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生活保護者の集いコミュの「悲しい顔を見たくない」、住宅困窮者を救うおせっかい社長に密着 シングルマザー、高齢者、障害者、生活保護者が安心して生活できる社会に

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https://www.rakumachi.jp/news/column/281698

「おせっかいな不動産屋」を自称する不動産会社がある。石川県金沢市の不動産会社「エリンク」。シングルマザーや高齢者、障害を持つ人など、住居探しに困っている「住宅困窮者」の支援をしている。

代表を務めるのは、谷村麻奈美(たにむらまなみ)さん。不動産業界歴18年で、4年前に独立した。エリンクは賃貸仲介と賃貸管理をメインに行う会社だが、その業務の一環として、住宅困窮者の物件探しを支援しているほか、生活保護申請のサポートなども行っている。物件情報の紹介だけにとどまらず、時には依頼者の人生相談に乗ったり、仕事先を紹介したりすることもあるという谷村さん。

「悲しい顔を見たくないから、助けているだけです」。そう笑顔で語る谷村さんの活動に、密着した。

人生相談にも乗る「おせっかい」な不動産会社
谷村さんの普段の業務内容は賃貸仲介と賃貸管理。だが、住まい探しに悩む人から相談が寄せられれば、賃貸物件の仲介だけでなく、人生相談に乗ったり、知人の仕事先を紹介したりと、手厚くサポートを行っている。

そんな自身を、谷村さんは「おせっかい」だと称する。だが、支援を受けた入居者は、谷村さんのことを「女神のような存在」だと話す。

数カ月前に、谷村さんが紹介した物件に入居したTさん(33歳)。現在、生活保護を受けながら生活をしている。2年前、妻と離婚したショックでうつ病になり、その影響もあって仕事がうまく行かず、解雇されてしまった。

その後、派遣の仕事をしながら約1年半、車の中で生活をしていたが、コロナをきっかけに再び失職。生活が立ち行かなくなり、住宅困窮者支援を行っていたNPO法人に相談したところ、谷村さんを紹介されたのだという。


Tさんは失職時、両親に実家に戻ることを相談したが「お金を入れられないなら住んでもらうことはできない」と追い出されてしまったという


離婚をした時には、周囲に相談することもできず、精神状態が弱り「何もやる気が起きなかった」というTさん。その後も辛いことは多かったが、「谷村さんに出会ったことで、自分の将来を考えるようになり、自信もついてきたと思います。車上生活をしていたころと比べると、人生が180度変わりました」と話す。

新しい生活が始まった今でも定期的にエリンクを訪れ、人生相談をすることもあるというTさん。谷村さんからは「自分が楽しいと思うことをやったら良い」とアドバイスをもらったといい、少しずつ自信を取り戻している。

「万引きする手前まで追い込まれていた」人を救済
「谷村さんのおかげで、住居だけでなく、仕事まで得ることができた」という人もいる。

持病があるため、正社員として働くことができず、派遣の仕事を転々としてきたというAさん(40代)。だが、やはりコロナの影響で派遣切りにあってしまい、社宅を追い出されて家も失った。相談した市役所にエリンクを紹介してもらい、谷村さんのもとを訪ねたのだという。

谷村さんはAさんに、自社で管理している部屋を紹介。さらに、人手が足りなくて困っていた知人のリサイクルショップを紹介し、面接のセッティングまで行った。

Aさんは「家もお金もなく、万引きや窃盗など、人としてやってはいけないようなこともうっすら考えてしまうくらい、追い込まれていました。僕にとって、住居と仕事を紹介してくれた谷村さんは、神様のような存在です」と話した。


Aさんは「物件を提供してくれた大家さんと谷村さんには本当に感謝しています」と話していた

「悲しい顔は見たくない」
住宅困窮者への支援に、朝から晩まで奔走する谷村さん。なぜ、住宅困窮者に向けた住まい探しを仕事にしているのだろうか。きっかけは、以前勤めていた不動産会社での出来事だったという。

