ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

生活保護者の集いコミュの定年男性こそ「孤独対策」 8050問題の名付け親が語る横の関係

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
https://mainichi.jp/articles/20210514/k00/00m/040/071000c

 コロナ禍で深刻化する孤独・孤立問題。国は担当相を置いて本格的に取り組む方針を打ち出している。実は「孤独対策」が必要なのは定年後の男性。「8050問題」の名付け親で、地域住民とともに解決策を探る専門職のコミュニティーソーシャルワーカー(CSW)として、孤独問題に長年取り組んできた大阪府豊中市社会福祉協議会の勝部麗子福祉推進室長に話を聞いた。【聞き手・鈴木直】

大阪府豊中市社会福祉協議会の勝部麗子・福祉推進室長(本人提供)拡大
大阪府豊中市社会福祉協議会の勝部麗子・福祉推進室長(本人提供)
コロナが教えた「孤立は人ごとではない」
 ――CSWの現場で見えてきた孤独とは。

 ◆孤独・孤立を巡っては、生活困窮者自立支援制度スタート(2015年度)が一つの契機だったと思います。さまざまな困難を抱えている方の自立支援の取り組みを進める中で、「経済的貧困」とは別に、「人間関係の貧困」という課題が見えてきました。助けてくれる人が周りにいないとか、自分からSOSを出せないとか。当時は、長期化、高齢化する引きこもりの問題や、年金生活の80代の親が、収入のない50代の子どもの生活を支える「8050問題」がクローズアップされましたが、「自分とは関係のない話」と考えていた人たちが多かったと思います。しかし、この1年、コロナ禍で、人とのつながりが失われることを経験して、「孤立」が向こう岸の話ではない、自分の問題だ――と、多くの人たちが考え始めたのではないでしょうか。そのような中で、国も担当相を置くことになったのかなと思っています。


地域の「発見力」が低下
 ――コロナの影響はいかがですか。

 ◆孤立しそうな人を支える基盤は地域の活動です。民生委員とか、地区社協とか、住民ボランティアとか。地域の人たちが一人暮らしのお年寄りの異変に気づいて関係機関につないだり。子ども食堂もそうです。ところが、人との接触を減らしましょうということで、ボランティアの活動が制限された結果、困っている人たちを「発見する力」が非常に落ちています。このため、助けを求められずに孤独死をしていたり、「孤立死」というか、誰にも気づいてもらえず、親と子どもが孤立したまま一緒に死んでいたりすることも目に付くようになりました。助けを求めたいと思っても、ソーシャルディスタンスという言葉で遮断されて、助けを求めることができない。自ら助けを求められない人は、だれにも気づかれない。そんな危機的状況があります。

定年後の男性が農業を通じて地域活動に参加する都市型農園「豊中あぐり」の会員ら(大阪府豊中市社会福祉協議会提供)拡大
定年後の男性が農業を通じて地域活動に参加する都市型農園「豊中あぐり」の会員ら(大阪府豊中市社会福祉協議会提供)
 人と人とのつながりが問われた1年でした。人間関係が分断されて薄れていって、他人に対して無関心になるっていうのは恐ろしい――。新型コロナウイルスは、そんなことを考えさせましたね。


 ――地域の活動の今後にも影響はありそうですか。

 ◆コロナ禍でいろいろな活動ができなくなったことで、担い手の人たちが非常に弱ってますよね。もともと地域の活動を担っていたのは、年齢の高い人たち、特に女性でした。しかし、そういう方々が、さまざまな活動が中止になることで外出なども減り、精神的にも身体的にも弱っています。これを機にさまざまな取り組みが停滞すれば、地域の課題発見力のさらなる低下が心配です。

農作業を通じて男たちを地域へ
 ――主な担い手は、女性ですか。

 ◆かつて、高度経済成長期は男性は家庭や地域に目を向けずに仕事をし、家庭内や地域のおつきあいは女性が引き受けていました。女性は群れて、いろんな活動ができる面がありますよね。「集まってお茶を飲みましょうよ」と呼びかけても、男性は、「何のためにお茶を飲むのか」って、目的とか生産性の話になって、なかなか出てこないんです。私は(04年にCSWになって)、孤独・孤立の問題をずっと支えてきましたが、孤独対策が必要なのは定年退職後の男性ではないかと考えるようになりました。実際に調べてみると、犬の散歩か、図書館行ってるか、ショッピングモールを歩いてる。だれとも群れてないんですよ。そこで都市型農園「豊中あぐり」という事業を考えたんです。市内の住宅地に農園を整備して地域の男性に、宅地の農園で農作業をしてもらう。できた作物はただ売るだけじゃなくて芋焼酎やコロッケなどに加工・販売しています。ここでは、収穫までの作業を会員同士が話し合って決める。全員がフラットな場です。最初は、「命令系統がしっかりしてないと、生産性が高まらない」とかみんな言うんですよ。いやいや、「横だ」と。縦社会じゃなく横のフラットな関係、お互いを尊重し合う関係性を学習する実験場なんです。競争社会で生きてきた人たちを共生社会に取り戻す試みなんです。


定年後の男性が農業を通じて地域活動に参加する都市型農園「豊中あぐり」の会員ら(大阪府豊中市社会福祉協議会提供)拡大
定年後の男性が農業を通じて地域活動に参加する都市型農園「豊中あぐり」の会員ら(大阪府豊中市社会福祉協議会提供)
 ――なかなか面倒ですね。

 ◆最近知ったのですが、世界で初めて孤独担当相を作った英国には、「男の小屋」というのがあるそうです。小屋の中にDIYの道具があって、好きなもの作って、それを販売したりするんです。私たちはそれを野菜作りで展開してきましたけど、イギリスでも定年後の男性が課題になっているのだと思いました。男の小屋を考えた人と機会があれば話してみたいです。

かつべ・れいこ
 大阪府豊中市出身。1987年同市社協入職。社会福祉士。「8050問題」の名付け親。CSWの活動を描いたNHKドラマ「サイレント・プア」(2014年)のモデル。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

生活保護者の集い 更新情報

生活保護者の集いのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。