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生活保護者の集いコミュの「ナプキンくらい買えるでしょ」…経済的支援で「生理の貧困」が解決すると思っている人の大間違い

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https://news.yahoo.co.jp/articles/4b26e62031fb2d9620ce4ba35aa0ffe86c5de92b

ワイドショーでも取り上げられ話題、だが…
写真:現代ビジネス

 「ネグレクトで親にナプキンを用意してもらえなかった」「ナプキンを買う余裕が無く、布で代用しています」

【写真】僕が毎月「妻の布ナプキン」で手を血に染める理由

 現在、女性向けメディアで「生理の貧困」の取材を行っている私のもとに、日々当事者からこんな声が寄せられる。

 最近、「#みんなの生理」という団体が行った調査で、若者の5人に1人が生理の貧困を経験したことがあるという実態が明らかになった。

 ワイドショーなどでも連日取り上げられ話題になっているが、「いろんな貧困がある中で、“生理”の問題だけ特別扱いするのは違和感がある」などという声もあり、十分な理解はまだまだこれからだと感じている。

 メディアでは生理の貧困についてその多くが、コロナ禍での経済状況の変化によって1パック300円ほどのナプキンも買えないほど困窮した人たちの問題として報道されている。そのため「経済的支援が優先。生理用品を配っても何も解決しない」なんていう声が出てくるのだ。

 しかし、実際当事者の声を拾い集めていると、生理の貧困は経済的理由以外にも、様々な要因があり、解決が難しく、可視化されにくいものであるということが見えてきた。

 また長年、“性”にまつわる話題はタブーとされてきた社会で、当事者が声をあげづらいという特性があり、他の貧困問題と並列にされるのではなく、単体で議論されるべき問題だと感じている。

 実際、私のもとに寄せられた体験談から、この生理の貧困という問題の複雑さについて説明していきたいと思う。

当事者たちの本当の声
 まず、生理とは10代前半から50代の閉経まで、数十年間にわたって毎月やってくるものだ。1週間程度、経血が流れ続けるため、ナプキンやタンポンといった生理用品が必要になる。

 生理用品は、ナプキンは1パック300円程だが、昼用と夜用は使い分ける必要があり、人によっては鎮痛剤や漢方、カイロ、ピルなども使用するので、月の出費は1,000円前後が相場だろう。

 生理用品は、なくてはならない生活必需品である。そんな必需品を手に入れることができない「生理の貧困」の状態にある人たちは、なにが原因でそうなり、どんな状態にあるのだろうか。

 生理の貧困の取材を始めた当初、友人に「さすがにナプキンを買えない人っていないんじゃない?」と言われた。これが日本人の大方の認識なのかもしれない。

 「1パック300円前後のものを買えない人なんてごくごく一部の人たちの話だろう」、「生理の貧困は外国の話だ」、そう思っても仕方がないのかもしれない。

 しかし、生理の貧困経験者はすぐに見つかった。1人目は母親のネグレクトが原因でナプキンを買ってもらえず、ティッシュでしのぎ、頻繁に経血を漏らしてしまっていたという女性だった。その後も、20代〜40代まで幅広い年代の女性から体験談が続々と集まった。

 10代の時に経験したという過去の体験談もあれば、今まさにナプキンが買えないという切迫した声も寄せられた。その一部を紹介する。

周りに相談できる人がいない
photo by iStock

 最初は、思春期と成人後の2度にわたって生理の貧困を経験した40代女性の声だ。

 「小さい頃、父親からの家庭内暴力があって、母親は精神病院に入院していたので、生理について相談できる大人がいなくて、仕方なくナプキンを万引きしてしのぎました。15歳で家出して働きだしたので、その後は自分で購入するようになりました。

 専門学校生時代は学費に家賃に食費、通信費、保険料等払うと、手元には小銭にしか残らず、清潔に保ちたいのに長時間ぎりぎりまでナプキンを替えずに枚数を減らしたりしていました。少ない枚数で持たせると、蒸れて気持ち悪い。また冬は腰回りが冷えました」