以前勤めていた不動産会社に、シングルマザーや高齢者、障害者が賃貸物件の紹介を求めて来店。だが、当時の上司から「保証会社の審査が通るかもわからない。住んでもらったとしても、オーナーからクレームを言われるだけ。時間の無駄だから丁重に断りなさい」と指示を受け、谷村さんはこうした人々に対して物件を紹介することができなかった。

「断った後に、その方々ががっくりして帰っていく姿を見て、『不動産会社ってなんのためにあるんだろう』と疑問に思うようになりました」

自身も2人の息子を育てるシングルマザー。自分と同じような立場で、住む場所に困っている人を助けたいという思いが強まり、独立を決めた。当時は、金沢市内に住宅困窮者向けに物件を紹介する不動産会社もほとんどなく、エリンク開業からまもなく、住居探しに悩む人々からの依頼が数多く寄せられた。


賃貸借契約を取り交わしに来た20代の男性。派遣社員として働いていたが、コロナが影響して派遣切りにあってしまったそうだ

「家に帰ったら、お風呂にも入らずビールを飲んで、そのままソファで寝てしまうこともあります(笑)」という谷村さん。日付が変わるまで残業することも珍しくない。仕事に追われる毎日だが、「やりたいからやっているだけ。目の前に困っている人がいたら放っておけません。悲しい顔は見たくないから動いているだけです」と語る。

2年前からは、住宅困窮者の住まい探し支援を行うNPO法人の活動にもエリンクとして参加。住宅困窮者の入居を許可している物件を紹介するほか、このNPOが運営する物件の見回りを行うことも。「入居者さんと連絡がつかないことがあるので、連絡がつかないときは見回るようにしていますね。部屋の中で倒れていて、そのまま誰にも気づかれず孤独死してしまっていることもあり、それが一番心配です」

NPO法人の理事は、「谷村さんが我々の活動に参加してくれたことで、受け入れてくれる大家さんが増えました」と話す。


NPO法人「バリアフリー総合研究所」の事務局長、東海林(しょうじ)さん(右)。4年前から住宅困窮者に向けた支援を行っている

物件を提供してくれる大家への気配りも
もちろん、すべての大家が住宅困窮者の入居を受け入れてくれるわけではない。それでも、谷村さんの活動に共感してくれる大家もいる。


空き部屋を提供してくれた大家の女性(左)と谷村さん(右)

6戸の中古アパートを貸し出している大家の女性は、「家もなく、困っている方が多くいるという話を聞いて、私にも協力できることがあるなら、と谷村さんに連絡をしました」という。

谷村さんは、「現在、物件を紹介したくても、常に物件がないような状態。大家さんがこうして物件を提供したい、と声をかけてくださるのは本当にありがたいことです」と話す。

物件を提供するため、自分でも収益物件を購入した。中古戸建てと区分マンションを1戸ずつ所有している。


谷村さんが所有する戸建て物件

物件のオーナーから、生活保護受給者向けに物件を提供したいが、どのようなリフォームが必要になるか、といった相談を受けることもある。谷村さんは、こうしたオーナーからの相談にも真摯に対応する。


大家の男性(右)はこの日、購入を検討している物件について谷村さんに相談していた

谷村さんは、「住宅困窮者に対して物件を貸し出してくれるオーナーはなかなかいませんから、協力してくださるのはとてもありがたいこと。ですから、家賃滞納が発生したときは入居者にきちんと説教するようにしているんですよ。『オーナーさんのご厚意で住ませてもらっているんだから、きちんと支払いなさい!』って」と話す。

オーナーがきちんと収益を上げられなければ、継続して物件を提供してくれることもなくなってしまうため、オーナーへの気配りも大事なのだと語った。



住まい探しに悩む人々は多く、谷村さんも「生活保護をもらいたくても、住所がなければ申請もできない。こうした方々にむけて、空室があれば、大家さんにはぜひ提供してほしいと思っています」と訴えた。

住宅困窮者を支援するため、彼女は今日も走り続けている。

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