R : 今回のアルバムにはKing of ConvenienceのErikやFeist、Blood Music、ConcretsのMariaなどのゲスト・ミュージシャンが参加しています。彼らが参加することになった経緯を教えて下さい。また、彼らとのレコーディングの際の印象的なエピソードがあれば教えて下さい。
S : 私は1999年にCall and Responseをスタートさせたの。Rubiesのベース、Terriもそのバンドにいたのよ。同じレーベルにKings of Convenienceがいて、その時1stアルバムをレコーディングしていたジョージア州アセンズで彼らと出会って友達になったの。それからErlend Oyeが私たちのサンフランシスコのショーを見に来てくれて、04年のUKツアーに同行してくれないか ? って言われて。それ以来私達の友情や、お互いの音楽に対する尊敬の念が深まっていったの。時々私たちが、Kings of Convenienceのバックバンドをやったり、一緒に演奏したりしたこともあるのよ。それから、Rubiesのツアーで現地のミュージシャンをゲストに迎えて演奏した事があるんだけど、その時にストックホルムのKarl-Jonas Winqvist (blood music, first floor power) に出会ったの。ストックホルムのショーはとても楽しくて、彼は「またストックホルムに来て、今度はRubiesのレコーディングをしなよ」って言ってくれたのね。それで私はTerriを連れて行ったんだけど、彼はスタジオと現地のミュージシャンを用意してくれてて。とても楽しいレコーディングセッションだったわ。Maria (concretes)とその時の旅で知り合って、私は彼女のことを気に入っていたから、スタジオで一緒に歌ってくれるようにお願いしたの。あの時のレコーディングは、とにかく楽しい事でいっぱいで、いろんな人が出入りしてプレイしてくれたわ。その後ノルウェーのベルゲンに行って、Eirikに一緒にレコーディングしない ? って聴いてみたの。そしたら彼はとてもノリ気で、最終的にはベルゲンのスタジオで、とても素晴らしい時間を過ごす事ができたわ。私は、彼と彼のバンドKommodeのメンバーに、2曲ほど教えてあげたのよ。そのうちの1曲は、ベルゲンの街にインスパイアされて書いたの。Eirikはスタジオでは、本当に良くしてくれて、私と一緒に朝の3時まで付き合ってくれただけでなく、私がご飯も食べずに集中していたら、ピザを取ってくれたのよ。私達は凄く疲れてたけど、曲はとてもハッピーに仕上がったわ。忘れもしないのは、皆で出来上がった曲を聴いている時、Eirikが私の方を見て「今僕は物語の一番良いところにいる気分だよ。ほら、涙が出てきちゃったよ。」って。
R : へぇ~いい話だねー。じゃあ、Feistは ?
S : Feistにはずっと前に手紙を書いたことがあって、彼女の音楽が大好きだって伝えたの。 それから、もしサンフランシスコに来ることがあったら、皆で待ってるからって事も。そしたら、彼女がKings of Convenienceのレコードに参加することになってね。私は「あの彼女が友達のレコードに参加するって!」ってとても驚いちゃって。それで彼女が来た時には、私は彼女に食事を作ってあげたりして、その時からの友達。今では久し振りに会えば2人ではしゃいじゃって、何でも話せる仲なんだけど。彼女のアルバム『The Reminder』では、彼女からグラフィックデザイナーをやってくれって頼まれて、Rubiesのレコーディング最中なのにパリまで飛んで、彼女のアルバムのアートワーク制作もやったしね。それから彼女が私の曲で唄ってくれたし、彼女も私もEirikと仕事をした事があったのよ。だから全てが自然の成り行きみたいね。去年の9月には彼女のツアーにRubiesも行く事になって。とても楽しいツアーだったわ。私たちはメキシコの友人の家に行く事になって、そこでバックアップ・ヴォーカルのレコーディングをしたの。その後日没と同時に、近くの海に飛び込んだわ(笑)!
