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生活保護者の集いコミュの「頼みの綱」生活保護へのバッシングはなぜ起きるのか

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http://mainichi.jp/premier/business/articles/20170207/biz/00m/010/021000c
藤田孝典 / NPO法人ほっとプラス代表理事

 前回まで4回にわたって生活保護制度を取り上げました。今回はまとめの回として、なぜ生活保護バッシングが起きるのかを考えます。
 生活保護について文章を書いたり、発言したりすると、次のような意見や反論をもらいます。
3月1日発売「貧困クライシス 国民総『最底辺』社会」(藤田孝典著、毎日新聞出版、972円)
3月1日発売「貧困クライシス 国民総『最底辺』社会」(藤田孝典著、毎日新聞出版、972円)
 「貧困は自己責任なのだから税金で生かすべきではない」「生活保護受給者はつつましく、謙虚に地味に、目立たず生きるべきだ」「税金で酒を飲んだりギャンブルをしたりするのは許せない」「生活保護不正受給は断固阻止すべきだ。倹約している市民から見ると大問題だ」−−。
 一生懸命働いて納めた自分の税金を、働かない(働けない)人に安易に浪費してほしくない、という気持ちは理解できます。しかしなぜか、生活保護受給に至る社会的原因や背景には批判が向かわず、受給者個人の生活態度や振る舞いが批判されるのです。
 生活保護受給者だけではありません。2016年8月には、NHKニュースで貧困について語った女子高生がバッシングされ、炎上しました。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)には「貧困をたたいてるんじゃない、貧困のふりをしてることをたたいているんだ!」「映画や1000円ランチを楽しんでいるのに貧困? 支援? ふざけるな」「NHKは捏造(ねつぞう)をやめろ」といった声があふれました。(16年8月31日掲載「「1000円ランチ」女子高生をたたく日本人の貧困観」)
 生活保護バッシングとはつまるところ、貧困バッシングです。本人の努力の欠如を指摘し、困窮した人が生活保護制度を利用することを嫌い、「本当にもらうべき人」と「もらうべきでない人」を厳しく分けようとします。バッシングをする心理の奥にはその人なりの貧困観があり、その基準に従っています。社会保障給付費が増え続けることへの不安も背景にあるでしょう。
憲法25条を守れと訴えるプラカード
憲法25条を守れと訴えるプラカード
「生活保護は恥」という感覚の裏にあるもの
 「生活保護をもらうのは恥」という感情も、以前からあります。(17年1月11日掲載「働けなくなっても年をとっても「生活保護は恥」か」)
 生活保護は、現代社会に必要な社会保障制度の一つですが、いまだに「施し」「恥」という感覚が強固です。その背中に、「貧しいことは良くないこと」「貧困は自己責任」という価値観が貼り付いているからです。
 生活保護をもらうことで「社会の重荷になった」「世間に迷惑をかけている」と感じるのでしょう。そこに、表裏一体の感情として、「生活保護をもらわないでがんばって働いた」という誇りが生まれます。
 ある日、地方都市での講演後、来場していた女性からこう言われました。
 「私は母子家庭でしたが、生活保護を受けず、一生懸命働いて子供を立派に育て上げました。生活保護を受けた方がいいと軽々しく言わないでください」
 彼女の努力と成功はすばらしいことです。大いなる誇りでしょう。ただ、その誇りが他者に向かうと、「私にできたのだから、他の人にもできるはずだ」「受給すべきではない」という圧力になります。
NPO法人ほっとプラスが運営するシェアハウス=さいたま市内で戸嶋誠司撮影
NPO法人ほっとプラスが運営するシェアハウス=さいたま市内で戸嶋誠司撮影
失われた20年の重いツケの一つ
 失われた20年の間に日本の経済的豊かさがなくなり、貧困層や生活困窮層が増えてきたことも、バッシングが強まった理由の一つです。多くの人が苦しく、ぎりぎりの生活をしていて、労働を伴わない給付に不条理を感じるのです。
