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生活保護者の集いコミュの誰もが知っていながら報じられない「労働者」以前に「人間」としてなんの権利も認められていない非正規公務員の現実【橘玲の日々刻々】

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https://news.yahoo.co.jp/articles/294d3208206f4e075c4a32810176ee73db1c50e3

 日本社会には、誰もが知っていながらも積極的には触れないこと(タブーとまではいえない)がいくつもある。共通項は、(1)解決が容易でないかほぼ不可能なことと、(2)それでも解決しようとすると多数派(マジョリティ)の既得権を脅かすことだ。そのため、解決に向けて努力することにほとんど利益がないばかりか、逆に自分の立場を悪くしてしまう。こうした問題の典型が「官製ワーキングプア」すなわち非正規で働く公務員の劣悪な労働環境だ。

【詳細画像または表】

 これは多くのひとが知るべき事実だと思うので、今回は上林陽司氏の『非正規公務員のリアル 欺瞞の会計年度任用職員制度』(日本評論社)を紹介したい。上林氏は10年にわたって官製ワーキングプアの問題に取り組んできた第一人者だ。

●「正規と非正規の専門性の逆転」
 この本には驚くような話が次々と出てくるが、そのなかでもっとも印象的な事例を最初に取り上げよう。

 2015年、27歳の森下佳奈さんが多量の抗うつ剤や睡眠導入剤を飲んで自殺した。佳奈さんは臨床心理士になることを目指して大学院で勉強し、卒業後、「障害のある子どもたちや何らかの困難を抱える人たちに寄り添う仕事」に就きたいと北九州市の子ども・家庭相談員の職を選んだ。だがその条件は年収200万円程度の任期1年の非正規で、それに加えて上司から壮絶なパワハラを受けることになった。

 佳奈さんが両親や知人に送ったメールには、「また無視される1週間が始まるよ」「顔見るなり『生きてましたか? 』とだけ」「同年代の相談者と結婚したらいいんじゃないですか」「昨日もまた2時間、研修行かせてもらえず面談室に呼び出されて問い詰められ、泣かされたよ。辞めたい」「給料分働いていない。自覚がない。意欲がない。と繰り返されました。」などの悲痛な叫びがつづられていた。この上司が佳奈さんに「このままやっていたら、(相談者が)死にますよ」などといったため、「私にはできない。このままじゃ、ひとが死んでしまう。」と深く思い悩んでいたこともわかっている。

 佳奈さんの両親は、生前の話やメールをもとに、日常的に上司から嫌がらせを受け、難しい対応を迫られる案件を入所半年の佳奈さんに担わせるなどしたとして、公務上災害の認定と補償請求に関して北九州市に問い合わせた。それに対する回答は「非常勤職員の場合は(常勤職員と異なり)、本人ならびに遺族による認定ならびに補償請求は認められない」という門前払いだった。労災で争う以前に、労災の申請すら許されないのだ。

 2017年8月、両親は北九州市を相手に公務災害補償の請求などを求める裁判を起こし、翌18年には当時の野田聖子総務相に、「「困難を抱えた子どもたちの助けに」という夢をもって就職した佳奈さんが数カ月で元気を失い、追いつめられていった過程や、死後も労災請求すら許されなかった事情」を手紙で訴えた。野田総務相からは、「心痛はいかばかりかと胸のつぶれる思いです」「娘さんが苦しまれた、そんな状況を二度とおこさないよう変えていきます」と記された手書きの封書が届いた。

 それにもかかわらず北九州市は主張を変えず、一審の福岡地裁は、市が「条例規則を改正せずに放置してきたこと、申請を門前払いしたことなどに違法性はない」と両親らの請求を棄却、二審の福岡高裁も「条例の補償内容が、法律で定める補償と均衡を欠くことは立証されておらず、申出や通知に関する規定を置いていないことは理由にならない」などとして一審判決を支持、最高裁も両親の上告を棄却した。

