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【オリバト+】コミュの【読者参加型】★ OSB AC V/S ★【TRPG】

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※トピ立ての許可をはるやさんより頂いております。
※このトピにはFREAK以外、書き込まないでください。



この企画はTRPGのように、読者が主人公となって行動等を選択していくことによって進行する、読者参加型ストーリーです。

プレイヤーとなった読者はmixiのメッセージ機能を使って、書き手のFREAKに行動を指定し、それをFREAKが物語として書き起こします。

物語の全てはプレイヤーの選択次第となります。


舞台は現代。
自由の国、ライス合衆国。
娯楽と犯罪に満ちた大都市、【リバトー・シティ】からスタートします。

希望輝く(希望が輝くのはその対義が蔓延していることが条件です)、暴力的な社会。
ファンクでクレイジーな生活にご興味のある方は、URLをクリックしてください。

http://www.geocities.jp/yuu1247/ACVStop.htm


※携帯からでは見れません。興味のある方はFREAKにメッセージお願いします。ただし携帯から見るにはそこそこのデータ量となりますので、覚悟してください。

※このゲームはセッション(一回のゲーム)を繰り返してシナリオを進めていくものです。予め、数回以上の開催が予定されています。

※一話ごとに登場するキャラクターを人数制限させて頂きます。ゲームの円滑な進行のためですので、ご了承ください。

AC V/S キャラ別まとめコミュ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=5246856

コメント(538)

敵 : ???
目的:
会合が終わるのを待て。

行動力: 30

ターン制限: ???

※ミッションへの参加は自由。会談のあるバーに入ることが出来るのは四人のみ。


【行動指定してください】

・屋内

●エイプリル

いよいよ会合の場に辿り着いた。
お前のポケットの中のキャンディを握る。

(アンジェリカ、ありがとう。『死なないこと』か・・・)

「これだと何しに来たのか分からないね…」

チェリーのぼやきを聞きながら、お前はまず、扉に注目する。
扉はいたって普通の、木製のものだ。外からはノブを回し、押して入る。鍵はついているが、今は掛けられていない。
扉と天井の間には硝子が嵌め込まれている。お前やチェリーの身長では難しいだろうが、アディやジャックなら、工夫すれば中の様子を窺うことが出来そうだ。

(扉内で何かあったら、飛び込むのは俺やアディのようなパワー型のスタンド使いの役目だろう。
最前線に立って、護衛対象や司令塔を守るのが今回の俺の役目だ。
死ぬことが仕事・・・とまでは思ってはいないけど・・・でも・・・)

お前は頭を振る。
今は、このことをこれ以上考えるべきではない。そう思いなおす。

「アディとロン毛は扉前で待機、何かあったら踏み込んでいいと思うよ、そういう役割だから」

チェリーがそう言った。
そして。

「ねえ、エイプリル、ちょっくらここを探検してみない?」

彼女はお前の背中を叩いて、悪戯っぽい笑みで言った。


●ジャック

お前はメモにペンを走らせる。
バーの内部の説明、自身の電話番号等。
書き終えると、それを『ジャッカス』に持たせた。

「旦那、ちょっと背中借りるよ」

そう言い、仁王立ちしているアディの背中の扉を開け、部屋の中へと飛ばす。
部屋の中には、クレアラシルとアンジェリカがいた。
お前の心象的にはどちらかといえばクレアラシルにメモを託したいところだったが、生憎、彼は豪華なベッドで寝息を立てている。
仕方なく、ソファーで休んでいるアンジェリカへと、スタンドを飛ばした。
アンジェリカは先だって、スターバッカスでお前のスタンドを見ている。少し怪訝な表情を浮かべながらも、メモを受け取った。

「アディとロン毛は扉前で待機、何かあったら踏み込んでいいと思うよ、そういう役割だから」

お前とアディの後ろで、チェリーがそう言った。
そして。

「ねえ、エイプリル、ちょっくらここを探検してみない?」

彼女はエイプリルにそう提案していた。


●アディ

お前はドアの前で仁王立ちに立つ。
いざという時は身を挺してチェリーを守る。そう決意しながら。
当のチェリーは「これだと何しに来たのか分からないね…」、「卵ちん、大暴れしないかな?」などと落ち着きなく、ぼやいていた。

「旦那、ちょっと背中借りるよ」

ジャックが言い、お前の背中にとりつけられたチェリーのスタンド、その扉を開く。

「アディとロン毛は扉前で待機、何かあったら踏み込んでいいと思うよ、そういう役割だから」

ジャックが何やら忙しなくしている中、チェリーが言った。
お前は頷く。

「ねえ、エイプリル、ちょっくらここを探検してみない?」

彼女はエイプリルをそう言って、誘った。


●チェリー

まさか分断されるとは思っていなかった。

「これだと何しに来たのか分からないね…」

護衛できない以前に、待機というのが単につまらない。
お前はそう感じながら、想像力を働かせる。
推察するのは、まずドアの向こう。
外観とフロアの広さを比べ、この先にどれくらいのスペースがあるかを想像する。
はっきりとはしないが、おそらく大部屋サイズの部屋が一つかそれくらいだろう。耳を澄ませると、内容は全く読み取れないものの、何か話しているのが聞こえる。
次に、このフロアの部屋数。通ってきた廊下にはドアは一つもなかった。VIP席のあったスペースには一つ、二つのドアがあったのを記憶している。スタッフルームだろうか。
見た限り、上に上がる階段はなかったが、建物の高さからしてもう一つフロアか、屋根裏があってもおかしくないだろう。

「卵ちん、大暴れしないかな? 」

早くも痺れを切らし始めている。
お前はアディとジャックに向けて言う。

「アディとロン毛は扉前で待機、何かあったら踏み込んでいいと思うよ、そういう役割だから」

扉付きのアディと、長射程スタンドのジャックを残していけば、連携が取りやすい。

「ねえ、エイプリル、ちょっくらここを探検してみない?」

お前はエイプリルへと笑いかけた。
・屋外

●アンジェリカ

お前は車のドアを開け、乗り込んだ。と、クレアラシルも同じ行動をとっていた。

「ちょっと休憩させてもらうよ」

彼は言葉通りの少々疲れた笑みを浮かべ、車の天井に取り付けられた扉から中に入った。
お前も無言で中に入る。
室内は豪華なホテルルームのような部屋だ。クレアラシルはベッドに潜り込み、早くも寝息を立てている。
お前は室内を見回し、溜息を吐いた。ベッドは一つしかない。
仕方がなく、ソファに身を沈める。そしてチェリーに、スタンドの部屋の中にいることをメールで伝えようとした。
すると。
部屋にあるいくつかの扉の一つが開く。そして、そこから奇妙な仮面に手足を生やしたようなものが飛来してきた。スタンド。ジャックのものだ。
スタンドはその手にメモを持っており、お前に差し出す。

「・・・・・・・・・」

お前は少し怪訝に思いながらも、メモを受け取った。


●ニキル

「ちょっと店の裏の方を見てくるよ」

ベボはそう言うと、店の脇の路地へと入っていった。
お前は先程の、アイの武器の貸し出しが気になっている。
使う場面がないにこしたことはないが、重火器があるなら持っているに越したことはない。
適材適所。

「なあ、さっきの武器の話なんだが・・・」
「うん」

彼女は辺りを見回す。武器の受け渡しをロテリアに見られることを警戒したのだろう。
お前も周囲の様子を確認する。
看板工事は続いているようだ。数名の作業員たちが働いている。しばらく彼らの様子を窺っていたが、特にこちらを意識しているようなことはないようだった。
向かいの通りはケーキショップや靴屋などが並んでいる。――お前はあることに気づいた。
どの店も、従業員がいない。

「これ、武器なんだけど」

周囲の目に入らないように、アイがそれを差し出す。
ショットガンだった。


●クレアラシル

お前は車のドアを開く。
ちょうどアンジェリカも同じ行動をとっていた。

「ちょっと休憩させてもらうよ」

お前はそう言い、車の天井につけられた扉へと入る。
部屋の中は豪華な作りで、ホテルのスイートルームのようだった。
お前はさっさと靴を脱ぎ、ベッドに飛び込む。

(少し君のベッドを借りるよ)

そう思いながら、お前は就寝につく。
質の良いベッドはすぐにお前を眠りの世界へと導いていった。


●アイ

小休止。
お前は何事も無く、騒動もなく、誰も傷つかないことを仏さまに祈りりながら、車のすぐ脇に寄りかかる。

「なあ、さっきの武器の話なんだが・・・」

話しかけてきたのはニキルだった。

「うん」

お前は答える。
周囲を窺う。ロテリアの人たちには目撃されないように、慎重に、冷静に。
人の目が向けられていないことを確認して、お前はショットガンを差し出した。

「これ、武器なんだけど」


●ベボ

「ちょっと、店の裏の方を見てくるよ」

お前はメンバーに向かってそう言うと、そそくさと店の脇を抜けていった。
路地は一人、二人が通ることが出来る程度の広さだ。
裏手にさしかかる前で、話し声が聞こえた。
お前は足音を殺して近づき、裏手の様子を探る。
話し声からしてどうやら数名がいるようだった。内容は笑い声混じりの他愛ないもので、声の主たちの正体の手がかりにもならなかった。
さらに話しを傍聴し続けるか、物陰から顔を出してみるか、お前は考える。
・屋内

●ジャック

ガムを一枚取り出し、口に含む。
チェリーの部屋の中では、メモに目を通したアンジェリカがメールを打ち始めた。おそらく内容をメンバーに伝えているのだろう。
今は特にジャッカスに用事はないようだ。お前はスタンドを戻すことにする。

「アディ、おんぶ」

お前の目の前では、チェリーがアディの背に乗り、ドアの上の硝子窓から会合の場を覗き込んでいる。


●エイプリル

探検。
それは確かに面白そうな響きではある。しかし同時に司令塔であるチェリーを危険に晒しかねない状況は避けたいとも考えていた。

「探検というなら・・・あれの方が面白そうだよ? 」

お前は扉の上の格子部分を指差す。
中の様子を確認すれば、自分たちにより的確な指示が期待できる。
任務最優先、チームが成り上がることが最優先である。

「アディ、おんぶ」

チェリーはアディの背に乗り、部屋の中を覗き込む。
お前は扉のなるべく近く、中の音が聞こえそうな位置で待機した。
微かに話し声が聞こえる。さらに耳を澄ませれば、聞き取れるかもしれない。


●アディ

お前は感覚を研ぎ澄まし、周りを警戒しながら、なお仁王立ちし続けた。

「探検というなら・・・あれの方が面白そうだよ? 」

エイプリルが扉の上の格子部分を指差す。
そこには硝子窓が張られている。あそこからなら中の様子が見られそうだ。

「アディ、おんぶ」

チェリーが言う。お前は言われるがままに膝を曲げた。
彼女はお前の背に乗り、その肩に足を掛けて、中を覗き込んだ。


●チェリー

どうやら扉の先で話し合いがされているようだ。
すぐに騒ぎにならない辺り、相手も約束通り一人でいたのだろうか。

「探検というなら・・・あれの方が面白そうだよ? 」

エイプリルが指差す場所を見る。
扉の上方、その場所には硝子が嵌め込まれていた。あそこからなら中の様子が見られそうだ。

「アディ、おんぶ」

アディは膝を曲げ、お前が背に乗れるようにする。
背に乗ると、その肩に足を掛ける。それでなんとか、中を覗き込むことが出来た。
部屋の中にはマフィンと、もう一人、男がいる。あれがゼッピンだろう。
思ったほど広くはない、普通の部屋だった。四方六、七メートルといったところだろうか。
部屋の中央にはテーブルがあり、他には本棚やワインセラーなどが見受けられる。
二人は机の前に横に並んで立っている。机には何か書類のようなものが置かれていた。協議の契約書だろうか。
微かに話し声が聞こえる。耳を澄ませれば聞き取れるかもしれない。
・屋外

