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生活保護者の集いコミュの「公助」の前にボロボロになる 困窮者支援の現場が抱える菅首相への違和感

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毎日新聞2020年11月17日 10時00分(最終更新 11月17日 10時18分)

https://mainichi.jp/articles/20201113/k00/00m/040/218000c

<自分でできることは、まず自分でやってみる。そして家族、地域で互いに助け合う。その上で、政府がセーフティーネットでお守りする>。菅義偉首相の「自助」論を聞いて、何だかモヤモヤした。「自分でなんとかしろ」と言われた気がしたから。北九州市で約30年間、路上生活者を支援しているNPO法人「抱樸(ほうぼく)」理事長で牧師の奥田知志さん(57)に疑問をぶつけてみた。このままじゃこの国、ますます「助けて」と声を上げづらい社会になってしまいませんか?【オピニオングループ/小国綾子】

「助ける」に序列をつけるな
 ――菅首相の口から「自助・共助・公助」という言葉を聞いて、国に突き放された気がしました。

 ◆菅首相の最大の過ちは、「助ける」ということに序列と順番を持ち込んだ点です。菅首相の言っているのは「自助」→「共助」→「公助」の順です。

 言わば「ダム決壊論」。「まずは自分でなんとかしてください、それで『自助』のダムが決壊したら、次は『共助』のダム、すなわち周囲で支えます。『共助』のダムも決壊したならば、最後は『公助』(国)のダムが助けましょう」と。

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 一見筋は通っているように見えますが、困窮者支援の現場から見れば机上の空論です。

 ――どういうことですか。

 ◆「公助」に支えてもらう前に、「自分」も「周り」もボロボロに傷ついてしまうからです。例えば、お金に困っている人がいたとする。今の時代、地域住民でお金を貸そう、とはなりません。しかし公的な支援制度がしっかりしていれば、周囲の人々が「あの制度を使うといいよ」と「公助」につなげることができる。「公助」がしっかりしていれば、周囲も関わりやすいから、困っている人を一人にさせないで済むのです。

 逆に、まずは自分でなんとかしろ、ダメなら家族や地域で支えろ……と「公助」を後回しにすると、困っている人や地域が崩壊してしまい、二度と立ち上がれないほど傷ついてしまう。結局、「公助」で助ける時には、時間もお金もよけいにかかる。

 「自助」は大事です。しかし、「公助」を出し惜しみするほど、「自助」の成り立たない社会となってしまいます。

 ――だから「公助」が最初から必要なんですね。

 ◆ええ。家も仕事も失った人を救うより、そうなる前に支えることが肝心です。風邪ならちょっとした薬や休養だけで済みますが、それを放置し重篤な病気になったら集中治療室(ICU)での治療が必要になるようなものです。


参院本会議で所信表明演説をする菅義偉首相=国会内で10月26日、竹内幹撮影
 「自助・共助・公助」に序列があってはいけない。三つが同時に機能すべきです。「自助」を成立させるためには、「公助」や「共助」がまず必要です。困っている人に「共助」「公助」があれば、それを支えに人は「自助」に向かえます。そして、国や周囲に支えられた人が、今度は別の誰かの「共助」や「公助」を支えていくのです。

アパートが「ゴミ屋敷」になった理由
 ◆私は32年前からホームレス支援を始めました。その中で学んだことは、家がないこと、経済的な困窮の問題を解決できても、人間は社会的に孤立している限り、「自立」が困難になるということです。

 路上生活を脱し、アパートに入り、就職できた男性の家を訪ねた時のこと。彼は部屋にぽつんと座っていた。その姿が、駅の通路で段ボールを敷いて座っていた姿とかぶって見えました。住居を確保するだけでは、支援は終わらないと思いました。

 ――社会的孤立の中では、「自助」など望めない、と。

 ◆ええ。支援を始めて間もないころ、野宿していた70代の男性の生活保護申請をし、アパートを確保したことがありました。しかし半年もすると大家さんから苦情が来た。異臭がするという。行ってみると、「ゴミ屋敷」のようになっていました。

 なぜだろう、と私たちは考えに考えた。

 ところで、人間はどういうときに必死で部屋を片付けると思いますか?

 ――客が来る前とか……?