 この痛ましい事件には非正規公務員が置かれた過酷な状況が象徴されているが、ここではまず、「正規と非正規の専門性の逆転」という事態を考えてみたい。

 児童相談員の業務内容は、育児不安、虐待、いじめ、不登校や夫などからの暴力(DV)への対応を求められる高度なもので、そのために佳奈さんは大学院で臨床心理学を学んだ。それに対して、自治体のなかで児童相談所は、生活保護担当と並んで職員が異動したがらない職場となっている。――ある市の児童相談所の課長が、3年で他部署に移すことを約束して児童相談所の職員を確保していた事例が紹介されている。

 その結果、児童相談所は高い専門性をもつ非正規職員と、なんの専門性もなく経験年数の浅い正規職員で構成されることになる。こうしたいびつな組織を束ねる管理職も正規職員で、本書には書かれていないものの、佳奈さんの上司も、大学院はもちろん学部レベルの臨床心理学の知識すらもっていなかったのではないか。

 常軌を逸した執拗なハラスメントは、「若い女」が自分よりも高い専門性をもっており、上司としての権威を脅かすと感じていたとすれば説明できる。そしてこの「専門性の逆転」は、非正規公務員の職場では常態化している。

●専門性の逆転を引き起こす日本の公務員の不可解な人事制度
 公立図書館は異なるバックグラウンドの職員たちで構成されている。図書館司書の資格をもつ正規公務員、それを補佐する、これも図書館司書の資格をもつ非常勤職員。ここまでは誰でも思い浮かぶだろうが、これに「役所内の人事ローテーションで図書館に異動してくる一般行政職の正規公務員」が加わる。このひとたちは司書資格を有さず、異動だからと仕方なく図書館に勤務し、図書館員の仕事を非常勤の職員から教えられてカウンターで利用者への対応をし、2〜3年後には他部署に異動する。

 これだけなら「そんなものか」と思うだろうが、図書館の職場をいびつなものにするのは、「異動しない一般職の正規公務員」がいるからだ。その事情を上林氏はこう書く。

 一定の数少ない専門職・資格職を除き、日本の公務員の人事制度において、正規公務員とは職務無限定のジェネラリストで、職業人生の中で何回も異動を繰り返し、さまざまな職務をこなすことを前提とされている。ところがどの組織にも、さまざまな事情で異動に耐えられない職員、最低限の職務を「当たり前」にこなせない職員が一定割合おり、しかも堅牢な身分保障の公務員人事制度では安易な取り扱いは慎まなければならず、したがってこのような職員の「避難所」を常備しておく必要がある。多くの自治体で、図書館はこれら職員の「待避所」に位置づけられ、そして「待避所」に入った職員は、そこから異動しない。

 この構造によって、図書館の管理者である(司書資格をもつ)正規公務員は強い精神的ストレスのかかる立場になるのだという。

 同様の「専門性の逆転」は、ハローワークの求職相談でも日常的に見られる。ハローワークの非正規相談員の多くは期間業務職員で、3年目には一般求職者といっしょに公募試験を受けなければならない(1年の任期で連続2回までは勤務実績に基づき継続雇用される)。

 非正規相談員は、3年ごとの公募試験に備えて、働きながら産業カウンセラー(受講料20万円超)やキャリアコンサルタント(受講料30万円超)の資格を取得する。これらはハローワークの相談員に必須というわけではないが、「履歴書の資格欄を空白にしないため、業務遂行上の能力があると考慮されるであろうことを信じて」高い受講料を払っているのだという。

 ところが同じハローワークに勤務していても、正規職員はこうした資格をほとんどもっていない。無期雇用でめったなことでは解雇されないということもあるが、下手に資格をとると、ハローワークから別の部署への異動を狭めることになりかねないからだ。

 こうして、「正規職員より非正規職員の方が有資格者は多い」という事態が生じる。公募試験会場では、「資格取得に価値を置かない無資格の正規職員が、有資格の相談員応募者を面接し、合否を判定する」という「ブラックジョーク」のようなことが起きるのだ。

