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生活保護者の集いコミュの誰にもある孤立の可能性 急増する「家族なき」人々の死

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https://digital.asahi.com/articles/ASP7Z4SMSP7JUCFI006.html

5)
シニア生活文化研究所所長 小谷みどりさん
 今年初め、死後1週間以上経って発見された女性の自宅を訪問しました。女性が倒れていた畳には、人の形に真っ黒いシミができていました。すぐ隣に親戚が住んでいますが、長らく交流がなく、女性が亡くなっているのを発見したのはケースワーカーでした。

それぞれの最終楽章
 女性は国際線のキャビンアテンダント(CA)でしたが、精神疾患を発症して退職し、その後は両親と暮らしていたようです。数年前に父が亡くなり、半月前には認知症の母が脳梗塞(こうそく)で入院し、女性はひとり暮らしになった矢先でした。母は認知機能が低下しており、娘の死を理解できません。誰にも「助けて!」と言えず、ひとりで亡くなった女性の気持ちを考えると、やりきれない思いでいっぱいです。

 数カ月前には、脳梗塞を発症し、その後遺症で話ができず、半身不随になった見ず知らずの男性を助けました。日本で生まれ育った外国人で、直前まで国外に5年以上住んでいたので、私が会った時は日本での住民票は抹消されていました。貯金せず(自助)、国民健康保険に加入せず(共助)、日本にいる家族に拒否され(互助)、かつて住民登録をしていた自治体では生活保護などを受ける権利もありませんでした(公助)。自業自得かもしれませんし、実際に「そんな人を助ける必要はない」と私に言う人は何人もいました。

 でも、CAの女性やこの男性にも、楽しかった思い出やそれを共有した人はいたはずです。「知らない人だから、どうなってもいい」とは思えませんでした。私は、自助か、家族で助け合う互助を基本とする考え方をそろそろ見直すべきではないかと思います。

 この10年間で、全国の自治体では、身寄りがいるのに引き取り手がない無縁遺骨の数が増加しています。生まれ育った場所で一生を終えるライフスタイルが主流ではなくなり、子々孫々で継承されなくなった無縁墓自体も増えています。過疎化が進み、公営墓地の半数以上が無縁墓になっているところもあります。親戚づきあいが希薄になれば、めいやおいが、親のきょうだいの遺骨の面倒をみる義理はないかもしれません。

 家族の顔ぶれも変化しました。私が教えている大学の学生たちは「祖父母は家族ではなく、親戚だ」と言います。一緒に暮らしていないので「親の両親であって家族ではない」と感じても不思議ではありません。結婚してそれぞれ家庭を持てば、自分のきょうだいを家族だとは認識しない人も多いはずです。推計では、2040年には高齢世帯の4割が独居になるとされています。一緒に暮らしている人を家族ととらえるならば、これからの日本では家族がいない人が急増します。

 国立社会保障・人口問題研究所は4年前の調査で独居男性高齢者の7人に1人は「2週間のうち一度も会話をしていない」という調査結果を発表しました。問題は2週間も誰とも会話がないこと自体ではなく、この人たちには困った時に頼れる人がおらず、孤立する可能性が高いことです。長期化するコロナ禍で、誰が社会から孤立し、あるいはその不安を抱えているのかが把握できず、こうした人たちの存在がますます見えづらくなっています。

 このままでは、家族にみとられない死や無縁遺骨がどんどん増えていきます。自立できなくなった時、孤立する可能性は誰にでもあります。子々孫々で墓を継承し、死後の安寧を保証する仕組みも破綻(はたん)寸前です。家族や子孫の有無に関わらず、みんなが安心して死を迎えられる社会を私たちはどう作るのか。死なない人は1人もいません。死は、すべての人が人生で一度だけ直面するライフイベントだからこそ、福祉の発想が必要だと考えます。=全6回

     ◇

こたに・みどり 1969年大阪府生まれ。専門は生活設計論、死生学。第一生命経済研究所主席研究員を経て、現職。国内外の死や葬送の現場を歩く。近著に『没イチ』(新潮社)。

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