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生活保護者の集いコミュの大人の発達障がい」特徴や対処法は?現役医師が事例で解説

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https://news.yahoo.co.jp/articles/5b898ef9089a065df46b62baf178f857dcf00ec0

本記事では、筑波こどものこころクリニック院長/小児科医の鈴木直光氏の書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』より一部を抜粋・編集し、「大人の発達障がい」とどのように向き合うべきか、実例をもとに解説します。

急増する「発達障がい」…14項目の簡易診断チェック

本人が「発達障がい」を認識しておらず…
(※写真はイメージです/PIXTA)

10年以上前までは、発達障がいが一般的にはあまり知られていませんでした。

そのため、小・中学校、高校、大学と見逃され、大人になり、今になって初めて自分はADHDではないかと気づきクリニックへ相談に来る大人の方たちが増えつつあるのです。大人になって気づければまだいいのですが、気づかず、さらに周りから指摘されても、自分は普通だと思い込み相談しない方も多くいます。

ある日、知り合いから自分の部下の営業マンについて、相談をされたことがあります。話を聞く限り、その会社の営業マンは、ADHDを伴った自閉スペクトラム症の可能性が高そうですが、本人はそのことを認識していないようです。

歳は40代前半で、それなりの大学を出て一時職に就きますが、その後転々とし、ようやく今の会社に正社員の営業マンとして採用されました。まだ結婚もしていません。会社でうまくいかないことに違和感は覚えつつも、そのままやり過ごしてきたそうです。

彼には、同じミスを何度も繰り返す癖があり、今の会社に正社員で入ってからも忘れ物や指示を聞いていないなど小さなミスを何度も繰り返していました。

ある日、知り合いの上司はプレゼンのためにその営業マンと出張するということで、羽田の喫茶店で待ち合わせることになりました。事前の打ち合わせで、上司は予定表を見て、「空港での待ち合わせ予定時刻が出発20分前では遅いのでは?」と尋ねましたが、頑なに「大丈夫です」と彼は言い切りました。

不安はあったのですが、そこまで強く言われてはと、彼の言う通りの待ち合わせ時間にしたのです。そして、万が一、喫茶店が見つからない場合は、出発ロビーで落ち合うことに決まりました。

当日、上司が第2ターミナルに着くと、彼の言う喫茶店は見つからないどころか存在していませんでした。

激怒する上司「どこにいたんだ!」部下の言葉に絶句…
「きちんと調べておけよ」と思いながらも、約束通り、出発ロビーの椅子で待ちながら彼にメールしましたが、なかなか返答が来ません。出発予定時刻の15分前。依然として彼の姿が見当たりません。

しびれを切らして、上司は手荷物検査に一人で向かいました。しかし、時すでに遅し。手荷物検査のところで入場は締め切られていたのです。

慌ててカウンターに向かうと、そこに駆け寄ってくる彼の姿がありました。上司はつい、「どこにいたんだ」と大声を出してしまいました。

すると彼は、「下で待っていました」と息を切らせながら答えました。その言葉に上司は絶句しました。喫茶店が見つからなかったら、出発ロビーで待ち合わせという約束を忘れていたのです。

「すいません」と彼はひたすら頭を下げ続けました。問い詰めると、彼は上司より早く空港に着いており、喫茶店がない状況を把握していたにも拘わらず、どう対処したらいいかわからなかったというのです。上司にメールしたと言いますが、古いメールアドレスだったせいか、上司の履歴には入っていませんでした。

上司はショックを抑えながら、すぐにカウンターの担当者に掛け合いました。しかし、担当者からは、残念な言葉が返ってきます。

「この便は、すでに搭乗手続きは終了してもうドアを閉める段階です」

「なんとかなりませんか?」と彼は、必死に額の汗をハンカチで拭ふきながら担当者に詰め寄りました。

しかし、カウンターの担当者は、「なんとかなればしているのですが、今回は、もう無理です」と返しながらも、別の便を探してくれました。結果、他に間に合う便はもう見当たりませんでした。

どうにか心を落ち着かせた上司、再び部下に激怒のワケ
想定外の事態です。こういう場合、たいていはパニックに陥ってしまいますが、上司は東京駅から新幹線を使うという次なる手段を冷静に考え、タクシーですぐに行こうと彼に指示しました。

ここまでは、上司にも問題がありました。搭乗15分前までに手荷物検査に入るべきだったのです。彼と会う約束を優先したところが落とし穴でした。

また、メールが届くかの確認も事前にしなければならなかったのです。タクシーは、東京駅まで急いでくれました。しかし、結局会議のプレゼンに間に合う列車には乗りそびれました。

そこで上司は、直接行くことは諦め、関東支店からインターネットのテレビ電話を使い、会議に参加することにしたのです。急遽新幹線で関東支店へ向かうことになりました。

なんとか会議の開始に間に合い、プレゼンのスライドを彼が準備し、スライドをめくりました。そこで上司は、再度絶句したのです。

画面に映し出されたのは、練り直す前の古いスライドのものだったのです。

それでも上司は、皆の前でうろたえてはいけないと、平然と古いスライドでプレゼンを続けました。上司の頭の中は怒り心頭でしたが、部下のそういう行動に慣れていたこともあるのでしょう。

そして、今後のためには我慢するだけでなく、なんとかして二度とこのようなミスを犯させないような工夫が必要だと考えました。一日でこれだけのミスが続けば、普通ならクビでもおかしくはありません。心の広い上司だからこそ怒られずにすんだのです。

しかし、この話にはまだ続きがあります。

翌日、上司が時間を指定して部下を呼び出したが…
この営業マンに用事があったので、翌日、上司は時間を指定して、彼を呼び出しました。

上司は15分前からスタンバイしていました。しかし、予定の時間になっても、一向に営業マンが来る気配がありません。結局10分遅れてやってきました。さすがの上司も、溜め息しか出なかったそうです。

プレゼンで失敗した時に上司が厳しく叱れば良かったのかといえば、そうではありません。

自尊心が傷つき「どうせ自分はダメだ」と怒られる状況に慣れてしまうケースが考えられますし、自閉スペクトラム症によってマイペースで自己中心的なところがある場合は、反省するよりもそのような状況から逃げ出したり、怒る上司を恨んでしまったりすることもあります。

上司が彼を本当に一人前の社会人として育てたいと思うのであれば、厳しく怒ることも、優しく接していくのも良い選択とは言えません。それよりも、ADHDの治療を受けるようにすすめることが一番だったのです。発達障がいという病気があることを知り、そしてそれは治療ができるということを知っておくことは、今の会社や上司にとって必要なことだと言えるのです。

ここまで見てきたように、年齢に拘わらず、発達障がいによって悩んでいる人は多くいます。しかし、同時に、適切な治療により発達障がいの症状を克服している方も多くいるのです。特に、ADHDの症状を改善する薬による治療は目覚ましい成果をあげています。

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鈴木 直光

筑波こどものこころクリニック院長・小児科医
小児神経学会認定医博士(医学)

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