●クレアラシル

お前は布団の中で寝息を立てている。

「ぷ…プレゼント…渡さないと……」

寝言だった。


●アンジェリカ

メモを見る。
内容はこうだった。

『
ジャックだ。わかる範囲でロテリアの人間の配置を伝える。

1Fはバーになっている。奥に階段があり、その前に一人。

次に2FはVIPのフロアになっている。奥に続く廊下があり、その入り口に一人。
その廊下が奥でL字になっている。曲がったところに部屋があり、その部屋の前に一人。

今はその部屋でゼッピンとマフィンさんが1対1で会談中だ。


俺の電話番号を書いておく。
XXX-XXXX-XXXX

何か渡してほしいものがあればコイツに渡してくれ。
伝えたいことはコイツに直接話すなりメモを渡すなりしてくれ。

何があるかわからねぇ…気を付けろよ。
』

その間にニキルが部屋に入ってきて、何やら彼自身の荷物を漁り始めた。
お前は無視して、メモの内容を携帯のメールで打ち込む。
メンバーたちに伝えるためだ。
携帯を持っていない者もいるだろうから、「近くにいる携帯を持たない仲間にも伝えて欲しい」と付け加えて、お前は内容を打ち込み終えた。
しかしお前は、はたと気づく。
番号はエド、クレアラシル、ニキル以外は知っている。
しかし、アドレスを知っているのはエイプリルだけだった。そして、彼は今、建物の中にいる。

(メールじゃ無理ね・・・)

となれば電話で伝えるか、直接伝えるかである。
クレアラシルは未だに眠っている。ニキルであれば、部屋内にいるが。


●ベボ

「ここは敵地のど真ん中・・・迂闊な行動は出来ないな・・・」

お前は身を潜めながら、そっと聞き耳を立てる。

「日が変わる前までには家に帰りたいもんだな」

会話が聞こえた。

「上手くいけば明日はパーティを楽しめるだろうよ。上手くいけばな」
「実際、どうなんだろうな。本当に成功するのか? 」
「コミッションが総力を結集するんだ。不可能なことなんてないだろう」

扉の開く音が聞こえた。
おそらく裏口だ。

「おい、そろそろだ」
「そうか・・・」
「生き延びたいもんだな」

笑い声混じりに声の主たち(声色からして、三人か)は建物の中に入っていく。
そして、ばたん、と閉ざす音が聞こえた。


●ニキル

これはいいものを借りられた。

「ありがとう。有効に使わせてもらうよ」
「うん」

彼女はさりげない手つきで、お前に何かを渡してきた。
一瞥した限り、どうやら銃弾らしい。
いいものではあるが、如何せん大きい。手にしたまま付近をうろついていれば、確実に狙われるだろう。あまり好戦的でもなければ裏街道に詳しい方でもなさそうな彼女がどうやってこれを手に入れたのか知らないが、彼女の様子から察するに、よそのマフィア、ひょっとしたらロテリアの人間から奪った可能性は大いにありうる。

(一応、チェックしてみるか・・・)

お前は車に乗り込むと、天井に取り付けられた扉から、チェリーのスタンドの内部に入る。
部屋の中は、豪華なホテルの一室のようだった。
ベッドでは誰かが寝ており、ソファーにはアンジェリカが身を沈めている。
お前はアイから受け取ったショットガンをチェックする。
銃は台座などが木で作られたもので、ポンプ式だ。引き金を引く度にポンピングして弾丸を装填する必要がある。アイから受け取った弾は六発。なお今のところ銃には弾は装填されていない。


●アイ

「ありがとう。有効に使わせてもらうよ」
「うん」

お前はそう返事をすると共に、手持ちの弾丸を全て渡した。
目立たないように、さりげない手渡しで。
彼は受け取ると、車の中に入る。
お前も運転席へと回り、車に乗り込んだ。何かあった場合、いつでも走らせられるように、サイドブレーキをかけたままエンジンをかけておく。
そして、一息ついた。
有事に備えて、気力体力を温存させておこう、とお前は休息する。


●エド

(外で待たされるのでは、罠も何もあったものじゃない・・・)

お前は少々がっかりしたが、しかし自分から動くことも面倒に思い、待機した。
辺りに使えそうな影がないかを探してみる。
ゆらゆらと揺れている影がある。見上げると、大きな看板がクレーンに吊られていた。
他にも『クチーナ・ディ・サングエ』の建物沿いの歩道、車道を挟んだ向かいの歩道には建物による影が多くある。
しかし基本的にどれもお前自身の体躯よりも大きい影である。
能力の使いどころを考える必要がある。
・屋内

●アディ

むっちりとあたるチェリーの太ももを感じながら、それを悟られないよう、いつも以上にシリアスな表情でお前は尋ねる。

「チェリー、中はどうなっている? 」

彼女は返事をせず、お前の背から降りた。
そして、背中についている扉を開く。そのまま、中に入っていった。


●チェリー

アディの背に乗ったまま、お前はスタンドを使用する。
会話しているマフィンとゼッピンの間にあるテーブルの裏に、『扉』をセットする。

「チェリー、中はどうなっている? 」

アディが尋ねてきた。いつになく真剣な声である。
お前は返答せず、彼の背から降りた。
そして、その背にある『扉』を開く。中へと入った。

「チェリー」

中にはアンジェリカ、ニキル、そしてクレアラシルがいた。

「皆、静かにしてて。今、会合の部屋に扉を繋いでいるから」

お前はそう言うと、件の部屋へと繋がる『扉』へと近寄り、耳を澄ませる。
話し声は聞こえるものの、内容までは聞き取れない。
お前は意を決し、微かに扉を開く。
声がはっきりと聞こえる。
お前はそのまま、傍聴する。


●エイプリル

部屋の中の声に聞き耳を立てる。

「チェリー、中はどうなってる」

アディが言った。
しかしチェリーは答えず、何故か彼の背から降り、そのままアディの背に取り付けられた扉の中に入っていった。
お前は扉に耳をつけて、会話を盗聴する。
何かあった時にはすぐに飛び込めるようにしておきたかった。


●ジャック

(おいおい・・・部屋の中でくつろいでやがったよ。緊張感ゼロか・・・)

振り返る。
そこにはアディの肩に足をかけているチェリーの姿がある。

(まあ、これはこれで緊張感ゼロか)

「チェリー、中はどうなってる? 」

彼らの行動はとりあえず気にせず、お前は『ジャッカス』を出現させる。
そして、それを一階へと飛ばした。

(とりあえず俺は俺に出来る仕事をやっておくか・・・)

一階の状況を把握する。
お前たちが昇ってきた階段の下には、来たときと同じくロテリアの男が一人立っている。バーのフロアにはそれ以外に人影はない。
しかし、お前はバーの奥に扉が一つあるのを見つけた。
・屋外

●アイ

お前はいざというときのために身体を休める。
が、頭の中では万が一の有事に備え、車をどう走らせるかなど、逃走経路を考慮する。

(その場合の目的地はスターバッカスが妥当・・・かな)

或いは、アジト。
或いは、ファミリー本拠地。
ケースバイケース。
どこに走るにせよ、頭の中でよりよいルートを考えておくのは悪くない。
追っ手を撒くには、可能な限りのスピードで安全に走るには、など。

「ん・・・・・・」

そんなことを計算している自分は、まるでタイ人らしくないことに気づく。
少し可笑しかった。
異国で過ごしている内に、少しずつ変化があるのだろうか。自分にも。


●エド

(なんだか嫌な予感がするな・・・)

お前は何かを感じ取る。
少し身構えながらも、休憩のために待機する。
ただし、いつでも迎撃ができるよう、他からは見えない位置でそっとナイフの柄を握った。


●ニキル

ショットガンに弾を込める。
残りの弾丸はスーツのポケットにしまっておく。
ハンドガンはギャングスタイルで腰の辺りへ差しておく事にした。

(スタンドを中の人間に渡さないとな)

この部屋はチェリーの能力で設置された扉の中、とすれば、おそらくアディの背中にも通じているはず。
お前はそう推理する。
そこへ、アンジェリカが声を掛けてきた。

「ジャックから伝言よ」

彼女はそう言い、メモを渡してきた。

「それと、携帯を持ってるならアドレスを――」

彼女がそう言いかけたとき、数ある扉の一つが開いた。
来訪者は、チェリーだ。

「チェリー」

お前は言った。

「皆、静かにしてて。今、会合の部屋に扉を繋いでいるから」

チェリーは人差し指を唇の前で立て、言う。
部屋に緊張感が走る。
チェリーは扉の一つに近づき、耳を当てる。そうしてから、小さく扉を開いた。


●クレアラシル

「皆、静かにしてて。今、会合の部屋に扉を繋いでいるから」

その声で、お前は目を覚ました。
寝ぼけ眼で周囲を確認する。
部屋にいるのは目覚ましの声の主、チェリー、それからアンジェリカ、ニキルだ。


●アンジェリカ

ニキルは装備を整えている。
ショットガンに、ハンドガン。随分と重装備だ。
彼が一段落ついたのを見計らい、お前は声をかける。ジャックからの伝言と、アドレスを聞くことが目的だった。

「ジャックから伝言よ」

お前はジャックからのメモをニキルへと渡す。

「それと、携帯を持ってるならアドレスを――」

お前がそう言いかけたとき、数ある扉の一つが開いた。
来訪者は、チェリーだ。

「チェリー」

ニキルが言った。
チェリーは静かに、と言う。

「今、会合の部屋に扉を繋いでいるから」

彼女は別の扉の前まで行くと、そこに耳を当てた。
やがてその扉を小さく開く。
薄明かりと、会話らしき声が部屋へと差し込んだ。


●ベボ

お前は壁から顔を出す。
裏口付近には誰もいなくなった。
それを確認して、裏口の扉へと近づいてみる。
周囲を見回す。
背の高い(といっても三階、四階程度ではある)建物が密集しているせいで、ただでさえ薄暗い空の光が殆ど届かない。
それで主なる光源は裏口の前に取り付けられたカンテラであることに気づいた。
辺りは入り組んではいるが、通り抜けるには苦労しない。一人であれば走りぬけることも出来るだろう。ただし狭いので、路地を出た先がどこへ繋がっているのかは確認し難い。

「とりあえず、人気のない場所を探さないと・・・・・・」

お前はそう呟いた。
「――こちらの出し物は以上よ。さて」

マフィン・エッガーは腕時計を見る。

「世間話のネタも尽きたことだし、そろそろ契約を結びましょう」
「そうだな。では、そうしよう」

ゼッピン・ポモドロはペンを握った。

「ところで」

ゼッピンは言う。

「先日のフィレオ翁の死・・・、あれは結局、何だったんだ? 君らの内での制裁か? 」
「その質問に答える義務はあるのかしら」
「いいや、ないよ。ついでに言えば組織としての意図もない。俺一人の、単純な好奇心さ」
「じゃあ、気にしないで、とだけ言っておくわ」
「Si.」

