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橋本平八コミュの幼児表情

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この構造的な強さは、エジプトの彫刻を想起させます。
横からのシルエットや手の表現などからもそうであろうと思われます。
しかし、単なる模倣で終わっていない。エジプトの強烈なスタイル(様式)に飲み込まれることなく、要素のみを抽出して自分の作品に生かすことに挑戦し、高い領域で成功させています。
題名で謳っているとおり、この作品の一義的な主題は頭部に見られます。下唇を突きだしふてくされているようでもあるが、遠くをただ放心して見つめているようでもある。確かに幼児はこんな表情を見せます。橋本の作品は、このような曖昧な表情が多いように思います。また、その描写が見事なので、鑑賞者はそこに複雑な心理模様を見いだして、結果作品が生きてくるのではないでしょうか。
体に目を下ろすと、心理描写から一転、構造的造形が目に訴えてきます。直線的なシルエット、横から見ると、薄い胸、突き出た腹でやわらかな曲線を描いています。
胴に巻いた布を左手で胸で押さえています。たるんだ布のひだはレリーフで表現しています。そのことで、全体のフォルムを崩さず、かつ腹部での注視点となり、右手側の直線的なたるみへ視点を誘導する働きにもなっているように見えます。
そうして、目を足下まで下ろすと、厚くてかっちりとした台座に乗っていることに気づきます。この角座と、頂点が平らな頭部は対応関係にあるでしょう。
こうして、この作品のもう一つの主題であろう、構造美が形作られています。

構造と心理描写。すばらしい彫刻作品には、この2つが必須であると思いますが、これが感じられます。

日本の近代彫刻の素材的流れによって、前時代的に見られがちな木彫ですが、30秒眺めてみればその作品から発せられる芸術的な生命が全く衰えていないどころが、昨今の軽々しい芸術群を静かに睥睨しているようにさえ、私には見えます。

コメント(3)

この作品の「頂点が平らな頭部」。
もともと、そのサイズの木を使っての制作だったんでしょうか?
それとも、こういう形にカットしたのかな?

「そのサイズの木を使っての制作」の場合、そのデザインは始めから決まっていたということになりますが、「こういう形にカット」ならば、最終面でカットしたということも考えられます。

どちらなのでしょう?

作品を上から見下ろして見てみたのですが、それだけじゃわかりませんでした〜〜
レリーフ表現がありながらレリーフでなく
かつっとした立体感がありますよね(立方体的な量だから当たり前か)。

戸谷茂雄氏のアトリエに行った時に
氏が愛知県芸の学生時代に制作した幼児表情をモチーフのようなものにした彫刻がありました。
当時買い上げだとかで長年大学に保管してあったそうですが近年買い戻したそうです。
いい彫刻だろうと本人はおっしゃっていました。
小谷元彦も橋本平八からの影響あっての作品もありますが戸谷茂雄も結構影響を受けているようですね。

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