 2つめの「ブラックジョーク」は、資格を取るなどして努力すればするほど雇い止めになるリスクが上がることだ。なぜなら、実力のある非正規職員は、能力のない正規職員の上司にとって大きな脅威になるから。実際、山陰地方のある自治体では、非正規公務員の組合運動を主体的に担ってきた当事者数人が、会計年度任用職員制度の移行時に実施された採用試験の結果が悪かったとして、次年度の任用を打ち切られた。

 毎年3月に、ハローワークには公務員関係の求人が大量に出される。一般求職者はこれを見て公募に応じるが、彼ら/彼女たちに求人内容を説明し、書類を渡し、「就職できるといいですね」と励ましているのは非正規の相談員で、公募試験に落ちれば自分が失職する。こうして、「昨日まで求職者の相談に乗っていた職員が、翌日には失業者になって求職相談をする」という事態が起きる。これが3つ目の「ブラックジョーク」だ。

●非正規公務員はなぜ劣悪な労働環境に置かれているのか
 非正規公務員はなぜこれほどまでに劣悪な労働環境に置かれているのか。その理由を私なりに整理すると、以下のようになるだろう。

 1) 国も自治体も財政に余裕がない。経済が低迷し税収が上がらない一方、超高齢社会で年金や医療・介護などの社会保障費が青天井で増えていく(「超高齢社会の重圧で経済が低迷する」という因果関係かもしれない)。

 2) それにもかかわらず、住民が行政に求めるサービスが多様化・複雑化している。法律や通達で自治体の対応が求められるものは、DV、ストーカー被害、児童虐待、障がい者や保護者の相談、ひとり親家庭の就労支援、生活困窮者の相談、ホームレスの自立に向けた施策、犯罪被害者の相談から自殺、ニート、ひきこもり、過労死、債務整理(借金問題)まで多岐にわたる。

 3) 住民の要望に対応するには職員を増やさなければならないが、予算のない自治体は正規職員を雇うことができず、専門資格をもつ人材を非正規で採用してやりくりしようとする。こうして「全国のすべての地方公務員の3人に1人は非正規公務員」「もっとも身近な市区町村では44.1%が非正規公務員」という事態になった。

 4) 予算が決まっているなかで、増えつづける業務を非正規・臨時職員でまかなおうとすれば、必然的に低賃金になる。自治体は、非正規職員を安く使い倒すことしか考えなくなる。

 5) こうした現実は関係者ならみな知っているが、首長や政治家は票にならないことはやりたがらず、労働組合は正規職員の既得権を守ることしか考えていない。住民は行政の質の低下には不平をいうが、住民税の引き上げのような負担増は反対する(そのような「改革」を主張する政治家は選挙に勝てない)。このようにして、非正規公務員は劣悪な職場環境に放置されることになる。

 2016年の総務省調査では、正規公務員の平均年収645万円に対し、非正規職員は1日8時間、月20日、年12カ月をフルで働いたとしても、特別職非常勤が年収207万円、一般職非常勤が176万円、臨時職員では162万円にしかならない。

 保育士の多くが非正規であることは知られているが、小学校以上の公立学校でも教員の不足を臨時教員や非常勤講師で補っているところは多い。

 シングルマザーの臨時教員として教育現場に復帰した教歴10年以上の女性は、すべての期間でクラス担任を受け持ち、勤務時間、勤務日数、勤務形態はすべて常勤職員と同じだが、年間所得は250万円程度にしかならない。この金額は、彼女が住む市の就学援助制度の認定基準(親子3人世帯で年間所得基準額262万8000円)を下回る。教壇に立って生徒たちを教える先生が、就学援助を受けないと生活できない。

 さらには、病欠や欠員補充などの非常勤講師として働いてきた50代の女性は、時給1210円で1日5時間、週5日の勤務で月収は手取り11万円にしかならない。夏休みなどの休暇期間は学童保育で働き、週末はスーパーの試食販売でアルバイトをしてきたが、疲労で授業に集中できなくなり、月5万円の生活保護を受給して教員を続けるようになったという。

