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生活保護者の集いコミュの「逃げ出したくなりました」路上生活から再起直前…女性が残した手紙

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https://news.yahoo.co.jp/articles/898f2ff462c68de8b0029f9fd27ca6134f36203c

「以前働いていたコンビニへ行って、また雇ってくれないか頼んでみます」

 福岡市内の福祉施設から女性(31)が姿を消したのは昨年11月10日だった。ベッドとわずかな家電が置かれた6畳の部屋に、1通の手紙を残して−。

【写真】女性が約2年半働いた和菓子店があった太宰府天満宮の参道

「うちで働きませんか」
 女性は同年2月、コロナ禍でうどん店を解雇され、夜逃げ同然でアパートを出た。「食べ物をください」。福岡市・天神の警固公園でこう書いた紙を携え寝泊まりするようになった。

 「もう無理」。困窮の末、8月にカッターナイフを手に宝石店で現金を脅し取ろうとして逮捕。10月21日に執行猶予付き判決を受け、その日から福祉施設に入った。

 女性の裁判は新聞で大きく報じられた。「うちで働きませんか」。記事を見た福岡市内の飲食店などから、事件を担当した弁護士に連絡があった。女性は非行少年の更生を支援するそば店で働くと決め、11月8日に1人で店を訪れた。再出発は目前のはずだった。

 女性は翌9日、そば店の店主(76)から交通費として渡されていた3万円を施設の職員に預ける。10日朝には「相談がある」と胸の内を明かした。

 女性 福祉が必要な人間と思われているようで嫌でたまらない。逃げ出したい。

 職員 そんなふうに思ってない。みんな制度の説明をしただけだと思うよ。

 就職や住居が決まっても暮らしがすぐに安定するとは限らない。生活保護など福祉制度を利用するよう勧める周囲の声が、逆に重荷になったのか。職員が電話をかけるため席を外した約5分の間に姿が見えなくなった。

「支えられることは、恥ずかしくない」
 店主は「失踪した」との連絡を受け、定休日に施設があると聞いていた地域を探し回った。「生まれると同時に親から捨てられた」。淡々と話した女性はなぜ、差し伸べられる手を振りほどき、孤独で厳しい道を選んだのだろうか。

 「人から支えられることは決して恥ずかしくはない、と分かってほしい」。店主は女性からの連絡を待っている。


 はしゃいで遊ぶ子どもの輪から離れ、1人で絵を描くのが好きだった。女性(31)は4人きょうだいの末っ子。母子家庭に生まれた。ネグレクト(育児放棄)で九州北部の乳児院に預けられ、3歳から児童養護施設で暮らした。

 正月や盆に帰省することもあったが、迎えに来るのは母親ではなく一回り以上年が離れた姉だった。

「本当に?お母さんは迎えに来る?」
 「家に帰りたい。学校に行きたくない」。小学校高学年になると、こう言い始めた。理由を聞いても「別に」としか答えなかった。

 小学校卒業と同時に母と暮らすことが決まる。施設を離れる日、職員に何度も尋ねた。「本当に迎えに来るの? お母さんは来る?」。その日も、迎えに来たのは姉だった。

 「施設に帰りたい」。3カ月後、女性は自ら希望して施設に戻ってくる。母と暮らすもうまくいかず、姉の家に移っても駄目だった。逮捕後に「家族とうまく会話ができず、一緒に暮らすのが嫌になった」と漏らしたことがあった。

働き始めた和菓子店。「楽しいよ」
 中学は欠席しがちになる。「勉強がつまらない」「なめられたくない」。服装が少し派手になった。中1の夏、母が夏服の差し入れに訪れたのに部屋に隠れ、「外出したと言って」と職員に頼んだ。

 「家には帰りたくないから、就職する」。中学卒業後、福岡県内の温泉旅館に住み込みで働いた。仕事は充実していたけど、生い立ちの話になることを避けるため心を閉ざす。数カ月後には施設に舞い戻り、部屋にこもった。

 職員らが「何とかしたい」と奔走し、施設を出て太宰府天満宮(福岡県太宰府市)近くの和菓子店で働き始める。家庭的な雰囲気の中で笑顔も戻った。「楽しいよ」。和菓子を持って毎月のように施設を訪れた女性は、はにかんだ。

どこかにいるあなたを、いま案じている
 なじんでいた和菓子店は2年半ほどで辞め、10代後半から再び職を転々とした。

 施設に迎えに来てくれていた姉は5年ほど前に他界。2、3年前には、交流を続けていた施設職員への連絡も途絶えた。

 「母親に複雑な思いを抱き続け、唯一心を寄せてくれた姉も亡くした。喪失感から人の手助けを拒否するようになったのかもしれない」。女性を知る人はこう推し量る。

 アニメのキャラクターを描けば「プロ並み」で、時折オークションサイトに出品し、固定客もいた。「出品の間隔が空くと、ファンが心配するかもね」。失踪直前、福祉施設の職員が声を掛けると「そう思ってくれたら、うれしいんですけど」と話した。心の奥底では人とのつながりを望んでいたのでは、と職員は思い巡らす。

 女性の消息は今も分からない。半生を過ごした養護施設の関係者も案じる。

 「頑張らなくても、いいよ。相談できる人に頼ったらいい」 

(森亮輔)

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