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生活保護者の集いコミュの10日間飲まず食わずの失業者も…ホームレスにも広がる「貧困格差の実態」

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https://news.yahoo.co.jp/articles/be49c7d3b6e344d0c7e856064820b1c4e413c97d

格差社会の拡大が叫ばれる現代、貧困の波はより一層の隔たりを生んでいる。そして、その波はホームレスにも広がっていた。ホームレスとひとくくりにされがちな人々の、生活格差を取材した。

⇒【画像】某公園では大量の毛布が敷き詰められており、多くの人が一夜を過ごしていた

YouTubeにも出演したホームレス歴3年半の男性
「俺、YouTubeに出てんだよ、40万回再生されてる」。世間が正月ムードに染まる頃、凍てつく寒さの中、新宿駅西口の路上に座り込んでいた男性、伊藤さん(76歳)。通行人が足早に歩く中、路上に段ボールを敷いて、足元には毛布をかけ、片手でスマホをいじっていた。

「10歳ほど歳ごまかさないと働けないよ、だからみつかる前に辞めないと……」と語る。以前は建築関係の仕事をしていたそうで、仕事を辞めてから新宿でホームレスをはじめて3年半になる。

「朝は5時頃に起きて、通路に移動する。それからずっと路上に座っている。人がひっきりなしに来るから忙しいんだよ」

 収入のほとんどは通行人からの寄付で、月に数万円を稼いでいるそうだ。取材をしている間も何人もの人たちが足を止めて寄付をしており、なかには千円札を入れる人の姿もあった。コロナ前は行列に並ぶ購買の仕事の依頼もあったそうで「主に中国人から依頼されたかな、月3回、4回ほど」と言う。並ぶ時間や購入するものによってもらえる金額は変動するが、金額は1回500円から2000円ほどになるそうだ。

他の人も養えるほど収入はある
1日の寄付金を持つ伊藤さん

「主な使い道は食費だね、まあ食う分には困らないね。今日も差し入れもらって、弁当3個。1個は他の人にもあげたよ」。長年ホームレスをしていると顔見知りも増え、よく差し入れをもらうそうだ。炊き出しを活用するのか聞くと「1か所ぐらいしかいかないね。1週間に1回だけ」と語る。

 伊藤さんのそばには、2年ほど前にたまたま新宿で知り合ったという女性のホームレスの方がおり、一緒に過ごしていた。また話を聞いている最中も時折LINEの通知音がなっていた。当然、携帯電話の通信料も支払っているそうで、「自分が食べる分だけでなく、他の人も養えるほど収入はある」という。それが本当だとしても、極寒の路上で冷めた弁当を食べる生活は、つらいだろうと思う。

 施設に入らないかと時折声をかけられるそうだが、その提案は頑なに拒んでいる。そのわけは「あんなんダメだよいい加減でダメ、いい加減なところは最初から入んない。生活保護なんてのはいかさまだよ。お金出す役所のほうもいかさま。もらうほうもいかさま」と語る。

 生活保護は生活を立て直すための当然の権利なのだが、当事者たちが受ける気になるような支援が必要だ。また集団生活が苦手で施設を嫌う人も多く、個室を借りられるようサポートする支援団体も出てきている。しかし、彼は「新宿はいいよ新宿は」と、そこに安住の地を見出していた。

長年培ったコミュニティを大切にする男性
 夜の池袋駅、足を引きずるようにして歩く男性に声をかけた。コンビニにカップ焼きそばを買いにいく途中だったAさんは「収入は全然ないよ。でも食べ物とかは炊き出しとかあるし、持ってきてくれる人もいる」と語る。

 たしかにその手には食料の入った大きな紙袋が握られており、十分な食料を持っていた。池袋駅に長年住んでいるAさんは、以前は別の地域を転々としていた。新宿にいた時は毎年、明治神宮まで初詣に行かれていたそうだ。東京にはお兄さんを頼って来たそうだが、音信不通となり今では池袋での生活が板についている。

