Google BookmarkTwitterFacebook印刷もっと見る 他の言語で読む English 日本語 简体字 繁體字 Français Español العربية Русский 「一億総中流」から「格差社会」へ かつて日本が「一億総中流」の社会だと言われた時代があった。1970年代から80年代にかけてのことである。経済協力開発機構(OECD)の統計で、日本の経済的格差は北欧諸国と並んで最小レベルだと指摘された。政府の世論調査では、国民のおよそ9割が自分の生活程度を「中」と回答していた。もっとも当時の統計は今日ほど正確とは言えなかったし、「中」が9割というのは、実は「上」「中の上」「中の中」「中の下」「下」の5つの中から真ん中の3つを選んだ人の割合を合計したもので、ほとんどインチキのような数字だった。しかし1950年代末から15年ほど続いた高度経済成長によって、生活水準が大幅に上昇していた日本人の大部分は、「一億総中流」の神話を信じた。