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生活保護者の集いコミュの「最低賃金で生活が苦しいのは自分のせいなの?」国会議員に直撃して悟った日本のヤバさとは

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https://news.yahoo.co.jp/articles/c316ebef41671ea91b88b6f1568ac38d7359340a

今年、4年ぶりにおこなわれた衆議院選挙。終わってみれば与党の勝利と、国民は現状維持を選んだ結果でした。一方で、「本当にこのままで大丈夫なの?」という先行き不安を覚えた人も相当数いたことでしょう。

社会が不安定になってきたときに、真っ先にダメージを受けるのは弱い立場の人たち。その中には“若くない女性”というカテゴリーの人たちも含まれるでしょう。では具体的に、女性は年をとるとどのような社会的“壁”にぶつかる可能性が高いのか? そして自分を守るためには、どのような準備をしておくべきなのか? 『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた』の著者、50代ライター・和田静香さんにお話を伺いました。

「私の不安は日本の不安」と語る和田さんは、女性だからこそ持つべき視点、学ぶべき社会の仕組みがあると訴えます。

mi-mollet(ミモレ)

和田静香さん
1965年、千葉県生まれ。相撲、音楽ライター。著書に『世界のおすもうさん』、『コロナ禍の東京を賭ける 緊急事態宣言下の困窮者支援日記』、『東京ロック・バー物語』などがある。12/27に最新著書『選挙活動、ビラ配りからやってみた。「香川1区」密着日記』(左右社)が発売されたばかり。

ーー今年8月末に出版された著書が大きな話題になっています。衆議院議員の小川淳也さんに、私たちが日ごろ抱えている素朴な疑問を素直にぶつけ、分かりやすい答えを引き出してくれています。本当に、読みながら「そういうことだったのか!」と何度も膝を打ったのですが、もともと政治に関心は強かったのですか?


和田 全然ですよ。ただ10年ぐらい前から、何だか生活が苦しい、私がダメなんだ……と一人で悶々としていただけの人間でした。

――それがなぜ、国会議員に取材して1冊の本を出すほどに!?

和田 一番のきっかけはやはり新型コロナウイルスの蔓延だったと思います。その前から本業のライターだけでは食べていけなくて、ずっとコンビニやレストラン、おにぎり屋さんなどでアルバイトをしていたんです。それがコロナ禍でクビになって。それまでは、苦しいけれどバイトをすれば何とかなると思っていたのに、それもままならなくなった。これはいよいよ生きていけないかも! と絶望したんです。実際、ライターの収入はどんなに頑張っても月に10万円ぐらいでしたから。

――東京で、10万円で生活するのは難しいですよね。それでどうしたんですか?

和田 バイトと掛け持ちしましたが、毎日が不安でたまりませんでした。もちろん生活保護を利用することも選択肢としてあることは知っています。友人が生活困窮者支援をしているし、私もそうした記事を書いてもきました。当然の権利です。なのに自分がそれを受けるか? と問われたら、スティグマに縛られて動けない。そう感じてしまう自分にもまたショックを受けたりしていました。

――そこから「政治に訴えなくては!」と思い始めたんですね。

和田 いや、実はそれでも「政治に!」という発想はなかったんです。関心を持つようになったのは、たまたま小川さんのドキュメンタリー映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』に関する記事を作ってほしい、という仕事の依頼を受けたから。そこで映画を見たら、これがめちゃくちゃ良くて。議員になるのもやっと、なっても弱い野党の中ですら出世できない。それでも小川さんはあきらめずに奮闘している。この人に話を聞きたい!」と何も考えずに取材を申し込んでしまったんです。実際、最初の取材のときも小川さんは何度も「あきらめない」と言っていて、それがめちゃくちゃ心に刺さりましたね。

――国会議員に会って、和田さんが一番訴えたかったことは何だったんでしょう?

和田 いざとなると自分が何を訴えたいのかも分からなかったんです。それで小川さんの政策集や教えてもらった課題図書、自分で本屋さんや図書館で探した本を必死に読んで勉強して、質問を立てていきました。政治のことを尋ねるのは、何も考えてなかった私にはハードルが高かったですね。

国会議員に話を聞いてもらえて楽になった思い
コピーライト︎前康輔

和田 でも最近になって、あの頃の私はただ小川さんに話を聞いてもらいたかったんだな、と気づいてきました。というのも10月の選挙活動期間中、私は小川さんの選挙活動を追いかけていたんですけど、そのとき泣きながら非正規雇用の生活の大変さを訴える人がいて。「必死に働いているのに生活は全然ラクにならない。どうして?」と。その人だって、小川さん一人に訴えたところでどうにもならないのは分かっていたはず。それでも自分の苦しみを政治家に聞いてもらいたかったんだと思います。小川さんに取材を申し込んだときの私も同じでした。話を聞いてもらって、何かねぎらいの言葉をもらいたかった。そんなふうに、どうにもできない不安に押しつぶされそうになっている人は、待ったなしで増えていると思います。

――その後、小川さんに取材を重ね、和田さん自身も勉強を重ね、当時の和田さんが抱えていた不安の正体も見えてきたんじゃないかと思います。それは和田さん世代の女性みんなが抱える不安と言ってもいいと思うのですが、具体的に何だったのでしょう?

和田 やはり女性ゆえの、働くことの難しさですよね。正社員ならいいですけど、もともと女性は男性より正社員雇用枠が少ない。そして非正規の人間は、私のように年をとるにつれ働く条件が困難になっていきます。なかなか雇ってもらえないわ、時給は下がるわ……。だからたとえば、いじめられても辞めたら次が見つからないから、我慢して働かざるを得なかったりします。

――めちゃくちゃ立場が弱いですよね。そんなときってどうしたらいいんでしょう?