 憲法25条は、国民に最低限度の生活水準を保障しています。しかし実態は、生活保護基準と同じぐらいか、それより下の水準で暮らす人がたくさんいます。また、高齢世帯には、十分な額の年金をもらえず、生活保護で家計を補っている人もいます。「私は一生懸命働いているのに、働かなくてもあれだけの額をもらっている。うらやましい、許せない」という感情は、時に論理を超えます。
 東京都の最低賃金である時給932円(16年10月改定)で1日8時間、1カ月25日間働いても額面賃金は18万6400円、手取りは15万〜16万円程度です。
 一方、生活保護の場合、東京都区部の3人世帯(33歳夫、29歳妻、4歳の子供1人)では、生活扶助約16万円、住宅扶助約5万〜6万円で、計約20万〜21万円を受給できます。低い賃金でダブルワーク、トリプルワークで働いている人は、「なんだ」という気持ちになるかもしれません。
 がんばること、一生懸命働くことは悪いことではありません。しかし、複雑な資本主義社会では自己の責任で困窮、貧困を避けることは困難です。雇用は景気にも左右されます。必ず格差が生まれ、貧しい者が一定数現れます。だから私たちは、社会保障の枠組みの中で、貧困を抜け出し自立を回復できる制度を設けました。それが、「最後のセーフティーネット」と呼ばれる生活保護制度です。
貧困バッシングは何も生み出さない
 厚生労働省によると、16年度の社会保障給付費総額(予算ベース)は118兆3000億円。内訳は年金56兆7000億円▽医療37兆9000億円▽福祉その他23兆7000億円−−です。
 このうち、福祉その他に含まれる生活保護費負担は、16年度当初予算ベースで約3兆8000億円。この半分は医療扶助(医療費の現物提供)です。同じ社会保障制度の医療や年金に比べて割合は小さく、しかも受給者の半数は65歳以上の高齢者です。
生活保護を受給しながらシェアハウスで暮らす81歳の男性(右)
生活保護を受給しながらシェアハウスで暮らす81歳の男性(右)
 某国会議員が、制度全体ではびこっているかのごとく宣伝した不正受給についても、金額ベースでは全体の0.4%の約170億円。その8割は稼働収入や年金、預貯金の無申告、過少申告です。「はびこっている」と言えるレベルではありません。
 がんばったことを美徳とする国で、生活保護の壁は実際には高く、周囲の白眼視と圧力は根強く残っています。しかし、生活を立て直すために、生き延びるために、多くの人の役に立っています。
 自己責任論を振りかざし、個人の努力の欠如を責め立ててバッシングをしても、貧困や格差などの社会問題は解消されません。高齢化はさらに進みます。
 いつか、私やあなたが制度を使うときのために、どのような運用が望ましいか、どのような予算配分が適正なのか、手段と効果を見極めながら、工夫して考えていかなければなりません。
藤田孝典さんの新著「貧困クライシス」3月1日発売
 藤田孝典さんの連載「下流化ニッポンの処方箋」をまとめた「貧困クライシス 国民総『最底辺』社会」(藤田孝典著、毎日新聞出版、972円)が3月1日に発売されます。貧困率が16%に達したニッポンの現状を、細かな事例とデータで検証しました。全国の書店、アマゾンでお買い求めいただけます。この機会にぜひ手にお取りください。

コメント(3)

この問題の本質は、「働かなくてもお金が貰える」、という事への「嫉妬心」という、心の問題から来ています。

「俺はこんなに働いても、生活保護の奴らは俺よりも収入が上だ」という「嫉妬心」を芽生えさせる事に問題の本質があります。

これを変えるには、働き方を変えるしかありません。

働く者が、何故、最低賃金に甘んじなければならないのか、という日本の労働環境の低さを変えなければ、解決しません。

最低賃金の場合、所得税は非課税にし、複数家族の場合、国から手当を支給する、社会保険は無償化する、などの思い切った政治政策を取らなければ、生活保護との差は埋まらないのではないでしょうか。

こういう事が出来て、始めて生活保護が、当然の仕組みであると、国民から認識されるのです。

全ては政治の無策から来ています。

私は、単身世帯で、生活保護を受けていますが、その生活は、本当にギリギリです。

食費を削って、必要費用を捻出しているので、本当に大変なのです。

この実態を、国民は知らないと思います。

後は、不正受給者を無くし、生活保護ビジネスを無くす事が喫緊の課題です。

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