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生活保護者の集いコミュのこれが言いたい:生活保護問題の本質を見誤るな=日本大学経済学部教授・沼尾波子

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http://mainichi.jp/opinion/news/20120809ddm004070207000c.html

生活保護の受給者は210万人を突破、年間の保護費支給額は3・7兆円と消費税率1・5%相当の水準に達しつつある。保護費の増大は社会問題化し、人気タレントの母の保護費受給のニュース20+件をきっかけに、家族による扶養のあり方も論じられている。

 だが、保護費支給の裏で、自治体の現場職員が、保護世帯の自立に向けた各種の支援、助言を行っていることは案外知られていない。なかでも近年、取り組みが強化されているのが、自立支援事業である。これは、生活保護を受給する人々に対する生活改善、社会参加、就労に向けた支援に加え、子供の貧困に対する支援などを行うものである。

 稼働年齢層とされる人たちに、働く意欲やきっかけ、技能を持ってもらうための個別のケアやプログラムを実施する自治体もある。就職活動用のスーツや携帯電話を貸し出したり、履歴書の書き方や、面接の受け方を指導したり、朝日が昇ったら起きる、という生活習慣を身につけるようなケアを行う例もある。

 子供のいる世帯に対し、こまめに家庭訪問を行い、状況を見守る取り組みも行われている。これらの支援には自治体ごとにプログラム化されているものと、担当職員が個別に対応するものとがある。

きめ細かい自立支援には、個々のケースに寄り添う体制と、専門家によるサポート、地域や職場、学校との連携が不可欠だ。だが、自治体の現場ではそのためのマンパワーの確保が困難な状況となっている。その背景には保護世帯の増加、そして財政難による公務員削減がある。

 法律では、生活保護を担当するケースワーカーの配置について、都市部では1人当たり80件という標準値が定められている。だが、行政改革と公務員の定数削減の動きの中で、現在、都市自治体では、1人のケースワーカーが100件以上のケースを取り扱うことも少なくない。その結果、職員は保護費支給等の業務に追われ、きめ細かい助言や指導を行うだけの余裕が持てずにいる。

 生活保護はいったん給付が開始されると、なかなか抜け出せないといわれる。就労につなげるには、保護開始から最初の3カ月が勝負との指摘もある。近年、稼働年齢層の受給者が急増しており、即効性のあるきめ細かな支援が必要だ。

       *

 厚生労働省は自立支援をサポートする非常勤職員、臨時職員等の雇用のため自治体に人件費を補助する制度を設けている。この補助を受け、職業紹介の専門家や精神保健福祉士などを雇用する自治体も大都市を中心に増えている。しかしながら保護世帯の増加に加えて個々のケースが抱える事情が複雑、多様化しており、支援体制は決して十分といえない。

社会とのつながりを持てないまま、生活費を保護制度に求める人が増えてしまえば、国民負担はさらに増大する。自治体職員数の確保、特に技能や経験を持った専門職員の確保や、外部機関や専門家との連携、支援団体との協力などを通じた、支援体制整備が欠かせない。

 さらにいえば、支援の対象を保護受給者に限定する必要はない。就労や社会参加の面で課題を抱える人々への支援は、保護の一歩手前で頑張る人々にも提供されてよい。

 支援体制強化は自治体の業務を増やし、一時的に人件費等を増大させるだろう。だが、暮らしの安心・安全を確保し、誰もが社会・経済活動に参加できるよう自治体を軸に地域で対応することが、結果的に恒常的な保護費の支出を抑制する早道となる。早急な対応が求められる。

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