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生活保護者の集いコミュのついに始まった生活保護基準引き下げ 見直し・阻止するために残された“最後の手段”とは

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http://diamond.jp/articles/-/39649

生活保護のリアル みわよしこ :ダイヤモンドオンライン

2013年8月1日から、生活保護基準の引き下げ、すなわち生活扶助費などの引き下げが実施された。今回は、この引き下げに至るまでの経緯、引き下げがどのように行われようとしているのか、どういう影響が及びうるかを解説し、さらに、黙って引き下げを受け入れること以外の選択肢、すなわち「審査請求」とその可能性を提示する。

「あの人たち、生活保護当事者が困るのは、しかたない」で済ませてよいのだろうか? 

子ども2人の母子世帯で
約1万7000円減額のケースも


横浜市在住の生活保護当事者(男性・単身)に届いた、2013年8月1日からの生活保護基準改定の通知。理由は、生活保護世帯と一般世帯との消費実態の比較によるとされている(当事者提供)
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 本記事公開前日の2013年8月1日、生活保護基準の引き下げが実施されはじめた。具体的には、生活保護費のうち生活扶助費の引き下げである。政府・厚労省は、「引き下げ」ではなく、あくまでも「見直し」としているが、ほとんどの生活保護世帯で、生活扶助費は引き下げられる。将来的には、住宅扶助など他の扶助の減額も行われる可能性がある。

 特に引き下げ幅が大きいのは、子どものいる世帯である。減額の具体例として、大都市圏の母子世帯(母33歳、子ども12歳・8歳の2名)の場合を上げてみよう。

 吉永純氏(花園大学)作成の資料によれば、引き下げ前に16万9710円であった生活扶助費(I類+II類)は、2013年8月1日には、5650円減の16万4060円となる。現在の予定では、2014年4月1日に現在より1万1310円減の15万8400円、2015年4月1日に現在より1万6970円減の15万2740円となる。育ち盛りの子どもを抱えた一人親家庭にとって、これがどれほど大きな打撃であるかは、説明の必要がないであろう。

「アベノミクス」のもとで行われている経済政策の結果、物価は少しずつ上昇しつつある。もしかすると、経済政策が成功した結果、雇用機会や賃金の上昇へとつながるかもしれない。この33歳の母親にも、就労の機会と充分な就労収入を得る機会が訪れ、結果として、生活保護基準以上の生活が可能になるのかもしれない。でも、8月1日からその世帯を襲ったのは、

「物価が上昇している中で、一家の生存と生活を支える生活扶助費が減額される」

 という事態だ。

 では、その母親は、就労意欲をかき立てられ、就労しようとするだろうか?現在就労しているとして、より高い収入の得られる就労を目指そうとするだろうか?現在の政策を肯定的に見る人々は、「その通り、そのための生活保護基準引き下げだ」と言うのであろう。

 しかし、そもそも、生活保護を利用している母子世帯の概ね40%程度では、既に就労が行われている。就労しているのは母親とは限らない。15歳を過ぎた子どもかもしれない。

それらの世帯では、誰かが就労しているけれども、生活保護基準以上の収入を得ることができないので、生活保護から脱却できずにいる。その理由は、労働市場で評価される何かを持つだけの教育を受けることができなかったことにあるかもしれない。地域の経済状況の問題から、低賃金の仕事にしか就けないことであるかもしれない。子どもの持病や障害などで、フルタイム就労が可能ではないことにあるのかもしれない。ほとんどのケースに、本人の「自己責任」と言うには残酷過ぎる何らかの背景がある。もちろん子どもたちには、何の責任もない。

 就労していない概ね60%の母子世帯の母親にも、何らかの事情がある。もしかすると、24時間介護の必要な重い障害を持った子どもがいるのかもしれない。

 もちろん、減額の対象となるのは、母子世帯だけではない。ほとんど、あらゆる世帯で、生活扶助費は減額される。そして、子どものいる世帯で、特に引き下げ幅が大きい。

 筆者には、どうしても、

「社会が支えなくてはならないはずの、子どもを抱えた母親を狙い撃ちにして、『しかたない』というムードを世の中に醸成しようとしているのでは?」

 という気がしてならない。深読みに過ぎるだろうか?

生活保護基準の引き下げで
特に追い詰められる母子世帯

 では、生活扶助の引き下げは、誰にどのような打撃を与えるのだろうか?まず、

「生活保護だけを収入源としている当事者の生活が苦しくなる」

 ことは、言うまでもないであろう。

 では、就労などによって、生活保護以外の収入源を持っている当事者はどうだろうか?忘れられがちであるが、就労している生活保護当事者は意外に多い。さきに述べたとおり、母子世帯の約40%で、就労が行われている。また、「働けるのに働かない」と槍玉にあげられることの多い「その他の世帯(世帯主が稼働年齢層であり、なおかつ障害者・傷病者ではなく、母子世帯でもない世帯)でも、約30%で就労が行われている。就労収入があっても生活保護基準を超えないため、生活保護を利用しているのである。

冒頭の母子世帯の33歳の母親が、家賃6万5000円のアパートに住んでいたとしよう。これまで受け取っていた生活保護費(生活扶助+住宅扶助)は、23万4710円である。8月1日以後は、22万9060円となる。もし、この母親がダブルワーク・残業などで月額23万円の収入を得ていたとすると、他の要因をまったく考慮しなければ、この一家は生活保護の対象ではなくなる。一切の手続き・申請を行わなければ、年金・医療・教育などの負担が一家を襲うことになる。その負担は、生存も生活も困難にするほどかもしれない。

