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好きです『北海道』コミュの★釧路★

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◎ 釧 路

  道東一の都市である人口19万の釧路市は、広大な釧路湿原を流れる釧路川が海に注ぐところに発展した町。その地理的条件から夏になると海霧が発生することが多く、昭和31年のベストセラー「挽歌」(原田康子)の舞台ともなった。この小説により釧路はどこか文学的な霧の街のイメージが定着した。市街地の中心は釧路駅前の末広町や黒金町の一帯。ビルが建ち並びこの地方の中核都市らしい景観を見せている。また、釧路発祥の地でもある米町や春採湖周辺の炭鉱地帯は、駅前から歩いて15分くらいの旧釧路川の対岸にある。この2つの市街を結ぶ幣舞橋周辺が釧路散策のポイント。釧路駅から石川啄木ゆかりの米町まで2時間ほどで歩けるコンパクトなエリアだ。この町は水産資源が豊富な北洋をひかえた日本有数の漁港でもあり、港にはセリを見学できる釧路水産センターや併設の水産資料館のマリンとボスくしろが水産都市釧路をPRしている。所で釧路のもう一つの魅力、釧路湿原は市街地のすぐ北側から始まる。ここは天然記念物のタンチョウを筆頭に約2000種類もの動植物が生息するといわれ自然の一大宇宙を形成している。このエリアは釧路を拠点に1泊2日で市内観光と釧路湿原を回るのがポピュラー。

● 釧路から根室へ

  釧路の町をどこか清涼な空気が流れているのはその背景に巨大な釧路湿原を背負っているからだろうか。別寒辺牛、霧多布、風蓮湖周辺の湿原と数珠つなぎに続き、一帯は根釧原野と呼ばれ遠くシベリアを連想させるような風景を造ってきた。日本本土最東端の町、根室には近年ロシアからのカニ船が多く入港し、北方領土を目前にしていまだに緊張感が漂う納沙布岬とともに様々な意味で国境の町に変わりつつある。このエリアは温泉もスキー場もなく、冬季はほとんど旅行者の姿はないが、初夏からは一転していたるところ緑と花と溢れる自然派ツーリストの憧れの地となる。

● 歩き方
 ・ 鉄道
 
   根室本線の釧路〜根室間は純然たるローカル線だ。原野に単線が一直線に延びている。釧路6時4分発の根室行き始発「はなさき」に乗ると別当賀や初田牛付近でエゾジカの姿を見ることが多い。釧路から北上する釧網本線はまさに湿原鉄道だ。東釧路から五十石までの約35kmを、延々と湿原を見ながら走っていく。夏には釧路〜塘路湖に「くしろ湿原ノロッコ号」が走る。

 ・ バス
   
   釧路には釧路バスが市内路線網をもち、厚岸・霧多布方面にも路線が延びている。また、厚岸と国泰寺を結んでいるのも釧路バスだ。阿寒バスは釧路から北の市町村に広く路線網をもち、釧路空港連絡バスも運行している。根室には根室交通が市内路線と納沙布、花咲、厚床に路線バスを走らせ、根室中標津空港とも連絡。根室ともにJR駅前にBTがあり、釧路にはフィシャーマンズワーフMOO内に都市間を結ぶ長距離バスのBTがある。ただ市内路線は込み入っているので事前に営業所でバス時刻表を入手しよう。交通の便が悪いこのエリアを短い日程でより広く回りたいという人は定期観光バスが便利。夏期は釧路市内の見所をめぐる釧路バスの市内定期観光と、これに湿原展望台などを加えたコースが運行される。冬季は阿寒バスの「冬の湿原タンチョウ号」が鶴の里をめぐる。根室発着では根室交通バスが、夏休み期間に花咲車石や北方原生花園も加えた「のさっぷ号」を運行。いずれも半日のコースで無駄なくポイントを押さえることができる。他に釧路発着「ピリカ号」や「ホワイトピリカ号」など盛りだくさん。

 ・ レンタカー
   釧路は道東最大の都市だけに駅周辺と空港にほとんどの大手レンタカー会社が営業所をもってる。根室には駅レンタカーとトヨタレンタリースがある。場所柄、RV車はキャンピングカーの需要もあり、最近はかなり車種のバリエーションも増えた。それでも夏のシーズンにはレンタカー利用客が急増するので早めに予約した方が無難。

● プラニングのヒント
  このエリアの魅力は都市と大自然が隣り合わせに存在していることだろう。旅行者の多い時期はやはり夏休み期間中だが、その前後の6月と9月がねらい目。6月には湿原のヒメウオギアヤメやエゾカンゾウが一斉に開花し、9月にはサケやカニといった海の幸が旬を迎える。根室カニ祭りは9月上旬、釧路湿原フェアが9月下旬に催される。またタンチョウ鶴は通年湿原地帯にいるが、冬季は、鶴居村の餌場に数十羽と集まり圧巻だ。白鳥は11月頃から春先まで風蓮湖やその周辺の湖沼に飛来する。

