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生活保護者の集いコミュの性風俗に給付金なし、差別か助長防止か 真の支援の道は

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https://digital.asahi.com/articles/ASP50441LP5NUPQJ00M.html

コロナ禍では、ホストクラブなど「夜の街」へ人々の視線が向けられた。だが、同じ風俗でも「性風俗業」の実態はわかりにくい。その収入で生きる女性の顔も、見えてこない。あるいは社会の側が、見ようとしていないのか。性風俗をどう位置づけるべきか、現場で支援する2人にきいた。

「風テラス」発起人・坂爪真吾さん 「女性の困窮、実態見て」
 ――「風(ふう)テラス」とはどんな活動をしているのですか。

 「性風俗業界で働く女性から、生活や法律の相談をメールやLINE、ツイッターなどを通じ無料で受け、必要に応じて弁護士やソーシャルワーカーにつなぎます。2020年4月の緊急事態宣言以降、相談が激増しました。19年には年間の相談者が874人だったのに、宣言の出た4月からの3カ月間で、1493人に上ったのです」

 ――激増した背景は?

 「性風俗業界には、生活に困窮するシングルマザーや非正規雇用の女性などが多く働いています。宣言下ではコロナ感染を恐れた男性客が敬遠したため、収入の道が途絶えた。家賃が払えず、借金が返せず、子どもを養えない。そう泣きじゃくり、自殺を口走る女性の話を、相談員が傾聴し、生活を立て直すための方法や生活保護の申請の仕方を助言しています」

 ――性風俗で働く女性はどのくらいいるのですか。

 「公的な統計は存在しません。しかし風俗情報サイトの出勤情報などから推計すると少なくとも35万人はいるでしょう。相談は、業態で言うとデリバリーヘルス(無店舗派遣型)で働く女性からが多いです」

 ――著書には性風俗の「是非論や道徳論は脇に置いて」とありますが、簡単には「脇に置けない」問題でもあるのでは。

 「それはわかります。ただ、是非論や道徳論だけがずっと語られ続ける理由は、彼女たちが置かれた困難が世間に見えていないからでしょう。ひと昔前にはホームレスも、単なる『怠け者』『個人の道徳の問題』と思われていましたが、現場の実態が報道されることで、社会構造のいびつさが根にあり、福祉の問題という認識が深まりました」

 ――彼女たちが置かれた困難について教えてください。

記事後半では、性風俗業界に持続化給付金は出さない、という国の方針をめぐって、坂爪真吾さんが「法律を守って税金を納めている事業者には出すべきである」と主張します。一方で、NPO法人ほっとプラス理事・藤田孝典さんは「出せば、国が性風俗産業を認めることになる」と語っています。

 「相談者の女性には、うつ状態で思うように働けない人、パニック障害や摂食障害など、精神疾患の方が予想以上に多いと感じました。過去に家族から虐待やネグレクトを受けていたり、ひきこもり状態だったりする人もいる。昼の職場ではうまく働けず、短時間で高収入を得られる性風俗の仕事をする。その収入がコロナで断たれて路頭に迷う、という状態です」

 ――助言によって、相談者は福祉制度を頼りにしますか。

 「公助を受けるまでには、申請に手間と時間がかかります。性風俗で即日高収入を得た成功体験に縛られ、申請よりも出勤を優先してしまう人もいます」 「かつては性風俗で働く女性は風俗に『落ちた』と言われましたが、今は『巻き込まれる』人が多いと思います。明日の生活費もない人には、手元のスマホから応募できる『即日高収入』『現金日払い』の仕事は魅力的です。『巻き込まれる』確率は高くなっています」

 ――では性風俗業界は違法化すべきなのでしょうか。

 「性風俗を違法化したら福祉を利用する女性が増える、ということはまずないと思います。ほかの相手に恋人をとられてしまったけれど、その相手さえいなくなれば恋人はこちらに戻ってくるはず、という話に近い。残念ながらありえない。『今すぐお金が欲しい』というニーズに福祉は応えられません」

