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生活保護者の集いコミュの柏原市福祉事務所「逆切れ」不当逮捕事件、初公判

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さとうしゅういち

  大阪府柏原市役所で、水際作戦に対抗するために生活保護申請手続きを撮影した申請者が「職務強要罪」を「根拠」に不当逮捕された事件。
 
 この事件の初公判が15日、大阪地裁堺支部でありました。
 そして、その日の夜、逮捕されたAさんが所属する関西非正規労働組合ユニオンぼちぼちの主催で、「生活保護申請ビデオカメラ弾圧事件・A君無罪!釈放要求緊急集会」が、大阪市のエル大阪で開催されました。
 
 わたしは、裁判は傍聴できませんが、夜の集会は新幹線で駆けつけることが出来ました。集会の冒頭、司会者から、裁判のほうは傍聴席が満席だったという報告がありました。

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 なぜ生活保護申請に同行者が必要なのか? (海形マサシ) 
 http://www.news.janjan.jp/living/0912/0912244745/1.php
 
 ユニオンぼちぼちのブログ
 http://unionbotiboti.blog26.fc2.com/
 
全面的に無罪を主張
 
 続いて、国選弁護人の木原万樹子弁護士(ホームレス支援で大阪では名高い)が、裁判の様子を報告しました。
 それによると、検察は冒頭陳述で、Aさんをまるでヤクザのようだという言い方をしました。一方、弁護側は、そもそも犯罪の事実がない、と反論。これから2月に争点整理が行なわれます。


Aさんは無罪、と強調する木原弁護士。撮影筆者

 Aさんは、一度生活保護申請が却下された事を不安に思い、ビデオカメラを持参して記録していたのですが、それが職員を脅迫した、ということにされてしまったのです。しかし、そもそも生活保護申請は、申請が行なわれたら福祉事務所は受理しなければならないのです。
 
 福祉事務所側がしようとした「水際作戦」は「違法な職務」ですから、職務強要罪でも保護の対象とはなりません。ですから、Aさんのした行為は違法とはいえないわけです。
 
 さらに、今回のような軽微な事実について、身体拘束を行なうのは論外である、と指弾しました。そして、そもそもAさんは「脅迫」など行なっていないばかりか、福祉事務所職員らは、刑法上保護に値しない職務を行なっており、しかもAさんに故意はないので、Aさんは無罪である、と主張しました。
 
 なお、Aさんの保釈申請もしていますが、却下されています。
 
Aさんを援助ではなく排除してしまった柏原市福祉事務所
 
 ついで、ユニオンぼちぼち副委員長でジェンダー問題でも名高い伊田ひろゆきさんが、Aさんの「人となり」や事件の経過を報告しました。以下はその概要です。
 
 ソウル・ヨガ(イダヒロユキ)
 http://blogari.zaq.ne.jp/spisin/
 
 Aさんへの生活保護決定は、不当な決定ではないと福祉事務所も認めている。なのに、2ヵ月半後に突然、逮捕されてしまった。その後も80日間も身体拘束され、自立に備えて通っていた職業訓練校も辞めざるを得なくなった。
 本来、生活保護利用者の自立を援助しなければならない福祉事務所職員が、解決を安易に警察に委ねた結果、Aさんの人生が狂わされそうになっている。
 Aさんは、ユニオンの活動に熱心な青年で、言葉遣いも丁寧な人だった。自分と同じようにうつ病を抱えている人の交流会に熱心に取り組んでいた。彼が釈放され、またその活動を再開できるよう願っている。
 ユニオンぼちぼちは、単なる労働組合というより、生存・労働運動をしている組合ともいえる。生活保護の同行支援にもたずさわり、京都だけでなく大阪にも事務所を開設した。Aさんの問題は、今の時代、どうプレカリアートが生きていくかという問題として切実に感じている。
 福祉行政の場は、財政難・人員不足で、日本の矛盾が最もしわ寄せされる場所ではある。しかし、だからといって水際作戦の責任を逃れられるわけではない。「溜め」が少ない人をエンパワメントすることが多くの福祉事務所で十分になされていないということが、水際作戦の意味である。
 エンパワメントするには相手の言う事をよく聞くことが重要だが、聴く人が能力主義、自己責任論の感覚を持っていては、溜めが少ない人は相談が出来ない。
 そして、今回の事件は、柏原市は、「エンパワメント視点の援助」ではなく「排除的姿勢」で臨んだために起こった事件です。援助が十分でなかったことを棚に上げて逆切れして、告訴までして排除してしまった。
 
カメラは水際作戦への正当防衛
 
 「釜ヶ崎医療連絡会議」の加藤亮子さんも、Aさんのビデオ撮影行為は「水際作戦に対する正当防衛」と擁護。
 
 関連リンク
 特定非営利活動法人 釜ヶ崎医療連絡会議の組織概要
 http://www.npo-hiroba.or.jp/search/?c=more&pk=14959
 
 その主張の裏づけとして、釜ヶ崎で目にしてきた水際作戦を報告しました。10年前から、「若いから、と生保申請を受け付けてもらえなかった。」「職員がけんかを売ってくる」「職員が暴力団のような対応をする。」「職員が威張っている。」「職員が人間を悪く変えてしまう」という声が、釜ヶ崎の労働者の間から多く上がっていました。
 
 その中で、生活保護法を適正に実施させるためにさまざまな闘争が行われました。
 
 また、ビデオ撮影が、生活保護の適正実施につながった例もあります。野宿日雇い労働者の佐藤邦夫さんは、当時、病院や施設での生保支給しかしない中、施設ではプライバシーが守られないのでアパートの敷金を出してほしいと提訴。大阪地裁で勝訴し、高裁でも市側の控訴が棄却され、市側は上告を断念。判決が確定されました。そのときには、佐藤さんと職員のやり取りを記録したビデオが証拠採用されて勝訴しました。
 