 もし、生活保護にとどまることができたとしても、生活は苦しくなる。母子加算の復活で、「子どもに充実した高校生活を送らせることができた」「子どもを大学に進学させることができた」と喜んだ生活保護世帯の母親たちは少なくない。それが、ふたたび不可能になろうとしている。筆者には、そのように見える。

低所得世帯、年金受給者もタダ事じゃない!
地域経済も大打撃を受けることに

 数多くの報道が行われているとおり、生活保護基準の引き下げにより、低所得世帯では、就学援助などの経済的支援を受けることができなくなるかもしれない。就学援助を受けることのできる世帯収入は、「生活保護基準の1.3倍(例)」という形で定められているからだ。生活保護基準が引き下げられれば、今までは受けられていた就学援助を受けられなくなる低所得世帯が発生する。また、国民健康保険料の減免・医療費自己負担の減免・介護保険利用料の減免・障害者福祉サービス利用料の減免などが受けられる世帯収入基準も、「生活保護基準の1.◯倍」という形で定められている。これが、軒並み引き下げられることになる。

 しばしば、

「年金生活者より生活保護当事者の方が良い生活をしているのは不公平だ」

 という指摘が行われるが、その年金生活者の生活にも、今回の生活保護基準引き下げは打撃を与える。医療や介護保険に関わる費用の減免が受けられなくなる可能性があるからだ。そして、おそらくは「生活保護基準も引き下げられたのだから」ということで、年金の金額が引き下げられる。

 筆者はさらに、地域社会への打撃を懸念している。

 たとえば、筆者が20年以上住んでいる東京都杉並区西部地域には、未だ、いくつかの銭湯がある。20年の間には、廃業した銭湯もいくつかあるが、それでも駅から徒歩10分圏には、「半径500mあたり、平均して1〜2軒」程度の密度で残っている。災害時などには、地域のすべての人々に入浴の機会を提供する貴重な場になるだろう。

 それらの銭湯の常連客のほとんどは、高齢者たちである。浴槽のあるアパートに住むことのできない、年金生活の高齢者たちや、生活保護当事者である高齢者たちである。

今回、高齢者たちの生活保護費が、引き続き、年金が減額される。この高齢者たちは、おそらく、銭湯に行く頻度を減らしたり、入浴後に牛乳を飲まなくなったりするかもしれない。それは、銭湯の経営に打撃を与える。もしかすると、現在まで辛うじて維持できてきた銭湯が、廃業を余儀なくされるかもしれない。

 豊かではない地域、生活保護当事者の多い地域では、生活保護基準の引き下げが、地域経済に大きな打撃を与える可能性がある。もしかすると、辛うじて店舗を維持できていた小規模商店の経営者が、「店をたたむ」という判断を強いられるかもしれない。その結果は、「生活保護を申請するしかない」ということかもしれない。

 以上挙げたのは、

「生活保護費削減のために生活保護基準を引き下げる」

 ということがもたらす、新たな生活困窮者を生み出す可能性の、ごく一部である。

引き下げ凍結のために残された最後の手段
「審査請求」「集団訴訟」


生活保護基準改定通知の末尾には、「この決定に不服がある場合の手続きは、別紙のとおりです」とあり、不服申し立てが可能なことが示されている。なお別紙には、不服申し立ての方法・期限などが記載されている
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 現在の日本では、国と国民、行政と住民の関係には、相互にコミュニケーションを行う余地が残されている。現在の日本国憲法では、人に天賦人権があり、その人々が国に国権を与えているからだ。

 さしあたり、新しい生活保護費を知らせる通知書には、

「あなたは、不服ならば審査請求をすることができます」

 と書いてある。この、公式に認められた手段を使って、

「私は、納得することができません」

 と申し立てを行うことができる。

 もし、多数の生活保護当事者が、その申し立てを行えば、政府は「重く受け止めなくてはならない」と考えるかもしれない。可能性は非常に低いけれども、生活保護基準に関して「引き下げを見直します」「今回の引き下げ以後、2014年4月以後に予定されている引き下げは凍結します」という結果となるかもしれない。そうならなかったとしても、「集団訴訟」という最後の手段が残されている。

 広く知られている通り、訴訟は、開始することにも継続することにも困難が伴う。しかも、万一、集団訴訟となった場合には、相手は国である。相当の覚悟がなければ開始できない。

しかし、訴訟の手前で、当事者たちが声を上げてみることくらいしてみることには、価値があるのではないだろうか?当事者たちが黙っていたら、今後も経済的に・社会的に追い詰められていくだけだ。

 声を上げれば、叩かれるかもしれない。それでも、

「こんなのはイヤだ」
「辛い」
「悲しい」

 という一言でも、声を上げないよりは、上げたほうがよい。少なくとも、筆者はそう思う。

「リスク」というほどのリスクは、ない。担当ケースワーカーが意地悪な性格だったら、イヤミの1つくらいは言われるかもしれない。でも、それ以上のことはないし、あってはならない。万が一にも、「生活保護廃止」というペナルティを与えられるということはない。心配ならば、何かあった時に相談できる相手を確保してから、声を上げればいい。

 そして筆者は、今のところはまだ生活保護当事者になったことのない者として、今のところはまだ生活保護当事者でない読者の方々に、心からお願いをしたい。どうか、勇気をふるって声をあげる生活保護当事者たちに、中傷や揶揄を加えないでほしい。応援したくないとしても、黙って見守ってほしい。できれば、さまざまな形で、気持ちの中でだけでも応援してほしい。筆者も応援したいので、「生活保護問題対策会議」の審査請求アクションの呼びかけ人となっている。

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