 ◆そうです。私も同じです。ところが、私たちは彼に住居と生活保護を確保し、これで支援は一段落したと考え、その後、彼を訪ねていかなかったのです。

「自助」に必要なのは他者
 ◆でも、部屋を片付けようという動機付けに必要なのは、他者の存在でしょう? 私だって誰だってそうだ。他者が身近にいない、社会的孤立をしている状態では、自立したいという動機付けは起こらない。

 なぜなら人間は、自分一人のことなら諦めてしまうような場面でも、愛する人がいたり、心配してくれる人がいたりすれば踏ん張れる。本当の意味で「自助努力」を重ねるためには、そういった他者の存在が前提になっていなければならない。

 ――だから「まず、自助」という菅首相の言葉を危惧するわけですね。


新型コロナウイルスの感染拡大で生活に困った人を支援しようと4月、福岡県弁護士会北九州部会とともに緊急電話相談会を行った。写真は相談会について事前に説明する奥田知志さん(右)=北九州市で4月15日、松田栄二郎撮影
 ◆菅首相の「自助」論では、他者の存在が見えない。見えるのは、孤立や孤独です。

 「自助」を前面に押し出し、「共助」や「公助」を後回しにする社会は、人と人との助け合いやつながりをおろそかにする社会へとつながっていく。

 新型コロナウイルス禍で、今まで以上に人々が孤立しやすい、しかし、助け合わなければ生き抜けない時代です。こんな時に、「まず、自助」と言い放てば、国民には「自分でなんとかしろ」という「自己責任論」のメッセージとして伝わってしまいます。

子どもが「助けて」と言えない理由
 ――私も、菅首相が「まず、自助」を強調したとき、日本はますます「助けて」と声を上げられない社会になってしまう、と感じました。

 ◆ええ。同感です。

 そもそも、日本は「助けて」と声を上げる前に子どもたちが自死を選ぶ国です。若者の死因のトップが自殺、というような国は世界的に見ても日本と韓国だけです。私は子どもの自殺要因のトップは学校の「いじめ」だと思っていました。

 ――えっ。私もです。違うのですか?

 ◆厚生労働省の2019年版の「自殺対策白書」によると、「自殺の原因・動機に関する判断資料を残していない割合」は、特に10歳代前半の自殺者で多いのです。これがどういうことかわかりますか? 子どもの自殺は大人に比べ、動機が不明であることが多い。ある日、突然、死んでしまうということです。

 しかし、本人の中にはずっと苦しさが積み重なっていたろうに、親に心配かけないように、周囲に気取られないように、必死に笑顔で過ごしていたりしていたのではないか。

 子どもは、「助けて」と言っていいし、逃げてもいいのに。誰にも「助けて」と言えず、子どもが自ら死んでいく。なぜなのか。自己責任論が広まる大人の社会が影響しているとしか思えないのです。

 ――「助けて」と子どもたちが声を上げやすい社会にするにはどうすればいいのでしょう。

 ◆子どもが「助けて」と言えない最大の原因は、大人が「助けて」と言わなくなったからだと思います。自己責任論の広まる中、子どもたちは、人に迷惑を掛けず、弱音を吐かない大人が「立派な大人」だと思い込んでいるのではないか。

 「いざとなったら『助けて』と声を上げていいんだよ」などと言われたくらいでは、人間は「助けて」と言えません。だから、日ごろから「助けて」のいわば「安売り」をしなければ。「助けて」のインフレを起こすのです。

コロナ禍で肥大化する「自分だけ」
 ――コロナ禍の今、「自助」をことさらに強調することにも違和感を覚えました。こんな時だから「ひとりぼっち」じゃ闘えないのに、と。

 ◆コロナ禍は全世界を「当事者」にしましたからね。新しい疫病は、誰にとっても人ごとではない。自分だけが、自分の国だけが助かれば問題解決、とはいかない。ところが社会を見渡せば、むしろ「自国だけでも」「自分だけでも助かりたい」という風潮が広がっているように見えます。

 自分や自分の家族、職場、学校、地域だけでも守りたい、という思いが結果的に感染者への差別や偏見につながっています。

 春先にトイレットペーパー不足が起こったのも、「自分だけ」の結果です。普段通りの数を誰もが購入していれば、あんなことは起こるはずがなかった。多くの人が不安に駆られ、買いだめをした結果、店頭からトイレットペーパーが消えてしまった。

 しかし、目指すべきは、「自分だけ」のためにトイレットペーパーを買いだめする社会ではなく、たとえトイレットペーパーが切れて困っても、お互いに「いいよ1個貸すよ」と気軽に言い合える社会ではないでしょうか。

 ――確かに!


