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生活保護者の集いコミュの親子で陽性、5日で子は3.5キロ減…コロナで広がる経済格差「貧困家庭」放置の理由

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https://news.yahoo.co.jp/articles/b6357c561f169088b3339ba2d048a2e6096098b0

 2009年 にNPO法人キッズドアを立ち上げ、貧困、虐待、障がい、いじめ、⾃殺、不登校、過疎、少⼦化、ネグレクト(育児放棄)など、子どもをめぐる問題点から悩む方々を支える活動を続けている渡辺由美子さん。立ち上げから12年経つ今も、貧困問題は解決するどころか、コロナの影響もあってますます格差が広がっているという。現状と解決しない理由を考察し、改めて渡辺さんに寄稿いただいた。

【写真】冷蔵庫がいつもからっぽ…貧困に苦しむ家族のハガキ

年収200万円未満、貯蓄額10万円未満での子育て
給食がその日の食事の要という家庭もある。「ご飯は朝は食べず、昼まで我慢をすることになっている」という声もキッズドアに寄せられるという Photo by iStock

 「食料も困っていますが、支払いが止まっているので、給付金があればと願うばかりです」

 これは、私が運営するNPO法人キッズドアが企画した、新柄コロナウィルス 感染症に感染したり、濃厚接触になったり、保育園や学校が休校になって仕事に行けなくなってしまった困窮子育て家庭のための食糧支援の申込に寄せられた声です。

 2020年3月2日の全国一斉休校、その後の緊急事態宣言以後、困窮子育て家庭は大変厳しい状況が続いています。キッズドアでは、コロナ以前は、困窮家庭の子どもたちに無料の学習会や、簡単な食事も提供しながら勉強を教えたり、様々な相談にのる居場所の運営などを行なっていました。コロナ禍でも、感染対策を十分に行いながら、また、オンラインなども活用して、学習支援は継続しています。しかし、それだけでは、ただでさえ大変な状況の子どもや保護者がますます深刻な状況になってしまう、なんとかしなければと、2020年10月に「ファミリーサポート事業」という、日本全国の困窮子育て家庭を支える事業を始めました。

 2021年9月1日現在、その事業には2838世帯のご家庭が登録してくださっています。ご登録家庭の9割弱が母子家庭です。2020年の収入は200万円未満が65%、300万円未満までで88%、2021年6月時点の貯蓄額10万円未満が51%と非常に苦しい生活をされています。寄付を集めては、食料品や文具などを送っていますが、全く足りていません。

 給食がなくなる夏休みは、食べ盛りの子育て家庭にとってはコロナ禍でなくても大変な時期でした。それでもまだ昨年は、一人10万円の特別定額給付金があったため、「この給付金でなんとか夏を乗り越えた」というご家庭がとても多かったのです。総務省の調査では特別定額給付金の多くが貯蓄に回ったというような結果も発表されていますが、困窮子育て家庭にとっては、まさに「命をつなぐ」お金でした。子どもの貧困やシングルマザー支援を行う団体や研究者とともに、ずっと政府に「夏休みは本当に危険なので、なんとか夏前に困窮子育て家庭に現金を出して欲しい」と要望を出してきましたが、とうとうそれは実現されないまま、夏休みを迎えました。

中学生男子に「食品を送ってくれてありがとう」と言わせる国
キッズドア提供

 キッズドアでは、少しでも足しになればと、夏休みに緊急食糧支援を行いました。2014世帯に米、野菜などの冷蔵品、肉、魚、惣菜などの冷凍品を送りました。食品や文具を送る際には、葉書を入れ、よければ感想を送ってください、とお願いしています。昨年より続けていますが、最近はハガキの内容が変化してきました。以前はお母さんからの「助かります」というハガキ、小さい子どもからの「美味しかった」「ありがとう」という可愛い絵がついた葉書だったのですが、日に日に、中学生や高校生の子どもからの感謝の言葉や、お母さんからの切実な声に内容が変化しています。

