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生活保護者の集いコミュの離婚後6年経ってもDV後遺症。被害者がスマホゲームとTwitterで立ち直るまで

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https://mi-mollet.com/articles/-/28475

共働き率が7割を超えるものの、いまだ家事育児の8割を女性が担い、男性の育休取得率は1割以下。女性の就業時間が特別短いわけでもないのに女性の半数近くの平均年収は200万円を下回ります。

その上、DVそれ自体を固有の犯罪として取り締まる法律はなく、たとえDVを受けても、一般的な暴行や傷害としての立件のハードルを超えられない限り、被害者には、そのDVが「命に関わるものであり、継続性がある」と自ら証明した上で、家から逃げ出すことを認めてもらうしか環境を変える道がありません。

おまけに配偶者暴力防止法(いわゆるDV防止法)による支援措置を受けていてもなお、実態や背景を見ない家庭裁判所は、独自の論理で加害者と子供との面会交流を命じるのです。そしてその面会に、公的なサポートは一切ありません。

本連載「DVアリ地獄」では、自らもDVサバイバーでシングルマザーのソーシャルライター・松本愛さんが、DV当事者の「声」を丹念に拾い上げ、日本のジェンダー意識の遅れの実態をレポートします。連載第1回目は、松本さんご自身の体験を振り返っていただきます。

※個人の特定を避けるためエピソードには脚色を加えている場合もあります



離婚後6年でも後遺症に苦しめられる

私はDVストレスの後遺症によるとものと思われる高血圧と高コレステロール血症、脳動脈瘤かと思ったら多分違うらしい頭の中の何かと、ヘルニアと腱鞘炎、そしてメンタルの不調を抱えています。離婚して6年も経とうとしているのに、いまだ過呼吸の発作が出ることがあるし、いてもたってもいられず不安に襲われて叫び出しそうになる夜も少なくありません。

ライターだと言うのにまともに本を読めなくなって数年、長文を書けなくなって丸1年。その間、ベッドの中で丸くなって眠るか、起きている時に少しでもボーッとしている時間があると脳内で元夫との言い争いがはじまるので(これがフラッシュバックなのかはよくわからないけど)ひたすらパズルゲームをして気を紛らわし過ごしてきました。おかげでゲームに出てくるおじさんのオースティンとはマブになり、ゲームのレベルは4000を越えるほど(無心になれるパズルゲームが好き)。


本業は美容ライターでやってきたというのに上手に身支度を整えられなくなって外に出られなくなり、それでもオースティンだけでは人恋しさを埋められず、Twitterでひたすら「眠い」「背中が痛い」「つらい」とか、あと脳内で未だ暴れる元夫のこと、子供に対してどうしても上手に接することができない赤裸々な苦しみを呟いていたら同じような境遇の友人ができました。

その友人たちとは気兼ねなく話をすることができ、ひたすら心身の不調を呟き続けても、エグい被害体験を語っても引かれないし、被害者によくある被害体験をネタのように笑って話してしまっても辛さを見逃されることもなく、「なんでそんなのと結婚したの」「子供が可哀想」などいちいち心に刺さる言葉で傷を抉られることもありませんでした。

これはいわゆるピアサポート(peer support)と呼ばれ、共通項と対等性をもつ人同士(ピア)が体験をシェアして支え合う、心理療法でも用いられる手法です。そうとは知らず、仲間と過去の体験と苦しい胸の内をお互いシェアして支え合う日々を過ごしていくうち、私は少しずつ回復し、そして、私たち日本人女性がとんでもなく理不尽な状況に置かれていることに気付いてしまいました。

私もこれまであまり自覚していませんでしたが、日本人女性が置かれている現状は過酷なのです。

ジェンダーギャップ指数121位はダテじゃない!

家庭内暴力の証拠を押さえるのは至難の技

婚姻中に夫に無視されたり暴言を吐かれたり怒鳴られたり、乱暴な態度で不機嫌に当たり散らされたり、理不尽な用事を言いつけられたり、無理やり性行為に応じさせられたり、避妊してもらえず子供を次々産まされたり。家事育児は全て妻に押し付け、しかし仕事は共働き。文字に起こすと非道だけれど、これは一般家庭の中で昨日も今日も明日も、日常的に起きていることです。

浮気と暴力を除いたのは、これが一応裁判所の認める離婚事由になっているからですが、浮気はともかく、家庭内暴力の証拠を押さえるのは本当に至難の技で、大変に難しいのでほとんどの人はできる限り我慢するしかありません。

これを普通=多数派、つまり社会が異常と認識していないので、多くのDV被害者は被害を自覚できないばかりか、耐えられない自分を責めるしかなく「これくらいみんな我慢しているのに、それができない私は根性なしだ」と心身を病んでいってしまいます。


