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生活保護者の集いコミュの「生活保護で風俗やめられた」 なまぽちゃんが伝えたいこと

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https://mainichi.jp/articles/20210818/k00/00m/040/255000c

 <お金に困って風俗やるしかないかもと思ってる女の子みんな生活保護受給すること>。生活保護を受給する女性がツイッターとブログで、こう呼びかけていた。SNS(ネット交流サービス)上で「なまぽちゃん」と名乗る女性は借金が返済できなくなって風俗業界に入り、その後、新型コロナウイルス禍や抑うつ症状などの困難を経て生活保護にたどり着いたという。「風俗はセーフティーネットじゃない。当たり前に生活保護を受給してほしい」。生活保護バッシングが吹き荒れるSNSの世界から、なまぽちゃんが伝えようとしていることを聞いた。【山下智恵/デジタル報道センター】

 「メンタリスト」という肩書で活動するDaiGo氏が、動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」でホームレスや生活保護受給者を差別する発言をし、SNS上が騒然としていたころ、女性は思いを寄せる男性に生活保護を受給していることを打ち明けた。相手からは意外な言葉が返ってくるのだが、その前にこの女性がなぜ生活保護の受給を呼びかけるようになったかを紹介したい。


 女性は2021年6月にツイッターの個人アカウント「なまぽちゃん@元貧困風俗嬢」(@namapo_chan)とブログ「元貧困女子なまぽちゃん」(https://namapo.work/)を開設し、生活保護を受給する当事者として発信を始めた。ツイッターのフォロワー(読者)は400人余りとまだ少ないが、一部の投稿には数千単位の「いいね」がつくなど注目されている。

ツイッターアカウント「なまぽちゃん@元貧困風俗嬢」のトップ画面のスクリーンショット拡大
ツイッターアカウント「なまぽちゃん@元貧困風俗嬢」のトップ画面のスクリーンショット
 冒頭の投稿の全文は次のようなものだ。<「コロナで可愛い風俗嬢増える」発言に対抗できるのはお金に困って風俗やるしかないかもと思ってる女の子みんな生活保護受給すること>。20年4月にお笑い芸人が「コロナが明けたら、なかなかの可愛い人が、美人さんがお嬢(風俗嬢)やります」と発言したことを意識したものだ。


 女性の貧困と風俗業界の関わりは深い。ブログには風俗業勤務の苦悩がつづられている。

 <毎日お腹(なか)痛くなりながら出勤して、ドブ臭い口に笑顔でキスして歯周病もらって。性を切り売りする度に尊厳は削られる>

 <結局普通のOLより貧乏だった。(新型コロナで)お客さん少なくて暇なんだからもっともっと出勤しなきゃ出勤しなきゃ出勤しなきゃ、そんな時に性病検査の結果、クラミジア陽性>


 <働きたくないけど働かなきゃいけなくて、でも働いちゃいけなくなって、薬代もかかって。生活は破綻していた。督促の電話が怖くてたまらなかった>

 <2週間後、茶封筒に入った生活費を役所から受け取った。すぐに市役所の食堂に入って、働かざる者なのにごはんを食べた。おいしかった>


 以下はツイッターの投稿だ。

 <借金返しきれなくなって風俗始める子へ。風俗やらないと返せない借金がある時点で返済計画が破綻してます、債務整理しましょう>

 <毒親から逃げてて生活保護受けれないとか昔の話だよ!みんな風俗辞めよ!>

 <女の子、支払いが詰んだからって風俗始めなくていいんだよ。女はいざとなったら身体売れるなんて決めつけを鵜呑(うの)みにしないで>

 取材を申し込むと、記事で名前や経歴について詳細を明かさないことを条件に応じてくれた。

新宿・歌舞伎町の繁華街=東京都新宿区で2021年4月25日午後8時1分、幾島健太郎撮影拡大
新宿・歌舞伎町の繁華街=東京都新宿区で2021年4月25日午後8時1分、幾島健太郎撮影
借金膨らみ「風俗しかない」
 7月中旬。東京都内の貸会議室に待ち合わせ時間ぴったりに現れた。紺色のカーディガンに紺色の上下。穏やかな語り口と眼鏡の奥の知的な瞳が印象的な小柄な女性だった。

 生活保護を悪い意味で使うことが多いネットスラングの「なまぽ」ちゃんを名乗ったのは、話題になって一人でも多くの人の目に留まり、救われる人がいればいいと思うからだ。

 抑うつ症状の悪化による入院から退院したばかりだという。赤いヘルプマークをカバンにつけている。記者の不安を察したのか。「今は体調がよくて。頭の整理のためにも人と話したかったんです」