 「僕は中学校3年生で、部活をしているので、いっぱい食べないといけないので、お肉も野菜も米も全部もらえてうれしいです。自分の好きなものばかりだし、いっぱい食べて頑張りたいと思います」

 「わたしはふだん肉と魚をあまりたべていないのでとてもうれしかったです」

 「冷蔵庫が久しぶりにいっぱいになりました。ありがとうございます。安心感・・子供たちが『これ食べていい? 』ときいてきても『いいよ〜』と言えました。又、緊急事態宣言がでてしまいました。貯金もほとんど使ってしまい。学校でコロナがでてしまって、休校になったら・・・仕事を休むわけにはいかない。生活できなくなってしまう・・・・考えることがいっぱいで・・つかれました」

 私たちの就労支援プログラムに参加していたお母さんから「鬱をなってしまって、メールが来るのも苦しいのですがどうしたらいいでしょう?」というようなご連絡もありました。前向きに就労支援に取り組んでいた方が、鬱になってしまう。この方だけではなく、他にもたくさんの方が精神疾患を発症しています。

 「コロナの影響で、元々仕事が少なくなっていたところに、営業ノルマやその他コロナ対応などがのしかかり、鬱を発病してしまいました。2021年1月下旬より、休職中ですが、4月になった今も、傷病手当てがまだ支給されず、貯金と借り入れで生活しています」

 長引くコロナの影響で、困窮子育て家庭は、益々追い詰められています。

 「食品をありがとうございます。どれも美味しくいただきました。食品が届いてお母さんも笑顔になりました」

 こう書かれた中学生からのハガキも届きました。子どもにしっかりと食べさせたいけれど食べさせられない、と不甲斐なさを責める母親を、子どもはただ見ることしか、食べることを我慢することしかありません。何十万円、何百万円のお金をくれと言っているのではありません。ほんのわずかな、毎日子どもがお腹を満たせるだけのお金を、安心して生活できるだけのお金を支給して欲しいと言っているのですが、いまだに政府の決定はありません。

非正規雇用の子育て家庭にとってコロナは死活問題
隔離の場所もない、仕事にも行けない。そういうときどうしたらいいのか…Photo by Getty Images

 先日、ある家庭から「コロナにかかってしまって、パートもクビになってしまい、買い物にも行けなくなってしまった」という連絡がありました。その他にも濃厚接触で待機になってしまった、というような方が何人もいらっしゃいました。

 コロナ感染が広がれば、その影響を受ける方は当然増えます。濃厚接触者が出ても、狭い住居では隔離もままならない、ひとり親で自分が隔離になれば買い物にも行けないなど、困窮子育て家庭ならではの苦難がたくさんあります。その中でも注目すべき問題は、「隔離期間は、仕事に行くことができない」ということです。非正規労働の方にとっては大幅な減収に直結し、翌月生活ができなくなります。毎日ギリギリ、今でも足りない給料が、さらに激減する、貯金もない、という子育て家庭にとっては死活問題です。

 これについても、政府にお伝えしていますが、迅速な動きはありません。

 2学期が始まっても、感染拡大の影響で保育園や学校が夏休み延期となり、仕事に行けない方もいます。とにかく当座の食料を、と緊急で「コロナ感染者等のための食糧支援」を開始しました。対象は、ご本人や家族がコロナに感染や濃厚接触になった、保育園や学校が休園や休校になり、仕事に行けずに、翌月の給与が減少する方です。どれくらい対象者がいるのか、全くわからないまま、9月3日に「とりあえず200世帯」を用意して案内を出しましたが、数時間のうちに、660件の申込が来ました。