彼が薄く笑ったそのとき、部屋に電話の着信が鳴り響いた。
目を細めるマフィンに、ゼッピンは大げさに肩をすくめ、自身の携帯を耳に当てる。

「俺だ。ん、ああ、そうか。わかった」

ゼッピンは何気ない仕草で腕を上げる。
ぶつ。
小さいが重い、独特の音が鳴った。電話の音と比べて、滑稽なほど、小さく。
上げられたゼッピンの手には先のよく尖ったペンが握られている。
そして、そのペンは、マフィンの喉へと刺さっていた。
マフィンは目を見開く。何か信じられない光景でも見るかのように。それはその通りで、彼にとっては信じられない光景であった。

「あー、今、終わった。後は頼む」

通話しながら、ゼッピンはペンをぐりぐりとマフィンの肥えた喉肉へと押し込んでいく。
ごぼ、と血と泡を口から零して、ようやくマフィンはその手でゼッピンの腕を掴もうとした。
が、手が触れる直前で、ゼッピンはペンを離して後ろに下がった。

「ご、ごな」

マフィンは血を吐きながら口を動かす。しかしその喉にはペンが突き立てられている。
どんな疑問も罵りも呪詛も、言葉を成さない。

「こんなことをしてどうなると思っているのか、だろ」

ゼッピンは笑い、煙草へと火を灯した。

「これは俺の単純な意図じゃない。組織の意図でもない。言ってみれば、リバトーの意図さ。――安心しろ、死ぬのはお前一人じゃない。『マクド・ファミリーの壊滅』――それが、コミッションの総意だ」

マフィンは重い音を立てて、倒れた。
口からごぼごぼと血を吐いている他は、何もしない。もはや事切れていた。

「さて。ちょいと早いがクリスマス・パーティーの始まりだな」

ゼッピンは、はは、と笑い、煙草を吹かす。
そして、部屋の奥、本棚のすぐ隣に隠されていた引き戸の奥へと姿を消した。
・屋内

アディとジャック、エイプリルは部屋の中から重い音がするのを聞いた。
何かが倒れた音。それも、『中身をよく詰まった何か』が倒れる音。
と、今度は足音が下の階から聞こえた。
数はわからない。とにかく、大勢の足音だった。
足音が階段を上ってくるのが聞こえる。

「なんだ? 」
「・・・一階の奥の扉にいっぱい隠れてやがった」
「どういうこと? 」

ジャックの呟きにエイプリルが尋ねる。
ジャックは一階にスタンドを飛ばしていた。

「十人以上のロテリアがこっちに向かってきてやがるんだよ! 」

どうやら何かが起きているらしい。
お前たちは行動を決めなくてはならない。
・屋外

「・・・・・・? 」

アイはもたれていたハンドルから顔を上げた。
前に停められた車。マフィンたちの乗っていた物だ。
それが、走り出していた。
お前たちを気に留める様子もなくそれは、遠くなり、角を曲がって姿を消した。
ウィンドウが叩かれる。
アイは驚いて飛びのく。
エドだった。

「どうなってるの? 」
「・・・わからない」

アイはそう返事する。と、エドは信じられないものでも見たような顔で見上げた。
アイは疑問符を浮かべ、エドの視線を追う。
そして、同じ表情になった。
クチーナ・ディ・サングエを挟むようにして行われていた看板工事。
吊り下げられていた大型の看板が下りてきていた。
それは、アスファルトを叩くまで下げられる。
お前たちのいる道路を、区切るように。
看板のサイズはまさしく、丁度に道路を塞いでいた。

「・・・どうなってるの? 」
「・・・わからない」

お前たちは狼狽し、周囲を見渡す。
そして再び、あの表情になった。
道路を挟んだ向かいの、商店たち。
そこから、赤いハットとコートに身を包んだ男たちが現れる。
ロテリアたちは、携えた銃を構えようとしていた。
敵 : ロテリア(数は不明)
目的:
リトル・シチリアを脱出せよ。(町の唯一の出入り口は石橋である)

行動力: 30

ターン制限: ???


【行動指定してください】

●チェリー

お前は唇を噛む。
現場にいながらみすみす護衛対象を殺されたのはこれで二回目、しかも立て続けにだ。
フィレオの時は組織の意向だったとはいえ、今回も介入できずに流されるままになっているのが悔しい。
とにかく、このまま敵地にいる訳にはいかない。

「クレアラシル、そっちの車に繋がる扉から外の連中に呼びかけてこの部屋に集めて。ニキル、アンジェリカ、そっちの扉からスターバッカスへ、先行して敵の姿が無いか確認お願い」

まず『部屋』の中にいる人間に指示を出す。
そしてアディの背につけた『扉』から外に出る。

「玉子ちんが殺された。どうやら罠にはめられたみたい。とにかく敵地のど真ん中なんて危険地帯から早く撤退しなきゃ」
「おいおい、マジかよ」

アディが舌打ちをする。

「割と時間はないみたいだぜ。下からわんさか湧いてきやがった」

ジャックは噛んでいたガムを吐き捨てると、煙草に火をつける。

「とりあえず廊下の角に、スタンドで足止めを張った。なんかするなら今のうちだぜ」
「エイプリルは? 」

その場には姿がない。

「部屋の中だ」

アディが言う。
お前は、その彼へとガスライターを二つ渡す。
彼は肩をすくめた。これで?

「ロン毛はエイプリルのところへ行って、玉子ちんの死体を回収して。――やられっぱなしなんて悔しいからさ、これを大きくして店を焼いてやるなんてのはどうかな?」

お前はアディへと言った。
廊下の角で怒声と悲鳴が上がる。
敵はすぐそこまで来ている。


●ジャック

お前は蝿のような執念で、素早く『ジャッカス』を二階廊下の、L字角へと飛ばした。
そして重力の結界を張る。

(とりあえず足止めは出来たな・・・)

アディの背中の扉が開き、中からチェリーが現れた。
何かが起こっているのは確実のようだ。

「玉子ちんが殺された。どうやら罠にはめられたみたい。とにかく敵地のど真ん中なんて危険地帯から早く撤退しなきゃ」
「おいおい、マジかよ」

アディが舌打ちをする。

「割と時間はないみたいだぜ。下からわんさか湧いてきやがった」

お前は噛んでいたガムを吐き捨て、スタンドで視た現在の状況を告げる。
煙草に火をつける。

「とりあえず廊下の角に、スタンドで足止めを張った。なんかするなら今のうちだぜ」
「エイプリルは? 」

その場には姿がない。

「部屋の中だ」

アディが言う。
チェリーはライターをアディへと渡し、言い放つ。

「ロン毛はエイプリルのところへ行って、玉子ちんの死体を回収して。――やられっぱなしなんて悔しいからさ、これを大きくして店を焼いてやるなんてのはどうかな?」


●ニキル

扉から離れた場所にいたお前には、何が起きているのかはわからない。

「クレアラシル、そっちの車に繋がる扉から外の連中に呼びかけてこの部屋に集めて。ニキル、アンジェリカ、そっちの扉からスターバッカスへ、先行して敵の姿が無いか確認お願い」

チェリーはそう言い残すと、扉のひとつから出て行った。
どうやら何かが起こったようだ。敵、ということは交渉が決裂したか何かして、ロテリアとの闘いになってしまったということだろう。
お前は持ち前の頭脳でそう推理する。
戦闘というのであれば、お前にも戦略がある。
チェリーの後を追えば、おそらくはバーの内部に出れるであろう。
後を追うか、チェリーに命じられた通りに動くか、お前は決めなければならない。


●クレアラシル

未だにお前はベッドの上にいる。
扉から離れているお前には、何が起きているのかはわからない。

「クレアラシル、そっちの車に繋がる扉から外の連中に呼びかけてこの部屋に集めて。ニキル、アンジェリカ、そっちの扉からスターバッカスへ、先行して敵の姿が無いか確認お願い」

チェリーはそう言い残すと、扉のひとつから出て行った。
何かが起こってしまったらしい。頭がさほどよくないお前も、それはわかった。
とにかくチェリーに命じられたままを行動する。
お前は入ってきた扉へと走った。
開けば、そこは車内だ。
お前が扉から顔を出した瞬間、全身が凄まじい振動に襲われた。
お前は車のシートへと投げ出された。


●アンジェリカ

扉から離れた場所にいたお前には何が起きたかはわからない。

「クレアラシル、そっちの車に繋がる扉から外の連中に呼びかけてこの部屋に集めて。ニキル、アンジェリカ、そっちの扉からスターバッカスへ、先行して敵の姿が無いか確認お願い」

チェリーはそう言い残すと、扉のひとつから出て行った。
とにかく、何かが起こってしまったらしい。
敵、というと、それはロテリアを指すのだろうか。
お前はチェリーが指した、スターバッカスに繋がる扉を見る。
●エド

「アイ!出して!」
「乗って! 」

お前とアイが叫んだのは同時だった。
車に飛び乗ると同時に車は走り出す。
そしてそれと同時に、通りの向こう側で、機関銃が火を噴いた。
車のボディに着弾する音が耳を劈く。
お前は自分の身体能力、スタンド能力ともに乱戦には向いていないことを知っている。
それだったらさっさと逃げてしまったほうがいい。

(他のメンバーもチェリーの能力で逃げられるだろうし・・・)

しかし車はお前の予想外の動きをした。
道路は封鎖されている。アイは、通りの向こうにいるロテリアたち目掛けて走り出した。
お前は彼女の正気を疑う。
突然、車の天井に取り付けられていた扉が開いた。
中からクレアラシルの顔が覗く。
そして、唐突の衝撃。
車が何かにぶつかったようだ。
お前は前の座席に身体を強かに打ち、息を詰まらせた。


●アイ

「乗って! 」
「アイ、出して! 」

お前たちが叫んだのは同時だった。
と更に同時に、スタンドを発言する。

「『ASHURA CLOCK』」

エドは車に飛び乗ったようだ。
お前は頭を低く下げて隠れつつ、スタンドに運転させる。
これなら視界も運転も確保できる。

「仏さま……いまからわたし、望まぬ殺生をするかも……しれません」

お前は心の中で合掌する。
ロテリアたちの構えた機関銃が火を噴く。車がけたたましく着弾音を鳴らした。
お前は、ハンドルを切り、そのロテリアたちを目掛けて車を走らせる。
車で跳ね飛ばすことを目的にして。
車が損傷してはいけないので、決して壁にぶつかることはないように―――

一人、二人を跳ね飛ばしたところでその努力は失敗した。
この状況下で、お前にはそれほど運転技術はない。
車はガス灯の柱へとぶつかり、お前はハンドルへと強かに頭をぶつけた。


●アディ

部屋の外で待機しているお前には、この状況が判断できない。
エイプリルは我先にと会談の行われていた部屋へと飛び込んだ。
お前が行動を思案している間に、背中の扉からチェリーが出てきた。
彼女は取次ぎ早に言う。

「玉子ちんが殺された。どうやら罠にはめられたみたい。とにかく敵地のど真ん中なんて危険地帯から早く撤退しなきゃ」
「おいおい、マジかよ」

お前は舌打ちをする。

「割と時間はないみたいだぜ。下からわんさか湧いてきやがった」

ジャックは噛んでいたガムを吐き捨て、煙草に火をつけた。

「とりあえず廊下の角に、スタンドで足止めを張った。なんかするなら今のうちだぜ」
「エイプリルは? 」
「部屋の中だ」

お前は言う。
チェリーがお前へと手を差し出した。
二つのガスライター。お前はそれを受け取る。

「ロン毛はエイプリルのところへ行って、玉子ちんの死体を回収して。――やられっぱなしなんて悔しいからさ、これを大きくして店を焼いてやるなんてのはどうかな?」
●エイプリル

