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生活保護者の集いコミュの住宅弱者/上 「リスク」を前にためらう家主

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https://mainichi.jp/articles/20220429/ddm/013/040/010000c

 新型コロナウイルスの流行による不況で、仕事を失って家賃を払えなくなったり、会社の寮に住めなくなったりするなど、住まいを失う人たちが少なくない。そうした人たちや単身高齢者、障害者など、住宅を借りづらい「住宅弱者」は、貸す側からすると、家賃の未払いや孤独死などのリスクがあり、貸すことをちゅうちょするという。賃貸住宅を借りるのに苦労した当事者に実情を聞いた。

 東京都内の30代女性は、沖縄・石垣島のリゾートホテルで住み込みで清掃の仕事をしていたが、2020年10月、コロナ禍で仕事を失った。


 都内の貧困支援を行う団体を頼って東京へ。生活保護を申請して受給し、アパートを探したが、なかなか見つからなかった。団体が探してくれた物件の中から4件を見学。3件は断られ、残りの1件は当初は断られたが、家主らとの話し合いで入居できた。

 だが、同じアパートに暮らす家主の高齢夫婦は過去に家賃を滞納された経験があったため、家賃に対して厳しかったという。


 家主は女性が職を見つけられないことを気にして、たびたび部屋を訪ねて「仕事決まったの?」と言ってきた。家賃未払いの不安を払拭(ふっしょく)してもらうため、生活保護の住宅扶助費を福祉事務所から代理納付してもらうことにしたが、その後も、ゴミ出しのたびに「そんなに求人が厳しいの?」などと聞いてくることが約5カ月間続いた。聞かれることが苦しくなり、次第に自宅から出ないようになった。元々患っていたうつ病が悪化し、転居することにした。

 ●生活保護告げると…

 新たなアパートを探すため、不動産仲介業者に行って物件を探してもらったが、生活保護受給者が入居可能な物件は10件に1件程度。担当者が目の前で電話したが、生活保護と伝えると、すぐにやり取りが終わってしまうケースも多かった。結局、2件を見学することができ、そのうちの1件に代理納付を条件に入居できた。


 女性は「生活の基盤は家だということに気付きました。そこに安心感を得られないと、安定して仕事などで活動することは厳しいです」と話す。女性は週3日、東京に来る時に助けてくれた支援団体で事務の仕事をし、月に3回、自治体から委託された仕事をしながら、うつ病の治療をしている。

 東京都豊島区の男性(47)は自営業だったが無職となり、20年11月に都内の別の支援団体の施設に入りながら生活保護を受給し始め、アパートを探した。


 インターネット検索で、生活保護受給者が入居可能な物件を探した。サイト上で生活保護受給者が「入居可能」と書いてあっても、電話してみると「今はお断りしています」と言われてしまう。「入居可能」となっていることを伝えても「(前の入居者が部屋で死亡した)事故物件しか紹介できない」と返された。

 他の物件でも、サイトに家賃4万円と書いてあったが、電話すると「今はそこは借りられない。6万7000円の物件ならある」などと話され、「福祉事務所に住宅扶助費が上乗せできるか聞いてほしい」と言われたという。東京都によると、車椅子を利用するなど、やむを得ない事情がある場合、住宅扶助に上乗せできる特別基準がある。だが男性は、自分の場合は該当しないと考えて諦めた。

 これら2件も含め、ネットでは生活保護受給者が入居可能な物件を5カ所見つけたが、全て見学できなかった。

 ●内覧可能はわずか

 その後、支援団体から、住宅弱者の家探しをするコンサルタント会社「Well−being.Tokyo」を営む柿本志信さん(51)を紹介された。柿本さんは男性の物件を探す上で、百数十件の物件について、生活保護受給者の入居が可能か連絡したが、そのうち内覧が可能だったのは十数件だったという。その中から、今のアパートに入居することができた。

 男性は「(家主や不動産会社からすると)面倒なことになりそうな人よりは、普通の人を取りたいのは分かります。でも、住むところが決まらないのはつらい。私は支援団体とつながっていたから良かったのですが、そうじゃない人もいると思います」とおもんぱかった。【道下寛子】
住宅弱者/下 使いにくい支援システム
社会

