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生活保護者の集いコミュの「仕事あっても…」食料支援の列へ 並ぶ人の声に浮かぶ困窮の実相

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https://digital.asahi.com/articles/ASQ162TYZQ14ULZU00J.html?pn=22&unlock=1#continuehere

 自治体の窓口が閉まっていた年末年始、生活に行き詰まった人を支える食料支援などの取り組みが東京都内各地で実施された。仕事があっても収入減で苦境に陥っている人、20〜30代の若い世代、女性や子ども連れ。大みそかから三が日までの4日間。食料配布の列に初めて並んだという人に何人も出会った。コロナ以前とは状況が異なる「年越し支援」がそこにあった。

12月31日 「生活保護は考えていない」
 「手持ちのお金はあと2千円ぐらい。11月から節約してきたけど、家賃や光熱費を払うとほとんど残らない」

 2021年の大みそか、新宿区の大久保公園で実施された「年越し支援・コロナ被害相談村」。提供された「チキン南蛮弁当」などが入った袋を抱え、ビル清掃業の男性(38)はそう声を落とした。日雇いのような雇用形態で、年末年始に仕事が激減、食費にも事欠く状態になっているという。年越し支援の利用は「初めて」と話した。

 記者が翌日以降の支援会場などの情報を伝えると、「助かります。スマホでグーグルマップで見せてもらえますか」と依頼された。男性の携帯電話は料金未払いで使えなくなっていた。

 男性によると、20年の春までは飲食店で働いていたが、コロナ禍で閉店。ハローワークに通い、いまの清掃の仕事をはじめたということだった。

 同じ大みそかに、豊島区の東池袋中央公園では、NPO法人TENOHASIが炊き出しを実施した。

 長い列のなかに、半年ほど野宿生活を続けているという男性(31)がいた。もとはゲームのプログラマーとして働いていたが、心の不調で退職、その後は飲食業の仕事についたものの、コロナ禍のあおりで再び職を失った、と語った。昨年秋からは、ホームレス状態の人を支援する雑誌「ビッグイシュー」の販売員として働き始めているという。

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NPO法人TENOHASIの炊き出しで、食料の入った袋を受け取った人々=21年12月31日、東京都豊島区
 「野宿していると夜露で寝袋の表面が凍るんです」。過酷な路上の暮らしのいったんを男性は明かした。生活保護の利用についてたずねると、「考えていない。親に連絡がいくのが嫌だから」と即答した。ぎりぎりの苦境にあっても忌避される生活保護。「最後の安全網」がその名前のようには機能していない現実があった。

 男性は「(雑誌販売でお金をためて)再びゲーム制作の仕事をするためのパソコンを買うのが目標です」と話してくれた。

 TENOHASIによると、この日の食料支援に並んだ人数は285人。12月29日、1月2日の支援を含めた3日間の平均人数は約320人に達した。これまで最も多かった2010年元日の245人を大きく超え、年越し期間として過去最多を記録した。

1月1日 「残業なくなり生活苦しい」
 22年元日。東京都庁前(新宿区)では、自立生活サポートセンター・もやいの食料提供、各種相談が実施された。集まった人の数は387人。1年前の正月支援の190人と比べて倍増している。

 相談の列のなかに、幼い娘2人を連れ、大きなリュックを背負った若い母親の姿があった。すぐ後ろに並んでいた中高年の男性が、自分が受け取ったであろう食品の袋を親子にそっと手渡し、立ち去るのを見た。子どもたちは寒風に身を縮めていた。支援スタッフは近くにとめてある車の中に親子を案内し、相談を受けていた。

 「血糖値」についての本を読みながら列に並ぶ高齢の女性がいた。一人暮らしの85歳。収入は国民年金だけで家賃もかかり、生活に余裕はない。月2回ほど定期的に食料支援を利用しているという。女性は「心臓が悪くて通院しているが医療費の負担が重い。なにかいい方法はないだろうか」と話した。

 「グーグルで『東京 食料支援』などと検索して見つけた。(食料支援を)利用するのは初めて。少しでも家計を切り詰めようと思って」。そう語ったのは、人材派遣で働く男性(49)だ。コロナ禍で仕事が減って暮らしが立ちゆかなくなり、働いても足りない分について生活保護を利用している。いまは役所に紹介された無料低額宿泊所から出勤しているという。

 大久保公園では、前日に続き「コロナ被害相談村」が開催された。ここでも、「働いているが」という人の声を複数聞いた。

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「年越し支援・コロナ被害相談村」で食料を受け取り帰る男性=2021年12月31日、東京都新宿区、川村直子撮影
 物流業界でアルバイト社員として働いてきたという男性(54)は、大みそかのテレビニュースでコロナ被害相談村のことを知り、元日に初めて足を運んだ。「コロナ禍で会社の仕事が減り、残業がなくなって、生活が苦しくなった」と話した。コロナ以前と比べて収入は月3万円ほど落ち込んでいるという。コロナ禍のなかで、これまでも家計が苦しいときにフードバンク団体の食品提供などを利用してきたそうだ。

1月2日 チャットで「助けてください」
 年明け2日は、自立生活サポートセンター・もやい(新宿区)が取り組むチャット相談・駆けつけ支援を取材した。ホームページのチャットから相談を受ける。急を要するケースで、都内・都近郊であれば、車で相談者のいるところへ駆けつける。年末年始の特別対応として、12月30日と1月2日の午後3時〜午後9時に実施した。