● ドライブアドバイス
  釧路から根室半島の先端、納沙布岬までの距離は169kmと以外に長く、釧路〜網走間の距離に匹敵する。まず東に直行するなら根室まで国道44号が早い。峠もなく牧草地の中を淡々と進むのんびりとした道だが少々飽きる。また、釧路から厚岸・霧多布へ行くなら、おすすめは釧路市内から海岸沿いを走る「太平洋岸シーサイドライン」。その名の通り海沿いの道道を走り次いで釧路から浜中にいたる道だが、かつては知る人ぞ知るダートコース。今ではほとんど舗装され快適なドライブウェイとなっている。釧路から海岸沿いの段丘上をアップダウンを繰り返し、浦雲泊や冬窓床といった難読地名の漁村を眼下に見ながら走る。尾幌でいったん国道44号に合流するが、厚岸から霧多布までオジロワシの生息する原生林地帯を走る。沿道にはアヤメガ原や涙岬、琵琶瀬展望台など絶景ポイントも多く走って損のないルートだ。さらに、釧路湿原に向かうとき、JR釧網本線に沿って北上する国道391号は、釧路湿原の東側に点在する遊歩道や展望台をハシゴするのに便利。ただし各ポイントへの進入路がわかりにくいので行き先標示に注意したい。湿原を横切る道は塘路〜コッタロ湿原への道道釧路弟子屈船のダート道のみ。休日になると釧路川の橋付近は釣り人の車で混雑することもある。また、鶴居村へ行くにはこの塘路→コッタロ湿原経由のコースと湿原西側の道道塘路線の2つがある。鶴居村内のタンチョウ鶴の餌場でもある鶴見台や伊藤サンクチュリアリは標識も整備されてわかりやすい。    

● 和商市場(漁業の街の面目躍如、市民の台所は海の幸満載)
  北海道では函館の朝市や札幌の狸小路などと並ぶ海産物の市場。ただし露天ではなく、一軒の建物の中に80軒ほどの店が並ぶ。それだけに風情には欠けるが快適にあることができる。ここは日本有数の漁獲高を誇る釧路港をひかえ、オホーツクの好漁場も近いとあって、新鮮なサケ、イクラ、ホタテ、ウニが豊富。特にカニの専門店が多く、店先にはタラバ・花咲・毛ガニが一年中ズラリと並んでいる。もちろん試食や値切りも可。威勢のいい売り子さんに臆することなく交渉してみよう。ちなみにカニがおいしいのは夏から秋。夏休みのシーズンは観光客が殺到するが、普段は釧路市民も買いにくる市場だ。全国各地に宅配サービスを行っている。最近では市場内の売店で発泡スチロールの丼に盛ったご飯を買い、売り場を回ってウニやイクラなどの好みのトッピングを少しずつ売ってもらいオリジナル海鮮丼にして食べるのが人気。和商市場の隣には地元客が多い、青果が中心の釧路市朝市もある。

● 幣舞橋(人々の胸に残る北海道随一の名橋)
  新市街と旧市街を分ける旧釧路川の河口に架けられた橋。釧路のシンボルにもなっているシックな橋で、欄干の四方にそれぞれ北海道を代表する彫刻家(佐藤忠良、柳原義達、本郷新、船越保武)の手による裸婦の四季像が立っている。ここに初めて橋が架けられたのはまだ開拓の土ぼこりが舞う明治22年(1889)のこと、市営の愛北橋という通行料をとる賃取り橋だったという。その後、明治33年(1900)に初代の幣舞橋がかけられ、以後幾度か改架されて現在のものは昭和52年(1977)に完成した幣舞橋としては4代目にあたる。ちなみに”ヌサマイ”の”ヌサ”はアイヌ語で”木幣”、マイ”は有るを意味しヌサがここに流れついたところとなる。南側の丘にあるヌサマイ公園から橋を見下ろす景観は釧路を代表する風景。夜間は隣接する釧路フィッシャーマンズワーフMOOとともにライトアップされ、初夏、海霧がやってくると一帯は幻想的なベイエリアとなる。