トイレットペーパーやティッシュペーパーを手に開店を待つ買い物客=東京都文京区で2月28日、武市公孝撮影
 ◆「自分だけ」主義が肥大化しているのです。そんな時代に「まず自助」と菅首相が言ってどうするのでしょうか。

1億円を突破した寄付
 ――「自分だけ」主義が広まっているというお話ですが、一方で、コロナ禍でさまざまなクラウドファンディングに普段以上に寄付が集まったことが報告されています。

 ◆人々が共感の力で行動を始めているのもまた、事実だと思います。

 実は私たちはコロナ禍で、初めてクラウドファンディングを企画しました。多くの人が住まいをなくし、リーマン・ショックの時より大変な事態が起こると考え、全国で住宅の確保のために必要な費用を算出し、目標総額を1億円に設定しました。

 これはクラウドファンディングの世界では前代未聞だったようです。100人中100人が「達成は無理だ」と言いました。しかし、達成できた。コロナ禍が背景にあったと思います。

 ――コロナ禍が?

 ◆集まった1億1500万円をよく見ると、98%までが3万円以下の寄付でした。寄付に参加した人の数は1万人を超えていました。つまり、大口寄付が中心ではなく、大変多くの人が参加くださった。

 コメント欄を見て驚きました。「実は私も失業しましたが、いざという時になんとか生きていける社会にしたいので参加します」というコメントもありました。

 コロナ禍で「自分だけ」が蔓延(まんえん)した一方で、みんなで助け合わないと切り抜けられない、というリアルな思いも共有されていたのだと思います。

 「自分だけ」と共感と。コロナ禍で、人々はその両方の間で揺れているように思います。

 ――実は、私自身、コロナ禍で随分とクラウドファンディングに寄付をしました。以前は「お金だけ出して行動しないのは恥ずかしい」と寄付に消極的だったのに、コロナ禍で大変な思いをしている人を見て、新聞記事を書くだけでは心のおさまりがつかなくなりました。

 ◆コロナ禍では、貧困や格差の問題がより目に見えやすい形であらわれました。しかも、世界中の全員が「当事者」になったことで、「何か自分にできることをしなきゃ」という思いにかられた人が増えたのだと思います。

「自立」ではなく「自律」
 ――ところで「自助」ってつまり、何でしょう。

 ◆私は「自助」の本質は「自立」ではなく「自律」だと考えています。

 「自律」とは、自分のことは自分で決められる、自分が自分らしくいられる、ということです。憲法13条の<すべて国民は、個人として尊重される>という思想です。

 ところが、今の社会は「個人」がますます尊重されなくなっている。自分が自分らしく生きられない。しかも、自民党の憲法改正案では、<全て国民は、人として尊重される>と、わざわざ「個人」を「人」と言い換えている。

 本来、個人が個人として大切にされることこそが、一人一人の「自助」につながっていくと私は思います。

 菅首相が「自律」という意味合いで「自助は大切だ。自助を大切にできる社会を全力で作ります」と言ってくれたのだったら、私はむしろ、もろ手を挙げて賛成したでしょうね。

 ――奥田さんは、菅首相にどんなメッセージを出してほしかったですか。

 ◆菅首相は「たたきあげ」だといわれます。地盤もカバンも看板もない東北地方の若者が首相に上り詰めるまで、きっと誰より多くの人々に支えてもらってきたのではないでしょうか。それを自分の言葉で語ってほしかった。「私は周囲に助けられ、ここまで来ました。だからこそ、この国を助け合える国にしたい」となぜ言えないのでしょう。

 私がもしも首相の立場なら、むしろ、こう呼びかけたいと思います。


チラシを配りながら生活困窮者支援のための募金を呼びかける奥田知志さん(右)ら=JR小倉駅前で2019年12月15日、松田栄二郎撮影
 「社会のみんなであなたを助けるから、絶対に心配しないでください。思いあまって自死を選ぶようなことはしないでください。この国、いや世界中が助け合わねば、コロナ禍は乗り切れませんから。必ず助けますから」