朝刊くらし面
毎日新聞 2022/4/30 東京朝刊 有料記事 1750文字
住宅弱者の入居も可能としている物件を案内してくれた柿本志信さん。そもそも入居可能とする物件は少ないという=東京都内で拡大
住宅弱者の入居も可能としている物件を案内してくれた柿本志信さん。そもそも入居可能とする物件は少ないという=東京都内で
 生活保護受給者や単身高齢者、障害者など、住宅を借りづらい「住宅弱者」。リスクを恐れて不動産業者や家主などが貸すのをちゅうちょすることが多い中、支援はどうあるべきなのか。

 東京都の宅地建物取引士、柿本志信さん(51)は、住宅弱者の家探しをするコンサルタント会社「Well−being.Tokyo」を2017年に設立した。14年に脳の血管の病気を患ったことで約2週間、右半身不随になって入院したことがきっかけだった。


 当時勤めていた不動産管理会社は、住宅弱者の入居を拒否していた。「もし、自分にまひが残っていたら、勤務先なのに物件を探すことができない」と疑問が膨らんだ。その後、会社をつくった柿本さんは「半身不随を経験し、ひとごとではないと感じました。住宅弱者の状況の改善に取り組む必要があると考えました。貸す側の人たちは、生活保護を受けているといった属性で分類せず、その人そのものを見る視点を持ってほしい」と話した。

 ●空き家は登録の1%

 住宅弱者が賃貸住宅を借りるには難しい状況が続く。国土交通省が20年度に行った調査によると、高齢者や障害者、外国人に対して、それぞれ約7割の貸手が「拒否感」を抱いていた。不動産業者らが入居を制限する理由としては、家賃の支払いや他の入居者との協調性、室内での死亡事故を不安視する声が多かった。


 国は、住宅弱者への取り組みとして、17年に改正された住宅セーフティーネット法で、低所得者や高齢者、障害者など「住宅確保要配慮者」への貸し出しを拒まない物件であるセーフティーネット住宅を登録する制度を創設。「セーフティネット住宅情報提供システム」というサイトから検索できる。

 このサイトを見ると、22年3月31日現在、約71万8000戸が登録。だが、そのうち空き家は約7100戸と約1%に過ぎず、このシステムから住宅を探すのは難しい。


 国交省によると、高齢者などインターネットが苦手な人や、低所得でネット環境が整備できない人は、都道府県が指定するNPOなどの「居住支援法人」があり、住宅情報提供システムに登録されていない物件も含め、家探しを助けてもらえる。都によると、高齢者の安否確認をしたり、交流の拠点を作ったりする居住支援法人もあるという。

 貸す側に対しては、住宅弱者に限定して貸す「専用住宅」にすれば、バリアフリー化など改修の際に費用を補助する制度がある。国交省によると、国と自治体合わせて1戸当たり最大400万円の補助が受けられる。その他、低所得の入居者支援のため、家主に対して家賃を補助する仕組みもある。月収15・8万円以下の世帯に物件を貸す場合、国と自治体合わせて原則月4万円まで補助する。ただ、専用住宅にすると、住宅弱者以外に貸すことができなくなるため、二の足を踏むケースも多いとみられる。


 ●貸手の不安軽減を

 日本福祉大の藤森克彦教授(社会保障政策)は、国の住宅弱者支援の大きな柱である住宅セーフティーネット法に基づく登録住宅について、「既に入居者で埋まっている物件が多いだけでなく、住宅確保要配慮者に合った登録住宅自体が足りません」と指摘する。

 居住支援法人の全国組織である「全国居住支援法人協議会」は21年に、支援法人などにアンケートを実施。アンケートの結果、支援対象者の64・4%は登録住宅に入居したり、入居を検討したりすることはなく、別の民間の賃貸住宅から物件を探していた。セーフティーネット住宅はそれほど活用されていないのが実態という。

 藤森教授は「高齢者や低所得者、障害者、子育て世帯などで住宅弱者は増えている一方で、人口減などのため空き家や空室は増えています。しかし、入居者の孤独死や家賃滞納、トラブルなどのリスクに不安があるため、貸したくても貸せない大家が多いのです」と説明する。

 こうしたミスマッチの背景の一つには「大家が安心して貸せるほどには、居住支援法人などによる入居後の見守りや生活支援が十分ではないことが考えられます」と指摘。「見守りや生活支援は長期にわたるため、居住を支援する団体などにとっては資金面で課題があり、国や自治体は補助を強化する必要があります」と述べ、貸す側の不安を軽減する施策の充実を強調した。【道下寛子】

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