれだけの愛情を感じて死ぬことができるか。どの犬たちもそうやって最期を迎えて欲しい」

 保護団体の努力で、殺処分数は年々減っている。それでも、環境省のデータによると、20年度は4059頭の犬、1万9705頭の猫が殺処分となった。(江戸川夏樹)

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