しかし、加害者の言動がエスカレートするに従い、限界は必ず訪れます。精神的に限界を迎えるその時にはもう正常な判断はできなくなっており、それまで一人、根性で回していた家庭と家計は破綻。どうしようもなく追い詰められて家から出奔するしかなくなって、そしてやっと「離婚」という選択肢にたどりつく。


ところが、その離婚が簡単にはできません。どんなに非道な相手でも、相手の合意が得られなければ離婚ができず、まずは調停から始めるしかありません。離婚に応じない人は親権でも養育費でもごねるのが常なので、話がどんどん拗れていき、そうすると弁護士を雇う必要が出てきます。

しかし、ろくに喋れないような精神状態の中で被害者は弁護士にまともに相談することさえ困難です。そもそもお金に困っている人がほとんどで、弁護士費用の捻出も問題になります。シングルマザーの半数は相対的貧困家庭ということからもその金銭難は理解していただけるはず。
弁護士や裁判官からのセカンドレイプ

またDVやモラハラに理解のある弁護士さんが本当に少なく、法律相談まで辿り着けても弁護士さんから「それくらいじゃ離婚できませんよ、我慢したら」などと言われる、セカンドレイプもありふれていてここにわざわざ書き記すべきか悩むほど。家庭裁判所の調停員や裁判官はもっと被害者に冷酷です。

そうして、道半ばでバタバタみんなが力尽き、倒れていく……。

離婚が成立するまで3年なんて話はザラに聞きますし、最高裁まで争うケースもあります。離婚できなければひとり親手当などのサポートは一切受けられず、やっと離婚できたとしても、手当をもらうだけなのに行政からセクハラまがいの干渉を受け、さらに最悪なことに家裁から面会交流を強制されるという憂き目に遭います。そしてこれらはもう決まっている道筋で、逃れる術がありません。


とある港街に住んでいたAさんの話をしましょう。


Aさんと彼は同じ会社の同僚で、何度か飲みに行くうちに意気投合、気付いたらそういう関係になっていました。彼女は男勝りの性格を自覚しており、しかし男尊女卑がより色濃く残る田舎の価値観で育ったせいで、そんな自分より強い男の人に惹かれるタイプでした。その点、彼は上司にも物おじせずハッキリ意見をいい、Aさんに対してもズバズバ物申し、あれこれ指図もする。それを男らしいと当時まだ20代半ばのAさんは感じたというわけです。

Aさんの母親だけは「あの男はやめておけ」と反対しました。理由は教えてくれなかったと言います。ところがこのAさんの母親が急逝してしまったので、その喪が開けてすぐ2人は入籍しました。付き合い始めてから5年は経っており、彼は男らしく「結婚させてください」とAさんの親族全員に挨拶してくれたそうです。

入籍してすぐ妊娠、そしてAさんは可愛い男の子を出産。
ところがその結婚生活は恐ろしいものになったのです。

自らもDVサバイバーでシングルマザーのソーシャルライター・松本愛さんが、DV当事者の「声」を丹念に拾い上げ、日本のジェンダー意識の遅れの実態をレポートします。DVサバイバー・Aさんは、5年付き合った男らしい彼氏と結婚。可愛い男の子も生まれ、幸せな生活が続くかと思いきや……。

※個人の特定を避けるためエピソードには脚色を加えている場合もあります



「男らしさ」が仇になり仕事が続かない夫

とある港街に住んでいたAさん。

Aさんと夫の結婚を反対していたAさんのお母さんの逝去により籍を入れ、始まった2人の結婚生活ですが、お母さんが心配していた通りその生活はうまくは行きませんでした。

上司に物おじせずハッキリ意見を言えた夫。最初は男らしく見えた彼のその性質は、裏を返せば上司とうまくやれず仕事が続かないという欠点でもありました。失業・転職の繰り返し。無職の期間が長くなるにつれ、だんだんと家にお金を入れてくれなくなり、Aさんは次第にお金に困るようになりました。家にいる夫が子供の面倒をみてくれればAさんが働きに出られるのに、それも許されません。

子どもがグズると夫の機嫌が悪くなるので2人を遊ばせるときは常に細心の注意をはらって見守り、たまにお風呂に入れてくれると言ったかと思えば、子供を残して1人で風呂から出てくる。慌てて風呂場に駆けつければ我が子は桶に入れられ湯船にぷかぷか浮いている有り様。かといって子どもとAさんが2人で風呂に入っていれば、わざわざ風呂場のドアをバーンとあけて「酒がないぞ!」と空のグラスを持ってくるのです。