異変を感じ、お前は部屋へと突入することを決意する。
ノブは呆気ないほどに軽く回り、お前は部屋へと飛び込む。
床には、マフィンが倒れている。
お前は死体かどうかも判別できない彼よりも、その場にゼッピンがいないことに注目した。

(マフィンを殺してどこかから逃げたのか? 逃げ道がどこかにあるというのか? )

お前は部屋内に隠し通路があると考え、捜索した。
壁伝いに部屋を回っていくと、それは簡単に見つかった。
キャピネットの隣。丁度、覗き窓からは見えない場所。
引き戸の取っ手があった。


●ベボ

お前は周囲に人気がないことを確認してから、建物と建物の隙間に身を潜める。

「とりあえず、これだけは確認しとかないとな・・・」

チェリーから預かったメモ。
ノドカ曰く、そこに書かれた二つの番号は困ったときの助けになるものらしい。
が、その内の一つ危険なものであるそうだ。
一時的には助けになる、危険なもの。
これについて、お前には一つの心当たりがある。
それはお前たちの宿敵である警察だ。
マフィア同士の抗争となれば警察沙汰は必須。
そして、内通者がいれば警察の動きはスムーズになる。
その隙に乗じて逃げる。
もしくは、敢えて捕まり命だけは拾う。
弱小のマクドファミリーが強大な力を持つ他組織から身を守る術としては、ありえなくはない話だ。
この推測が当たっているとすれば。
次の問題は、この番号が誰に繋がっているか、である。
それにも、お前は心当たりがある。
ツイスター警部。
何かと黒い噂が絶えないあの男なら、マフィアとのパイプを持っていても何もおかしくはない。
それに、彼なら有事の際でも手回しでうまく場を収めることが出来そうでもある。
が、ツイスター警部の介入はお前にしてみれば大問題だ。
だから、いざという事態が起こる前に確認しておく必要がある。
お前は、携帯を開き、アドレス帳にあるツイスター警部の電話番号と、メモに書かれた番号を見比べた。

「・・・・・・・・・・・・」

どちらの番号とも、警部の番号とは一致しなかった。
●ニキル

殲滅するわけじゃない。逃げるにせよ、奴らの注意をこちらに向けておく必要がある。最悪アジトが割れていても、自分の本拠地で火の手が上がればそれを無視するわけにも行くまい。
実に単純な話だ。
扉を出て、敵に向けショットガンをぶっ放す。その隙にスタンドを投げ込む。奴らが反撃すれば火だるまだ。いや、そうなる前にタバコでも投げてやってもいい。
退避はそれからでもいい。チェリーさえ死ななければ充分離脱できるはずだ。それだけに彼女は死なせてはいけない。唯一の生命線だ。

「やってやるよ、マカロニ野郎ども……」

お前は自身の決意を言葉にして、衝動を掻きたてた。
小さく息を吸い、そして、チェリーが出たばかりの扉を潜り抜けた。
アディの背中をくぐり、お前は室内へと飛び出る。
眼前の廊下、その突き当たり。
赤い服の男たちが見えた。
お前は奔り、照準がつけれる程度の距離まで接敵する。
そして手にしたショットガンを引き金を引いた。

「おらァ ! 」

何故か積み重なるようにして倒れていた男たちの何人かが悲鳴を上げた。
赤い飛沫が上がったのが見える。
お前は、勝機を見出し、自身のスタンドである『ディープ・ディッシュ』の鉄球を投擲した。
鉄球は男たちの下を転がる。


●チェリー

「とりあえず、一旦集合しよう」

お前はアディを背後の室内へと導く。
室内では、ジャックとエイプリルが室内を探索している。おそらく、お前が取り付けた『扉』を探しているのだろう。

「『扉』はテーブルの裏だよ。アディ、お願い」
「任せろ」

アディは、部屋の真ん中に陣取る大きなテーブルの端に手をかける。
かなりの重量がありそうなテーブルも彼の怪力によって持ち上がった、そのとき。
アディの背中から、ニキルが飛び出してきた。
突然のことで反応できないお前たちを他所に、彼は廊下の方へと向かう。
そして。

「おらァ ! 」

雄叫びと共に、手にしたショットガンを放った。
お前たちは言葉を失う。
が、アディがひっくり返したテーブルの音で、正気に返った。

「え、と・・・・。あたいたちは先に中に向かう。玉子ちんをお願い」

そう言うと、お前はとりあえず『扉』の中へと飛び込んだ。
『部屋』の中にはすでに、クレアラシルとアイ、エドが待機していた。


●アディ

「とりあえず、一旦集合しよう」

お前はチェリーの言葉に頷き、彼女の後を追って室内へと入った。
そこではジャックとエイプリルが何かを探している。
床には、マフィンが血を流して倒れていた。

「『扉』はテーブルの裏だよ。アディ、お願い」
「任せろ」

お前は彼女の意図を察知し、テーブルへと手をかける。
なかなかの重量であるが、お前の怪力であれば問題はない。
テーブルの足が持ち上がった。そのとき。
お前の背中が揺さぶられた。誰かが背中の扉から飛び出してきたのだろう。
しかし、お前にはチェリーの言葉が最優先である。

「おらァ ! 」

雄叫びと共に、重い銃声が響く。
と、殆ど同時に手にかかる重量が軽くなった。背後は気になるが、しかし、そのまま、一気にテーブルをひっくり返す。

「え、と・・・・。あたいたちは先に中に向かう。玉子ちんをお願い」

お前は扉に入る間際、振り返る。
廊下に向かい、ニキルが何かを投げつけていた。
部屋へと入ると、そこにはクレアラシルとアイ、エドが待機していた。
●ジャック

お前は部屋に入ると、エイプリルへと声を掛ける。

「おい、何やってんだ! 任務の内容を忘れたのか!? マフィンさんを運んで逃げるぞ。間違っても敵と向き合おうなんて思うなよ…お前もファミリーの一員なら無茶はするな…大切な仲間だからな」

(・・・って言っときゃ動くだろ)

お前は心の中で頬を掻く。
そして現実で、部屋を見回して状況を把握しようとした。
床にはマフィンが血を流して倒れている。

(……豚野郎……死んだのか?チェリーの奴が死体を回収しろって言ってたな…ってことはどこかにチェリーの扉があるはずだ…あるとすれば・・・)

「この部屋にチェリーが設置した扉があるはずだ。急いで探すぞ」
「ああ」

お前はエイプリルと共に室内を探索する。
そのとき、お前たちの背後からチェリーとアディがやって来た。

「『扉』はテーブルの裏だよ。アディ、お願い」
「任せろ」

アディは言われるがままに、テーブルの端に手をかける。
かなりの重量がありそうなテーブルも彼の怪力によって持ち上がった、そのとき。
アディの背中から、ニキルが飛び出してきた。
突然のことで反応できないお前たちを他所に、彼は廊下の方へと向かう。
そして。

「おらァ ! 」

雄叫びと共に、手にしたショットガンを放った。
お前たちは言葉を失う。
が、アディがひっくり返したテーブルの音で、正気に返った。

「おらァ ! 」

雄叫びと共に、手にしたショットガンを放った。
お前たちは言葉を失う。
が、アディがひっくり返したテーブルの音で、正気に返った。

「え、と・・・・。あたいたちは先に中に向かう。玉子ちんをお願い」

そう言うと、チェリーとアディは扉の中へと消えていった。

「・・・よし、中へと運ぶか」
「あ、ああ。それは俺に任せてくれ」

エイプリルはそう言うと、スタンドを使った。
小さな銀狼。ヴィジョンとは裏腹に、それは軽々とマフィンの身体を持ち上げた。


●エイプリル

「おい、何やってんだ!」

部屋に入ってきたのはジャックだった。
お前は隠し扉(というほどのモノでもないが)を閉めて、振り返る。

「任務の内容を忘れたのか!? マフィンさんを運んで逃げるぞ。間違っても敵と向き合おうなんて思うなよ…お前もファミリーの一員なら無茶はするな…大切な仲間だからな」

その言葉で、お前は冷静さを取り戻す。

(そうだ、ゼッピンを追うことが任務じゃない。それに『大切な仲間・・・』 。アンジェリカも言ってくれてたじゃないか。決して無理はしてはいけないと)

お前は頷く。
ジャックは軽く室内を見回し、「この部屋にチェリーが設置した扉があるはずだ。急いで探すぞ」と言った。

「ああ」

お前はもう一度、頷く。
ジャックと共に扉を探していると、室内に今度はチェリーとアディが入ってきた。

「『扉』はテーブルの裏だよ。アディ、お願い」
「任せろ」

アディは言われるがままに、テーブルの端に手をかける。
かなりの重量がありそうなテーブルも彼の怪力によって持ち上がる。
そのときだった。
アディの背中から、ニキルが飛び出してきた。
突然のことで反応できないお前たちを他所に、彼は廊下の方へと向かう。
そして。

「おらァ ! 」

雄叫びと共に、手にしたショットガンを放つ。
お前たちは言葉を失った。
が、アディがひっくり返したテーブルの音で、正気に返った。

「え、と・・・・。あたいたちは先に中に向かう。玉子ちんをお願い」

そう言うと、チェリーとアディは扉の中へと消えていった。

「・・・よし、中へと運ぶか」
「あ、ああ。それは俺に任せてくれ」

お前は気を取り直し、そう言うと、『バウンス』を発現する。
小さな銀狼。ヴィジョンとは裏腹に、それは軽々とマフィンの身体を持ち上げた。


●エド

(敵に突っ込みやがった!なんなんだこの女!バカじゃないのか!?)