 このケースのように生理用品を手に入れられないだけでなく、周りに相談できる人がいない、というのも生理の貧困の大きな問題点だ。複雑な家庭問題が絡んでいることも多く、それを隠したいと思い、なかなかSOSを出せないのだという。

ナプキンにお金をかけるのが怖い
 次は30代女性で、現在もなお、ナプキンを布で代用しているという女性の声だ。

 「生理の貧困についてのツイートを拝見し、これまで大っぴらに言えなかった私の体験も、もしかしたら立派な生理の貧困だったのでは? と思いました。

 妊娠初期にひどい悪阻で仕事を辞めてしまった後に、夫の借金が発覚しました。妊娠中や産後すぐに雇ってくれるまともなバイト先など無く、風俗や夜勤等で食い繋ぎました。

 経済的に苦しく、借金の返済が生活費を圧迫した結果、今に至るまで4年ほど友人の断捨離で分けてもらった服やタオルをナプキンの代わりにして生活しています。

 一時は本当に10円単位で切り詰めなければ生活できない状態でしたが、今は生活も安定してきているので、絶対に生理用品を買えない訳ではありません。

 でも、一度生活費がマイナスになった恐怖心から、少しでも節約しておかないと不安でたまらず、使える布があるうちはずっとこの生活だと思います」

布を何枚も重ねて…
 私も貧困の当事者だったため、一度極度の貧困状態に陥った経験があると、出費がこわくなり、削れるところは徹底的に削らねばという強迫観念にかられるのはよくわかる。

 実際1パック300円という金額が本当に出せない状態ではなくとも、外に見えない生理用品はどうしても後回しになり、不快さを覚悟で少ない量のナプキンやティッシュなどで代用して節約しようと思う人も少なくないはずだ。

 布で代用することの不便さについても話を聞いてみた。

 「布はかさばるので、普通の生理用品を使っていた頃のポーチには入りません。最近はビニール袋に入れて持ち歩く事が多いです。

 ただの布なので防水性が全く無く、枚数が足りないと染み込んだ経血がショーツまでそのまま漏れることがあります。

 多めに当てるとかなり分厚くなるので、制服(エプロン)に助けられています。エプロン無しで制服がパンツの職場だったら見た目的にかなり厳しいと思います」

 本来ナプキンは数時間ごとに交換し、清潔に保つ必要があり、長時間同じものをつけっぱなしだと当然漏れも生じる。

 昼用1枚を数日間持たせたり、ティッシュなどで代用した結果、経血が直に肌につく不快感、蒸れ、かゆみなどが発生する人がいた。感染症を引き起こすリスクもあり、非常に危険なやり方であることは間違いない。

親だからといって理解がある訳ではない
photo by iStock

 生理の貧困の要因として、はじめは経済的理由だけを想定していたが、当事者の話を聞く中で、それ以外にも以下のような要因が見えてきた。

 1. ネグレクトや虐待、生理ヘイト

 2. 男性(父親・夫)の生理への無知・無理解

 3. 性教育の不足、知識不足

 1について、母親が身の回りの世話をしてくれなかったため、生理用品が手に入らなかった、というネグレクトなどが絡んでいるケースなどがある。

 中には初潮を迎えたことがわかると「けがらわしい」などと暴言を吐かれた上で、経済的余裕があるにも関わらず、十分な生理用品を与えられなかったという人もいた。

 第二次性徴に対して、嫌悪感を抱く親のエピソードはいくつか寄せられており、私はこれを「生理ヘイト」と名付けている。貧困家庭でもなく、身なりなど外見に表れにくいので、周囲から気づかれにくい。

 2のような父子家庭の場合、父親が生理用品を用意するという概念がそもそもなく、また異性であるがゆえに本人も恥ずかしくて言い出せない、というケースがある。

 もちろん年頃の娘に生理が来ることを想定し、用意する父親もいるだろう。しかし、男性が生理について知らなくても生きていける社会で、その想定ができない父親がいるのも事実だ。