「いつまでもこんな生活していられないけど、施設に入ったり、アパート借りたとしても1人だとつまらないから」

 長年ホームレスをしていると顔見知りも増え、なかなかよそにはいけないらしく、「誰かと話したいというのが1番だね。そうじゃないと変な事考えるから……おかしくなっちゃうからね」と、1人暮らしをしない理由を語ってくれた。

 炊き出しの利用頻度も低いそうで「大体みんなもらいにいかないよ炊き出し。あんまりおいしくないから。たまに好きなカップ焼きそばを買うのが楽しみ」と語る。

20歳から路上生活、ホームレス歴40年
ホームレス歴40年の大ベテランの佐藤さん

 新宿駅南口、大型のショッピングモールが立ち並ぶ施設付近で路上生活をしていた男性・佐藤さん(62歳)。20歳の頃から仕事をしては辞めてを繰り返し、ホームレス歴は40年近くになる。

「収入のほとんどは通りすがりのひとからもらっていて、多い時だと日に3000円くらいかな。食べるものも差し入れてもらってるよ」と語る。月3万〜4万円の収入を得ているそうだ。路上生活をしていて困る事は特にないそうで、お金を使うのはタバコと食費のみ。今の生活が性に合っている様子だ。

10日間飲まず食わずだった男性
会社が倒産し、1か月近く前に路上生活を始めた沼野さん

 冷たい風が吹きさらす新宿中央公園。ただの広場に大量に敷き詰められた毛布の山が「宿のない人が一時的に泊まれるように」と解放されていた。そこで一夜を明かした男性、沼野さん。ホームレスになって1か月足らずだという。以前は埼玉県越谷市でトラックの運転手をしていたそうだが、会社が倒産して社長が雲隠れ。給料も振り込まれず、当てどもなくさまよって新宿に行きついたそうだ。

「越谷から練馬まで歩いて来たんだけど、歩き疲れちゃって。途中、交番でおまわりさんに交通費をもらって、新宿中央公園で炊き出しをやってるのを教えてもらった」。警察官に越谷から練馬まで歩いて来た事を告げると、大変驚かれたそうだ。

 2021年12月31日に新宿中央公園で行われた炊き出しに参加したそうで、それまで10日間近く飲まずくわず。「若い頃にレンジャーにいてね、飲まず食わずは慣れてるよ」と語る。当時演習で食料は与えらず、演習中は蛇などをさばいて食べなければならないサバイバル訓練を受けたていた。それを食べるのが嫌だったそうで、その経験のため食べない事には慣れているらしい。

 その後、沼野さんは大久保公園で行われた炊き出しにも参加した。その際に、今後の生活相談や食料品、現金4000円をもらっていた。数日後に一緒に役所への相談を付き添ってもらう。それまで、今回の現金支給で「しばらくネットカフェなどで一夜を明かす予定」だと言う。

ホームレスの情報格差からみる収入格差
沼野さんに炊き出しの食料を見せていただいた

 ホームレスになる人にはさまざまな要因があるが、首都圏のホームレス取材をしている筆者が見聞きした限り、そのほとんどが失業によるものだった。だが、ホームレスになった後の対応の違いによって、収入の格差は生まれてくる。

 公の制度に頼らず、路上生活で培ったコミュニティを活用するホームレスの方々は、さまざまな情報に触れる機会や差し入れをしてくれる顔見知り人も多く、どこにいけば炊き出しがあるかも知っている。一方、路上生活でのコミュニティに入れていない場合、炊き出しの場所や日時、差し入れてくれる人のいる情報など自分で調べなければならず、そこに収入の格差は生まれてくるようだ。

 国の統計上は数値で「相対的貧困」の基準を定めているが、その値だけでは必ずしも実際の貧困の度合いは計れないのではないだろうか。貧困の原因が生活基盤の不安定さにあるのだとすれば、人間関係や情報源といった基盤を構築できているかどうかも重要だ。そのためにも公的な支援やサポートの必要性を感じた。

<取材・文/酒井由和>

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