生活と人生すべてをその人個人の有責の現れとして断罪し攻撃することは、人が現に持っている、ないし持つ可能性のある社会的紐帯を言語行為上で断ち切り、社会的世界への参加 social intercourse を途絶させる振る舞いといえる。言語行為というのは、この振る舞いが、断罪される当事者にたいするリアルで暴力的な規制力を持つからだ。生活保護受給世帯の高校生が好きな歌手のライヴに行くこと、ファンサークルに入ること…を非難するのは、現実に激烈な効果を及ぼす点で、たんなる言葉のやりとりでも意見表明でもない。