 また、地方都市でも福祉事務所の冷たい対応による悲劇は多く起きています。北海道では39歳で餓死(母子家庭)した母親は、福祉事務所に窮状を訴えても取り合ってもらえず、「働いて生活を」「前夫に養育費請求を」などと扱われました。そして、近所の通報でも事務所は動かなかったのです。また、2006年に秋田市で37歳の男性が抗議自殺しています。彼は「就労は可能」というだけで申請を却下されていました。就ける職なんて、なかなかないのに・・・。彼は「福祉は弱い人の味方ではないのか?俺がよくする」と抗議の自殺を市役所前でしました。
 
 こうした例を紹介した上で、加藤さんは「柏原市福祉事務所は、刑事告訴すべきではなかった」と批判しました。
 
権力こそ、カメラを市民に多く向けている
 
 「NPO法人・記録と表現とメディアのための組織」の櫻田和也さんは、権力側こそ、カメラをたくさん、市民に向けている、と指弾しました。だからこそ、今回の事件で萎縮してはいけない、と訴えました。
 
 関連リンク
 remo [NPO法人記録と表現とメディアのための組織]
 http://www.remo.or.jp/ja/
 
 櫻田さんは「誰もが匿名で情報を発信する権利がある」と強調。たとえば、WTOの会合がなされたとき、抗議行動としてその模様を一方的なマスメディアの発表ではなく、市民の目線で事実を伝えようとしたのです。
 
 今回の事件についてAさんは動画サイトYoutubeに載せる事を示唆したが、映像は公表していない。にもかかわらず、記録するだけで逮捕されている。これは、「匿名の発信」の権利どころか、「記録する段階」での制限だ、と批判しました。
 
 そして、カメラを持つ事を躊躇すべきではない、(権力の)カメラは常にわたしたちに向けられている、と具体例を挙げながら訴えました。
 
 2008年に財務大臣サミットが大阪で開催されたときは、カメラを持っていたのは、労組側だけではありません。照明まで活用して西成警察署の何台ものカメラが下を向いていて、「事後弾圧」に使われました。
 
 そして、だからこそ、今回のようなことで、わたしたちが躊躇する必要はない、と繰り返しました。


「事件現場」である柏原市役所HP画面。筆者キャプチュア。「心ふれあう魅力あるまち」というキャッチコピーだが、福祉行政においてそれが、きちんと実践されていたのか疑問だ。

これで逮捕なら我々は皆逮捕
 
 連帯のメッセージが各運動体からも行なわれました。
 
 釜ヶ崎日雇労働組合からは「Aさんが逮捕されるようなら、わたしたちも全員逮捕になってしまう」。「職務強要罪は暴力団などに適用されてきたものだが、そもそも凶器準備集合罪も暴力団を取り締まる目的のはずが、悪用されてきた歴史がある」と、長い闘争の歴史を感じさせる発言でした。
 そして、「この裁判には勝たねばならない」と語気を強められました。
 
 釜ヶ崎医療連絡会議からは、「これは労働組合潰しだと確信している。権力は、格差が広がる中で支配に自信がない。だから、怖がっている。それで、労働組合をつぶしたいのだ」と指摘しました。
 
Aさんではなく森田健作知事こそ逮捕されるべき
 
 わたしも、挨拶をさせていただくことになりました。「今回の不当逮捕事件をJANJANというメディアでいち早く取り上げた人」だからです。
 
 「この事件を取り上げなければいけないと思った理由は3つある。
 
 第1に、同じ行政職員として情けなかったからだ。公務員は憲法99条の規定により憲法を守り天下に恥ずるような仕事をしなければいいのに、逆切れしたのは情けない。
 
 第2に、政権交代だけでは人権を守れないということを再認識させられたからだ。わたしは民主党員であり、政権交代のため微力を尽くしてきた。今回、逮捕容疑は自公政権下でのものとはいえ、逮捕は政権交代後に行なわれたことには衝撃を受けている。選挙だけでなく、運動をやっていかないと人権は守れないという当たり前の事を再認識した事件である。
 
 第3に、Aさんのような一般市民は悪い事をしなくても簡単に逮捕され、エライ人は悪い事をしても逃げ切るのが許せないからだ。森田健作被疑者は、自民党支部長でありながら、「完全無所属」を詐称し、千葉県知事に当選してしまった。わたしは、800人以上の仲間とともに、森田被疑者を2009年4月15日、公選法違反で告発したが、千葉地検は森田被疑者は不起訴処分にしてしまった。現在、検察審査会に不服審査を申し立てているが、Aさんと森田被疑者では、逮捕されるべき人があべこべではないか?! わたしは、Aさんの無罪・釈放と森田被疑者の有罪を勝ち取るべく、がんばりたい」と、檄を飛ばさせていただきました。
 

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 これに対してあとで主催者や、参加者の方から「わかりやすくてよかった」「事件をきっかけに、政権交代『だけ』では駄目だ、と考えているということがよくわかり、よかった」とお褒めを頂けてほっとしました。
 
Aさん有罪なら禍根残す
 
 Aさんに職務強要罪が確定してしまえば、将来に禍根を残します。
 
 第1に、権力が、市民を弾圧しやすくなります。カメラで公務員の行動を記録することも難しくなりかねません。行政の透明性の後退につながりかねません。
 
 第2に、生存権という意味でも、生活保護申請を躊躇させかねない効果が生じかねません。そして、労働運動の弾圧にもつながります。日本国民全体の人権を後退させないため、民主主義を後退させないため、Aさんの無罪・釈放を改めて勝ち取らねばならないと思います。


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