和田 私もどうしたらいいのかわかりません、正直なところ。ただ働く人には労働基本権があります。労働組合に相談することもできる。そういう権利を本当はどんどん行使すべきですよね。あきらめていたら、ずっと弱いままの立場です。

――なるほど。とはいえ、そういった権利を知っていても、いざ戦うとなると時間もエネルギーもいりますよね。それで「めんどうだからもういいや」とあきらめる人も多いと思うんです。もう少し、簡単な方法ってあったりしませんか?

和田 その気持ち、分かります。実際、私の友人も最近、「能力不足」と会社をクビになったんですよ。本当は経営が苦しくなったから、独身女性から辞めさせたかっただけみたいなんですが。でも、いざ「非正規労働者のためのユニオンに加入していっしょに戦ってもらう?」と聞くと、ひるんでしまう。時間はかかるし、どこまでユニオンの人が精神的なことも含めて寄り添ってくれるのかわからない。それでおとなしく辞めて、次の仕事に行ってもまた不当な扱いを受けることもある。

こういうことはこれからの時代、もっと頻繁に起こってくると思います。とくに日本は男性中心の社会システムになっていますから、女性から先に斬り捨てられていくでしょう。そんなときはせめて、「労働基準局に相談しますよ」ぐらいは言ってみたらいいかもしれません。クビまでいかずとも、何か嫌なことをされたときも、このひと言は抑止力として多少なりとも効果があるかもしれません。経営者にとって、権利を知っている雇用者というのは想像以上に脅威なんですよ。

――なるほど、学ぶことは自分を守ることでもあるのですね。では働くことだけでなく、たとえば年金や健康保険といった社会保障に関してはどうでしょう? ここに関して、女性が知っておくべきことって何かありますか?

和田 う……、実は保険に関しては私はしょっちゅう滞納している人間なので、何とも……。でも、社会保険料を全額払えないフトコロ事情の人って少なくないと思うんです。そんなときは、申告すると「4分の1でいいですよ」などと免除してもらえるんですよ。そういった制度があることも、知っておくといいですよね。もちろんその分、受給年齢になったとき満額はもらえませんが。

――そうやって聞くと、保険料を払えないほど余裕のない人が年金をちゃんともらえなくて、払える余裕のある人がいっぱいもらえるって、何だか矛盾している気もしますね。

和田 まさに、それです。今までの政治の仕組みでは、これからの社会は本当に立ち行かなくなる。だからこそ、そこを変えてくれる人を私たちが当選させることが大切だと気づいたんですけど。とはいえ、私も常々思っていることですけど、応援する候補が当選したためしがない(笑)。なかなか自分の声なんて届かないですよね。そんな人は、議員に手紙やメールを送ったり、議員の地元の報告会とかに行って訴えたりするのもオススメです。与党の政治家は分からないですけど、少なくとも小川議員はちゃんと読んでいましたから。

――メールを送る、ぐらいなら比較的ハードルが低いですね。でもいろいろお聞きしていると、さっきも出てきたように、社会保険料を普通に払えてしまう比較的余裕のある層には、これから自分たちも陥るかもしれない困窮はピンときにくい話のような気がします。そうなると、今回の選挙結果にも出ているように、現状維持でズルズル……という選択をしてしまう人が多そう……。

和田 今食べていけないとか、生活が苦しいとかでなければ、他人事だと思ってしまいますよね。でもね、実は全然他人事じゃないんですよ。まず、日本のインフラのほとんどは昭和30年代〜50年代に作られていますから、もうかなり古い。でも日本の財政は大赤字だから、そこは後回しになる。インフラが整っていない国って、自分の家計は余裕があっても、果たして暮らしやすいのか? という話ですよね。

一方で気候変動が進んで温暖化の影響で巨大な台風や赤潮などが起こり、地球上のあちこちで作物を作ることが難しくなってきます。コロナ禍のようなことがあると輸送も制限される。とくに日本は食糧自給率が低いですから、どんなにお金はあっても影響を免れなくなってきます。だからやはり、税制を含め、様々な仕組みを変えていくべき時にきていると思うのですが、それは国民にとって痛みのあることですから、少なくとも今の与党はそれを丁寧に説明したり、真剣に解決しようとはしていませんよね。すいません、脅すようなことばかり言ってしまって。

――うむむむ……、「自分さえ良ければいい」という自己中思想すらもう持ちきれない状況になってきている、ということですね。「自分を守るためにどんな準備をしておくべきなのか」という、ある意味「自分さえ良ければ」的発想から和田さんにお話を伺いたいと思ったのですが、そんな甘い状況ではないことがじんわり分かってきました。……で、とりあえず今、私たちがやるべきことって何なのでしょうか?

和田 まずは自覚することだと思います。何も知らないことは、自分の生活を苦しめることになる、と。私は全然、自己中でいいと思うんですよ。誰だって自分の生活をより良くしていきたいのは当たり前ですから。ではその自分の生活をより良くできるものが何かといったら、その大元は政治にある。政治を知ることこそが、自分の生活を変える第一歩だと気づくことが本当に大事だと思います。

おそらく皆さん、今まで日本の国家財政の歳入や歳出をちゃんと見たことってないのではないでしょうか。私も本を作るために初めて見ましたから。でも人生で一回ぐらい、財務省のサイトを見てみませんか? それだけでも、いかにマズイかが分かりますから。すいません、暗い話にばかりなっちゃいました。

――そう言われてみると、本気で日本の状況を知ろうとしたことがなかった人も多いと感じます。自分を守る、女性が弱者にならないために……などと考えるのは、それからですね。まずは財務省のサイトを一回開いてみます。今日はありがとうございました。



文/山本奈緒子
構成/藤本容子

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