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生活保護者の集いコミュの「寝たきり大黒柱」で食っている"モンスター"はウヨウヨいる…訪問診療医射殺事件に介護現場は震撼

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https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20220206-00054438-president-column

埼玉県ふじみ野市で起きた訪問診療医射殺事件に震撼したのは医療者だけではない。介護業界も「次は自分たちではないか」と恐れている。事件が起きた同じ埼玉県でケアマネジャーとして働く43歳の男性は「今回逮捕された66歳の容疑者に似た“モンスター”や介護スタッフに暴言や暴行をする問題のある介護家庭を、現在進行形のケース含めたくさん見てきました」。介護の現場をフリーライターの相沢光一さんが取材した――。

■医療・介護業界が震撼…「訪問診療医射殺事件」は氷山の一角

 1月下旬、埼玉県ふじみ野市で起きた訪問診療医射殺事件は社会に大きな衝撃を与えた。

 猟銃で撃たれて亡くなったのは、事件の前日、無職・渡辺宏容疑者(66)の母親(92)を看取った医師だ。容疑者から弔問に来るようにとの連絡を受けて訪問したところ、「心臓マッサージをして蘇生を試みてくれ」と頼まれた。無理な要求だったため丁重に断ると容疑者は逆上し、医師に向けて猟銃を発射したのだ。

 凶弾に倒れた鈴木純一医師(44)は苦労の多い在宅医療を積極的に引き受け、患者に寄り添う仕事ぶりが評判だった。

 要介護の高齢者の医療・介護に携わる仕事は「死」が身近にある。どんなに親身になって自らの知見や技術を動員してケアをしたとしても限られた寿命を延ばすことはできない。

 それを治療法が悪いなどと勝手に思い込まれ、憎悪を向けられたとしたら……医療者としてはそんな恐ろしいことはないだろう。この事件の報に震撼(しんかん)したのは医療関係者だけでない。居宅介護の事業に従事する人たちも同様である。

 「今回の事件には私はもちろん、在宅での介護サービスを担当するスタッフは皆、大変なショックを受けています。決してひとごとではない、と」

 そう語るのは事件が起きた埼玉県の居宅介護支援事業所に勤務する男性ケアマネジャーOさん(43歳)だ。

 「厚生労働省が『介護現場におけるハラスメント』の実態調査をし、対策マニュアルを出しているように、介護スタッフの多くが利用者やその家族などから身体的暴力、暴言や執拗(しつよう)なクレームなどによる精神的苦痛、セクシャルハラスメントなどを受けています」

 厚労省による2018年度の調査「ハラスメントを受けた職員の割合」を見ると、サービスの種別による差異はあるものの利用者本人(要介護者)からは4〜7割、家族などからは1〜3割の職員がなんらかのハラスメントを受けた経験がある。

 「介護職員は女性の比率が高いです。私たちケアマネジャーも8対2の割合で女性が多い。ハラスメントの傾向がある利用者や家族を女性が担当するのは危険です。そのため、私のような男性ケアマネが代わりに担当することも多く、問題のある介護家庭は現在進行のケースを含め、ずいぶん見てきています」

■「案の定(モンスター長男は)激高し、顔を思いっきり殴られました」

 Oさんは状況的に今回の事件の親子と状況が酷似したケースを経験している。

 「90代の母親を60代半ばの長男が介護していたんですが、その長男が“モンスター”でした。ケアプランを作り直せと言ってくるのは序の口で、介護サービス職員の態度が気に入らないとか技術が未熟だとか、何かにつけてクレームを入れてくる。また、その長男は統合失調症を患っており、ストレスに弱く感情コントロールが苦手なせいか母親に暴力を振るっていたんです。現場を見てはいませんが、母親の体にはあざがありましたし、長男の言動には常におびえていました。

 この状況を放置しておくわけにはいきませんから、意を決して男性の同僚2人をボディガードにして話し合いに行ったんです。このままではケアを続けられないと伝えると、案の定、激高し顔を思いっきり殴られました。すぐに警察に連絡しました。警察沙汰になれば、行政サイドも動きますからね。母親は施設に措置入所、長男は精神病院に入院しました」

