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生活保護者の集いコミュの「500円玉貯金が最後の金」シングルマザー、テレサさんの叫び

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https://mainichi.jp/articles/20210312/k00/00m/040/109000c?cx_fm=mailyu&cx_ml=article&cx_mdate=20210313

 「500円玉の貯金が最後のお金」。新型コロナウイルスの感染拡大で、フィリピン出身のシングルマザーが困窮している。パートナーによる家庭内暴力(DV)から逃れ、ホステスとして働いてきたフィリピンパブは時短営業が続き、収入はほぼ途絶えた。知人からの借金も、生活費や学費で消えていく。市民団体の助けで「言葉の壁」を乗り越え、持続化給付金や貸付制度にたどり着いた。それでもギリギリの生活は続く。命綱となる貯金箱を手に「神さま助けて」と、コロナ禍の収束を祈るばかりだ。

 マニラ出身のテレサ・ソリスさん(仮名・30歳)は中学1年の長男(13)と保育園児の長女(4)を育てるシングルマザー。大阪・ミナミのフィリピンパブで働いている。


 2011年9月、中国地方でホステスをしていた親戚を頼り、出稼ぎで来日した。母国男性との間にできた長男は自分の両親の元に残してきた。テレサさんの父は生まれつきの糖尿病で働けず、母がサウジアラビアで家事手伝いをするなどして一家を支えた。長男が生後8カ月になっても働かなかった男性とは結婚せずに別れた。

 来日して間もなく、生活相談に応じてくれた日本人男性と結婚したが、2年後に離婚。その後に出会った日本人の「彼氏」との間に長女を授かり、フィリピンから長男も呼び寄せた。「やっとうまくいく」という光が見えてきた。


 だが、長続きはしなかった。身重の頃から彼氏に髪を引っ張られたり殴られたりと、家庭内暴力がエスカレート。「子供を守らなくては」と、18年春に2児を抱えて大阪へ逃げた。

緊急事態宣言で収入激減
 区役所で日本語と格闘しながら、小学校への転入届や児童扶養手当の手続きは済ませた。ミナミのフィリピンパブで働き始め、稼ぎは月20万円ほど。半分は母国に仕送りし、家賃や光熱費、教育費を払えば、手元に残るのは2万円ほど。「もしものために」と500円玉用の貯金箱に1枚ずつ入れていった。2年ほどコツコツため、40万円くらいになった。


命綱の500円玉の貯金箱に触れ、仕事がないことを嘆くテレサ・ソリスさん=大阪市内で2021年2月26日、北村隆夫撮影拡大
命綱の500円玉の貯金箱に触れ、仕事がないことを嘆くテレサ・ソリスさん=大阪市内で2021年2月26日、北村隆夫撮影
 20年4月に緊急事態宣言が発令されるとパブは予約がある時だけ開店するようになり、ホステスとしての収入は月4万円に激減。6月以降も多くて5万円ほどだ。11月末から府の時短要請が続き、21年1月には宣言も再発令され、稼ぎはほとんどなくなった。

 そんなコロナ禍と重なったのが長男の進学だ。夏冬用の制服、入部したサッカー部のユニホームやスパイク代……。長男から「ママ。これがいる」と切り出されると、「いくら?」と尋ねる。長男はにこにこして「2万円」と答える。そんなことの繰り返しだ。「子供には好きなことをさせたい」という親心の一方で「またか……」と追い詰められていく。勤め先の社長に頭を下げ、30万円を借りたが、あっという間に消えた。1人一律10万円の特別定額給付金は返済に充てた。


 長男は食べ盛りだが食費を節約し、月約5万円の児童扶養手当などでしのぐ。宣言再発令前に社長から渡された15万円の支援金も使い果たしそうだ。「本当に最後になるまで、貯金箱に手をつけたくない」と我慢する。20年秋から不眠に悩み、睡眠薬を飲む量も増えてきた。「朝10時まで起きていることもある。アディクション(中毒)かもしれない」

 それでもテレサさんは「何とか生活できているのはラッキー」と言う。大阪に来て間もなく、長男の小学校を通じて、無償で外国人を支援する「Minamiこども教室」(大阪市中央区)とつながった。学習支援に加え、保護者の生活相談にも応じる市民団体だ。

 運営する金光敏(キムクァンミン)さん(49)は、公的な支援制度を分かりやすい日本語と英語で教えてくれた。20年6月までに大阪市社会福祉協議会で緊急小口資金と総合支援資金を計60万円借りられた。ホステスは個人事業主の扱いになるため、持続化給付金を100万円受け取り、住居確保給付金も申請。国民健康保険料の減免手続きにも立ち会ってもらった。「家族で生きていけるよう教えてもらった。『先生』がいなかったら、国のサポートに気づけなかった」と感謝する。

外国人家庭を無償で支援する「Minamiこども教室」の金光敏さん(右)に相談するテレサ・ソリスさん=大阪市中央区で2021年1月15日午後5時43分、鶴見泰寿撮影拡大
外国人家庭を無償で支援する「Minamiこども教室」の金光敏さん(右)に相談するテレサ・ソリスさん=大阪市中央区で2021年1月15日午後5時43分、鶴見泰寿撮影
 テレサさんも生活保護を受けられるが、「日本に住みづらくなる」と考え、申請するつもりはない。出入国在留管理庁によると、外国人が生活保護を受給すれば在留期間が短くなるなど不利益が生じるケースもある。「私は元気。誰かにお世話になるのではなく、自力で働き、子供たちを育てたいだけ」

