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生活保護者の集いコミュの子がいない「中高年単身女性」の知られざる貧困 女性活躍の陰に埋もれ、声すら上げられない

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https://toyokeizai.net/articles/-/633593

全世代で最も貧困率が高いのは65歳以上の高齢単身女性だ。女性活躍や少子化対策の陰に埋もれ、貧困にあえぐ中高年単身女性は存在しないかのごとく扱われている。
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「店も厳しいから、少し休んでもらえないか?」

2020年3月、Aさん(69歳)が7年近く勤めてきたレストランはコロナ禍にあえいでいた。勤務日数は3分の1に減らされ、月13万円ほどあった収入は3万円に。休業補償は受けられなかった。

Aさんは現在賃貸住宅に一人暮らし。介護保険料などを引かれた後の年金5万円はほぼ家賃に消える。就労収入がなかったらたちまち生活が立ち行かなくなってしまう。勤務日数を増やせないか職場と交渉しながら、新たに就職活動を始めざるをえなかった。

Aさんは10代の頃から現在まで1人で生計を立ててきた。会社事務員、ピアノ講師、レストランの調理場など、非正規雇用や個人事業主の期間も長かったが、仕事をしていない時期はなかったという。

「まさか自分が、という思い」
「経験がある飲食業を中心に20件以上に履歴書を送りましたが、短時間の仕事すら見つかりません。求人が出ているところに電話しても年齢を言った瞬間に切られたり。年末には就職活動に必要な交通費すら出せなくなりました。1日1食程度で済ませ、日が暮れたら布団に入り、フードバンクでもらったカイロで暖を取るような生活を続けるしかなかった」

そうして約1年を耐えきった後、周囲からの強い勧めで生活保護を受給することに決めた。

「まさか自分が、という思いが強かったです。健康だし、まだまだ働けるのに。でも四六時中お金の心配をしていたときに比べ、生活はもちろん精神的にも楽になりました」

コロナ禍による影響を最も受けたのは非正規で働く女性たちだ。2020年は雇用者が前年比で65万人減っている(男性非正規は32万人減)。コロナ禍は飲食、小売り、宿泊など非正規女性が働く比率の高い職場を直撃した。


最も深刻な状況に追い込まれたのがシングルマザーである。政府は困窮する子育て世帯を対象とする現金給付を実施。「まだまだ不十分」という声も多いが、ひとり親世帯の貧困は可視化され、政治の重要課題の1つとして位置づけられるようになってきている。

一方、子どもがいない単身女性は支援の対象外であり、その実態は見えないままだ。

「彼女がなぜ?」という衝撃
2020年11月、ショッキングな事件が起こった。東京都渋谷区幡ヶ谷のバス停でホームレス女性が殺害されたのだ。64歳の単身女性でコロナ禍以前は試食販売員として働いていた。劇団に所属していた若い頃の写真が公開されると「普通の女性だった彼女がなぜ?」という衝撃が広がった。また「なぜ助けを求めなかったのか?」という疑問も投げかけられた。

だが、助けを求めたとして支援につながることができただろうか。

コロナ禍で仕事と住まいを失った後、1カ月ほど路上をさまよったという40代の単身女性に出会った。彼女は役所へ相談に訪れているが、生活保護を受けるには今いる神奈川県から住民票がある関西へ行く必要があると申請を断られている。生活保護申請に住民票は不要で、現住地で申請できるのだが、家も所持金さえない女性に悪質な対応が行われる場合もある。

女性であれば婦人保護施設やシェルターを利用できるのではと思う人がいるかもしれないが、こうした施設は配偶者から暴力を受けた人が優先だ。経済的理由などで家を出た単身女性が利用できるかどうかは自治体によって異なる。

意外に知られていないが、全世代で最も貧困率が高いのは65歳以上の高齢単身女性である。単身女性の貧困率はコロナ禍以前から高く、20〜64歳で4人に1人が貧困、65歳以上では2人に1人が貧困という状態にまで跳ね上がる。年金だけでは生活できず、働かざるをえない人も少なくない。


就労率は年々高まっている。高齢者の労災事故申請は20年間で2倍にまで増加。2021年は労災死亡事故の4割以上が高齢者によるものだった。2022年2月、新潟県の菓子工場での火災事故で亡くなった6人のうち、4人が68〜73歳の女性だったことは記憶に新しい。女性たちは深夜勤で働くパート清掃員で、午前2時までベルトコンベヤーの清掃に当たっていたという。

埋まらない年金格差
高齢単身女性の貧困の背景には年金格差がある。単身とひとくくりにいっても、未婚か夫と死別か離別かといった違いや加入していた社会保険によっても状況は異なる。40年以上厚生年金に加入してきたのに受け取れる年金額が10万円に満たないという女性も多く、第3号被保険者として国民年金の保険料支払いを免除されてきた「夫と死別した専業主婦」よりも年金額が下回ることも少なくない。

背景には女性の賃金の低さがある。現在、労働者の4割が非正規雇用であり、うち7割を女性が占めている。非正規女性の8割以上が年収200万円未満であり、女性の賃金は男性の77%にとどまる。厚生年金には現役時代の賃金が反映されるため、賃金が低い女性の受け取れる年金が低額なのは当然ともいえる。


男女の賃金格差に加え、女性は結婚して専業主婦となり正社員の夫に扶養されるという、「標準世帯モデル」を基に設計された税や年金制度による不利益もある。現役時代の格差や標準世帯モデルから外れたことによる“不利”を老後も背負い続けなければならない。

この状態が続けば、将来さらなる困難が女性たちを襲うことになる。現在40代〜50代前半になっている就職氷河期世代は非正規雇用率および未婚率が高い世代だ。就職氷河期世代が老後を迎える頃、未婚または配偶者と離別した女性の約半数(290万人)が生活保護レベル以下の生活を余儀なくされるというデータもある。

政府は「女性活躍」や「ジェンダー平等」を政策目標として掲げているが、少子化対策と関連した施策が多く、その中心は若年層や子育て世代である。一方で貧困にあえぐ中高年単身女性は存在しないかのごとく扱われていると感じる。そうした時代の空気によって、当事者の女性たちが「声を上げづらい」状況がつくり出されているのではないだろうか。

休業手当を受給した女性は2割
コロナ禍により多くの非正規雇用の女性たちが雇い止めされたり休業を余儀なくされたが、休業手当を受給した女性は2割にとどまった。主たる生計者として働く非正規女性が多いにもかかわらず、非正規で働く女性たちはいまだに「雇用の調整弁」として扱われている事実が浮かび上がる。活躍推進も欠かせないが、足元で今日苦しむ女性たちを見える存在にすることも最重要課題であるはずだ。

貧困や困難をなくすためには、女性の経済的自立が不可欠だ。しかし、それ以前にある男女間賃金格差をなくすこと、雇用や家族形態によって不利益が生じないよう税および社会保障の仕組みを変えていくことなど、社会構造に踏み込んでいく必要があるだろう。

前述のホームレス女性が殺害された事件から、今月で2年が過ぎた。事件直後、渋谷の街で追悼デモが行われた。参加した女性たちが口にしていたのは「彼女は私だ」という言葉だった。声を発することすら封じられている、そのエネルギーすら削り取られているような空気を変えていくことが求められる。

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