 このような経験をしたOさんは、今回の事件をこう見ている。

 「犯人から『線香をあげにこい』といわれた医師は(報道によれば)総勢7人で男の家を訪問したそうです。これまで接してきた経験から、何をされるか分からないという危険を察知していたと思うんです。だから大勢で行った。ただ、誤算がありました。男が猟銃を持っていたことです。私の場合は幸いにも相手は武器を持っておらず、殴られただけで済みましたが、その違いだけなんですよね。それを思うとゾっとします」

 警察の取り調べが進むと、今回事件を起こした家庭を数年前に担当したケアマネジャーにも「線香をあげにこい」という連絡をしていたこともわかった。しかし、容疑者のモンスター的性格を知っていたケアマネはそれを拒否した。

 「この対応が正解ですよ。亡くなった医師は良い人すぎたのかもしれません。トラブルメーカーであることは認識していたはずですが、最愛の母親を亡くした男を気の毒に思ったのか、訪問してしまった。ひょっとしたら最愛の母親を亡くした男を気の毒に思ったのかもしれません。でも、医療関係者にしても介護業界の者にしても、相手が亡くなるまではケアに尽力しますが、弔問まで付き合う義務はない。医師の患者と家族を思う優しさがあだとなってしまったのではないでしょうか」

■「寝たきりの大黒柱」や「年金ミイラ」で食っていく人々

 Oさんによれば、こうしたモンスター介護者の多くに共通することがあるという。それは、「介護する親の年金収入で生活している」ということだ。

 医療関係者の間には「寝たきり大黒柱」という俗語があるらしい。寝たきりになった要介護者の年金が生活を支えている大黒柱という意味だ。

 「パラサイト=寄生ですよね。親の年金が頼りだから、親が死んでしまったら自分も生きていかれなくなる。それが分かるもんだから精神的に追い詰められ、モンスター的行動に出ることが多いのではないでしょうか」

 今回逮捕された容疑者は、母親の年金だけではなく、生活保護も受けていたようだ。年金収入があっても生活保護費は支給される。年金分は減額され最低生活費を保障される形になるが、年金や生活保護など公的なお金が命の綱だったことは確かだ。この容疑者の場合、それに母親に対する偏愛が加わり、親が死んだ絶望感からあのような事件を起こしたのではないだろうか。

 「私は暴力を受けたケースだけでなく、同様の状況にある家を何度も担当していますし、パラサイト介護者は(全国的にみれば)かなりの数にのぼるのは明らかです」

 時折、親が死んでも家族が届け出をせず自宅内に放置していた、という事件が報じられるが、それも年金収入がなくなることを恐れてのことだろう。世の中には、「寝たきり大黒柱」だけでなく、そうしたいわば「年金ミイラ」で食っている人の存在も否定できない。

 「もちろんパラサイト介護者のなかにも、温厚で真面目に介護に取り組んでいる人もいます。でも、共倒れになる瀬戸際に立っていることに変わりはありません。医師射殺事件を起こした容疑者のようなモンスター介護者は顕在化しているし、潜在的にも多いわけです。在宅介護に従事している職員は、今度の事件で、改めてその怖さを思い知らされました」

■厚労省は女性介護スタッフへのハラスメントが多いと把握している

 モンスター介護者に対応する職員の安全を守る方法はないのだろうか。Oさんは「非常に難しいですね」としばらく考えた後、こう答えた。

 「医療、介護は中立公正が大原則です。どんな人でも平等にケアを受けられるという原則は崩したくありませんが、今回と同様の事件が再び起こったり、目に余るハラスメントが多発したりする状況が拡大した場合は、国がカスタマーハラスメントに関するガイドラインを作ることも必要ではないでしょうか」

 「実はウチの事業所にもカスタマーハラスメントに対する独自のガイドラインがあるんです。利用者さんのひとりにクレームの電話を頻繁にかけてくる人がいるんですが、それに忙しい職員が長時間対応していたら仕事になりません。それでクレームの電話が1日1時間(1回20分以上かつ3回以上)を超えたらカスタマーハラスメントと認定するというルールを作ったんです。厚労省も実態調査をして、介護現場でハラスメントがあることは把握しているのですから、ガイドラインを作って、ハラスメントのレベルが一定のラインを超えたら支援を中断してもいいといった方策を一刻も早く考えてほしいです」



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相沢 光一(あいざわ・こういち)
フリーライター
1956年生まれ。月刊誌を主に取材・執筆を行ってきた。得意とするジャンルはスポーツ全般、人物インタビュー、ビジネス。著書にアメリカンフットボールのマネジメントをテーマとした『勝利者』などがある。

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