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生活保護者の集いコミュの所得と貯蓄の世帯数集計で分かる、日本社会の「富の格差」

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https://news.yahoo.co.jp/articles/0eb9e3ab20f489b9842bbc06378f2ab9948a6ba0

<日本で一番多いのは、年収100万円台で貯蓄ゼロの世帯という過酷な現実>
この四半世紀で世帯単位の平均所得は100万円以上減った Ivan-balvan/iStock.

国民の生活は苦しくなっているが、その指標として使われるのは所得だ。1985年以降の推移を見ると、世帯単位の平均所得のピークは1994年の664万円だったが、2002年に600万円を割り、2019年では552万円となっている(厚労省『国民生活基礎調査』)。この四半世紀で100万円以上減ったことになる。中央値は437万円だ。世帯の単身化、高齢化が進んでいるとはいえ、国民の稼ぎが減っていることは明らかだ。

【グラフ】所得と貯蓄別の世帯数

だが収入は少なくても(なくても)、貯蓄が多いという世帯もある。リタイアした高齢者世帯などだ。生活のゆとりの分布を知るには収入だけではなく、いざという時の備え、湯浅誠氏の言葉で言う「溜め」にも注目しないといけない。所得階級と貯蓄階級のマトリクスにて世帯数を集計した表が、上記の厚労省調査(2019年)に出ている。これをもとに、所得500万円台・貯蓄700万円台の世帯の数といった情報を知れる。<図1>は、結果をグラフで視覚化したものだ。

<図1>

横軸は所得、縦軸は貯蓄額の階級で、この2つを組み合わせた各セルに該当する世帯数がドットサイズで示されている。一見して、所得・貯蓄とも少ない困窮世帯が多いことが分かる(左下)。所得300万未満、貯蓄200万未満の世帯は全体の15.1%に当たる(緑の枠線内)。その一方で右上の富裕世帯も結構あり、社会の富の格差も見て取れる。

ちなみに「日本で一番多い世帯は?」という問いへの答えは、上記のグラフのドットサイズから、所得100万円台・貯蓄ゼロの世帯ということになる。単身非正規の若者、ないしはカツカツの暮らしをしている高齢者世帯などが多いと想像されるが、強烈な現実だ。所得と貯蓄を合わせて見ても、日本社会の貧困化が進んでいるのが分かる。

赤丸は所得・貯蓄とも100万円未満の世帯で、生活困窮のレベルが甚だしく、生活保護の対象のレベルだ。全体の3.2%に相当し、2019年1月時点の全世帯数(5853万世帯)に掛けると、実数で見ておよそ187万世帯と見積もられる。現実の生活保護受給世帯はどうかと言うと、同年7月時点の被保護世帯数は約162万世帯(厚労省『被保護者調査』)。生活保護は、困窮世帯を十分に掬えて(救えて)いない。日本の生活保護の捕捉率の低さは、よく指摘される。

その生活保護だが、コロナ禍で困り果てる人が増える中、受給者は増えているだろうと思われるが現実は違う。生活保護受給者数の推移の近況を棒グラフにすると、<図2>のようになる。2019年7月から2021年7月までの月単位の変化だ。

<図2>

ご覧のように真っ平だ。コロナ禍だというのに保護受給者は増えておらず、よく見ると微減の傾向すらある。これでは「日本の生活保護は定員制なのか」という疑問も禁じ得ない。恥の意識につけ込んだ扶養照会(申請者の親族に援助できないか問い合わせる)などの水際作戦も功を奏しているのだろう。

なお同じ期間にかけて、母子世帯の保護受給世帯は明らかに減っている。京都の亀岡市では、2015年度から19年度にかけて母子世帯の保護利用が大幅に減っているのはどういうことか、削減のターゲットにされているのではないかと、市民団体が調査に乗り出すとのことだ(11月9日、京都新聞Web版)。

日本では世帯の貧困化が進んでいて、最後のセーフティーネットである生活保護も十分に機能していない。どうにもならず自殺者(とくに女性)が増え、自棄型の犯罪が起きるのも道理だ。まずは生活保護の運用の見直しが必要で、効果が定かでない扶養照会などは廃止を検討するべきだろう。

<資料:厚労省『国民生活基礎調査』、
    厚労省『被保護者調査』>

舞田敏彦(教育社会学者)

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