 「親子で同じ日にPCR検査を受けて、二人とも陽性でしたが、親だけ入院、子供一人で自宅療養になりましたが、保健所の食糧支援は30歳までの家庭と言われました。子供一人でコロナ感染しているのに放置されました。保健所からの安否確認も一切なし。子供が心配で、5日間の入院で退院しましたが、子供は、3.5キロやせてました。本当に怖かったです。今はまだ、倦怠感と嗅覚異常の症状があります。子供はカップラーメンばかり食べていたせいなのか口内炎とか、口の端が切れてたり荒れていますが、野菜が高くてなかなか栄養バランスを考えた食事は食べさせてあげられません」 (50代・母)

 濃厚接触や休校・休園の影響で仕事に行けない方からは、子どもが家にいるために食費が増えるという訴えと、翌月の収入が激減することへの不安がつづられています。

 「収入はあるが、夏休み以降も休校になり食費や光熱費が倍になっており赤字が続いていて、消費者金融からお金を借りて生活している状況です」(30代・母)

 クレジットカードのキャッシングを使い切ってしまって督促が来る、夫と相談しようとしても暴力を振るわれてしまう、というような声が上がっています。この方たちは何も悪いことをしていません。ただ、「コロナの影響で仕事ができないだけ」なのです。政府は雇用調整助成金や休業支援金などを使って欲しいといいます。大企業の正社員なら会社が申請をしてくれますが、中小企業や個人商店などで働いていたパートの方が利用するのは現実的ではありません。緊急小口資金や総合支援資金の貸付を利用して欲しいといいますが、些細な理由で申請させてもらえない、申請できても却下される、申請が通っても口座に振り込まれるまでに1ヵ月もかかるような場合もあります。今、食べるものがないのに、1ヵ月後に入金されてもしょうがないのです。

片親家庭の48%、子どもの7人に1人が貧困
コロナで真っ先に職を失ったのは非正規雇用者だ。頑張っても頑張っても、これ以上頑張りようがない状況にある家庭は少なくない(写真の人物は本文と関係ありません)Photo by iStock 

 なぜ、この子どもや子育て家庭に速やかな支援が差し伸べられないのか? 
 コロナの前から、日本の子どもの貧困は大きな問題でした。日本の子どもの貧困率は13.5%、およそ7人に1人の子どもが貧困です。ひとり親家庭の貧困率は48.1% で、先進国の中で最悪です。政府も様々な取組を始めていますが、根本的な解決のために児童手当の増額や、困窮子育て家庭への手当ての増額や給付対象者の拡大は、非常に重要です。日本は他の国々に比べて、児童手当や保育園への補助などの家族政策支出、授業料無償化などの教育支出に関して、税金で賄っている比率が大変低いのです。普段から子育て家庭への国の支援が少なく、パートやアルバイトをWワーク、トリプルワークしながら頑張っていた多くの困窮子育て家庭が、コロナで働けなくなった時に危機に陥るのは当然です。

 日本の子どもたちは、平時でも政府からの支えが少なく、コロナのような災害時にも支えてもらえない、お腹が空いてもただただ我慢するしかない、という状況です。「自助・共助・公助」という言葉や、「最後には生活保護がある」というような菅総理の発言には、私は大きな違和感を覚えました。すでに自助ではどうしようもなく、共助もやりきって、公助しかないですよと、いくら訴えても、それが聞き入れられているとは思えません。コロナ禍からすでに1年半、お母さんたちは「明日子どもの食べさせるものがない」「来月の生活費が足りない」「公共料金の引き落としができていない、明日止まってしまうのではないか」「スマホが明日で止まる。助けを求めることもできない」そんな心配をずっと続けています。そして、もう疲れ切っています。心身の病気になる人も増えています。