シートに叩きつけられ息を詰まらせながら、お前は心の中でアイを罵る。
しかし今は彼女を糾弾している場合ではない。そんな余裕はない。
車の天井に取り付けられたチェリーの扉に逃げ込まなければ、お前がそう思考した途端、その身体は持ち上げられた。
クレアラシルの、牛頭を持つスタンドによって。
スタンドはお前とアイを抱えて、扉の中へと入る。
逃げ込んだ部屋の中は、豪奢な、ホテルの一室のような部屋だった。

「怪我はない? 手荒な真似してごめんね」

クレアラシルは気遣うような微笑で言った。
ちょうどそのとき、別の扉からチェリーとアディが部屋へと入ってきた。
●アイ

「エド、大丈夫!? 」

お前は声をかけて安否を確認する。
返事はなかったが、呻き声が聞こえた。生きてはいるようだ。
車は電柱へと突っ込んだがエンジンはまだ動いている。運転自体は不可能ではないかもしれない。
しかし、動く動かないに関わらず、いずれにせよ封鎖されている状況では、車での脱出は無理だろう。
お前がキーを外してバッグへ入れたそのとき。
身体が、持ち上げられた。
クレアラシルのスタンドによって。
彼はスタンドでお前と、エドを車の天井に取り付けられていた扉へと連れ込む。
お前の足元、扉が閉まる瞬間、けたたましい銃声が響いていた。

「怪我はない? 手荒な真似してごめんね」

クレアラシルはお前たちを下ろすと、気遣うような微笑で言った。
ちょうどそのとき、別の扉からチェリーとアディが部屋へと入ってきた。


●クレアラシル

お前は自分を落ち着かせ、体勢を立て直す。
そして、スタンドを呼び出した。
牛頭を持つ人型のスタンド、『パルシステム』。
その怪力で、車内のアイとエドの身体を有無を言わさず持ち上げる。
天井に取り付けられた扉へスタンドを移動させると、お前も急いで扉へと飛び込んだ。

「怪我はない? 手荒な真似してごめんね」

部屋の中。
お前は彼女らを下ろし、そう言う。
ちょうど、チェリーとアディが部屋の中へとやって来た。


●アンジェリカ

ニキルは身を翻すと、チェリーが向かった扉のほうへと行ってしまった。
お前は言われたとおり、スターバッカスの様子を確認しに向かう。
スターバッカスへと通じる扉のノブに手をかけ、お前は用心深く回した。
特に物音は聞こえない。
お前はゆっくりと扉を開く。
店内は相変わらず薄暗いままで、変わった様子はない――そう、お前が思った瞬間。
音が響いた。
お前は思わず身を竦ませる。
突然、店内の硝子が割れた。外から何かが投げ込まれたのだ。そして。
ぼう、という音と共にお前の視界が明るく、赤くなる。
投げ込まれたそれによって、店内は燃え始めた。


●ベボ

「取り越し苦労か…」

お前は安堵の溜め息を吐く。
そして、メモの番号を携帯に登録しておくことにした。

上の番号を『ピンチ1』。
下の番号を『ピンチ2』。


し終わり、お前はメモと携帯をズボンのポケットへとしまう。
このメモは他の誰かに渡してもいいだろう。

「さて、交渉はどうなったかなーっと」

お前が路地裏から出て店の裏口まで戻ってきた時だった。
ががががが、と凄まじい銃撃音が通りに響き渡った。
お前は慌てて、その辺りの物陰に隠れる。
そして、しまったばかりの携帯を取り出して、いつでもコールが出来るように構えておく。

「・・・・・・・・・・・・」

近辺には人の気配はしない。
お前は唾を飲み込むと。音がした方向へと移動を始めた。
●アイ

「チェリー!スタバに火を付けられたわ!」

アンジェリカが扉の一つを開き、叫んだ。
また、別の扉からニキルが駆け込んできた。
チェリーはそこにいるメンバーを確認して、そして、言った。

「背中に付けた扉が蜂の巣になってないってことは、カボチャくんは生存ってことで」

彼女はお前たちを見渡す。

「よし、スタバ側から抜けよう!
敵の本拠地で包囲網を破るよりは、空の店に火を放った奴を相手にする方がだんぜん手薄だと思う。
安全を保証できなくて申し訳無いんだけど、店が焼け落ちる前にみんなでなんとか退路を確保して欲しい。
あたいは、助っ人さんに連絡入れてみるからさ」

メンバーの何人かは返事をすると、チェリーの示した扉から出て行った。
お前は部屋を見回す。
この場所が、噂に聞くチェリーの『部屋』なのだろう。
現時点では唯一の逃げ場である。
車の外に、チームメンバーがいたかどうかを確認できなかったことが心残りだったが、とりあえずお前はクレアラシルを向いた。

「ありがと・・・・・・」

言いながら、タイ式に合掌の挨拶をする。
クレアラシルは笑顔で頷いてから、

「構わないよ。仲間だからね」

と言って、彼も扉から出て行った。
お前はその場に残り、念のためにいつもは威嚇専用と考えて空にしておいたハンドガンに弾丸をこめる。
周囲を見渡す。
今、部屋の中にいるのは電話をかけているチェリー、アディとジャック。そしてお前だけだ。
先ほどは咄嗟に「殺られる前に、殺る」といった行動をとった。そうしなければ、車が蜂の巣にされる危険があったと思ったからだが、しかし人を傷つけたことに対し、悔恨の棘が心を刺してくる。

(とにかく、ここは一息つきながら、周囲の状況を把握しよう)


●アンジェリカ

「チェリー!スタバに火を付けられたわ!」

お前はスタンドの扉を開け、チェリーに聞こえるよう叫んだ。
チェリーはそこにいるメンバーを確認して、そして、言った。

「背中に付けた扉が蜂の巣になってないってことは、カボチャくんは生存ってことで」

彼女はお前たちを見渡す。

「よし、スタバ側から抜けよう!
敵の本拠地で包囲網を破るよりは、空の店に火を放った奴を相手にする方がだんぜん手薄だと思う。
安全を保証できなくて申し訳無いんだけど、店が焼け落ちる前にみんなでなんとか退路を確保して欲しい。
あたいは、助っ人さんに連絡入れてみるからさ」

メンバーの何人かは返事をして、お前の隣を抜けて、スターバッカスへと入っていった。
店内のテーブルやカーテンには炎が踊っている。加えて、そうしている間にも何本もの火炎瓶が投げ込まれていた。
店内の様子に、叫んだのはエドだった。

「みんな、出来るだけ影、作って! 」

初めてエドの声を聞いたな、などと少々暢気なことも考えつつ、お前は言われたとおりに影を作る方法を考える。
エイプリルはスタンドを利用して、テーブルなどを一箇所に集めている。
お前は彼に習い、近辺の椅子などを移動させてみる。
エドが、そこにある影を踏む。
と、突然、テーブルなどが床に沈んだ。ぶくぶくと泡を立てながら。
しかし沈んだのはそれだけではなかった。影の上に立っていたエイプリルやニキル、クレアラシルも影の溜まりへと身を沈めていた。

「なんだよ、これ! 」

エイプリルが叫んだ。
床やテーブルなどの火は消えている。しかし、カーテンや一部の床などは未だに火を放っていた。
●ニキル

(とりあえず牽制は出来たと見ていいだろう。あいつらが引き金を引けばマカロニ野郎共はこんがり焼けたグラタンみたいになるはずだ)

しかし、それは当然この店を危険な状態に晒すことにもなる。つまり自分たちも危険だ。
先ほどチェリーに言われた仕事を無視した上、長々と撃ち合いをするには体力も保たない。
お前は撤退を結論付ける。
そして元来た部屋へと戻ると、すでに他のメンバーはいなかった。
お前はひっくり返されたテーブルについていた扉の中へと身を躍らせる。

チェリーの部屋へと帰ってきたお前を確認して、チェリーが皆に言う。

「背中に付けた扉が蜂の巣になってないってことは、カボチャくんは生存ってことで」

彼女はお前たちを見渡す。

「よし、スタバ側から抜けよう!
敵の本拠地で包囲網を破るよりは、空の店に火を放った奴を相手にする方がだんぜん手薄だと思う。
安全を保証できなくて申し訳無いんだけど、店が焼け落ちる前にみんなでなんとか退路を確保して欲しい。
あたいは、助っ人さんに連絡入れてみるからさ」

チェリーの言葉が一部理解出来なかったが、お前は頷き、今度こそスターバッカスへと通じる扉を抜けた。
息を飲む。そして、チェリーの言葉を理解した。
火が踊っている。
スターバッカスは燃えていた。
お前は舌打ちをする。エドが叫んだ。

「みんな、出来るだけ影、作って! 」

その真意はわからないが、彼女には何か打開案があるということだろうか。
お前はそれを見極めようかとも思うが、エイプリルを初めとしたメンバーたちが言われたとおりに行動しているのを見て、手を貸すことにした。
火を避けつつ、家具類を集めて影を作っていく。
それが大きくなったとき、エドがその影を踏んだ。
同時に床が沈む。いや、影が沈む。
そして影の上に立っていたお前もそれに巻き込まれた。
影はまるで水のようになり、エイプリルやクレアラシルと共にお前はその中でもがいていた。


●クレアラシル

「チェリー!スタバに火を付けられたわ!」

アンジェリカが扉の一つを開き、叫んだ。
また、別の扉からニキルが駆け込んできた。
チェリーはそこにいるメンバーを確認して、そして、言った。

「背中に付けた扉が蜂の巣になってないってことは、カボチャくんは生存ってことで」

彼女はお前たちを見渡す。

「よし、スタバ側から抜けよう!
敵の本拠地で包囲網を破るよりは、空の店に火を放った奴を相手にする方がだんぜん手薄だと思う。
安全を保証できなくて申し訳無いんだけど、店が焼け落ちる前にみんなでなんとか退路を確保して欲しい。
あたいは、助っ人さんに連絡入れてみるからさ」

メンバーの何人かは返事をすると、チェリーの示した扉から出て行った。
お前も加勢しに行こうとしたとき、アイに呼び止められた。

「ありがと・・・・・・」

言いながら、彼女は手を合わせて礼を言った。異国の挨拶だ。
お前は頷き、

「構わないよ。仲間だからね」

そう言い返した。
そして、背を向けるとスターバッカスへと繋がる扉へと走った。
扉の向こうでは、火が踊っていた。
スターバッカスは燃えていた。
お前は言葉を失う。と、エドが叫んだ。

「みんな、出来るだけ影、作って! 」

その真意はわからないが、彼女には何か打開案があるということだろうか。
お前は彼女を信じ、影を作る方法を考える。
エイプリルはスタンドを使って、家具を集めてその場の影を大きくしていく。
お前はそれに倣うことにした。
やがて、それが大きくなったとき、エドがその影を踏んだ。
同時に床が沈む。いや、影が沈む。
そして影の上に立っていたお前もそれに巻き込まれた。
影はまるで水のようになり、エイプリルやニキルと共にお前はその中でもがいていた。
●チェリー

『パラダイス・ボックス』内にいるメンバーを確認する。
エンジェ、ニキル、ベボ以外は全員揃っているようだ。

「チェリー!スタバに火を付けられたわ!」

アンジェリカが扉の一つを開き、叫んだ。
バー内に通じていた扉から、ニキルが入ってきた。
お前は、バーのテーブルの下につけていた扉を解除する。

「背中に付けた扉が蜂の巣になってないってことは、カボチャくんは生存ってことで」

首を刎ねられてたりとかだったら知らないけど。
とりあえずベボも無事であろう、と予想する。
お前はその場にいる全員へと言った。

「よし、スタバ側から抜けよう!
敵の本拠地で包囲網を破るよりは、空の店に火を放った奴を相手にする方がだんぜん手薄だと思う。
安全を保証できなくて申し訳無いんだけど、店が焼け落ちる前にみんなでなんとか退路を確保して欲しい。
あたいは、助っ人さんに連絡入れてみるからさ」

メンバーの何人かは返事をすると、スターバッカスへと繋がる扉を抜けていった。
お前は携帯を取り出すと、ノドカに教えてもらった番号の一つ目に繋ぐ。
コール音が一回、二回・・・・・・・・・。
相手は、なかなか出ない。


●ジャック

お前はチェリー達を追って扉の中へと入る。
そして、能力を解除した。
豪勢な部屋の床を転がるマフィンをちらりと見る。

(・・・豚野郎は本当に死んだのか? ・・・・・・まあ、どっちでもいいか)

お前がガムを一枚、食べようとしたそのときだった。

「チェリー!スタバに火を付けられたわ!」

アンジェリカが扉の一つを開き、叫んだ。
また、バーに繋がる扉からニキルが駆け込んできた。
チェリーはそこにいるメンバーを確認して、そして、言った。

「背中に付けた扉が蜂の巣になってないってことは、カボチャくんは生存ってことで」

彼女はお前たちを見渡す。

「よし、スタバ側から抜けよう!
敵の本拠地で包囲網を破るよりは、空の店に火を放った奴を相手にする方がだんぜん手薄だと思う。
安全を保証できなくて申し訳無いんだけど、店が焼け落ちる前にみんなでなんとか退路を確保して欲しい。
あたいは、助っ人さんに連絡入れてみるからさ」

