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生活保護者の集いコミュの困窮者や路上生活者 声なき声をキャンバスに 池袋の公園で路上アート

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/130927

 豊島区の東池袋中央公園で第二・四土曜の午後、生活に困窮する人に食品が配られる。その一角に五月から、誰もが参加できる小さなアートスペースが設けられた。筆を握る人たちの中には、生活保護を利用する人や路上生活者の姿も。「貧困」や「困窮」などと、ひとくくりには語れない、それぞれの生き方がキャンバスに浮かび上がる。
キャンバスに描かれるマンモスの絵
キャンバスに描かれるマンモスの絵

 九月十一日午後三時ごろ、公園の地面に大きなキャンバスが広げられると、板橋区の一人暮らしの男性(81)が、すかさず鉛筆を手に取った。図鑑を横に置き、もくもくとマンモスを模写し続けた。子どものころからよく、絵を描いてきたという。毛並み一本一本も丁寧に描き上げ、「朝から晩まで描いても、飽きないね」とにんまり。
トランスジェンダーの女性が描いた混浴風呂の絵
トランスジェンダーの女性が描いた混浴風呂の絵

 混浴風呂に入る女性の絵を描いたトランスジェンダーの女性(56)は、「私は男風呂にも女風呂にも入れない。男女隔てなく更衣室やトイレを使えるようになってほしい。誰もが生きやすくなったら、どんなにいいだろう」とさみしそうに話した。二人とも、NPO法人「TENOHASI(てのはし)」が配る食品を受け取りに来て、この活動を知ったという。
 アートスペースはアーティストの尾曽越(おそごえ)理恵さん(71)=埼玉県和光市=が設置した。若いころに抱いたアーティストの夢をかなえようと、二人の子育てが一段落した二〇一〇年ごろから日米を行き来し、広島の原爆などに関連する作品を制作。二〇年九月からは、ニューヨークの大学院で「ソーシャリー・エンゲイジド・アート」を学んでいる。アーティストが人々との対話や協働を通じて、社会的価値観の変革を促す活動だ。
アーティストの尾曽越理恵さん
アーティストの尾曽越理恵さん

 貧困問題には、息子が転職に苦労した経験から関心を持った。新卒でなければ正社員になりにくく、非正規労働では十分な賃金が得られない。「家族の支えがなければ住まいも失いかねない人々がいる。日本の雇用政策は、格差を生んでいる」と実感した。
 ホームレス問題に関連した作品を作るために実態を知ろうと、昨年十二月に帰国し、今年一月から食品を受け取りに来る人に同公園で取材を始めた。作品を作ったが表面的にしか貧困問題に触れられていないと思い、「ここに来る人ともっと深く関わり、思いを直接引き出したい」とアートスペースを企画した。
 アートスペースではこれまで、十人ほどが作品をつくり上げた。絵の具を直接付けた手や指でキャンバスを塗ったり、こすったりする人、派遣法への意見を文章にする人…。路上生活中の男性は、汚い物に囲まれながら、何かにのしかかられている赤や茶色の円をキャンバスの隅に描き、自分自身を表現した。大きく描くよう求められても、「いつも重圧を感じるからできない」と断ったという。
 尾曽越さんは「みな、いろんな人生を歩んできた。それぞれにいい才能があり、さまざまな意見があり、それを表現したいと思っている。ゆくゆくは誰もが天候に関係なく、絵を描ける場所を作りたい」と話す。
路上生活の男性が描いた絵。何かにのしかかられている自分を赤と茶の円で表現した
路上生活の男性が描いた絵。何かにのしかかられている自分を赤と茶の円で表現した

 貧困問題を考え、困窮者への偏見や差別をなくすきっかけになればと、アートスペースで描かれた作品の展覧会「てのはし参加者による絵画・共同制作展−聞かれなかった声に耳を澄ませる−」を十一月十〜十五日、池袋西口の東京芸術劇場で開く。入場無料。詳細は尾曽越さんのホームページ=https://www.osogoe.com=へ。
 文・中村真暁/写真・佐藤哲紀
 ◆紙面へのご意見、ご要望は「t-hatsu@tokyo-np.co.jp」へ。

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