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生活保護者の集いコミュのギャンブル業界側の立場から「自分たちの税金を、生活保護利用者の酒やギャンブルに使われたくない」論について考えてみる

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http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/8735072.html

「生活保護受給者の行うギャンブル」論に関して、非常に興味深い論議が行われています。以下、Yahooニュースからの転載。


「自分たちの税金を、生活保護利用者の酒やギャンブルに使われたくない」は何が問題なのか
http://bylines.news.yahoo.co.jp/miwayoshiko/20150120-00042397/

1.保護費の使途は自由なので、酒もギャンブルも自由です
「保護費の使途は自由」なので、酒もギャンブルも含め、「何に使うか」を問題にすること自体がナンセンス

2.「生活保護でギャンブル」の問題点は、お金がかかりすぎること
依存症をはじめとする精神疾患の可能性を考え、治療につなぐことが最優先事項

3.「生活保護だから」はプライバシーを侵害する理由になるのか
力関係と立場を考えれば、強い側により厳しい制約が課されるのは当然です。強い側が「公共」なのですから、公共が率先して人権侵害を行うようなことはあってはなりません。

4.「税金」で行われてきた生活保護制度65年間の蓄積を、無駄にすべきではありません
「納税者である自分は、生活保護費でギャンブルする人の存在が許しがたい」、 「生活保護利用者がお金の使途を制約されたり知られたり管理されたりしてプライバシーを侵害されるのはいいと思う、データが得られて納税者に役立つし」 などの「庶民感情」「納税者の感情」によって、根こそぎにされてよいものなのでしょうか?少なくとも現在の法体系と、65年間積み上げられてきた生活保護制度の運用は、そのような「庶民の感情」「納税者の感情」を支持するものではありません。


筆者の主張をザックリと纏めると以上のようなものです。

まず、論議の大前提として憲法が国民に保障する「健康で文化的な生活」というのは、「飢え死なないだけの最低限の衣食住を保障します」というだけのものではなくて、そこに一定の娯楽などを享受する権利も保障しています。よって生活保護受給者が給付金を使って一定範囲の娯楽を享受することそのものを否定するモノではないですし、そこに一定の範囲で賭博や飲酒(もしかしたら喫煙)に関する支出があったとして問題があるとは思いません。一方で、論点となるのは賭博や飲酒に対する「過度の支出」をどのように防ぐのかという技術論上の問題であろうかと思います。

1. 既存の制度の中にも「生活保護受給者の賭博」に関しては一定の縛りはある

筆者は「己の払った税金をギャンブルに使われたくない」という主張に対して、「65年間積み上げられてきた生活保護制度の運用は、そのような庶民の感情、納税者の感情を支持するものではない」としていますが、多分そこにはちょっと認識違いがあるのではないかと思います。何故なら、現行制度の中にも「生活保護受給者の賭博」にはいくつかの制限事例があるから。

例えば一昨年前、世間で大きな物議を醸した兵庫県小野市の「福祉給付制度適正化条例」です。本条例は、生活保護受給者の賭博行為等による給付金の浪費を禁じ、一方の市民に対してそのような生活保護受給者に対する浪費行為の通報義務を課すという条例です。当時行われた小野市側の議会説明によると、本条例は厚生労働省に対して照会を行いながら上程がなされたものであり、厚労省側の見解でも「現行法規上で特に問題となる箇所はない」との回答であったとのこと。本条例は、2013年3月に成立しています。

本件に関しては過去のエントリでも書いた事があるので、そちらも参照ください。


あえてもう一度問おう、生活保護受給者がギャンブルをする是非http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/7752814.html


また、既存制度の中で「生活保護受給者の賭博」が規制されているもう一つの事例が、中央競馬会の運営する「PAT方式電話投票(通称A-PAT)」でしょうか。A-PATとはとどのつまりはインターネット等を利用した競馬投票システムの事なのですが、実はJRAの運営するこのシステムは「生活保護法の被保護者」に関しては、その利用規約第21条によって加入ができないということになっています。


日本中央競馬会PAT方式電話投票(A−PAT)に関する約定
http://www.jra.go.jp/dento/member/apat/yakujyo.pdf

第21条 次に掲げる者は、加入者となることができません。
 (5)生活保護法(昭和25年法律第 144号)に規定する被保護者


中央競馬は、国の管理する機関が運営を行う賭博事業ですから、これも「生活保護受給者の賭博」に対する広義の制度的な制限であるといえるでしょう。

2. 論点は「過度の支出」を防ぐ為の技術論上の問題

…という事で、筆者による

65年間積み上げられてきた生活保護制度の運用は、「税金をギャンブルに使われたくない」というような「庶民の感情」「納税者の感情」を支持するものではない

という力強い主張ではあったのですが、実態としてはそういう制度は法の運用の中で既に許容されてきているワケで、結局論点は生活保護給付金の賭博等への「過度な支出」をどのように防止するか、そしてその手法論が生活保護受給者のプライバシー権など他の権利保護の観点から見て適正なのかという技術論上の問題にしかならないような気がするんですよね。

これは先にご紹介した小野市の条例制定時にもさまざま論議になったポイントではありますが、当時の条例の成立にあたっては

a) そもそもプライバシー保護の観点から、市民は誰が生活保護受給をしているのかを知らされてない中で、「通報義務」を条例で設けたところで実効性のある制度になるのか?
b) この制度自体が「市民による生活保護受給者の監視制度」と理解されかねず、生活保護受給者の権利保護の観点から相応しい制度といえるのか?

などの意見も出ていました。今回の冒頭の論議というのは、大阪市が現在検討を進めている「生活保護費のプリペイド支給、および使途制限」政策に対する論議の延長から出てきたものなわけですが、少なくともプリペイド化に関しては上記の兵庫県小野市の条例よりは実効性および権利上の両面から見て、相対的に問題は少ないのではなかろうかなと思うところです。

そして最後にギャンブル業界人側の立場で言うと、我々、賭博およびそれに類するモノに関連する業界は、生活保護受給者等が、生活に問題を抱えながらギャンブルをして頂くことに関しては全くもって歓迎をする立場ではなく、また逆に「彼らを食い物にしている」的な批判を受ける事も本望ではありません。

ただ、現実問題として我々が日々の営業においてお客様の中からそのような生活保護受給者を抽出できるかと言われれば、それこそプライバシー問題としてそのような事が出来るわけもなく、逆に今回のプリペイドカード化のように制度側でそれを制限してくれるくれるのならば、これほど有難いことはない。業界としては、原則的に賛成の立場になるのだろうなと思っておるところです。(勿論、僕がすべての業界人のスタンスを代弁しているワケではないという大前提で)

木曽 崇(キソタカシ)

国際カジノ研究所 所長
エンタテインメントビジネス総合研究所 客員研究員

日本で数少ないカジノの専門研究者。ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部首席卒業(カジノ経営学専攻)。米国大手カジノ事業者での会計監査職を経て、帰国。2004年、エンタテインメントビジネス総合研究所へ入社し、翌2005年には早稲田大学アミューズメント総合研究所へ一部出向。2011年に国際カジノ研究所を設立し、所長に就任。

2014年よりアジア圏最大のカジノ国際会議&展示会であるGlobal Gaming Expo Asiaのアドバイザリーボード委員を務める。

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