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生活保護者の集いコミュの激変する野宿の風景 大阪城公園の夜回りに記者が同行

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https://digital.asahi.com/articles/ASP173QQ9N9HPTIL014.html?iref=pc_ss_date_article

誰もいないテント。渡辺さんたちは、不在でも栄養食品などを置いていく=2020年9月24日午後8時32分、大阪市中央区の難波宮跡公園、小林太一撮影

 約20年前、野宿者が暮らす600以上のテントが並んでいた大阪城公園(大阪市中央区)。野宿者が激減し、昼間にテントを見かけなくなった今も、公園で見回り活動を続ける人たちがいる。なぜ続けているのか? その理由が知りたくて同行取材した。

 太陽が沈み、辺りが暗闇に包まれた午後7時半過ぎ。渡辺拓也さん(41)が大阪城公園を歩き始めた。

 大阪市立大の都市文化研究センターで研究員を務める渡辺さんは、野宿者の支援団体「大阪城公園よろず相談」のメンバーだ。隔週木曜の夜、2人1組で市内の公園数カ所を回る。

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公園で夜回り活動を続ける渡辺拓也さん

 園内を歩いていると、草むらから急に現れた人影が目の前を横切った。すぐそばの建物の軒下に身を寄せるのを見て、渡辺さんが声をかけた。「いつもの夜回りです。何か変わったことはありませんか」

 言葉を発しない男性が小さくうなずく。渡辺さんは栄養食品を渡し、「また来ますね」と声をかけた。

 公園のベンチには横になったままの男性がいた。栄養食品を渡そうとすると、強い口調で「いらない」と拒んだ。別の場所には、座り込み、顔を上げない男性がいた。黒い傘の下から手の動きだけで「来るな」という意思表示をしていた。

 隣の難波宮跡公園に足を延ばすと、木の下に広げたシートに男性が座っていた。遠くを見つめる男性に渡辺さんが「大丈夫ですか」と声をかけた。「ありがとう」。この日は17人と会い、集合場所に戻ったのは2時間後だった。

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テントの中の人と会話する「大阪城公園よろず相談」のメンバーたち=2020年9月24日午後8時27分、大阪市中央区の難波宮跡公園、小林太一撮影

 渡辺さんが夜回りを始めるきっかけとなったのは、大学時代のゼミの卒業論文。執筆にあたり、指導教官に「自分がショックを受けるような場所に行き、最低3カ月はそこで暮らすこと」という条件を課せられた。教官に勧められて訪れた大阪で、衝撃を受けたのが野宿者のテントだった。「この光景が存在する背景を探らなければ」

 大阪市立大大学院への入学を機に大阪に移り住み、06年から夜回りを始めた。子育てや博士論文の執筆で忙しく、足が遠のいた時期を経て5年前に再開した。

 現場に戻ると、夜になってから公園に姿を見せる野宿者に再び出会った。「目に見える数は減っている。でも、誰かを野宿に追いやる社会の構造は変わっていない」。夜回りをする仲間たちも残っていた。

 今夏、「コロナ禍で仕事を失った」と話していた50代くらいの男性が公園に姿を見せなくなった。新型コロナウイルスの感染拡大が人々の暮らしを大きく変える中、渡辺さんは改めてこう感じている。「生き方を選ぶのは本人。次も必ず会えると限らないからこそ、一人一人の事情を話し合ってもらえる関係、対話できる距離感が必要です」(小林太一)

増える「移動する野宿者」
 厚生労働省の2003年の調査によると、全国の野宿者2万5296人のうち、4分の1を大阪市が占めた。東京23区の5927人を上回る6603人で、市町村を含めても全国最多。野宿の主な理由は不景気による仕事の減少や倒産、失業だった。

 大阪市は00〜02年、市内の公園に野宿者向けの仮設一時避難所を設置。生活保護を受給しながら、野宿せずに暮らす生活を勧めた。野宿者の自立へ向けたホームレス自立支援法が国会で成立したこともあり、大阪城公園(中央区)や長居公園(東住吉区)、西成公園(西成区)のテントの撤去を進めてきた。

 こうした背景を受けて、大阪市内の野宿者は激減。ただ、依然、野宿を続ける人たちはいる。今年1月の厚労省の調査で、全国の野宿者3992人のうち大阪市は982人を占めた。

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 大阪城公園には近年、カフェや遊具施設が次々と建ち、野宿者が暮らす青いテントは見あたらないが、夜になるとベンチや草むらで過ごす人が現れる。

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ベンチの上にシートを広げて作った「簡易テント」の中。段ボールを敷いて寝るが、夜が明ける前に起きて元の状態に戻すという=2020年9月24日午後8時1分、大阪市中央区の大阪城公園、小林太一撮影

 約30年前から野宿者を支援する北九州市のNPO法人「抱(ほう)樸(ぼく)」によると、公園などに定住する野宿者が減る一方、移動しながら暮らす野宿者が増えているという。「抱樸」の奥田知志理事長(57)は「夜の人数は昼間の5倍とも言われるが、把握が難しく、国の対面調査では全員を確認するのは難しい」と指摘する。

 「移動する野宿者」は08年のリーマン・ショック以降増え、年齢が若くなっているのが特徴だという。奥田理事長は「安定した仕事に就けず、雇用を失いやすい『不安定居住者』と呼ばれる。見つけにくい人をどう支援するかが問われている」と話す。

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夜になるとシートをロープで木につなぎ、ベンチの上に広げて朝を待つ人もいる=2020年9月24日午後8時1分、大阪市中央区の大阪城公園、小林太一撮影

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