※ 寄り道
  幣舞橋とともに、釧路川に面して建つ個性的なビルが釧路フィシャーマンズワーフMOOだ。内部はいわゆる観光客向けの大規模な飲食&お土産センターだが、海産物を集めた釧路市場や北海道の乳製品など個性的な店も多い。隣接するお椀を伏せたような形のEGGは、35種1700本の植物が生い茂っている屋内緑地。MOOの1階は都市間バスターミナルがあり、買い物や食事などで時間待ちするには絶好のローケーションだ。市内散策の休憩スポットとしても利用価値大。また旧釧路川から釧路港周辺、釧路岬の沖の知人礁前を遊覧する双胴の高速観光旅客船シーグレースの発着もMOO観光船ターミナルから。幣舞橋南のロータリーは日本では珍しい回転式交差点。坂道を登ると釧路生涯学習センターがある。中には釧路市市立図書館があり、文学の街らしく石川啄木や岡崎正之など釧路にゆかりのある作家の書籍を集めている。

● 米 町(舞飛ぶカモメとともに啄木のいた町を歩く)
  釧路駅から南に歩いて幣舞橋を渡ると、海に向かって突き出している台地状の旧市街に出る。この岬先端部の一帯が釧路発展の基盤となった米町だ。その昔、松前藩が釧路川上流のアイヌたちを移住させて釧路の名の起こりでもある久寿里(くすり)場所という漁場を開いた場所に当たり、明治・大正期には炭田開発や開拓の進展で商家や寺院が建ち並ぶ中心街だった。この米町へは釧路駅からバスも出ているが、さして広くはないので幣舞橋あたりから歩いてみよう。まず釧路川沿い、ちょうどMOOの対岸にある港文館は、かつて石川啄木が記者をしていた釧路新聞社の建物を復元したレンガ造りの資料館。明治時代の地方新聞社の小ささに驚くが、2階には啄木がいた時代の釧路の様子や、啄木が書いた記事などが展示されている。特に啄木が「小奴といひし女のやはらかき 耳朶なども忘れがたかり」という歌を残した料亭しゃも虎の芸●、小奴在りし日の写真が興味深い。港文館から南大通りを歩くと次第に街並みが開け、登り切ったところに米町公園がある。灯台スタイルの展望台からは新旧の市街地と釧路港が一望できる。展望台下には元海産物問屋田村邸の商家を転用した米町ふるさと館があり、現存する市内最古の商家建築だという。ここには喫茶室もあるので散策の休憩にいい。この米町には全部で23もの啄木の歌碑が点在し、これをめぐる石川啄木文学コースを歩くと彼の足跡をおおかたたどれるようになっている。事前にMOO内などの観光案内所で地図付のパンフレットを入手してからいくのがいいだろう。

● 釧路市立博物館(釧路湿原の秘密を知るならここに来るべし)
  春採湖の高台にそそり立つSF的な建築の釧路市立博物館。釧路の大地や生物を中心にした自然史博物館で、奇抜な外観同様、その斬新な展示方法が目を引く。サウンドスケープ(立体環境音楽)のBGMが館内に流れ、半円形の展示室とらせん階段を組み合わせて4階まで上っていく仕組みで、展示よりも建物構造につい目がいってしまう。やはり釧路の博物館らしく湿原のメカニズムについての展示が多く、ミズゴケ湿原やヨシスゲ湿原など、繁茂する植物のタイプの違いを湿原の断面標本で見せている。面白いのが、かつて釧路碕灯台に設置されていたという釧路名物の霧笛の実物。石油エンジンで空気を圧搾してならす巨大なラッパは迫力もの。やっぱり博物館は実物展示じゃなきゃ、と思わせる展示品だ。もう一つ焼き玉エンジン(懐かしい)が、1993年1月15日に地震と翌年10月4日の北海道道東沖地震の2つで揺れて台座からずれた部分をそのまま見せているのが興味深い。4階の休憩室から見る春採湖と太平洋の展望も素晴らしく、これだけでも入館の価値がある。

● 炭坑展示館(石炭を掘る!ストレートでユニークな博物館)
  釧路は北海道で唯一本格的な炭坑が操業している街。春採湖東側の湖岸にある大きなボタ山も見え、石炭を運ぶ臨港鉄道の線路や巨大ベルトコンベアーなど太平洋炭坑釧路砿業所の施設がいたるところにある。一歩踏み込めば今も現役の炭坑町の姿を見ることができる。炭坑展示館では毎年220万t余りも出炭する太平洋炭坑の様子を知ることができる。特に地下に設けられた体験抗道で実際に使われているSD切羽という大型機械がガラガラと作動する様子は迫力満点。実際に炭坑で働いていた館員の説明も面白く、興味が尽きない。帰りには発電用の真っ黒けの石炭をお土産にもらっていこう。