メンバーの何人かは返事をすると、チェリーの示した扉から出て行った。

「さてと・・・どうしたもんかね」

お前はとりあえずベッドに腰掛ける。

(豚野郎がやられ、大量の敵が現れた。そしてゼッピンは姿を晦ました。そもそも協定なんて結ばれることが無かったってことか。…豚野郎は本当に手を組めると思ってたのか?…とんだ馬鹿の下についたもんだぜ…頭の中まで豚野郎だったか)

お前はマフィンの身体に近づき、首筋に手を当てる。
まだ温かいものの、その底には不気味なほどの冷たさが忍び寄っている。
どうやら死んでいるようだ。
お前は彼の値の張りそうなジャケットを漁る。

「・・・・・・・・・・・・」

財布に携帯電話。そして、銃のホルダー。
サイズはピストル程度だが、変わったタイプの銃だった。片手で持つには少々重い。

「・・・形見にもらっときます」

最早、口も利けるはずのない死体に向かってお前はそう言った。
●エイプリル

お前はマフィンの身体をチェリーの部屋内まで引きずり込んだ。
部屋の中には、メンバーの殆どが揃っているようだ。

「チェリー!スタバに火を付けられたわ!」

アンジェリカだった。彼女は扉の一つを開き、顔を出している。
また、お前たちが抜けてきたものと同じ扉からニキルが駆け込んできた。
チェリーはそこにいるメンバーを確認して、そして、言った。

「背中に付けた扉が蜂の巣になってないってことは、カボチャくんは生存ってことで」

彼女はお前たちを見渡す。

「よし、スタバ側から抜けよう!
敵の本拠地で包囲網を破るよりは、空の店に火を放った奴を相手にする方がだんぜん手薄だと思う。
安全を保証できなくて申し訳無いんだけど、店が焼け落ちる前にみんなでなんとか退路を確保して欲しい。
あたいは、助っ人さんに連絡入れてみるからさ」

お前は返事をすると、スターバッカスへと通じる扉から出る。
扉の向こうでは、火が踊っていた。
スターバッカスは燃えていた。
お前は言葉を失う。と、エドが叫んだ。

「みんな、出来るだけ影、作って! 」

理由はわからないが、エドにはこの炎を何とかすることが出来るのかもしれない。
お前はそう思い、言われるままに影を作ることにした。
『バウンス』のパワーで店のテーブルを移動させ、大きな影を作るのだ。
メンバーの協力で影を広げることが出来た頃、エドがそれを足で踏み付ける。
と、突然、テーブルなどが床に沈んだ。ぶくぶくと泡を立てながら。
しかし沈んだのはそれだけではなかった。影の上に立っていたニキル、クレアラシル、そしてお前も、影の溜まりへと身を沈めることとなった

「なんだよ、これ! 」

お前は思わず叫ぶ。
影はまるで水のような性質を持ち、お前たちはその中でもがいている。


●エド

「チェリー!スタバに火を付けられたわ!」

アンジェリカが扉の一つを開き、叫んだ。
また、別の扉からニキルが駆け込んできた。
チェリーはそこにいるメンバーを確認して、そして、言った。

「背中に付けた扉が蜂の巣になってないってことは、カボチャくんは生存ってことで」

彼女はお前たちを見渡す。

「よし、スタバ側から抜けよう!
敵の本拠地で包囲網を破るよりは、空の店に火を放った奴を相手にする方がだんぜん手薄だと思う。
安全を保証できなくて申し訳無いんだけど、店が焼け落ちる前にみんなでなんとか退路を確保して欲しい。
あたいは、助っ人さんに連絡入れてみるからさ」

メンバーの何人かは返事をすると、チェリーの示した扉から出て行った。
お前もその中の一人だ。
扉を抜けると、そこでは火の手が上がっている。

(十中八九、やったのはロテリアのクソ野郎ども。――ここはノドカの店だ。全焼は避けたい)

お前はそう考える。

「みんな、出来るだけ影、作って! 」

お前のスタンドは影に水の性質を持たせることが出来る。
火は水で消える。常識中の常識だ。
お前の言葉に反応して、メンバーはテーブルなどの家財を移動させ、影を広げ始めた。
その間にも、窓からは何本かの火炎瓶が投げられてきた。
お前は焦りながらも、とりあえず影が大きくなったことを確認して、それを踏んだ。
火のついたテーブルや床が影に沈む。音を立てて、それらの火は消えた。

「なんだよ、これ! 」

叫んだのはエイプリルだった。
影の中に沈んだのはテーブルなどだけではなく、エイプリル、ニキル、クレアラシルも同様であった。
また、未だカーテンや他の床には火が踊っている。


●ベボ

「やっべぇな…」

裏口の向こうから聞こえる悲鳴や物音にお前は冷や汗をかく。

何はともあれ、現状の把握が最優先。
しかし、既に戦闘は開始されている。
正面玄関に戻るのはよしたほうがいい。
確実に敵がいる上に、建物横の狭い通路では銃器相手に逃げ場がない。
かと言って、裏口から屋内に入る訳にもいかない。
更に言えば、敵はいますぐにでも裏口から出てくるかも知れない。
この場に長居するのも危険だ。
残るルートは裏口の更に奥。
まだ人の気配は感じないが、しかしながら、どこに抜けるかわからないし、敵が張っている可能性は低くない。

「………」

お前は携帯へと視線を落とす。
救援要請をするならば早いに越したことはない。
誰に繋がるかは分からないが到着までには時間がかかるし、敵と鉢合ってしまえば電話さえかけれない状況になるかも知れないのだ。

「かけるなら…いましかねぇ…!」

お前は『ピンチ1』の番号にコールした。
一回、二回・・・・・・。コール音が流れ続ける。
相手はなかなか出なかった。
●チェリー

お前は電話を切る。
緊急事態だ。繋がらない電話を待つ時間が惜しかった。
お前は、スターバッカスへと繋がる『扉』を抜ける。

「うわ、なんだこれ」

店は未だに燃えていた。
しかし異様なのは、床であるはずの場所で、数名が溺れていることだった。
お前は状況を判断する。混乱を振り払い、危機感に乏しいメンバーの様子からそれが敵の攻撃ではない、と推理した。

「エドの能力でこうなっちゃったみたい。・・・チェリー、悪いけど、私は疲れたから休ませてもらうわ」

そう言い残し、アンジェリカはお前の出てきた『扉』から『部屋』へと引っ込む。
お前は気を取り直して声を張った。

「なに遊んでんのさ、手分けして手際よく動くよ」

まず、ニキルの背中に扉をつける。

「アイとニキルは裏に行って車があるか確認。使えたらそのままそれでアジトに行って状況を見てきて。エイプリル、ロン毛は周辺に火を放った奴がいないか捜索。できれば拉致。エドは引き続き消火作業、残りはその手伝い。安全の確保ができたらカボチャのおっさんを迎えに行って、状況確認と上への報告をする。よろしく」

クレアラシルがスタンドを使い、エイプリルとニキル、そして自身を液状化(?)した床から引き上げる。
エドは消火活動にあたっている。
アイはお前の命令を受け、ニキルの動きを待っているようだ。
ジャックは、スターバッカスに来ていなかった。


●アイ

お前は動いたチェリーに続き、スターバッカスへと繋がる扉から向こうの様子を窺う。

「うわ、なんだこれ」

隣でチェリーが声を上げた。
店内には火が踊っている。
しかしお前の目を引いたのはその炎よりも、何故か床であるはずの場所で溺れているメンバーたちだった。
水泳には多少の覚えがあるお前は、彼らを助けようと考える。

「エドの能力でこうなっちゃったみたい。・・・チェリー、悪いけど、私は疲れたから休ませてもらうわ」

そう言うと、アンジェリカはお前の隣を抜けて、部屋の中へと引っ込んだ。
チェリーが声を張る。

「なに遊んでんのさ、手分けして手際よく動くよ」

彼女の迫力に、お前は一度自分の行動をストップしてしまった。

「アイとニキルは裏に行って車があるか確認。使えたらそのままそれでアジトに行って状況を見てきて。エイプリル、ロン毛は周辺に火を放った奴がいないか捜索。できれば拉致。エドは引き続き消火作業、残りはその手伝い。安全の確保ができたらカボチャのおっさんを迎えに行って、状況確認と上への報告をする。よろしく」

つらつらと指示を出すチェリー。
その間に、クレアラシルが先ほども見たあのスタンドを使い、エイプリルとニキル、そして自身を床から文字通り、掬い出す。
どうやら溺れている仲間は心配がなさそうだ。
またも仲間を救い出した彼の行動に、お前は彼の言葉を思い出す。その笑顔とともに。
構わないよ、仲間だからね。

仲間。
殺伐としたマフィア生活で、犯罪組織の中で、仲間意識なんて抱きようもないと思っていたけど――今でも犯罪行為には抵抗感が強いけれど――彼の言葉には悪く無い、心地好い響きがあったように感じた。

(犯罪組織なんか、嫌……っていう気持ちは、まだ根強く残ってるけどね……)

どうやらお前は、自分が「人を轢く」という傷害行為をしたことなど、すっぱり忘れているようだ。
さて、チェリーの指示通り動くのであれば、まずは店から出なければならない。
ニキルは平常である床の上で一息ついているようだ。
●エイプリル

人並み程度には泳げるお前は、なんとか床(今、溺れている場所も床なのだが)へと上がろうとする。
と、扉からチェリーが入ってきた。
彼女は目を丸くする。

「うわ、なんだこれ」

災難を免れたアンジェリカがチェリーへと近寄る。

「エドの能力でこうなっちゃったみたい。・・・チェリー、悪いけど、私は疲れたから休ませてもらうわ」

そう言い残し、アンジェリカは部屋の中へと引っ込んでしまった。
チェリーは気を取り直した様子で、声を張る。

「なに遊んでんのさ、手分けして手際よく動くよ。――アイとニキルは裏に行って車があるか確認。使えたらそのままそれでアジトに行って状況を見てきて。エイプリル、ロン毛は周辺に火を放った奴がいないか捜索。できれば拉致。エドは引き続き消火作業、残りはその手伝い。安全の確保ができたらカボチャのおっさんを迎えに行って、状況確認と上への報告をする。よろしく」

彼女が言い終わると同時に、お前の身体が引っ張られた。
クレアラシルがスタンドを使い、お前とニキル、そして自身を引き上げるところだった。
彼のスタンドは無事に三人ともを平常な床へと降ろす。

「ありがとう、クレアラシル」

救出してくれてたことと、ひいては無駄にスタンドパワーを使わずに済んだことにお前は礼を述べた。
さて、チェリーの指示を受けるのであれば、共に行動するのはジャックだ。しかし、彼の姿はスターバッカス内にはない。
今もチェリーの部屋にいるのだろうか。


●アンジェリカ

未だ炎が踊る店内、そして床であるはずの場所で溺れているメンバーたち。
お前は非常に疲労を感じている。
と、扉の中からチェリーが出てきた。

「うわ、なんだこれ」

彼女は驚きの声を上げる。
お前は彼女へと近づいた。

「エドの能力でこうなっちゃったみたい。・・・チェリー、悪いけど、私は疲れたから休ませてもらうわ」

そう言うと、お前はチェリーの傍を抜け(ついでにアイの隣を抜け)、部屋へと戻る。
ベッドにはジャックが腰掛けている。お前はソファへと腰掛けると、目を瞑る。そしてしばし休息した。