おくだ・ともし
 1963年生まれ。牧師。90年から北九州市で困窮者支援にあたる。茂木健一郎氏との共著「『助けて』と言える国へ 人と社会をつなぐ」など著書、共著多数。新著「『逃げおくれた』伴走者  分断された社会で人とつながる」を12月に出版予定。

コメント(18)

これはイイネ!を付けるべきではない深刻な問題ですexclamation
しかし、違和感を感じながら深刻を模索する支援センターの方々には頭が下がりますexclamation私もお世話になりました。議員には底辺が見えていないのでしょうね。菅さんには期待するのですがつかれた顔
失業率が一%上がると、自殺者が二千人増えるそうですexclamation実際に特に女性の自殺者がかなり増えています。
更に悪いことは、犯罪が増える恐れがかなりあります。国はこうした現状が解っていないのでしょうねたらーっ(汗)
英国が米ファイバーのワクチンを承認して早くも接種開始するそうです。日本も早急にやった方が良いでしょう。何もしないで、このまま事態が悪化するよりマシでしょう。国のリーダーシップが問われていますexclamation定額給付金の再交付もすべきですexclamation
ワクチンの前に
既にコロナウイルスに
無症状で感染したか知りたいです
_(:3 」∠)_
最早、自助や共助で助かる段階は過ぎましたexclamation
公助こそが一番のコロナ対策ですexclamation
いざとなれば国が救って呉れるexclamationと国民が信頼すれば自粛要請にも喜んで従うでしょう。内閣支持率も上がりますよexclamation
今は日本が先進国から転落するかどうか?の瀬戸際ですexclamation
お金の問題はお金で解決するしかありませんexclamation財務省印刷局はお金を刷って国民に配る時ですねexclamation生活保護の審査を緩めば、国民は国を信頼するでしょうexclamation
昨夜NHKスペシャル「コロナ禍の女性達」を見ましたexclamation生活困窮に喘いでいる女性達が生々しく放送されましたexclamation
生活保護を申請しないのが不思議でした。皆様一人で悩んでいるみたいですねたらーっ(汗)
私は社会の分断が進んでいるように思います。生活保護を躊躇いなく申請出来る「社会の余裕」がなくなって来たのが解りました。私自身はまだまだ恵まれていると思いますexclamation
コロナ禍の女性達
私も見ましたが
コロナ禍で忙しくなった
仕事の募集もいっぱいあります
どうして1日待っても
お客が来ない日や
何をされるか分からない
危険な
デリヘルを選ぶのか‥‥

どうして普通の仕事に行かないのかなぁ〜
と思いながら見ていました

コロナウイルスの後遺症で困っていた
友人は生活保護を受けては?と
言ってみましたが
痛み止めを使いながら
運送会社の仕分けを始めました
治るまでは体が楽な仕事で頑張るそうです
>>[9]
本当に私も、どうしてデリヘルなんか選ぶのか?不思議でしたexclamation恐らく風俗なら稼げる!と思ったのでしょうねたらーっ(汗)そんな甘い世界ではなかった!という言葉が印象的でしたたらーっ(汗)
緊急小口貸付を断られた方の表情が他人事では無いなたらーっ(汗)と思いました。
>>[13]

それは果たしてどうでしょうか?日本だって戦前以前は職業として認めていましたよexclamationでも偏見はあったのですexclamationフランスやオランダだって同じだと思います。何処の国でも同じだと思いますよ。

むしろ風俗や売春が「最後のセーフティーネット」みたいになることが可笑しいexclamationと言いたいですexclamation
難しいですよね

性欲の強い女性
犯罪に巻き込まれている女性
色んな人生を背負っている女性がいるのは
わかります

私の友達は贅沢したいから
みたいです

色んな意見がある問題ですね



んー
トピと論点がズレているようなのでちょっと出しゃばります

たとえどんな仕事であろうとも犯罪ではないのなら

自己の誇りと
自己の責任があれば
他者から差別されるいわれが、ない

と、思いますよ
古今東西戦前戦後国家男女理由を問わず

「買春」と「風俗」を一緒にするのも、問題がありますし

デリケートな話なので、そろそろ切り上げては?
>>[17]

そうですねexclamationもうズレているから切り上げましょう。
色々な意見があります。
此処は生活保護の問題について語るコミュですので、風俗について語るコミュではありませんexclamation
私は、果たして風俗が女性にとって「最後のセーフティーネット」になってしまうような社会が、果たして健全な社会なのか?と言いたかったのですexclamation

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