 ――福祉へつながりにくいのなら、どうすべきでしょう。

 「性風俗はあくまでグレーゾーンにある業界です。風営法で、キャバクラなどが許可制なのに対し、デリバリーヘルスやソープランドは届け出制です。つまり国は『許可』はせず、本質的に不健全な業界と位置づけている。『白』にはならなくても、グレーが『黒』へ変わらないように、事業者にも働く女性にも、法的助言や行政・福祉につなぐことを含めてさまざまな支援はできると思います」

 ――性風俗業者を持続化給付金の対象から除外するべきではない、と考えますか。

 「はい、そうです。国が性風俗業者を『不健全』と認定するという点が論点となっているようですが、仮に不健全だろうと、私たちの社会の中に存在し、法律を守って税金を納めている事業者には、給付金を出すべきであると考えています」

 「ただ、性労働が『職業』と言えるのかについては、少し疑問があります。性風俗の世界では素人であることに高い評価が置かれており、短時間でやめる人も非常に多い。あくまで一時的にお金を稼ぐ手段であり、長く続けるような『職業』ではない、と考えている人が大半。『職業差別』を叫ぶのは、一部の非当事者が中心であり、現場の事業者や女性のほとんどは、そもそも『職業差別』に全く関心がない。『性風俗は差別されて当然』『だからこそ稼げる』と思っている人も多い。みんなが性風俗を『白』にしたいと思っているわけではありません」

 ――女性たちは、社会とのつながりや公助について、どう考えているのでしょう。

 「性風俗は究極の自己責任の世界です。彼女たちには『自分が頑張れば何とかなる』『借金した自分が悪い』といった自業自得の考えが根強くある。自己責任を内面化しているために公助に関心が向かない。自分は公助を受けられる存在ではない、と思い込んでしまう人も多い」

 ――同じ社会に生きる私たちはどうすればいいでしょう。

 「コロナ禍では、誰もが困難な生活を強いられ、見なくて済んでいた社会問題が『自分事』になった。性風俗で働く女性の問題も、シングルマザーや非正規女性の生活困窮問題とからめて報道され始めた。彼女たちの『見えない孤立』を防ぐため、昨年『1万人に支援を届ける共同クラウドファンディング』を実施したら、約90日間で343人から632万6千円の支援が集まりました。寄付は、この問題の『当事者』になる第一歩です。今後も当事者を増やしていきたいと思っています」(聞き手・中島鉄郎)

     ◇

 1981年生まれ。「新しい性の公共」をつくることを目指す一般社団法人「ホワイトハンズ」代表理事。著書に「性風俗サバイバル」など。

NPO法人ほっとプラス理事・藤田孝典さん 「業界を廃止しなければ権利守られない」
 ――性風俗業界に持続化給付金は出さない、という国の方針に賛成していますね。

 「そうです。昔からの議論ですが、そもそも性をお金で売買していいとは思いません。困窮して現金がすぐに欲しい人ほど、性を利用して稼ぐ業界へ吸い寄せられてしまう。そうすると、社会的に守られていない女性ほど心身を病んでいく。これは事実です。事業者に持続化給付金を出せば、国が性風俗産業を認めることになるので、出すべきではありません。個人の支援を手厚くすべきです」

 ――新型コロナの感染拡大で性風俗業界が止まり、働く女性たちが収入源を失いました。

 「好きなときに短時間でも働いて稼げる性風俗業界が、福祉に代わって、彼女たちの本当の意味でのセーフティーネットになっていました。今年の1月から性風俗関係の女性の相談は120件くらい受けましたが、精神疾患を発症している人がかなり多い。まずは病院で精神障害者保健福祉手帳などを取るよう、サポートします。弱い立場の人が自分の性をコントロールできなくなると、精神的に病むことが多いのです。20年くらい前から、性風俗と障害・精神疾患が強い相関関係にあることを、私たちは知っていました。新型コロナでそれがはっきりとしました」