 なまぽちゃんが風俗業界で働き始めたのは18年夏。当時は昼間の仕事で生計を立てていたが、親戚との金銭トラブルがきっかけで借金が膨らみ、最大300万円に。「風俗で働くしかない」と都内の風俗エステ店を皮切りに、高級エステ、高級ソープ、派遣型ヘルスなど風俗業界を転々とした。

 昼夜働いて借金は少しずつ減ったが、返せない月はリボ払いでしのぐなど自転車操業の月もあった。「19年まではインバウンドが好調で外国人が風俗を利用するなど収入が好調な月もありました。技術や会話でサービスする、と誇りに思ったこともあります」

命の危険が常に
 だが風俗の仕事は危険と隣り合わせだ。性交を指す「本番」の強要は日常茶飯事で、「素人」で売り出されていた時、客から盗撮被害に遭った。直後に発覚したが、インターネットにさらされていないか不安が募った。盗撮に使われたのは携帯電話の充電器に似せた小さなカメラだった。

 性病の不安もある。定期的な性病検査はあるが、客からの感染は怖い。目視できる病気ばかりではないし、そもそも客の大半は検査を受けていない。感染症の疑いがあっても治療中でも、平気で風俗に通ってくる客もいる。なのに感染症からの身の守り方を講習で教えてくれる店はまれで、性病になったところで自己責任。休業補償はない。情報交換で知識をつけるぐらいしか身を守るすべはない。

 「性病は命にも関わります。最近は風俗を描いた漫画なども増えました。でも、実際はもっと汚くて、危なくて、きつい」。21年6月には東京都立川市で風俗店従業員の女性がラブホテルで客の男に包丁で刺され殺害される事件も起きた。

 風俗業界を辞めたいと思っても、辞めれば借金が返せない。生活保護制度は知っていたが、「借金は自業自得の面もあるし、まだ働けているし」と、自身が対象になるとは思ってもいなかった。それに、申請すれば部屋中をひっくり返され、金目のものは全てを持って行かれ、周囲にばれてしまう。そんなイメージを漠然と抱いていた。

脱がなくても、ご飯食べていい
 生活保護を申請するきっかけは体調だった。19年末、過去に発症したうつ病が再発した。出勤できず、治療費も重くのしかかった。なのに借金は利子で膨れ上がっていく。

 運の悪いことに、流行し始めた新型コロナが「3密」の風俗業界を直撃した。感染が広がる首都圏では客が激減。感染が拡大した20年3月には客の激減と体調の悪化で月の収入が6万5000円にまで減った。

 もう都内では稼げないと、東京などに最初の緊急事態宣言が出た翌4月には都外の繁華街に出稼ぎに行き、なんとか約22万円の収入を得た。だが、3月に滞った返済を穴埋めし、なんとか稼ごうと下着を新調するなどした結果、出費の方がはるかに多くなった。

 5月以降は他県でも客が減り、出稼ぎを受け入れてくれる店が見つからなくなった。

 「借金の督促の電話が怖くて、でも払えない。感染症も発覚してどうしようもできない状態。限界です」

 インターネットで検索し、たどり着いた風俗業界の女性たちを福祉などにつなげる支援サイト「風テラス(https://futeras.org/)」に相談し、自身が自己破産や生活保護の受給対象であることを知った。

 「本当に申請していいのか」。まだ迷いはあった。最後に背中を押してくれたのは、ひろゆきこと起業家の西村博之氏が20年4月にツイートした次のような言葉だった。

 <日本は生活保護を取れば、衣食住の心配が無くなる国です。お金が無くて死ぬと言う人は、本当は経済ではなく、自分の命に価値が無いと考える心の病で亡くなります>

 20年5月、支援団体の助けを借りて自己破産手続きと生活保護を申請し、風俗店を辞めた。はじめて保護費を受け取った気持ちをブログで振り返っている。

 <脱がなくても、働かなくても、ごはん食べていいんだ。今は最低生活費を国からもらって、穏やかに人間らしい暮らしをしている。あの谷底のよどんだ繁華街に泣きながら行くこともない。そうだ。私にも人権あったんだ>

 抑うつ症状には悩まされ続けた。症状が重い時は食事も作れず、風呂にも入れない。コンビニに行けるのは調子がいい時。「生活保護なのに自炊もできない」「自分はなんて怠惰な人間だ」と悪循環に陥っていく。カビの一種が起こすカンジダ症やじんましんが出ても、診察に行くのが後ろめたく放置したこともある。

 「このまま餓死してしまえばいい」と思い詰めたこともあったという。

 体調の浮き沈みで入退院を繰り返したが、21年6月から約1カ月の入院中に相性のいい薬と出合えたことで症状が徐々に回復してきた。そして、退院直前に、自身の気持ちの整理も兼ねて始めたのがブログとツイッターだった。