●自治体が非正規公務員の「労働者としての最低限の権利」をはく奪している
 日本でもようやく同一労働同一賃金の原則が徹底されるようになり、厚生労働省のガイドラインでも「正規か非正規かという雇用形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保しなければならない」とされている。だとしたら、正規の教員と同じようにクラス担任をこなし、フルタイムで働く非常勤の教員の収入が半分から3分の1で、就学援助を受けなければ生活できないなどということがなぜ起きるのか。

 その理由は、自治体側がありとあらゆる手段を使って、非正規公務員が労働者としての最低限の権利をもつことすら阻止しているからだ。

 非正規公務員の理不尽な労働条件を象徴するのが「空白期間」だ。「新たな任期と、再度の任用後の新たな任期との間に一定の勤務しない期間を設けること」で、2016年の総務省調査では、臨時職員を任用している団体の約半数で空白期間が設定されていた。もっとも多いのが1週間から1カ月以内だが、1日だけというところもある。3月30日まで働いて、翌日が空白期間で、4月1日からまた同じ仕事をするのだ。

 なぜこのような制度が広まっているかというと、継続して雇用すると労働者としてのさまざまな権利を認めなくてはならないからだ。アンケートでは「継続した任用と見られないようにするため」「退職手当や社会保険料等の財政的な負担を避けるため」との率直な回答も多くあった。こんなことを民間企業がやったら大問題になるだろうが、それが「公務」になると、空白期間で労働者の基本的な権利を奪うことをなんとも思わなくなるのだ。

 空白期間は本人の責任でないにもかかわらず、期末勤勉手当の支給額が減らされる。さらに年度末の1カ月を空白期間にされた場合、社会保険料の事業主負担がなくなり、全額自己負担となる国民健康保険に加入するしかなくなる。空白期間もいつもと同じように業務に就かせる(タダ働きさせる)慣習も広まっている。

 冒頭で紹介した森下佳奈さんに労災が適用されないのも、自治体が「地方公務員災害補償法」による負担金が生じないように空白期間を使っているからだ。「1年を超えて在職していないように見せかけ、また週15分程度、常勤よりも勤務時間を短くしてパートと称するようにして、常勤的臨時非常勤職員の要件を満たすことを回避」すれば、すべてのリスクを非正規公務員に押しつけ、自治体は負担を免れることができるのだ。

 国もこうした事態を放置していたわけではない。2016年12月にまとめられた総務省研究会報告書では、空白期間を認めず、「退職手当や社会保険料等の負担を回避したり、任用されていない者を事実上業務に従事させたりすることは明らかに不適切」と当たり前の指摘をしている。

 ところがこの報告書は、いつのまにか勤務時間の長短だけに依拠したこれまでと同じ扱いに後退してしまった。上林氏はその理由を、「地方公務員における絶望的なまでに拡大した格差状況が、日本社会全体の格差解消への取り組みの足を引っ張りかねず、したがって、地方公務員における格差状況の「隠蔽」が行われ、問題解決を向けた処方箋作りが、途中で諦められてしまった結果」だとしている。

 これをわかりやすくいうと、非正規公務員のとてつもない「身分差別」が明らかになると、民間企業から「なぜ自分たちだけが同一労働同一賃金の導入で苦労しなければならないのか」といわれてしまうので、問題そのものが存在しないことにしたのだ。

 これだけでもじゅうぶん衝撃的だが、さらに愕然とするのは、非正規公務員のために国が用意した資金を自治体が使い込んでいることだ。

 2020年から会計年度任用職員制度が始まったが、それに合わせて非正規公務員への期末手当の支給が義務付けられ、約1700億円の財源が地方交付税として予算化された。ところが自治体側は、この期末手当原資を他の財源に回す予定で新年度予算を組んでしまっていた。これはふつうなら犯罪行為だが、非正規公務員は「労働者」以前に「人間」としてなんの権利も認められていないので、そのままなし崩しになったようだ。