お金がないのに1.8Lのキンミヤ焼酎は2本、ビール1ケースが1週間で空になり、つまみは常に3品以上作ることを求められました。もちろんお夕飯とは別に。

そのため幼い子どもと父親を2人きりにはできませんでした。保育園の集まりにもアルバイトにも必要なときは必ず子どもを連れていくしかないのに、すると夫は「なんで家にいないんだ」とどこにでも2人を探しに来ました。ある日そうやって現れた夫は無理やり子どもを連れ帰ってしまい、慌てて追って家に戻ったものの間に合わず、チェーンをかけられAさんは家から締め出されてしまいました。

その晩、子供を心配しながらも朝まで浜辺で体育座りして過ごすしかなかったAさん。

ところが子供が小学校に入るとPTAの仕事や登下校の旗振りなど、断れない用事が増えます。するとそのたびに締め出されるようになりました。締め出されるのはまだ一人で我慢すればいい。でも旗振りにやんちゃ盛りでじっとできない低学年の子ども連れていくのはさすがにできず、途方に暮れて一度だけ近所の人に相談したといいます。すると子連れで旗振りができるよう、ハーネスの代わりに犬用の鎖を貸してくれたご近所さん。Aさんは提案されるがまま自分と息子を繋いで旗を振りました。

しかし、それを見た近所の女性陣はさすがに黙っていませんでした。港の女は気性が荒い。勢いよく夫に抗議をしてくれましたが、それにより事態はより悪化しました。

夜中に締め出されベランダで用を足す

「恥をかかせやがって」と怒り狂った夫は、Aさんによりハッキリとした悪意を持って、嫌がらせに息子を巻き込むようになりました。見せしめに息子を蹴り飛ばし、息子がしていたスポーツにコーチ気取りで口を出す。朝夕の練習メニューを考え、Aさんに監督するように言いつける。

その頃にはアルバイトから正社員になっていたAさんですが、息子に朝練をさせ、夫の弁当を作り、仕事に行って、夕方も練習に付き合うという過酷な生活が始まりました。少年スポーツなので、土日は丸一日付き添いです。

練習を言いつけているのは夫なのに、夕方になるとアパートの窓から顔を出し、練習をしている2人に向かって「もう酒がないぞ!」と空のグラスを突き出します。酒が進めば説教が始まり、「そこに座れ」と命令し、一晩中文句を言い続けるのです。


ひどい時は、夜中にAさんをベランダに締め出し、そのせいでAさんはベランダで用を足さなければいけないことさえありました。やっと元夫が酔い潰れると、Aさんはその隙に横になるのですがすぐ息ができず目が覚めてしまう。パニック発作です。


もちろん、息子の様子もおかしくなりました。

学校側からは子供の様子について何度も話がありましたが、Aさんはそれを夫にいうことができず医療にも福祉にも繋げることができませんでした。激怒され事態が悪化するのが恐ろしく、眠れないせいで、冷静な判断もできなくなっていたからです。

次第に仕事にも行けなくなり、ご飯も食べられなくなりました。

人相が変わってしまったことに驚いた周囲の人が心配してくれましたが、もう相談することもできず「更年期かな」と笑ってごまかすのが精一杯。

眠れない、食べられない、息ができない、働けない、お金がない、相談できない、助けを求めることができない。

生活費をサラ金に借りるようになりました。

あっという間にサラ金からもお金が借りられなくなり、次は近所の人や親戚、ママ友にまで借金を申し込むようになりました。

それもすぐにツテがなくなり、最終的に主婦売春に手を出しました。

これまでの人生で全く触れてこなかった仕事でした。

やってはみたもののあまりの衝撃で、家に帰ったAさんは子どもの目を真っ直ぐ見ることができなくなっている自分に気が付きました。

そして次の日「仕事に行ってきます」と家を出て、Aさんはそのまま二度と家に帰ることができなくなったのです
息子からの手紙に書かれた衝撃的内容

眠れない、食べられない、息ができない、働けない、お金がない、相談できない、助けを求めることができない。

夫からのDVで追い詰められ、精神に異常をきたして家に帰ることができなくなったAさん。家出2日目で夫名義のスマホは使えなくなりました。連絡手段も保険証も現金もない。体を売りながらしばらくネットカフェで過ごしたものの、客にだまされお金を払ってもらえなかったりすることも多く、状況は悪化するばかり。

唯一、全てを忘れて没頭できるのがパズルゲームだけという中、ゲーム越しに仲良くなった人に現状を打ち明けたところ、その彼が全面的にAさんを支援してくれることになりました。