 スタッフが待機する事務所のパソコンに切迫したSOSが次々ととびこんできたのは、2日の午後5時半以降だった。

ここから続き
 「助けてください」

 「お金もなく住む場所もなくさまよっています。もう死にたいです」

 所持金800円という30代男性からだった。チャットでやりとりすると、山手線の駅近くのベンチにいることがわかった。

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自立生活サポートセンター・もやいが実施したチャット相談のやりとりの一部=22年1月2日、東京都新宿区(※画像の一部を加工しています)
 スタッフ3人が車で急行、急場をしのぐためのお金やカイロ、生活保護申請ガイドなどを渡し、年明けに事務所で実施する生活相談会の情報などを伝えた。

 その20分ほど後、今度は20代男性から「緊急の支援をお願いしたいです」とのメッセージが入った。足を痛めて年末年始の炊き出しにも行けず、所持金もなく、何も食べていないというSOS。

 すぐ、もう1台の車でスタッフが現地に向かった。本人によると、勤め先の飲食店が昨年夏に倒産し、家と仕事を失ってしまったという事情のようだった。

 さらに20分後には、「寝る場所 食事がとれない 頼れる人もいない」というSOSがチャット画面に表示された。あるショッピングセンターのなかで一時的に寒さをしのいでいるという状況のようだった。

 携帯電話のデータ通信は止められていて、無料Wi-Fiを使ってチャットにアクセスしている、と伝えてきた。電波がつながらなくなるのか、ときおりチャットの反応が途切れた。それでも、もやい側でショッピングセンターのウェブサイトを開いてフロア案内図を確認し、相談者がいる場所を特定した。

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自立生活サポートセンター・もやいのチャット相談で、相談者の居場所をグーグルマップで確認する理事長の大西連さん(写真手前)ら支援スタッフ=22年1月2日、東京都新宿区
 支援に向かえる車は2台。前に出動した1台が事務所に戻るとすぐに、新たな相談者のもとへ向かった。チャットのやりとりではわからなかったが、ショッピングセンターで待っていたのは女性だったという。

 結果としてこの日、チャット相談対応は6件あり、そのうち3件は駆けつけ支援をした。30日分も含めた年末年始2日間ではチャット相談16件、駆けつけ支援9件だった。

 チャット対応や支援の調整にあたった、もやい理事長の大西連さんは「チャット相談の有人対応や駆けつけ支援は重要だが、民間団体で毎週やってくれと言われたら、スタッフはもたない。365日対応する救急車と同じように、追い詰められた生活困窮者向けに緊急支援対応をするホットラインを公的機関がつくるべきではないか」と指摘した。

1月3日 20代女性「初めて食料支援に」
 1月3日は、千代田区の聖イグナチオ教会で「年越し大人食堂2022」が実施された。年末30日に続く2日目の開催だ。

 食品配布を待つ列のなかに、20代の女性もいた。黒いマスクとネックウォーマーで口元をおおい、パーカのフードを目深にかぶっているので、顔や表情はまったくわからない。

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大人食堂2022では、お弁当や果物、飲み物などの食料を配布し、各種相談も受けつけた=22年1月3日、東京都千代田区
 撮影はダメだが、立ち話だけならと質問に答えてくれた。女性によると、食料支援に足を運んだのは、昨年大みそかの「コロナ被害相談村」が初めて。情報はツイッターで知った。「昨年の秋から失業中で、貯金を取り崩して生活している。余裕がないので、少しでも足しにしたいと思って」と話した。この日の大人食堂では、食品と生理用品を受け取ったという。

 受け取ったお弁当を屋外のテーブルで食べていた男性(41)も「少しでも生活費を節約するために来た」と話した。

 都内でアパート暮らし。派遣で働いてきたが、上司との関係がうまくいかず、心の不調で昨年秋に退職した。食料支援を利用したのは、元日に都庁前で開催された自立生活サポートセンター・もやいの食料支援が初めて。そのとき路上生活を続けている人から3日の「大人食堂」の情報も教えてもらったという。「体調が回復したら仕事が見つかると思う。それまで食料支援を時々利用させてもらうかも知れない」

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「大人食堂2022」では、食品だけでなく生理用品や赤ちゃん用品も並んでいた=22年1月3日、東京都千代田区
 主催者によると、大人食堂の来場者は2日間で685人。21年のゴールデンウィークに同じく2日間にわたって開催された「大人食堂」を上回り、過去最多となったという。

      ◇

 1月8日・9日の両日、大久保公園(新宿区)で「女性による女性のための相談会」が実施される。スタッフは全員女性で食料、生理用品などの提供も。8日は午前11時〜午後4時半、9日は午前10時〜午後4時。

 自立生活サポートセンター・もやいと新宿ごはんプラスは8日、東京都庁前(新宿区)で食品配布と各種相談会を実施する。午後2時〜3時。同じく8日、NPO法人TENOHASIの炊き出しが東池袋中央公園(豊島区)で開催される。各種相談は午後5時〜午後6時半、食品提供は午後6時から。(編集委員・清川卓史)

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