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生活保護者の集いコミュの生活保護申請を阻む「扶養照会」の壁 自治体窓口の対応は変わったか

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https://digital.asahi.com/articles/ASQ374RW8Q31ULZU00D.html?pn=18&unlock=1#continuehere

生活保護の申請を阻む最大の壁になっているといわれるもの。それが、家族に援助が可能か問い合わせる「扶養照会」だ。厚生労働省は昨年、本人が扶養照会を拒んでいるときは、家族が高齢であるなど照会不要なケースにあたらないか丁寧な検討を求める通知を出した。自治体窓口の対応は変わったのか。

「照会は不要」ケースを国が通知
 『困窮者を生活保護制度から遠ざける不要で有害な扶養照会をやめてください!』。コロナ禍のなかで困窮者支援に取り組む民間団体は昨年2月、そう呼びかけて署名を集め、厚生労働省に提出した。家や仕事を失っても、「家族に知られたくない」と保護申請をあきらめる人は少なくない。その一方で、厚労省の調査でも、扶養照会をした件数のうち経済的援助につながった割合は約1・4%にとどまる(2016年7月の保護開始世帯)。扶養照会の見直しは国会審議でも論点になった。

 こうしたなか、厚労省は昨年2月、援助が期待できない=扶養照会は不要、と判断する際の具体例を改めて整理し、通知で示した。DV(家庭内暴力)や児童虐待が背景にある場合のほか、家族がおおむね70歳以上の高齢者や専業主婦(主夫)である場合、10年程度音信不通など著しく関係が悪い場合、などのケースだ。

 さらに同年3月の通知では、本人が「扶養照会を拒んでいる場合」の対応について、丁寧な聞き取りをしたうえで、扶養照会が不要なケースにあたるかどうかを検討するよう求めている。

 生活保護法上、扶養照会は生活保護に「優先」はするが利用の「要件」とはされていない。厚労省は、扶養を受けられるかどうかは保護の要否の判断には影響しない、との見解を示している。実際に金銭的援助がなされた場合には、利用者の収入として扱うということになる。

 こうした趣旨が、申請・相談者に自治体の福祉事務所が渡す資料(「生活保護のしおり」)に書かれ、説明されているかどうか。申請する人にとっては大きな違いとなる。

申請者向け資料「改善されず」
 地方議員や困窮者支援団体、大学生らでつくる「生活保護のしおり書きっぷり調査プロジェクト」は、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県にある157福祉事務所(市区の福祉事務所と、町村部を広域で担当する都県の福祉事務所)の「しおり」の扶養照会に関する記述を調べ、今年1月に公表した。調査は昨年9月から12月にかけて実施した。

 その結果、扶養照会は援助が期待できる家族に対して行う(照会しない場合もある)という趣旨を「しおり」に明記している福祉事務所は、全体のわずか4%(6事務所)にとどまった。DVや虐待経験がある場合は扶養照会を見合わせる、という重要な点を説明している「しおり」も、29%(45事務所)にすぎなかった。

 調査メンバーで東京都足立区議の小椋修平さんは「ほとんどの福祉事務所では『生活保護のしおり』は国の通知後もまったく改善されていない。扶養照会について窓口できちんと説明されているのかも疑問だ」と話す。

 一部だが記載を見直した自治体もある。東京都品川区は昨年10月にしおりを改訂した。扶養義務者からの援助について、改訂後は、「DVや虐待など、特別な事情がある場合には、親族への照会を見合わせることもあるため、事前に相談してください」という案内に加えて、厚労省が通知で示した「おおむね70歳以上の高齢者」などの特別な事情を具体的に列記した。

 いまだに何も書かれていない自治体との違いは大きい。

 東京都杉並区では、扶養照会を巡るトラブルも起きている。扶養照会をしないでほしいと申請者が意思表示する文書の受け取りを拒否されたとして、困窮者支援団体「つくろい東京ファンド」と生活保護問題対策全国会議は2月4日、杉並福祉事務所に抗議文を提出した。

 つくろい東京ファンドの稲葉剛・代表理事ら関係者と生活保護を申請した同区在住の50代男性は、抗議文提出後に記者会見した。

 仕事を失った男性は昨年7月、生活保護を申請しようと杉並福祉事務所を訪れた。その際に地方在住で「老老介護」状態の80代の両親に心配をかけたくないと思い、扶養照会をしないでほしいという申し出書を持参した。申し出書のひな型は、つくろい東京ファンドなどが作成し、インターネットで公開しているものだった。

「扶養照会しないで」申し出書を受け取らず
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 会見での説明によれば、この申し出書を面談をした福祉事務所の相談員に渡そうとしたところ、「お話はうかがった」「必要書類以外は受け取れない」と受け取りを拒否された。男性は「口だけなら『言った』『言わない』になる」と伝えて提出を希望した。しかし「どうしても受け取らせようというなら、手続きは進められません」と通告され、持ち帰るよう言われた。途中からケースワーカーも同席していたが、やはり「できないものはできない」などと言うのみだった。さらに粘っていると、相談員らは面談室から退出してしまった。やむなく申し出書の提出は断念し、生活保護を申請したという。

 申し出書の提出はあきらめたが、生活保護の利用が決まった後も、担当ケースワーカーの家庭訪問などの際に扶養照会はやめてほしい、と繰り返し伝えた。だが後日、両親への扶養照会が郵送で実施された、としている。

 男性は「意思表示の書類を受け取ってもらえず、納得できない」と憤る。稲葉さんは「こうした運用は厚労省の通知にも反しているうえ、申請権の侵害にあたる」と批判する。

 つくろい東京ファンドの小林美穂子さんによれば、同ファンドなどが申し出書をウェブサイトからダウンロードできるようにしたのは21年4月。それ以降、申請同行支援などで多くの自治体に申し出書を持参しているが、受け取らないという対応は、杉並福祉事務所が初めてという。小林さんは「申請の障壁を低くするため国がせっかく通知を出しても、杉並福祉事務所のような対応がまかりとおれば、通知の趣旨は無効化してしまう」と危機感を強める。

 抗議を受けた同福祉事務所側は、事実関係として、申請時の面談で申し出書を受け取らなかったことを認めている。その理由について堀川直美・杉並福祉事務所長は「申し出書を出せば扶養照会は絶対にされないとご本人は認識していたが、必ずしもそうではない。申請段階で受け取ると誤解が生じる恐れがあるケースだったので、担当のケースワーカーの聞き取りの際に渡してほしいと案内した」と説明。男性側の抗議は事実誤認によるもので、誤った対応はしてしていないと反論する。

 高齢の両親に扶養照会を実施したことについては「この男性の場合、(両親の)経済的援助を期待したわけではないが、精神的な支援をお願いできないか、ご本人に伝えたうえで、実施した」(堀川・杉並福祉事務所長)と話す。

 支援団体側は、話し合いの場を設けるよう求めている。だが杉並福祉事務所は応じる構えを見せていない。(編集委員・清川卓史)

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