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生活保護者の集いコミュのどうして私は精神科に入院したのか。コロナ下で40歳を迎える女性の手記

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https://news.yahoo.co.jp/articles/d65fa83eb38febcb8e57a1a9121ae51b4eba3571

 メンタルヘルスの不調と聞いて、自身や周囲の人たちに思い当たることはないでしょうか。
 
 最近“コロナうつ”という言葉をよく見かけますが、厚生労働省による調査(※)によれば新型コロナウイルスの感染拡大にともない「そわそわ落ち着かなく感じた」と答えたのは、女性の30代が42.9%、40代41.0%とすべての世代の男女の中で最も高い数字を示しています。(※2020年9月「新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査」)
 
 コロナ禍の影響だけではなく、メンタルの不調に陥る原因は様々で複合的でしょう。うつ状態により入院も経験したフリーランスライター・カンザキルリ子さんに、その経緯や思いをつづってもらいました。(以下、カンザキルリ子さんの寄稿です。) 

【画像】ルリ子さんの入院した病院。ホテルのようにきれいな施設

入院前夜〜どうして私は入院したのか〜
 これは今年で40歳を迎える私の2ヶ月間の入院記録。入院していたのは精神科の病棟です。

 診断書には「うつ状態」と書かれています。私の担当医さんには「アイデンティティ・クライシス」と言われました。初めて聞いた言葉でしたが、なんとなくわかる気がしてじんわり涙があふれてきたのです。

「アイデンティティ・クライシス」とは、デジタル大辞泉によると、「自己喪失。 若者に多くみられる自己同一性の喪失。『自分は何なのか』『自分にはこの社会で生きていく能力があるのか』という疑問にぶつかり、心理的な危機状況に陥ること」。

「若者に多くみられる」って、どうもそうとは限らないようですね。私、40歳になるのがすご〜く嫌だったんです。

 同級生に話してみても、私が期待するほどの反応は返ってこなかったので、やっぱり人一倍嫌悪しているように思います。母には「結婚してないからじゃない?」と言われ、なるほどそうなのかもとも。母娘二人暮らしのせいか、気持ちはまだまだ“娘”であるにも関わらず、そうこうしている内にまさかの40歳に。実年齢に心がまったく追いついてないのです。

「うつ状態」となった理由はこれだけではなく、もっと複合的なことからのように感じますが、私の心の世界を見つめ直してみるべく、精神科入院という非日常の記録をここに何回かに渡って書き留めたいと思います。同じような思いを抱えて心を患っている読者の皆さんの参考になれば幸いです。

これといったきっかけはないけれど
 気が付けば、1m先も見えない霧の中にいるような気分でした。日記をさかのぼれば、今年1月初めの時点で理由も曖昧(あいまい)なまま、「辛い。どうしたらいいのか、わからない。先が見えない」「誰も聞いてくれない。言っても困るだろう」と書いています。

 明らかに調子が悪くなった出来事の一つとして覚えているのは、2月初めにあったいつものインタビュー取材。同行する編集部の偉い男性がちょっと苦手なんです。自身の立場を誇示するようなマウンティングが目立つ人で、取材中に「なんでそんなこと聞くの?」「○○すればいいじゃない」と、ことあるごとに言われます。
 確かにライターとして行き届かないところもあるかと思いますが、家に帰ると思い出して腹が立つのです。いつもなら翌々日には気持ちが落ち着くのですが、なぜかこのときは1週間以上引きずってしまいました。

 自然と忘れたわけではありません。次に起きた仕事のトラブルでまた頭を抱えてしまい、それどころではなくなってしまっただけです。こうして2週間以上、思い出しては頭の中で相手を罵倒し、現実ではできなかったケンカを繰り返しました。私はすっかり笑顔を失っていました。テレビを観ても笑えないんです。

新型コロナのせい?
 気晴らしをしたくても、この頃緊急事態宣言が延長されたため、出掛けにくくなっていました。友人を飲みに誘うこともできません。気分転換ができると期待していた出張取材も中止になりました。

 新型コロナを憎く思います。ですが、新型コロナのせいとばかり言えません。思えば、昨年の5月にTwitterで「コロナが収束したらしたいこと」というハッシュタグを見たときから、ずっともやもやしているようにも思うのです。いろんな人がさまざまな楽しい事柄をつぶやいていました。「私は何をしたいだろう?」

 少し考えてみましたが、何も思い浮かばず愕然(がくぜん)としました。答えは「緊急事態宣言が明けても、元の通り仕事をするだけだろう」。私はただ日々を仕事に費やしているだけの何もない空っぽの人間のように感じました。

まさかの入院を勧められる
 自分でもわかるほど表情がどんよりして、「誰か助けて」と心の中で繰り返していました。それから、私はやたらと精神科を訪ね回るようになっていました。ですが、イライラや不安を和らげる薬、睡眠導入剤をもらっても、なかなか気持ちが元に戻りません。

 そして、4軒目の病院で「驚くかもしれませんが、入院しませんか?」と言われました。私はものの見事に驚いて「まさか」と思いました。入院なんてそんな大げさな。

 とりあえず、ということで、看護師さんに病棟を案内してもらうことになりました。ホテルのようにきれいな施設です。
 ピンクの可愛らしいゆったりとしたソファが置かれたラウンジで、患者さんが思い思いに寛いでいました。緑が日の光を浴びてきらきらと輝く中庭があり、木目調の壁がモダンな廊下に病室が並んでいます。一番奥には一面ガラス張りの向こうに山々を望むラウンジが。
 おしゃれなペンダントライトをいくつも吊るし、色とりどりのクッションが所狭しと置かれたソファもまた心地良さそうでした。

気になるのは周囲の目
 「高いでしょう?」 診察室に戻った私は開口一番そう言ってしまいました。ですが、高額療養費制度と生命保険の医療保障を使えば、そんなに費用はかからないとのこと。ここで心がぐらりと傾きます。もしかしたら私、入院できるかも? 「入院する中でいろんな角度からゆっくりあなたを掘り下げましょう」。確かそんなふうに言われたと思います。

 帰りの車の中で、もうほとんど「入院したい」に変わっていました。何も障害がないのなら。仕事はフリーランスだし、誰にも許可を取る必要はありません。でも、精神科病棟に入院することを周囲の人はどう思うだろう、どういう目で見られるだろう?

 すぐさま「入院しよう」と思わなかったのは、それがどうしても引っかかったから。なかなか大きなハードルのように感じました。精神科にお世話になることになったら、同じように考える人は少なくないのではないでしょうか。この精神科に対する偏見の話は追々いたしましょう。

 私は自分の考えを整理した結果、「なんだか面白そうだ」というライターとしての興味の方が勝ってしまったのでした。

ちょっとこじらせただけと思っていたのに
 こうして私は精神科病棟に入院することになりました。でも、このときは今考えると自分がどうしてこんなことになったのか、まだよくわかっていなかったように思います。たまたま、ちょっとこじらせてしまっただけ、と考えていました。

 ですが、その後送った病院での日々の顛末(てんまつ)を考えると、やはり必然だったのでしょう。

―ルリ子の精神科入院手記―

<文/カンザキルリ子>

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