生活保護者の集いコミュの生活保護、行きすぎた制限改善を　鈴鹿・車保有巡る裁判「支える会」

https://digital.asahi.com/articles/ASR177TH1R17ONFB002.html

　自動車の保有を巡る行政指導に従わなかったとして生活保護を停止された三重県鈴鹿市在住の2組の受給者が、処分の取り消しなどを求めて津地裁に起こした裁判を支える会の結成集会が7日、津市羽所町のアスト津であった。代理人の芦葉甫弁護士は「裁判を通じ、憲法が保障する『健康で文化的な最低限度の生活』とは何かを考えてほしい」と訴えた。

　会の名称は「鈴鹿市障害者自動車保有・利用禁止事件の裁判を支える会」。集会には、リモート参加も併せ、計約90人が出席した。

　この問題では、難病の次男（55）の通院に限って自動車の保有を認められたものの、車の運転記録を提出しなかったことを理由に生活保護を止められた女性（80）と次男が昨年10月に鈴鹿市を提訴。翌月には、身体障害者1級で、車の保有を求めたものの認められず、逆に車の資産価値を示す見積書の提出に応じなかったとして保護を止められた同市の別の女性（70）も続いた。

　集会では、代理人の太田伸二弁護士が「自動車の世帯保有率は全国で7割を超え、今や生活用品だが、生活保護行政では原則として保有が認められず、自動車を取れば保護をあきらめざるを得なかった。今回の裁判に勝ち、行きすぎた制限の改善につなげたい」と話した。

　集会に参加した原告の1人は「車を認められず、苦しい思いをしている人はたくさんいる。裁判でいい結果を出したい」と話した。（黄澈）