●クレアラシル

お前に水泳のスキルはない。
とりあえずその辺りに浮いている家具へと掴まった。
扉からチェリーが入ってくる。彼女は、目を丸くした。

「うわ、なんだこれ」

災難を免れたアンジェリカがチェリーへと近寄った。

「エドの能力でこうなっちゃったみたい。・・・チェリー、悪いけど、私は疲れたから休ませてもらうわ」

そう言い残し、アンジェリカは部屋の中へと引っ込んでしまった。
チェリーは気を取り直した様子で、声を張る。

「なに遊んでんのさ、手分けして手際よく動くよ。――アイとニキルは裏に行って車があるか確認。使えたらそのままそれでアジトに行って状況を見てきて。エイプリル、ロン毛は周辺に火を放った奴がいないか捜索。できれば拉致。エドは引き続き消火作業、残りはその手伝い。安全の確保ができたらカボチャのおっさんを迎えに行って、状況確認と上への報告をする。よろしく」

お前は思いつき、スタンド、『パルシステム』を発現する。
パワーのあるスタンドだ。
それで、溺れている全員の身体を持ち上げ、平常の床へと運ぶ。
流石に男三人(エイプリルは子供だが)を運ぶのは力が必要だったが、何とか全員を這い上がらせることに成功した。

「ありがとう、クレアラシル」

エイプリルに礼を言われ、お前は首を振って返した。
●ニキル

泳げないのに、よりによってこれだった。

(正直ガンジス川沐浴はふざけた行為と思っているが・・・それは、さておき)

この影から出なければ仲間に殺されるようなものである。
お前は沈みかかった家具にとりあず身を預けた。もしこの影が水と同じ性質であれば、木製のものは浮くはずだ、とお前は推理した。

「うわ、なんだこれ」

チェリーが驚きの声を上げた。
店の様子を確かめに来たようだ。
エド以外で、一人災難を免れたアンジェリカがチェリーへと近寄る。

「エドの能力でこうなっちゃったみたい。・・・チェリー、悪いけど、私は疲れたから休ませてもらうわ」

そう言い残し、アンジェリカは部屋の中へと引っ込んでしまった。
チェリーは気を取り直した様子で、声を張った。

「なに遊んでんのさ、手分けして手際よく動くよ」

お前は思わず声を上げた。
掴まっていた家具が沈んだのだ。同時に背中に重量を感じるようになった。
それが原因である。

「アイとニキルは裏に行って車があるか確認。使えたらそのままそれでアジトに行って状況を見てきて。エイプリル、ロン毛は周辺に火を放った奴がいないか捜索。できれば拉致。エドは引き続き消火作業、残りはその手伝い。安全の確保ができたらカボチャのおっさんを迎えに行って、状況確認と上への報告をする。よろしく」

それよりも早く、ここから脱出しなければならない。
お前が方法へと思考を巡らせた瞬間、身体が持ち上げられた。
牛の頭を持ったスタンド。どうやらクレアラシルのものであるらしい。それが逞しい腕でお前とエイプリル、そして彼自身を平常である床(つまり、影になっていない部分である)へと引き上げた。
お前は助かったことに安堵する。
いい加減、一息つきたいところである。


●エド

(とりあえず溺れてる奴らはほっておこう)

お前は影を使って、消火を続ける。
と、扉からチェリーが現れた。後ろにはアイもいる。

「うわ、なんだこれ」

驚きの声が上がった。
確かに異様な光景ではあるが、説明している暇はない。
何気に一人災難を免れたアンジェリカがチェリーへと近寄る。

「エドの能力でこうなっちゃったみたい。・・・チェリー、悪いけど、私は疲れたから休ませてもらうわ」

そう言い残し、アンジェリカは部屋の中へと引っ込んでしまった。
チェリーは気を取り直した様子で、声を張った。

「なに遊んでんのさ、手分けして手際よく動くよ。――アイとニキルは裏に行って車があるか確認。使えたらそのままそれでアジトに行って状況を見てきて。エイプリル、ロン毛は周辺に火を放った奴がいないか捜索。できれば拉致。エドは引き続き消火作業、残りはその手伝い。安全の確保ができたらカボチャのおっさんを迎えに行って、状況確認と上への報告をする。よろしく」

言われなくても、と思いつつ消火を続ける。
目の前がくらくらするが、今はとにかく火を消さなければならない。
また窓を破り、火炎瓶が投げ込まれた。
●ジャック

ベッドに腰掛けたまま、一息つく。
部屋の中にある扉をお前は見回した。

(スターバッカスが火事だって言ってたな…あいつらが出ていったあの扉がそうか…。で、アディの背中の扉があれだろ…。てことかは残ったアレがベボか…)

チューイングガムを噛みながら更に考える。

(スターバッカスには誰かしら敵がいることは間違いない。で、ベボの方も危なそうだな……)

大きく伸びをして、お前は息を吐いた。

(とりあえず様子見かな)

そう一人ごち、とりあえずせしめたマフィンの財布の中身を確認してみた。
$100が二枚。
現金はそれだけだった。
しかしクレジットカードが三枚に、ATMカードが二枚ある。それが現金が少ない理由だろう。

「ん・・・」

ついでに、何か白い粉の入った袋も出てきた。


●ベボ

物陰に潜み、周囲を伺いながらコールし続ける。
ふと、表通りのほうで凄まじい音が響き渡った。重たいもの同士がぶつかり合う音、その反響音。交通事故のような音だ。
祈るような気持ちで受話器を耳に当てる。
相手はまだ出ない。
ぷつ、と音がした。

「・・・・・・・・」
『はい、こちらエンジェル廃車場。本日はクリスマス休日ということで閉店しております。またのお電話を――』

一瞬、かけ間違えたかと、お前は困惑する。
受話器の向こうでは投げやりに近い、やる気のない男の声が電話を切ろうとしている。
●エイプリル

「どうやら敵さん、嫌がらせだけして撤退どころかキッチリ店を焼いていくつもりらしいね。どの道、外に出なくちゃ駄目か」

チェリーが呟くように言うのが聞こえた。
思ったよりも疲労が強くなってきた。スタンドはあと一回使えるかどうかといったところだろう。
休憩している間はない。お前はアンジェリカから貰ったキャンディを取り出して口に放り込んだ。
キャンディの甘み。それとは別に香る、さわやかな匂い。
よし。
窓の外から火炎瓶を投げ込んでる奴がいる。そいつをなんとかしなければ、火は強くなるばかりだろう。

「アディ、エイプリル、クレアラシル、フォローお願い」

チェリーはそう言うと、お前たちのほうを見ることもなく正面から飛び出していった。
お前はそれに続いた。
アルゴンキンは空と時間の為に薄暗かったが、敵はすぐにわかった。
店のまん前に停められた車。その前に立つ男たちが今まさに、火炎瓶を投げ込んでいる。
まずはチェリーを守ることを最優先に。そして、奴らを何とかしなければ。
と。
唐突に、男たちの全身前面に何かが貼り付けられた。
扉である。
チェリーの能力。お前は理解する。
男たちは視界、動きも奪われているようだ。


●チェリー

「どうやら敵さん、嫌がらせだけして撤退どころかキッチリ店を焼いていくつもりらしいね。どの道外に出なくちゃ駄目か」

お前は呟く。
人目に付くストリートというリスクを抱えて、こんな本部でもない空の集合場所を大挙して襲撃するとは考えにくい。
事態が事態だけに何が起きるか判らないが、火炎瓶を投擲してくる間隔の緩慢なことから、敵は一人から数名。
お前はそう判断した。
判断の次は。
行動である。

「アディ、エイプリル、クレアラシル、フォローお願い」

突然の発砲にも誰かが対応してくれると信じて、堂々と店の正面出口から外に飛び出す。
周囲をぐるりと確認。敵を捕捉する。
アルゴンキンは空と時間の為に薄暗かったが、敵はすぐにわかった。
店のまん前に停められた車。その前に立つ男たちが今まさに、火炎瓶を投げ込んでいる。
お前は狼のような俊敏さで男たちへと距離を詰め、その三人の一人一人の前面に高さ2メートル程度の扉を一斉に出現させた。
身体の前面に扉を付けられた者は首、腰、膝が固定され曲がらず、顔面が張り付いているので視界は失われ呼吸も不能になる。
お前の狙いは見事、成功した。


●ジャック

突然、部屋に扉が現れた。
お前は驚いて片眉を上げる。

(・・・・・・ああ、チェリーがまた扉を作ったのか)

なんとも忙しない。そういう状況なのだが。
お前は思考する。

(とりあえずスターバッカスから出るのが一番安全か・・・)

大きく息を吸い込む。

(さて、一気に行くか)

お前は息を止めたまま、スターバッカスへと繋がる扉を飛びぬけた。
室内は燃えている――が、お前はそれを気に留めず、一気に店の出口へと向かう。
出口は開いていた。抜ける。そこにはメンバーたちがいた。
まん前の道路。停められた軽自動車。そこに三人の珍妙な格好の者たちが立っていた。

(・・・・扉 ? )

扉から手足が生えたような姿だった。
三人。


●アンジェリカ

お前はソファに身を埋めたまま、携帯のアラームを三分後に設定した。
PM 8:11.
あと四時間もしないうちに、クリスマスだ。
そんなことをぼんやりと思い、お前は眠った。


●ベボ

「マクドファミリーのノドカさん」

お前は電話の向こうへと、そう告げた。
相手が誰かは分からないが、ノドカの紹介である以上、マクドファミリーかノドカ、どちらかの縁者であるはずだ。

「…に、緊急時にはここにかけろと言われている。助けて欲しい」

お前は相手の反応を窺った。

「・・・そちらさんは? 」

相変わらずやる気を感じない声色だったが、それでも少し慎重に相手は尋ねる。
お前は逡巡する。思考する時間が惜しい。
お前は正直に自分の身分を明かす。

「マクド・ファミリーの者だ。とにかく緊急事態なんだ。助けが欲しい」
「・・・わかった。とりあえずあんたが今、置かれている状況を説明してくれ。手早く。クリスマスが来ちまう前にな」
●ニキル

「どうやら敵さん、嫌がらせだけして撤退どころかキッチリ店を焼いていくつもりらしいね。どの道、外に出なくちゃ駄目か」

チェリーの呟きが耳に入る。
溺死は免れたものの、いい加減、体力がもたない。
お前は煙草に火を点けると、それを咥える。
隣でアイが言った。

「車は裏手にあるよ。着いて来て」

そう言うと彼女は店を出た。
一足早く店を出ていたチェリーたちが通りの向かい側を見ている。
大体、誰がそこにいるかはわかっている。
お前とアイは一目散に裏手へと通じる路地へと入った。
少し走ると、先を行くアイがスピードを緩めた。手にはハンドガン。
裏手にも敵がいる可能性はある。警戒しているのだ。
路地の曲がりで、彼女はハンドガンを握り、様子を窺う。
そして、お前に向かって頷きかけた。
白い軽トラをせせこましい駐車場に停められていた。
周囲に人影はない。
お前たちは急いで車に乗り込む。アイがキーを回し、エンジンをふかした。

「行くよ」

お前は助手席のシートに身を預ける。

(・・・運転は任せて、少し眠ろう)