 経済を回すことはもちろん大事です。タイミングの是非はあれど、Gotoトラベルに膨大な費用を使ったのも、経済を回すためでしょう。しかし、子どもの命を助けることも同じように大切です。同じように迅速に支援をすることにもう少し、積極的になってもいいのではないでしょうか? 
 私たちは仲間と一緒に、昨年のコロナ以後、困窮する子どもたちに現金給付をお願いしますと、ずっと政府にお願いしてきました。その度に、インターネット署名を行い、アンケート調査を行い、レポート作ってエビデンスを示し、記者会見を行い、政府や政治家の方々にお願いに回ってきました。2020年度は、努力して努力して、ようやく、ひとり親で困窮する家庭には1人には子ども一人につき3〜5万円が3回、困窮する二人親家庭には1回だけ支給が決定されました。そして、2021年の夏休みも支給して欲しいとずっとお願いしてきましたが、結局給付は決定されませんでした。

 私は、政府へのお願いを続けながら、「もし、私たちがお願いしなければ、政府はご飯も食べられないような子どもに1円のお金も給付しないのだろうか?」と大変怖くなりました。考えたくはありませんが、「子どもを見殺し」「困窮者を切り捨て」というような言葉が頭をよぎります。子どもに食べさせることができない親は、自分の食事を極端に減らしています。「親は1日1食になれました」「自分(親)はほとんど食べていないので、食糧支援が届いたので私も食べられます」こんな人に食品も現金も配らないまま放置をしているのです。

 困窮子育て家庭に現金給付ができない様々な理由が政府にはあるのかもしれません。与野党かかわらず、政治家の方々に現状を伝え、現金給付をお願いに行くと、皆さん、中には涙ぐみながら「なんとかしたい。動いてみます」とおっしゃってくださいます。しかし現実としては現金給付が決まりません。なぜなのだろう? ずっと考えています。

政治に私たちの声を届けるために
2017年10月にニュージーランド第17代首相になったジャシンダ・アーダーン首相。現在41歳の若きリーダーだ Photo by Getty Images

 我々がお話をした政治家の方々は、きっと「動いてみて」下さっているのでしょう。しかし、結局給付は決まっていないのが現実です。ではどうしたらいいのか。
まず大切なのは本当に動き、決めていただける政治家の方々を増やすことです。ではそのためにはどうしたらいいのか。
「この人ならきっと本当に動いてくれる」という政治家に当選してもらうことしかありません。

 しかし、選挙の投票率は、60〜70%が当たり前だった昭和を超え、平成29年度は53.68%。年代別に言えば、20代が33.85%、30代が44.75%、40代が53.52%、50代が63.32%、60代が72.04%、80代が60.94%です(総務省「国政選挙における年代別投票率について」より)。

 つまり、20代の7割近く、30代の半数以上が、自分たちの生きる環境を決定する人を選ぶ権利を放棄し、もしかしたら自分たちが困っていても手を差し伸べない人が政治家になったとしてもそれを良しとしてしまっているのです。ちなみに、OECDが発表している2021年3月時点での最新投票率を見てみると、社会福祉に手厚く、「世界一幸福な国」のランキングに上がってくるデンマークは84.6%、コロナ対策で大きく評価され、女性の首相の活躍が目立つニュージーランドは82.2%です。

 2021年のいま、普段ならあまり意識しなかった「政府」「政治」が、コロナという世界中を襲っている災害のもとで、自分の生活に直結する大事なものだったと気がついた方は多くいらっしゃることと思います。一斉休校で学校に行けない、自粛の元に仕事に行けない、営業ができない、補償がない、コロナにかかっても治療が受けられない、友達とも会えない、離れた家族とも会えない、など、自分の力ではどうしようもないことがたくさんあります。

 選挙に行く、投票するということは、その「どうしようもない」をできるだけ無くしていく、自分たちがこうしたいと思う社会を作るためにもっとも大事なことです。自分が生きやすい社会は、やはり自分たちで選んでいかなければいけない、そう気がついた方も多いと思います。
自民党の総裁選のあと、10月17日には衆議院議員選挙があります。私たち一人一人が、「自分が困ったとき、大切な人が困ったとき、誰もが困ったときに手を差し伸べる政治家」を選ぶには、こういったチャンスを生かすしかありません。

渡辺 由美子(NPO法人キッズドア理事長)

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