R : 次に君のキャリアについて教えて下さい。君はこれまでCall and Responseの一員として活動していましたが、このRubiesを始めたきっかけは何だったんですか ? また、君以外のメンバーについても紹介して下さい(そして、彼女たちとはどのようにして出会いましたか?)。
S : 1998年にカリフォルニア州サンタバーバラにいた頃、友人のDan Judd(最近彼はsorcerer名義でロンドンのtirkというレーベルからレコードをリリースしたばかり)とバンドを始めたの。そして、その時のベースプレイヤーとシンガーのCarrie Cloughとサンフランシスコに引越しして、そこでドラマーを見つけて新しいベースプレイヤー、Terri Loewenthalと出会ったの。私達はアルバムを2枚出したわ(1枚はEmperor Nortonから、もう1枚はBadman Recording Co.から)。Call and Responseの活動を少し休憩している時、自分自身でも作曲したくなってきて、それでRubiesを始めたの。その頃からCall and Responseにすこし距離を感じ始めていて…。たぶん自分に自身がなかったのと、個人的にもデザインのビジネスを始めたりと色々あった時期だったしね。でも、自分で作曲するようになって、凄く楽しく感じられた。もっと複雑なギタープレイやアレンジを学びたかったし、ずっとピアノで作曲してたから、ステージでギターも弾けるようにってギターでたくさん曲を書いてたわ。初めは私ひとりでライブをやっていたの。それから共通の友人を通してAmy Cooperに出会った。彼女とはすぐに仲良くなれて、一緒にジャムするようになったの。彼女がドラムを叩いて、私かシンセかギターを弾いてって感じで。それはそれで楽しかったけど、楽器がもう1つ必要かなってCall and Responseで一緒だったTerriに声を掛けてみたの。彼女とは前から音楽の方向性が似ていると思っていたし、長い事一緒にプレイしていただけあって、すぐに意気投合したわ。Rubiesは、これまで私がいたバンドとは違う感じにしたかったの。結果とてもユニークなバンドになったと思うし、楽しみやすいバンドなの。
R : 今回のアルバムには何かテーマやコンセプトはありますか ? また、収録された9曲についても、どんなテーマの歌なのか解説して下さい。
S : 今回のアルバムの曲は色んな場所で録ったから、実はアルバム全体が一貫性に欠けるんじゃないかと心配してたの。普通はアルバムを作るのに同じスタジオで、同じ機材を使うでしょ。でも、今はみんなiTunesとかシングルで1曲ずつ音楽を聴くようになって、色々と環境も変わってきてるから。だから私は色んな場所に行って、2年以上書き溜めた曲をレコーディングするって決めたの。そして、どこでレコーディングしようとアルバムの一体感は損なわれないって気づいたの。だって私自身が曲を書いているんだもの。多くの曲が、人生や愛における新しいスタートについて。いくつかは、山とか海などの自然が人間の境遇とコネクトしている事について。私自身がとても自然とコネクトしてて、心地良く感じてるの。サンフランシスコからサンタバーバラの小さな町に越してきた時、しばらく寂しく感じてたんだけど、そのうち自分が強くなれて、人生や作曲についても自信を持てるようになったのよ。こうした経験がミュージシャンとして、またアーティストとして作品に反映しているし、友達とか人間関係にも大きな変化があったわ。個人的な経験であると同時に、誰もが持っている感情も、多くの曲に見えてくるといいんだけど。そしたら聴いてくれる皆が、私がどんな気持ちだったかとか、何を歌っているのか少しでも共感できるでしょ。私は詩を書く時は、音楽にも集中できるようにメタファーや散文体を使うの。物語やイメージ/ヴィジョンを言葉で表現するのが好きなのかな。'Too Bright' は思いやりのない建物とそこにある空間について。ここに出てくる“House”は愛のメタファー。'Diamonds on Fire' は、物事を新鮮に保つ事、そして予期せぬ出来事への注意について。それから、もし誰かを愛しているなら、手放したくないという気持ちについて。人が誰かを愛さなくなる方法なんて教わらない。人は壊す事ではなくて、誰かと何かを育んだり、築いたりする事を学ぶでしょ。本当に好きだった人と別れたことがあって、私はそのことについてたくさん書いているわ。'The Truth and the Lies' 色んな物事の為のララバイ。この曲は未来について。そしてピュアな時間を持ち続ける事。後は聴いてくれてる皆に、それぞれの解釈をしてほしいわ。
R : Rubiesにはバンドとして明確なコンセプトがあるように思いますが、それは何ですか?また、君はどんな音楽やアーティスト/バンドに影響を受けましたか?