 また、1日に必要なナプキンの量を知らない、量を調整できると勘違いしている男性のエピソードもたくさん寄せられており、夫が生理用品を十分に買わせてくれなかった、という方もいた。

 男女別の性教育の弊害が浮き彫りになった一例といえるだろう。

「1枚で十分でしょ」
photo by iStock

 3に関しても、親がそもそも生理に関して知識や理解が薄く、少ない量で足りるだろうとナプキンを十分な量を用意してもらえなかった、というケースがあった。

 夜用ナプキンや生理用ショーツの存在を知らず、買ってもらえなかったのでずっと漏れと闘っていた、という人もいた。当事者は、何が「普通」かわからず、自分の置かれている状況の異常さに気づけなかったという人がほとんどだ。

 学校で生理があること自体は習っていたが、1度きりで詳しいことは教えてもらえなかったので、ナプキンをトイレに流して詰まらせてしまった。生理痛の際、温めたり鎮痛剤を飲むという術さえ知らず、学校を休むしかなかったという例がある。

 「保健室に頼れないのか」と思う方もいるだろうが、事情が事情だけに言い出しにくいという子も少なくない。またナプキンが返却式だったり、そもそも置いてないなど、学校ごとに対応は異なる。

 また養護教諭でさえ、個人差への想像力が乏しく、経血の量が多くて2枚欲しいと伝えると、「1枚で十分でしょと言われ、もらえなった」ということもあるそうだ。

 モレや痛みの対処法や、快適に過ごすための商品があるといった情報を伝えるなど、踏み込んだ教育も必要だろう。

 このように「生理の貧困」と一括りに言っても、置かれている状況や要因は様々だ。

 ことさらにコロナ禍による経済苦だけを例として取り上げれば、母数が少なく見限られ、問題が矮小化される危険性がある。また生理用品にアクセスできないといった知識・環境的要因は見捨てられ、経済的困窮こそが問題だとすり替えられてしまう可能性がある。

実は私も…
 Twitterで生理の貧困に関する体験談がバズると、堰を切ったように「私も実は…」「これって生理の貧困だったんだ」「同じ人がいたんだ」という声が寄せられている。

 また「日本にそんな人がいるなんて、想像もできなかった」「経済的事情以外でも、ネグレクトなどで手に入れられない子どもたちがいるのは初めて知った」と、大きな反響があった。

 生理用品不足だけでなく、生理痛や無月経、生理不順で苦しむ人は多く、経済的に余裕のある家庭で育った人からも、婦人科の受診や鎮痛剤、ピルへの出費などは負担になっており、後回しにしがちという声も聞かれた。

 生理の貧困がいままで可視化されなかったのは、希少なケースだからではなく、センシティブな問題で声をあげられなかった、またそもそも異常だと気づかない当事者が多いからだということだろう。

 コロナ禍で多くの人の経済状況が悪化したことは確かにこの問題が表出したキッカケではあるが、生理の貧困事態は昔からあったものだ。

 生理の貧困が可視化されることで、生理用品を寄付したいという声が多く聞かれるようになり、それ自体は喜ばしいことだが、そこに頼るだけでなく、やはり行政が動くべき問題であると感じる。

当たり前のように設置されている社会に
 政府は、3月23日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で孤独や困窮状態にある女性を支援するため、関連する交付金を拡充することを決めた。その使途として生理用品の無料配布も加え、2020年度の予備費から約13億5千万円が充てられるという。

 「無償配布より現金給付を」との声もあるが、家庭の事情で手に入れられない子どもたちにとって、無償配布や学校や公的機関への設置は効果的な支援だと私は思う。

 コロナ禍が終わっても生理の貧困はなくならない。今注目を集めている話題だが、ただセンセーショナルに取り上げられるだけでなく、複雑な背景や性教育の不足などにも光が当てられ、議論が深まっていくことが必要だ。

 一時的な支援にとどまることなく、トイレットペーパーのように、トイレに生理用品が設置されているのが当たり前の社会になることを願っている。

ヒオカ(フリーライター)

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