ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

生活保護者の集いコミュの31歳姉の遺体遺棄した妹弟 頼りの親族相次ぎ失い、生活保護も絶たれ… 誰からも気付かれなかった同居生活

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
https://news.yahoo.co.jp/articles/62a0e8b57a55dc97dabbbfa37e78e21bd0c5b8a1

姉=当時(31)=の遺体を隠したとして、死体遺棄罪に問われた妹(31)と弟(29)の判決公判が1日、神戸地裁姫路支部であり、裁判所は2人に懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。わずか20平方メートル足らずのワンルームマンションの一室で、姉の生活保護を頼りに暮らしていた3人。蒸し暑い日が続いた今年9月、妹弟は12日間、この狭い部屋で遺体と生活していた。社会から切り離されたかのように、誰にも気付かれることのなかった同居生活。公判で明らかにされた関係者の話と周囲への取材から事件をたどった。

【写真】3人が生活していたマンションの一室


■ワンルームで3人同居

 妹は中学卒業後、飲食店などでアルバイトを続けていたが、3カ月程度で退職。弟も高校を中退した後、運送会社などで働いていたが長続きはしなかった。2人とも無職の期間が長かった。そして、姉は実家近くの姫路市内のワンルームマンションで1人暮らしをしていた。統合失調症を患い、自分で食事の用意などができず、母親が自宅から通って世話をしていたようだ。

 3人の父親は単身赴任で、全国を転々としていたようだ。仕送りも少なかったり、滞ったりすることもあった。それでも母親が親族に援助を頼みながら何とか生活を維持していた。

 しかし2年前の2020年、母親が亡くなったことで生活は一変する。姉の世話は、妹と弟に引き継がれた。

 姉が患っていた統合失調症は、感情や考えがまとまりづらくなる精神疾患だ。集中力や判断力の低下のほか、喜怒哀楽が乏しくなったり、幻覚や幻聴に悩まされたりもする。

 21年6月、3人はそのマンションで同居を始めた。父親が亡くなったのはその半年後のことだ。さらに翌22年に入り、唯一、3きょうだいを気にかけていたという親族も亡くなった。金銭面でも頼れる肉親を失った妹弟は、姉の生活保護費に頼るようになる。

 姫路市生活援護室によると、30代前半で、無職の1人暮らしが受給できる生活保護費は家賃分を除いて月約7万4千円という。これが3人の生命線となった。


■絶たれた収入

 3人が暮らしていたのは7階建てマンションの4階。狭いワンルームでの同居が始まると、姉にも変化が現れた。今年4月にクリニックを受診したのを最後に通院をやめ、症状は急激に悪化した。意思の疎通ができなくなり、全裸で部屋を歩き回ることもあった。ただ2人は「病院に行かなくなったこととは関係がないと思っていた」と受診させることはなかった。

 この時期、行政も困っていた。3人での同居が始まったことに気付いてはいなかったが、姉に電話がつながらず、安否確認ができなくなっていた。そのため7月、生活保護費の受給方法を口座振り込みから窓口受け取りに変更した。姉とコンタクトを取るためだ。

 ある日、唯一の収入である生活保護費を受け取るため、3人は自転車で市役所へ向かう。だが姉はその途中、道ばたに座り込んで動かなくなってしまった。その日は断念し、翌日、もう一度、2人は姉を誘ったが部屋から出ることはなかった。そうしたやりとりがしばらくの間続き、やがて2人は生活保護費の受給を諦め、唯一の収入が途絶えた。


■症状悪化にいらだち

 収入がなくなった妹弟は、粗大ごみを売って生活するようになった。公判で2人は表情に乏しく、ほとんど自身の言葉を連ねることはなかったが、姉の状態についてはいらだっていたようだ。

 「ねえ(姉)は日に日に痩せていき、動かなくなっていった。ごみ袋をあさったり、突然、笑いだしたりもした」

 夏には、姉はほとんど会話ができなくなっていた。一日の大半を寝て過ごし、起きてもごみを室内にまき散らすなどする。何度注意してもやめてもらえず、そのたびに妹弟は2人で片付けた。

 姉が警察に保護されたこともあった。Tシャツに下半身は下着のみで、マンション敷地内で寝ているところを発見された。鍵がかかった部屋に妹がいた。管理会社の社員が妹に、なぜここに住んでいるのか尋ねると、妹はこう答えたという。「金ないし帰るところないからしゃーないやろ」

 そして、2人は姉をベランダに追いやるようになっていく。最初は1日1、2回だけ、長くても2時間程度だった。だが、だんだんと頻度は増えていき、8月下旬には姉はほとんどの時間をベランダで過ごすようになる。トイレもベランダ済まし、食事も口にしなくなる。弟は「このままでは死んでしまうのでは」と考えたが、生活は変わらなかった。


■誰も気付かず…

 なぜ、妹と弟は周囲に相談しなかったのか。身近な肉親を失ったとはいえ、公的機関などに頼るすべはなかったのだろうか。

 裁判では2人の心情が指摘されている。姉の生活保護費で暮らすことが「不正受給」にあたると思い込んでいたようだ。市役所のケースワーカーらも何度か部屋を訪れているが、居留守を使った。結局、誰も異変に気付けなかった。

 周囲の住民も違和感は持っていた。同じマンションに住む高齢女性は、3人が部屋を出入りする姿を見るたびに「一体、何人で住んでるんやろうか」と疑問を抱いたという。

 朝方や夜遅く、ベランダから若い女性の笑い声や歌声が聞こえてくることもあった。だが、管理会社などに連絡することはなかった。女性は「変だとは思っていたけど、関わり合いたくはなかった」とうつむいた。

 9月3日。外出先から帰宅した2人は、ベランダで倒れている姉を見つけた。2、3日前に外に出したきりだった。声をかけても反応がなく、既に冷たくなっていた。

 実はこの少し前、周囲に相談できずにいた3人は生活に行き詰まり、「みんなで一緒に死のう」と話し合っていた。

 「中に入れてあげたいんやけど…」。妹が弟に声をかける。姉の遺体を部屋の中に運び込み、毛布をかけた。そして、氷枕を頭の下に敷いた。

 遺体が見つかったのは12日後のことだ。9月15日、マンションを訪れた市職員が、部屋から何も応答がないことを不審に思い、警察に通報して事件が発覚した。遺体は腐敗していた。死因は分かっていない。

 1日の判決公判。目元が隠れるぐらい前髪が伸びた妹は、体を左右に揺らし、落ち着きのない様子だった。短髪の弟は背筋を伸ばして真っすぐ前を向いて、裁判官が読み上げる判決を聞いた。

 弁護士や検察官、裁判官は社会と接点を持つように、勇気を出して周囲の人に相談するよう繰り返し諭した。

 「人が支え合ってできている社会。相談するのはおかしなことではない」「どうすれば救急信号を出せたのか? 今後は声を上げられるか」−。投げかけられたのは、そっと背中を押すような言葉だった。

 不安げな様子だった2人も小さくうなずいた。これまで積極的に関わろうとしてこなかった社会の中で、時には人に頼りながら生きていくことを約束した。

 傍聴席に2人の親族らしき人は見当たらなかった。だが、生活困窮者を支援するNPO法人の関係者の姿があった。弁護士らによると、執行猶予付きの判決が確定すれば、2人は法人のサポートを受け、当面は生活保護の受給をめざすことになるという。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

生活保護者の集い 更新情報

生活保護者の集いのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。