S : 私達はライブ・パフォーマンスが一番重要だと思っているの。だからステージに上がって、皆の為にパフォーマンスできるのは幸せよ。アートな要素をライブに取り入れようと、自分たちを見せる新しい方法をいつも考えているわ。そうやって、自分たちはステージではキャラクターになれるの。顔にデザイン的なものを描いたりすることで、マスクをかぶった感じになれるでしょ。何か新しい事をステージでやりたいの。でも、ミニマルなアプローチだけどね。人々を遠ざけるような事はしたくないの。ショーの後で皆とお話したいし、音楽やアートのことについても語りたいしね。私達はみんな人柄もいいしフレンドリーだと思う。ステージ上でもステージ降りてからもね。ステージでも、皆とお話しすることも楽しんでるわ。私はライブな音が好き。それからミニマル・ダンス・ミュージックも。ローファイな初期のテクノとか、フォークとか。スペーシーダブ・ミュージックや80年代のローラースケートが似合う音楽、初期のメロディックなパンクや西海岸の60年代ポップも。
R : 最近のお気に入りのレコード、映画、小説を教えて下さい。また、その理由も教えて下さい。
S : 私のお気に入りのレコードは…. 「McCartney」Paul McCartney 「Friends」the Beach Boys 「Yearbook」Studio 「Deep Cuts」 The Knife 「Odyssey and Oracle」 The Zombies 「low」 David Bowie 「neuromantic」 Yukihiro Takahashi 「Radio Activity」 Kraftwerk 「Yes」 Ye 「1969」 Caetano Veloso 「A brand new me」' Dusty Springfield 「Maritime」 Minotaur Shock 「The Trials of Van Occupanther」 Midlake 「Something Else」 The Kinks 「Calling out of context」 Arthur Russell 「Bridge over troubled water」 Simon & Garfunkel たくさんになっちゃったわね! 最近好きな映画は『恋愛睡眠のすすめ(原題:The Science of Sleep)』。ダイアローグと同じくらい映像が物語を伝えてくるから、凄く素晴らしいわよね。映画のアートディレクターの仕事に興味を持っているんだけど、この映画は私がやってみたいと思うやり方ね。映画は大好きよ。ルーカス・ムーディソンの『TOGETHER(原題:Tillsammans)』。家族間や青春期、コミュニケーションの中のぎこちなさを思い起こさせる瞬間を捉えているの。この映画に使われてる音楽もステキ。この映画のサウンドトラックでTed G ardestadの事を知ったんだけど、彼の作品のいくつかは最高よ。Bo Hanssonも、このサントラに入っているわね。彼も好き。小説だったらガストン・バシュラールの『空間の詩学』。すごく難しい本なんだけれど、何が「家」であるかに関する包括的な理論は読み応えありね。それからリチャード・ブローティガンも好きで、かれは西海岸出身の偉大な作家なのよ。
R : 日本についてはどんな印象を持っていますか?また、日本の人々へメッセージをお願いします。
S : 私はずっと日本に行きたかったのよ。それがもうすぐ叶うなんて信じられない!きっとカリフォルニアとは全然違うんでしょうね。でも、音楽や人々と通じ合えると思うわ。日本の人々にあったり、日本の自然に触れたり、日本食もトライできるだろうからとてもエキサイティングね。いい音楽をプレイするから、皆も楽しみに待ってて!