目を閉じた。


●アイ

「どうやら敵さん、嫌がらせだけして撤退どころかキッチリ店を焼いていくつもりらしいね。どの道、外に出なくちゃ駄目か」

チェリーの呟きが耳に入る。
お前は車を取りに行くことを考える。
まずはキーだ。どこにあっただろう。
記憶を辿る。
状況が状況であるが、お前は思い出すことに成功した。
キーはバッグの中にある。
ニキルを見る。
煙草を咥えるその顔には疲労が見て取れたが、行動に支障はなさそうだ。

「車は裏手にあるよ。着いて来て」

そう声を掛け、お前は店の玄関へと進んだ。
扉を開ける。
一足先に店を出ていたチェリーたちの横を抜け、店の裏手へと向かう。
何処に敵が潜んでいるかわからない。警戒し、ハンドガンを手にかけながら慎重に路地を進んでいく。
曲がり角。
お前は壁に身を隠しつつ、そっと顔を覗かせる。
駐車場には誰もいない。白い軽トラだけが生き残りの兵士のようにひっそりと佇んでいた。
お前はニキルに合図を出すと、車へと駆け寄り運転席に乗り込んだ。
キーを捻る。エンジンがかかる。
目指すはアジトである。道中に敵がいるのであれば、一人や二人跳ね飛ばしたいところだ。
そんなことを考えながら、お前は車を出した。


●エド

「どうやら敵さん、嫌がらせだけして撤退どころかキッチリ店を焼いていくつもりらしいね。どの道外に出なくちゃ駄目か」

チェリーが呟くように言うのが聞こえた。

(もうスタンドを出していられない・・・)

お前は自身のエネルギーの限界を感じている。
悔しいが、まずは敵を殲滅した方が良さそうだ。

「アディ、エイプリル、クレアラシル、フォローお願い」

チェリーが外へと飛び出した。
お前も構わず、玄関から外へと出る。
アルゴンキンは空と時間の為に薄暗かったが、敵はすぐにわかった。
店のまん前に停められた車。その前に立つ男たち三人が今まさに、火炎瓶を投げ込んでいる。
ぎり、とお前は歯軋りする。怒りで脳は煮だっていた。お前は攻撃の準備をする。
と。
唐突に、男たちの全身前面に何かが貼り付けられた。
扉である。


●クレアラシル

「どうやら敵さん、嫌がらせだけして撤退どころかキッチリ店を焼いていくつもりらしいね。どの道、外に出なくちゃ駄目か」

チェリーの言葉を聞く。聞きながら、水分補給をした。

「アディ、エイプリル、クレアラシル、フォローお願い」

彼女はそう言うと、店の正面から飛び出していった。
お前は慌ててその後に続こうとし、はたと気づいて、飲み余ったペットボトルの水を燃える室内にばら撒いた。
その後で、店を飛び出す。
アルゴンキンは空と時間の為に薄暗かったが、敵はすぐにわかった。
店のまん前に停められた車。その前に立つ男たち三人が今まさに、火炎瓶を投げ込んでいる。
お前は銃による攻撃を警戒し、いつでもスタンドで攻撃を弾けるように構えた。
と。
唐突に、男たちの全身前面に何かが貼り付けられた。
扉である。

●ニキル

眠い。
お前は殆ど昏睡に近い意識のなかで思う。

(ここまで眠いのは博士論文を書き上げた日以来か)

……あの研究成果は今どうなっただろうか。
一介のマフィアとなってしまった今、それを知る術はない。いや、寧ろマフィアになったからこそ『現場』を知ることが出来るかも知れない。
目を閉じた暗闇と車の振動に揺られながら、お前はしばしの休憩をとった。


●アイ

ひたすらに目的地に向かって運転をする。
敵であろう男たちを跳ね飛ばそうとも考えたが、誰かの能力ですでに行動不能になっているようだ。無視することにした。
やってることも思考も、もはやギャングそのもので、通常ならば自分自身にため息をつくところだが、そこはタイ人のシングルタスクな脳の構造。
そんなことはこれっぽっちも思わず、敵がいれば排除。
メンバーの安全確保。
という思考全開であった。
見慣れたアジトへの行路。角を曲がればアジトへと一直線である。
角を越えたお前は目を見開く。
通りの一角。そこから火の手があがっていた。


●アンジェリカ

意識の最果てから音がする。
耳障りな音だ。
最果ての音は突然に現実味を帯びた。携帯のアラームだ。
お前は飛び起きる。柔らかいソファの上。
どうも長い間、寝ていた気がする。
携帯の時計を見ると三分しか経過していない。当然だ。アラームを三分で設定したのだから。
そのことを呑み込むと、ようやく思考が通常運転を始めた。
お前は周囲を見回す。幾枚ものドア。
残っているドアは何枚あるだろうか。

(どれが正解かしら)

わかっているのはスターバッカスへと繋がっていたドアだけだ。それは開けない。
ソファへと別れを告げ、お前はドアの一枚へと近づく。
警戒しつつ、そのノブを捻った。
外の景色は揺れている。誰かの背中についているドアだ。
見覚えのある景色はどうやら、スターバッカスの前の通りのようだった。


●エイプリル

お前は扉をつけられた男たちの方へと奔る。
内の一人へと狙いをつけ『バウンス』を突撃させた。
狙うは首。
『バウンス』は首をその顎で捻り、通過する。
男の頭部は千切れ飛び、辺りへは真っ赤な鮮血が降り注いだ。
お前は周囲を見る。
周囲にはお前たちしかいない
車へは、先にジャックが乗り込み車内を漁っていた。
追いついてきたエドとチェリーが残った二人へと攻撃をする。
お前は次の行動を決め、車内へと乗り込んだ。
●エド

扉のつけられた人間たち。
奴らが敵のピーナッツ野郎どもだ。

「周囲に怪しい人影が無いか警戒して、あと情報収集の為に身包み剥いで車も漁ってくれるかな?」

チェリーの言葉にお前は周囲を見る。
アルゴンキン・メインストリートにはお前たちしかいない。
お前は男たちを始末することにした。
先に接敵したエイプリルがスタンドで男の一人を殺した。首を吹き飛ばす。文句なしの即死だ。
血の雨が降る中、お前も接近するととりあえず男の一人の足の腱をナイフで切る。男は崩れ落ちる。
身包みでも漁るか、と思っていると横からチェリーが、その男の首目掛けてマチェットを振り下ろした。
チェリーは男につけていた扉を消した。
お前は肩をすくめる。

「この男たちはロテリアの人間かな?」

息絶えた男たちを見下ろしながら、チェリーは呟いた。


●チェリー

「周囲に怪しい人影が無いか警戒して、あと情報収集の為に身包み剥いで車も漁ってくれるかな?」

指示を出す前に、すでにエイプリルは男たちへと走っていた。
スタンドを使って、内の一人を攻撃していた。
首を吹き飛ばして。確認せずとも、即死だろう。
お前はエドとともに男たちへと近づく。
マチェットを使ってまず一人、息の根を止める。もう一人はエドの足元に崩れ落ちている。死んでいるわけではない。腱を切断したのだ。
お前は近寄り、倒れた男の首へとマチェットを振り下ろす。ぶつん、という手応え。刃に重量のあるマチェットを使えば非力なお前であっても充分な致死ダメージを与えられる。
お前は拘束に使っている『扉』を消す。
死んだ男たちを見下ろしながら、思案する。
それまでは確かに協定を結ぶ素振りだったロテリアが、突然手のひらを返したように裏切った。
きっかけは途中でかかってきたあの電話に違いないだろう。
協定を結ぶ意図はロテリアの勢力拡大にあったはずだ。
それを反故にするとしたら、それはマクドよりも大口の協定先を取り付けられたからではないだろうか。
コミッションというのが何を指すのかは不明だが、この町のナンバー2であるロテリアの方針を左右できるということは事実だ。
自分達を潰すことをリバトーの意図とまで言う以上、最悪、ロテリアとモスが手を組んだという可能性もある。
ナンバー1とナンバー2が手を組んでそれ以外の組織を一掃するつもりだとしたら、それはリバトーの意図と言うに足るように思えた。
そして。
お前はもう一つの可能性にも思い当たったが、それには根拠がなくまだ妄想の域を出なかった。

「この男たちはロテリアの人間かな?」

人種を確認すればロテリアと手を組んだ組織がどこか判るかもしれない。
品のないアロハシャツを着た男たち。
アジア人だった。
●ジャック

「周囲に怪しい人影が無いか警戒して、あと情報収集の為に身包み剥いで車も漁ってくれるかな?」

チェリーが指示する。
お前は扉男たちに近づく。
彼らは手をばたつかせ、もがいてはいるが当面、まともなアクションはとれなさそうである。
無視することにした。
それよりも敵の軽自動車だ。
お前は警戒しつつ近づく。どうやら中には誰も乗っていないようである。
ドアを開ける。まず運転席。キーは刺さったままだ。
次にダッシュボードや座席を探る。
が、特にめぼしいものは見つからなかった。


●クレアラシル

「周囲に怪しい人影が無いか警戒して、あと情報収集の為に身包み剥いで車も漁ってくれるかな?」

お前は記者時代の財産を活かし、敵の素性を探ることにした。
と、お前たちに先駆けて、エイプリルが男たちの下へと奔った。
瞬間、血が飛び散る。彼のスタンドが内の一人の首を引きちぎった。
お前は思わず一歩引いたが、その間にチェリーとエドが残りの二人へと接近し、攻撃を仕掛けた。
再び、思わずして、お前は肩をすくめた。
もう敵は逃げも、反撃もない。
お前はゆっくり歩いてその死骸へと近づく。ちょうどチェリーが男たちにつけられた扉を解除した。
男たちはアジア人のようだ。
だとすれば。お前は首を捻る。
ロテリアということはない。彼らはイタリア系のみで構成されたギャングだ。ましてやイエロー。ありえない。

「この男たちはロテリアの人間かな?」

チェリーが呟く。
お前は内心で首を振る。
違う。この男たちは――ギャングであるならば、ということを前提にしてだが――ドム・ファミリーだ。


●ベボ

お前は自分の知りうる限りの情報を、電話の向こうの男へと口にする。

「…正直、よくわからない。
俺はマフィン・エッガーさんの護衛としてロテリアのアジトへ同行したんだが、単独で見回りをしていたら突然銃撃戦が始まった。
いまは、アジトの裏口の近くに身を潜めているんだが、動くに動けず、マフィンさんや仲間とも連絡が取れていない。
皆が無事にせよ、そうでないにせよ、俺一人じゃ…」

お前は返事を待つ。
返ってきたのは沈黙だった。
お前は更に返事を待つ。
しかし、何の言葉も返ってこない。
と、唐突に、男は喋りだした。

「すまん、まだ繋がっているか? 」

どうやら黙っていたわけでなく、席を外していたようだ。

「ああ」
「裏が取れた。やばいことになってるぜ、おたく。いや、おたくら、なのか。
本当にマジで俺は関わりたくないんだが、ノドカさんの名前を出されちまったからな。――とりあえず、おたくらは避難しなきゃならん。22:00だ。二時間後。ストーン・ハーバーの第一埠頭まで来い。それ以上早くも行けないし、一分たりとも遅れるな。
とにかく俺はおたくらが生き延びれるように最善を尽くす。じゃあ、その時間に、その場所でな」

男は一方的にそれらを伝えると、電話を切った。
これでお前が生き延びるルートは確保できた。他のメンバーにそれを伝え、共に逃げるかどうかはお前次第である。

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