※ 歩き方のポイント
  次はいよいよ釧路湿原。広大なる湿原を眺めるポイントは何カ所か有るが、JR釧網本線を利用するなら、細岡展望台(釧路湿原駅下車。5〜11月のみ停車)、コッタロ湿原展望台(塘路駅下車)、シラルトロ湖(茅沼下車)など。一方、湿原の西側は釧路市湿原展望台、音根内ビジターセンター、敦井保養センターなど。いずれも釧路駅から阿寒バス鶴居方面行きで20分〜1時間5分だ。

● 釧路湿原(太古の記憶を秘めた日本最大の湿原)
  釧路市街地のすぐ北側から広がる湿原は昭和62年(1987)に28番目の国立公園に指定された。その後日本で最初のラムサール条約の登録湿地になると、にわかに釧路湿原の貴重さが叫ばれはじめたが、それ以前は人々にとっては水はけの悪い役立たず低湿地だった。このことを思うと人間の勝手さが見えてくるが、ともあれ私たちはこの周囲150kmに渡る素晴らしい大湿原が全面的に開発されなかったことを感謝すべきだろう。●●たる大湿原を見渡すために周囲の丘陵にはいくつかの展望台が設けられている。最もポピュラーなのが釧路市湿原展望台で、道道釧路・弟子屈線の高台にあり観光バスツアーが集まるドライブイン的な有料展望台だ。ただ展望室は快適だが湿原は少し遠くに見える。なるべくなら周辺にめぐらされた1.5kmの木道を歩き、自然を間近に感じてみよう。またここから北方に約4km続く旧鶴居村栄軌道跡の遊歩道を行くと、途中にヤチボウズというスゲ類のカブが密集して湿原からこぶのように立ち上がる独特の植物群落を見ることができる。遊歩道はやがて雑木林の傍の温根内ビジターセンターに到達する。このビジターセンターは設備的には簡素だが、訪れる人が比較的少なく、係員とゆっくり話ができる穴場的な場所になっている。運がよければエゾジカに出会えるかも。釧路湿原の東側でおすすめなのが細岡展望台。JR釧網本線釧路湿原駅から400mほどあるいたところにある丘の上の展望台で、別名”大観望”といわれるほど砿展望が開けている。天気がよければ雄阿寒と雌阿寒の連山が一列に姿を見せ、啄木の「神のごと 遠く姿をあらはせる 阿寒の山の雪のあけぼの」という歌を思い出させてくれる。展望台から砂利道を下ったところにはロッジ風の細岡ビジターズラウンジがあり、喫茶コーナーでくつろぐことができる。ここ2階のデッキから見る湿原の夕景は圧巻だ。さて、ここまでの展望スポットは割合行きやすい場所にあるが、湿原に深く分け入ったところにもある。釧路湿原の北部には”岬”と呼ばれる半島状の丘がいくつか迫りだしているが、その中の一つにコッタロ湿原展望台がある。塘路と久著呂を結ぶ湿原横断道路沿いに3つの展望台があり、ここから見るコッタロ川沿いの低層湿地はまさに原始の姿をとどめている。ただしここは塘路駅からの交通機関は一切なし、車か徒歩しかない。

● 塘路湖(カヌーの基地は大昔の海の跡)
  釧路湿原の東側にいくつもの湖が並んでいるがこれはかつての入り江が海岸の後退で取り残された海湖跡。その中でも最も大きい塘路湖には、クロイサザアミという海に棲むアミの一種が今でも取りのこされて生息している。この塘路湖の奥には山に囲まれて静かな湖面を見せており、今では釧路川のカヌーツーリングの基地になっていて、夏の休日になると湖畔のカヌーステーションから細岡まで下るカヌーが列をなすこともある。湖畔には明治時代に流刑者を拘禁した北海道集治監釧路分館の建物を移築した標茶町郷土館があるが、ここはもう昆虫館と呼んでもいいほど釧路湿原にいるおびただしい種類の昆虫を収集展示している。

● 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ(あの丹頂鶴を間近に見る)
  乱獲で明治末期に一度絶滅したといわれた特別天然記念物の丹頂鶴。やがて大正13年(1924)に約20羽が生息しているのがわかり、以後官民上げての保護が続き1993年には611羽を数えるまでになった。ここは長年鶴に給餌活動を続けてきた伊藤良孝さんが提供した13haの土地に集まる丹頂鶴の聖域。毎年山野に餌が乏しくなる10〜3月まで1日1回、14時に伊藤さんが餌を撒いている。近くには日本野鳥の会が運営する小さなネイチャーセンターがありボランティアの係員が丹頂鶴の生態を解説してくれる。曰く「伊藤さんは30年以上もまったく同じコースで餌を撒いているが、こうしないと鶴の仲間でケンカが起きる」とか。手作りの施設だけにアットホームな雰囲気がいい。

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