在日外国人に情報届かず、言葉の壁厚く
 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた公的な支援制度について、在日外国人は「言葉の壁」に阻まれ、制度の存在さえ知らないことが少なくない。外国人に向けた国や行政の情報発信は弱く、市民団体が制度の説明や窓口への同伴、翻訳などで補っているのが実態だ。専門家らはワクチン接種でも必要な情報が届かないことを懸念する。

 「仕事がなくなった」「家賃が支払えない」。大阪市中央区の繁華街・ミナミで、外国にルーツがある子供の学習を支援する「Minamiこども教室」には、そんな相談が絶えない。2021年2月までの約8カ月で延べ400件を超える相談に応じてきた。

 実行委員長で在日コリアン3世の金光敏(キムクァンミン)さん(49)によると、感染拡大が始まって間もない20年3月ごろ、生活苦を訴える保護者が増え始めた。5月末に相談会を開くと、教室と関わりのない外国人も口コミで知って訪れ、想定を超える約300人が参加した。大半は女性で、ホテルの清掃、飲食・接待、介護などの仕事が目立った。1人一律10万円の特別定額給付金の書類作成を手助けし、生活困窮者向けの貸付制度や住居確保給付金など、外国人も対象となる制度があることを知らせた。

 すると、翌日から、さらに他の外国人から携帯電話や電子メールなどで問い合わせが相次ぐようになった。金さんは「言葉の壁で支援制度の存在さえ周知されず、公的な窓口が機能していない。外国人の家庭がほったらかしにされている」と感じた。

子ども食堂と協力し、困窮する外国人家庭向けに食料を無料配布する「Minamiこども教室」のスタッフ=大阪市中央区で2020年12月20日午後2時10分、鶴見泰寿撮影拡大
子ども食堂と協力し、困窮する外国人家庭向けに食料を無料配布する「Minamiこども教室」のスタッフ=大阪市中央区で2020年12月20日午後2時10分、鶴見泰寿撮影
 コロナ禍の長期化で在日外国人の生活苦はより深刻になっている。20年12月と21年2月には地元の「子ども食堂」と協力し、寄付金で購入した米や肉などの食料を無料で配布。12月は約100世帯分を用意したが、反響が大きかったため2月は約200世帯分に増やした。「お金がない」と追い詰められた表情を浮かべる家族もいたという。金さんは「支援の態勢は一朝一夕には整えられない。普段から行政は多言語の翻訳機能や人材を整え、在日外国人への対応の仕方を身に付けておく必要がある」と指摘する。

公的書類、翻訳しSNSで配信
 公的な書類を翻訳することで支援につなげる取り組みもある。愛知県小牧市の市民団体「ブラジリアンコミュニティ通訳者サポートの会」は、国の生活支援の情報をスペイン語やポルトガル語に翻訳し、メンバーのフェイスブックで配信。「派遣の仕事がなくなった」「コロナにかかったらどうすればよいのか」といった相談にも電話で応じる。

「Minamiこども教室」で食料の無料配布を受けた後、生活実態についてのアンケートに答える参加者=大阪市中央区で2020年12月20日午後2時36分、鶴見泰寿撮影拡大
「Minamiこども教室」で食料の無料配布を受けた後、生活実態についてのアンケートに答える参加者=大阪市中央区で2020年12月20日午後2時36分、鶴見泰寿撮影
 製造業が多い小牧市は人口約15万人のうち約6・5%が外国人。同会は東海地方の自治体の嘱託で通訳として働く日系ブラジル人らが16年に設立し、在日ブラジル人の通訳者向けに法律や医療などの専門用語を日本語とポルトガル語で学ぶ場を提供してきた。

 コロナ禍では小牧市社会福祉協議会を窓口とする緊急小口資金や総合支援資金などの制度について、20年6月に手続き書類をスペイン語など2カ国語に翻訳。日本語での記入例などを翻訳し、見本を用意した。国による翻訳より1カ月ほど早く、21年2月までに市内全体で約2000件の申請があり、そのうち7割ほどを在日外国人が占めた。市社協の担当者は「外国人が見本を参考にして自力で記入でき、窓口負担が減った。職員は外国語が得意ではないので助かった」と感謝する。

 一方、公的支援を受けられずに困窮する難民申請者や帰国困難者もいる。NPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」(移住連)は20年5月、住民基本台帳に登録されておらず、公的支援を受けられない在日外国人らに1人3万円の現金を給付するための基金を設立した。募金や財団からの助成金で約5000万円が集まり、同9月までに全国の1645人を支援。その過程で、本来は公的支援を受けられるのに、専門用語を理解できず、窓口にたどり着けない外国人の存在が分かった。

 移住連理事を務める高谷幸・大阪大准教授(移民政策)は「役所への同行支援のほとんどがボランティア頼みだ。地域格差も大きく、国や自治体が窓口に相談員や通訳の配置を増やすべきだ」と指摘する。

 東京外国語大の小島祥美准教授(多文化共生)は国の対応について「コロナ禍で外国人への差別や不平等な取り扱いが『見える化』された。『日本語で情報を把握できない人が悪い』というスタンスが露骨に出た」と批判。ワクチン接種についても懸念し、「在留資格を問わず、自己負担の必要はないと外国人への周知を徹底すべきだ」と訴える。【鶴見泰寿】

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