 ――「自分の意思でやっている」という女性もいます。

 「ほんの少数の勝ち組と多数の負け組に分かれ、成功者の華やかさだけが吹聴される世界です。その陰には悲惨な状況の女性たちがいます。成功した人たちは、上昇すればするほど経営者の論理と同一化し、自分の意思でやっていると言います」

 ――どうすればいいですか。

 「私はアボリショニズム(廃止論者)の立場です。欧州では売買春を合法化して管理下におくアプローチと、禁止・違法にして買春者を厳しく罰し、売春者の罪は問わないとするアプローチ、二つの考え方が対抗しています。後者がスウェーデンなど北欧諸国が採用している『北欧モデル』で、英国、フランスやオランダでも廃止論者が声を上げ始めている。一流企業のエリートから教員、法曹関係者、公務員までが買春し放題の日本も、このモデルの方向に進むべきです」

 ――日本の性風俗はすべて「売買春」に入りますか。合法的に経営して税金も納めている業界を廃止せよ、というのはやや過激に聞こえます。

 「程度の差はあっても、体の接触が強くあり、とくに射精を促すような行為は、売春類似行為です。もちろん、性風俗の廃止は、福祉の充実と組み合わせないと意味がありません。北欧モデルでは、職業訓練制度を充実させるとエッセンシャルワークの領域、つまり看護、医療、福祉、公務員などに向かう女性が増えると聞いています」

 ――性風俗産業は何兆円かの規模で、現に社会の中に存在し、多くの女性の収入源にもなっています。

 「業界自体を良くしよう、という修正主義では女性の権利は守られません。根深い構造的な問題だからこそ、根底的に変革しないと成果があがらない。性風俗業界で困った人を助け、福祉制度につなげることも大事でしょう。でも『来た人を助ける』ではなく、廃止して『来ないようにさせる』ことのほうがより本質的な解決になります」

 ――強い措置をとると地下に潜る、という意見もあります。

 「今でもある部分は地下に潜っていますよ。それは警察が取り締まるべき別な問題です」

 「ただ、今は性風俗で働く女性がやめたくて1人で福祉課に行っても、生活保護の申請をはじくんですよ。『あなたは働けるでしょう』とか『頼る男性はいないの』などと言われ、こっちに相談に来るケースもあります。自己責任という社会規範の意識が福祉課にも浸透していて、生活保護の対象からはずす風潮がさらに広がっています」

 ――藤田さんは、性風俗業界やそこで働く女性を「差別」している、と抗議されることもある、と。

 「そうですね。『職業差別を促進している』とか『ヘイトスピーチを許すのか』という抗議が、私の所属する団体にまで来ます。『人権』『正義』『平等』といった言葉を使ったセックスワーク擁護がリベラルの急所をつき、知識人たちもその論調へ傾いています。そうですね。被害実態を通して社会問題を考えていくのが福祉ですから、私はその現場から、性風俗擁護論には強い異論を出しておきたいのです。私にはめいが3人いますが、仕事として当然、薦められません」

 「その仕事を自分で選んだなら、本人が精神疾患で苦しみ、人生を失おうと、それは自己責任になる、とは思いません。追い詰められて病んだ彼女たちを最終的に支えるのは福祉や精神医療で、その実態がセックスワークを擁護する人たちにはよく見えないんだと思います」

 「新型コロナは、非正規雇用を中心とした弱い女性を集中的に苦しめています。反貧困運動を続けてきていながら、女性の立場の弱さは想像以上で、自分はしっかり見られていなかった。その反省をして、女性支援、女性福祉を立て直していきたいと考えています」(聞き手・中島鉄郎)

     ◇

 1982年生まれ。社会福祉士。首都圏で生活困窮者支援を行う。著書に「下流老人」「ひとりも殺させない」など。

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