●労働組合はなぜ非正規公務員の待遇改善を訴えないのか? 
 非正規公務員には労働契約法が適用されないため、自治体は何年雇っていようが無期雇用に転換することも、雇用期間を長くすることも義務付けられていない。それにもかかわらず多くの自治体が、必要以上に短い期間を定めて非正規公務員を採用し、有期雇用を反復更新して、いざとなったら雇い止めという「解雇」を自由に行なえるようにしている。

 非正規公務員にはパート・有期雇用労働法も非適用なため、格差を埋める義務を免れているばかりか、自治体には民間事業主に課される待遇差の説明義務さえなく、非正規公務員からのあらゆる異議を「問答無用」ではねつけている。

 非正規公務員の驚くほど低い給与は、(1)基本給の水準が正規公務員の初任給より異様に低く設定されている。(2)昇給額の上限設定が決められている。(3)支給すべき手当に制限があるからだ。その結果、自治体によっては、非正規公務員がふつうに働いて得る収入が地域別最低賃金さえも下回る。

 こうした状況を改善するとして導入された会計年度任用職員制度は、公募試験の導入によって「金銭的な対価のない解雇」を自由化するなど、状況をさらに悪化させている。上林氏はこうした状況を総括して、「会計年度任用職員制度とは、同一労働「非」同一賃金を一般原則とする官製ワーキングプア固定化装置」であり、「現行の非正規公務員の勤務条件の改善のための(自治体の)法環境は、民間に比べて二周回も遅れている(一周回遅れは非正規国家公務員)。もしかしたらスタートラインにも立てていない」と強く批判している。

 ここで誰もが疑問に思うのは、民間はまがりなりにも同一労働同一賃金が導入されつつあるのだから、まともなひとは民間企業で働こうとするのではないか、ということだろう。これは実際そのとおりで、多くの自治体で教員が不足しているが、その理由のひとつは「臨時教員が就職してしまったため」だという。

 日本の場合、公務員はもともと「正規」が原則で、「非正規」は専業主婦などが家計を助けるために補助的な仕事をするのだとされていた。それがいつのまにか、専門職の非正規公務員が自治体の住民サービスの最前線に立ち、不安定な身分と極端な低収入でなんとか生活しようと苦闘している。

 どれほど高い志があったとしても、ここまで劣悪な労働環境で長く働くことはできないのではないか。児童相談所や生活保護の相談窓口で不祥事が起きるたびにメディアははげしいバッシングを浴びせるが、職員が置かれた実態が記事になることはほとんどない。なぜなら、そんな不愉快な話は読者・視聴者が喜ばないから。

 全国労働組合総連合(全労連)は「1500円以上」の最低賃金が必要だと訴え、連合も厚労相に最低賃金の引き上げを求めた。最低賃金引き上げの効果については経済学者のあいだでも意見の対立があり、低技能の若年層の雇用を悪化させ、中小零細企業の経営が成り立たなくなるなどの研究も多い。だが、その是非はここではおいておこう。

 連合の加盟団体には公務員の最大の労働組合である自治労があるし、全労連も国家公務員や自治体の公務員、教職員などの労働組合を傘下に置いている。だとしたらいまやるべきことは、信じがたいほど劣悪な労働環境に放置されている非正規公務員の待遇改善ではないのか。自分たちの職場に、あるいは自分の机の隣に、すべての権利を剥奪されている「労働者」がいることを、ふだんは「リベラル」な主張を高らかに唱えている労働組合はどう考えているのか? 

 それとも、耳ざわりのいい最低賃金引上げの要求は、非正規公務員の実態を世間に知られないための「隠蔽工作」なのだろうか。


 橘 玲(たちばな あきら)

作家。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ヒット。著書に『「言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮新書)、『国家破産はこわくない』(講談社+α文庫)、『幸福の「資本」論 -あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』(ダイヤモンド社刊)、『橘玲の中国私論』の改訂文庫本『言ってはいけない中国の真実』(新潮文庫)、『もっと言ってはいけない』(新潮新書) など。最新刊は『女と男 なぜわかりあえないのか』(文春新書)。

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