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片山 杜秀コミュの未完のファシズム: 「持たざる国」日本の運命 (新潮選書)

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コメント(1)

「この人は、短いコラムをぱっぱっぱっと連ねていくタイプじゃない? 第一章、第二章、第三章というのではなく?」『片山杜秀の本』が出始めたころ、『近代日本の右翼思想』も出ていて、そう思うたことがあります。『ゴジラと愛国』もそう。
短いコラムの連続は名人の領域で、これは、フランス的な伝統(パスカルだとか、ボードレールの「パリの憂鬱」だとか、日本だと身近なところでは串田孫一=あ、暁星だ。偶然かしら=)なのか、それとも生活のためにこういうパタンの仕事をこなすところで鍛えられたのか。
『右翼思想』はそれに比べると、若書きがベースということもありますが、やや硬い。論文集的なものではよさがでないのか?とも考えてたら、なかなかどうして、みごとに殻を破ってくれました。9章構成で、じりじりと日本が転落していく感じがでていますよ。
それから、軍人の文章のパラフレーズってのかしら。あれは、吉田秀和先生の「名曲のたのしみ」みたいなのですね。逐語訳でなくて、自由訳ふう。
おしまい近くに「精神」をめぐって、中柴末純のアッツ島玉砕をめぐっての文章を材料に、「精神的深さ」ってのを拾い出してくるところはさすが音楽評論家。
宇野功芳さんあたりが渋面を作ったかなと思うくらい。

第9章で労働科学に触れられているのも面白い。いちど、大原社会問題研究所雑誌あたりで片山さんの文章を読んでみたいですねえ。


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