プリペイド携帯を契約してくれ、アパートの保証人になり、Aさんを福祉につなげ、夫に取り上げられていた保険証に代わって国保に入れるよう特別な手続きをしてくれたり、生活保護を受けられるようにまでしてくれたのです。

生活基盤が整い、精神科に通えるようになったAさんはその彼の勧めで弁護士を頼み、やっと離婚手続きに着手したものの、もはや、手遅れ。

夫は警察に行方不明者として届けを出し、あちこちのSNSに「借金と子どもを残し行方不明になった妻を探しています」と投稿、我こそが被害者という立場を確立させていました。

実際に、子供を置いて家出をするということは法的には育児放棄とみなされ、有責事由つまりは慰謝料の対象とされ、親権を取ることが大変に難しくなります。そして精神的DVは立証が難しく、できたとしてもそれが離婚事由として認められるかは裁判官のさじ加減一つ。不法行為に対してでないと慰謝料請求できないため、精神的DVについてそれ一つひとつの行為を不法かどうか争うことになると勝てる見込みも限りなく低いのです。

そのため、Aさんは離婚調停さえできず、1年かけて弁護士を通じ交渉を重ね、相手の言うままに引っ越し代や借金の返済分、家財の処分費用など100万円近くを支払い、親権どころか年金分割さえなしという条件をのんで、やっと離婚にこぎつけたといいます。


離婚成立時、事務所で夫と最後に話したというAさん。そのとき突きつけられたのが「もう2度と会いたくない、顔も見たくない、地元から出て行って欲しい」という息子からの手紙でした。

そしてそれから一度も息子には会えていないと言うAさん。地元にいる親族を通じ、息子の様子だけは聞いているといいますが、やはり荒れた思春期を送った様子だったそう。

でも当時のAさんにはそれ以上できることがありませんでした。精神科で処方された大量の薬で当時、その後の記憶はまばらになっているほどだったからです。そしてAさんの話はなんの救いもなくここで終わりです。

つらい話をするときに明るく笑ってしまう

「この話ができるようになるまで10年かかりました。息子もそろそろ成人です。近くに住む私の親族がなんとか育ててくれたんだろうなと思うと感謝しかありません」

そう話を締めくくったAさんは明るく元気な声で私に笑いかけてくれました。つらい話をするときに明るく元気に笑ってしまうのはDV被害者に多い特徴です。

だからこそ、彼女たちの話を聞くとき、私もできるだけ明るく振る舞います。フラッシュバックを少しでも軽くして欲しいから。けれどテンション高く面白おかしく怖い話をしてくれたその後、彼女たちが精神的に調子を崩ししばらく寝込んでしまうことを私は知っています。


それでも詳細に話を聞いて書かないわけにはいかない。そして彼女たちも話さないわけにはいかない。なぜなら声を上げないと誰にもこの理不尽な現状が伝わらず、被害者がどんどん増えてしまうから。


一度被害を受けたら、一生その体験から逃れることはできません。

その上、家庭内のDVを取り締る法律も被害者をケアする制度もないばかりか、法律は被害者を追い詰める内容のものばかり。

もしかしたらAさんが協議離婚であることに違和感を感じた読者の方もいるかもしれません。裁判所に申し立てていたら結果は変わっていたのでは? 法律が被害者を追い詰めていると断定していいのか? と。

では、わずか2年の結婚生活にも関わらず、モラハラでボロボロになり裁判所でさらに追い討ちをかけられたBさんのケースをご紹介しましょう。

ビジネスでもプライベートでもパートナーシップを組んでいたBさんカップル。仕事終わりに待ち合わせして一緒に飲みに行くのが定番のデートで毎回楽しく過ごしていたといいます。

そんなときBさんの子宮に病気が見つかり、このままでは子供が産めなくなるかもしれないと医師に告げられてしまいました。それを彼に伝えたその直後、奇跡的なタイミングでのおめでた。彼も妊娠をとても喜んでくれ、当たり前のように2人は結婚しました。授かり婚だったため、妊娠後の入籍、引っ越し。バタバタするのはしょうがないとは覚悟はしていたBさんですが、実際に起こったのはとてもそんな覚悟では足りない、あまりにも過酷な現実でした。

松本 愛Ai Matsumoto

1982年東京都生まれ。編集プロダクション勤務を経て独立。WEBコンテンツや書籍や雑誌、カタログなどの制作を手がける。ソーシャルライターとしては主に女性にまつわる社会問題についての記事を執筆。昨年、「被害者や女性、子どもなど。声なき声や要望を拾い集め繋ぎ合わせて流れを整え、必要なところへ届ける」をモットーとした一般社団法人『FLOW』を設立。
Twitter:@aimatsu2000

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