風俗はセーフティーネットではない
 <働けない人が生活保護って勘違いがあるけど、半保護・半労働も可能だからね>

 ツイッターでは自身の体験だけでなく、さまざまなパターンで生活保護の受給が可能であることを発信している。

 風俗業勤務の女性にはさまざまな事情がある。借金などの金銭的理由、子どもの世話や親の介護で日中フルタイムで働けないシングルマザー、ドメスティックバイオレンス(DV)や家族から離れるため従業員寮を目的にした人――などだ。

 なまぽちゃんもさまざまな事情を抱えた人と働いてきた。「風俗業界がセーフティーネットのように機能してしまっている現実がある」。さらに、一度風俗業界に足を踏み入れると抜けられなくなるのだ。

 「なんとか出勤すれば今日は数万円手に入るという感覚は今でも頭に思い浮かぶことがあります。給料の即金払いに依存するようになって計画的な金銭感覚が抜けていく。完全自由出勤に慣れてしまうと抜け出せなくなる。命を削って身を危険にさらして、抜け出せない。それってセーフティーネットですか。風俗はセーフティーネットではないのです。少なくとも望んでいない人にとっては」

 ツイートやブログには共感や応援の声が寄せられている。一方、冷たい声も浴びせられた。

 <自ら貧困女子なんて下品の極みだな!この乞食(こじき)が!>

 <ぬるま湯なんて恥ずかしくないの?>

 <売春は嫌!結婚は管理売春!男並みの長時間労働は嫌!では一体何がご希望なんでしょう?お姫様>

 なまぽちゃんの表情が曇る。「批判する人にもやりきれない思いがあるんだろうなって感じます。自分はこんなに頑張れているのにずるい、みたいな。生活保護へのバッシングはだいたいそんな思いがあるのかなって」

 どんな言葉にも丁寧に返信をしている。ぬるま湯という言葉を批判されれば、<煮え湯につかる必要は無い。自分に厳しすぎるのではないでしょうか。くれぐれもご自身を追い詰めすぎないよう。私はぬるま湯でゆっくりと回復に向かっています>と返した。<何が希望か>というやゆには<福祉が男女ともに行き届くことですね>と応じた。

 しかし、DaiGo氏の差別発言には恐怖を感じたという。<どんどん受けよう生活保護、って、なまぽちゃんやってるけど、開き直ってるふりしてるだけだよ。国の制度に生かされてる。私たちを切り捨てるって民意が決めれば私たちは見殺しにされる。それか、殺される>とツイートした。

 「発言を聞いたときは率直に命の危険を感じました。そうだって思った人に攻撃されるかもって。そのうち批判が大多数になって少しは安心しましたが、それでも賛同する声は一部にあるから怖いのです」

 生活保護バッシングは予想していたが、風俗業者からの批判は意識しておらず、驚いたという。

 風俗店に勤務する女性の立場の弱さを訴え、生活保護を受給して仕事を辞めることを勧める姿勢が「風俗全廃論」と誤解されたことや、「セックスワーク差別」につながるかのように捉えられたのだった。

 「風俗を全廃すべきだなんて全く思っていません。誇りを持って主体的に働いている人も知っています。ただ、選択肢を増やしたい。そして望まない人が福祉につながれば自ら職業を選んだ人の地位も上がるし、安全性も高まる」

当たり前の福祉で、当たり前に生活する
 今、なまぽちゃんはインターネット上の記事を執筆するアルバイトで少しずつ収入を得ている。ブログも収益となる見込みだ。自宅でできる収入を少しずつ得ながら生活を立て直し、当面の目標は収入の半分程度を自分で稼ぐ「半福祉・半就労」に持ち込むことだ。

 普段の生活でも改善を模索している。入院中に知った、弁当を自宅に届けてくれる宅配食は、利用してみると自炊よりも安く済み、何より「生活保護なのに自炊もできない」という自己嫌悪から解放された。

 自己破産時に弁護士に勧められた家計簿アプリを使うことで家計の立て直しも進みそうだ。宅配食や家計簿アプリについてはブログで生活保護の節約術として発信している。

 「風俗はやらなくていいなら、やらなかった。これに尽きます。あまりにも消耗が激しい。私は生活保護にたどり着いて穏やかな生活を取り戻しました。私の経験を元に、少しでも嫌な思いをしている人の選択肢が増えたらと考えています」

 さて、生活保護のことを打ち明けられた、なまぽちゃんの「好きな人」である。緊張するなまぽちゃんに「税金払いがいあるわあ」と笑ってみせたという。「ホッとしました。否定されるとは思っていませんでしたが、あまりにも重大に捉えられても嫌だった。当たり前の福祉の枠の中で、当たり前に生活できている、当たり前の状態として捉えてくれているのがうれしかった」

 このエピソードを紹介したなまぽちゃんのツイートには4200件を超える「いいね」がついている。

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